【#380】100歳まで続けられる働き方を。シニア特化型人材サービスが提案する新たなキャリア支援|代表取締役 市原 大和(株式会社BEYOND AGE)

株式会社BEYOND AGE 代表取締役 市原 大和
株式会社BEYOND AGEは、シニア人材の可能性を最大限に引き出す人材サービス企業です。「定年後が人生の始まり」と位置づけ、シニアと企業の双方をパートナーとして尊重するアプローチで事業を展開しています。豊富な経験と知識を持つシニア人材の転職支援から、フリーランスとしての独立支援まで、多様なキャリア形成をサポートしています。代表取締役の市原 大和氏に、事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。
シニア世代の新たなキャリア形成をサポート
事業の内容をお聞かせください
我々はシニア世代をターゲットにした人材事業を行っています。シニアの年齢については色々な考え方がありますが、私たちがメインターゲットとしているのは一般的に「定年退職を迎えて一線を退いた人たち」といった印象が強い60歳以上の方です。しかし私たちは60歳で終わりではなく、「60歳からこそが始まり」だと考えています。
弊社に相談に来る方の業種や業界は多岐にわたり、最近では60歳になる前の50代後半の方が、定年退職後を見据えて相談に訪れるケースも増えています。特に多いのは、大企業や中堅企業出身で、一生懸命仕事を頑張って部長や役員などの役職を担った方々です。
今の60代は若く、もっと働きたい、もっと楽しいことをしたいといった意欲があります。しかし、社会的には「一線を退いた人」と位置づけられてしまっているため、チャレンジする場所を求めて弊社にご相談にいらっしゃる方が多いです。
また、転職後のポジションについてはその方のご希望によって異なります。前職で役員だった方がそのまま中小企業の役員として入り、マネジメント業務を行うケースもある一方で、中小企業ではマネジメント業務だけよりも、営業で現場に出て実働する、経理、人事などの実務をするなど、手を動かして一戦力としての働き方を求められることが多いです。
このように、シニア層をターゲットに選んだのは、この領域で人材事業を行っている会社がまだ少ない点が理由のひとつです。
人材紹介会社が3万社近くある中で、ほとんどが20代30代向けのサービスを提供しています。これは単純に、シニア層より若年層の方が稼げるからです。シニア層で10億円稼げるなら、若年層では50億円稼げるくらいの差があります。
しかし私たちは、利益追求だけが目的ではなく、「シニアの活性化が日本の未来につながる」と考えています。これもシニア層に重点を置いて、人材紹介や派遣などのサービスを展開している理由の一つです。
企業側としてシニア世代を採用するメリットとしては、リーズナブルな金額で豊富な知見と経験を持った即戦力として働いてもらえる点が挙げられます。
営業であれば経験値があるため効率的に成果を上げられますし、20代30代の若手に対する教育も担っていただけます。「面倒見の良い先輩」という面もあり、若い世代ではできない、豊富な経験があるからこその強みをご紹介しています。
▲撮影場所:WeWork東京スクエアガーデン共用エリア
シニア向けのアカデミーやメディアを運営されているとお聞きしました
アカデミーでは、特に大手企業出身の方が多いことを踏まえて、フリーランスとして独立するための研修を実施しています。転職だと65歳で基本的には退職となりますが、「生涯仕事をしたい」「80歳、90歳まで仕事を続けたい」といった方も少なくありません。
そのような方々には、雇用される働き方ではなくフリーランスとしての独立が適していると考え、そのための研修を提供しています。研修では、中小企業で業務委託として働く際の心構えや営業活動の方法等の具体的な動き方をお伝えしています。
例えば、仕事を与えられるのを待つのではなく、自分から「こういう動きで進めてもいいでしょうか」と提案する姿勢が大切といった内容です。他には、中小企業と大企業の考え方の違い、業務委託は成果がなければすぐに契約を終了されるため、常にアウトプットを出し続けることが重要、といった実践的なアドバイスを提供しています。
メディア事業では、実際に活躍しているシニアの方々を多く取り上げています。会社員の方は一歩踏み出す勇気がない場合が多いため、「自分もできるかもしれない!」と思ってもらえるよう、なるべく具体例を取り上げるようにしています。
独立して成功した方や転職で苦労しながらも道を切り開いた方など、さまざまな事例を記事として発信しています。ぜひシニアの方々だけではなく、今後の働き方を考えはじめているみなさんに見ていただきたいです。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
前職では、東京海上日動で15年間働いていました。自分で事業をやりたいといった思いがあり、社内のビジネスコンテストで優勝し、新規事業部で「シニアと企業のマッチングビジネス(PRODOR)」を東京海上グループの中で立ち上げました。
私自身、人が好きなこともあり、以前より人材事業で起業しようと考えていました。その中で最も課題を抱えている年代はどこだろうと見渡したときに、シニア層が「働きたいのに仕事がない」といった状況だと気づきました。60歳くらいの方々が、「もう自分は必要のない人間なんだ」と落ち込んでいたり、悲しい顔をしたりしている姿をたくさん見てきました。
そのような方々に「これからじゃないですか!」と伝えると、目が輝き背筋が伸びて会議室を出ていく姿を見て、「この領域で事業をしなければ」と強く思うようになりました。
当初は、社内ベンチャーのような形で事業を進めていましたが、現在は東京海上日動から完全に独立した形で会社を運営しています。
▲撮影場所:WeWork東京スクエアガーデン共用エリア
シニアファーストの事業運営を貫く
仕事におけるこだわりを教えてください。
シニアの方々を「パートナー」として捉え、ビジネスを運営している点です。
一般的な人材会社では、登録者は「ユーザー」であり、企業に寄り添ったサービス設計になる傾向があります。これに対して私たちは「シニアもパートナーである」といった考え方のもと、シニアと企業の双方をサポートするサービス設計を意識しています。
シニアの方を応援することを意識しているからこそ、シニアの方からの応援も得られる事業にしていかなければならないと思っています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
組織づくりの過程で直面した、人材マネジメントです。
BEYOND AGEは2022年4月に1人で立ち上げましたが、別の事業が忙しく、1年間はほとんど事業が進みませんでした。2023年4月にメンバーを1名採用して、2人体制で本格的に事業を始めようとしました。
しかし彼は大手企業出身で、スタートアップの柔軟な環境に適応できず、短期間で退職しました。幸い彼は前の職場から「戻ってきて」と言われていたため、そちらに復帰しました。
再び1人での経営となりましたが、その後パートタイムのスタッフと2人で事業を継続し、2024年4月から正社員を採用し始めました。現在は5人の正社員がおり、さらに2人の新卒入社も決まっています。地固めをしながら少しずつ組織を拡大している段階です。
シニア人材の活用で日本を元気に
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
「日本を良くしていきたい」という思いです。
前職では、エジプトのカイロに留学と駐在合わせて3年間現地に滞在していました。海外から日本を見ると、日本がいかに素晴らしい国であるかということがよくわかります。
例えばパスポートについても、日本人はビザなしで多くの国に入国できますが、そのような国はほとんどありません。エジプト人はほとんどの国へ行くのにビザが必要で、申請から1ヶ月ほどかかります。この違いは国力の差を表していると強く感じました。
このような経験から、日本は素晴らしい国だと実感しましたし、この日本を自分たちの子どもの世代にも継承していかなければならないと考えています。日本をもっと盛り上げて、強くしていきたいといった思いがあります。そのためには、シニア人材の活性化が非常に重要であり、社会課題解決のキーになると考えています。
▲撮影場所:WeWork東京スクエアガーデン共用エリア
今後やりたいことや展望をお聞かせください
「シニアのビジネスといえばBEYOND AGE」と言っていただける存在になることを目指しています。その先にある上場や事業拡大に向けて、現在チーム一丸となって一生懸命頑張っているところです。
中期的な目標としては、2030年の上場、2050年には時価総額1兆円企業になるといった目標を掲げています。「1兆円は難しいのでは」という声もありますが、すでに計画を立てており、やるべきことを淡々と進めていくだけです。そのため、この目標に1つもハードルを感じていません。
シニア人材の受け入れ企業を増やすための働きかけについては、時代の流れが味方になると考えています。加速する人手不足により、企業側も「シニア人材を採用しなければやっていけない」という状況になっていくでしょう。そのようになれば自然と企業の間口は広がっていくはずです。
むしろ私たちが注力すべきは企業側ではなく「シニアのマインドセットを変えること」だと考えています。例えば、大手企業に入社し部長まで上り詰めた方が、現場主義の中小企業の経営者の下で働くようなケースがあります。
多くのシニアは「なぜこんな非効率なやり方をしているのか」と疑問を持つ一方、若手経営者は「自分でゼロから実績を積み上げてきた」といった自負から対立構造が生まれてしまいます。
そのため、シニア人材を送り出す際には「以前の会社ではこうだった」「このやり方は効率が悪い」と批判する前に、まずは売上に貢献することが重要だと伝えています。売上という結果に貢献していない方の意見を中小企業の経営者は聞く耳を持ちません。
20年後も戦えるスキルが身につく環境で働く
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
このメディアを見ているのなら「今日から起業してください」と伝えたいです。「起業しようとしています」「独立する予定です」とよく聞きますが、準備ばかりに時間をかけるよりも、まず一歩踏み出してみる方が重要だと思います。
採用を強化されているそうですね。どのような人材が理想でしょうか?
まだ小規模な会社で現在は正社員5人ですが、もうすぐ7名になり、あと数名の内定が決まりつつある状況です。
10名弱の会社なので、入社いただいた方には本当に多くのことを任せられる環境があります。個人の裁量が非常に大きい職場であるため、チャレンジ精神や成長意欲が強い方に、ぜひ来てほしいと思っています。
私自身、大手企業とベンチャー企業の両方を経験してきた立場から言えることがあります。この1〜2年、ChatGPTをはじめとする生成AIの成長が急激に進む中で、多くの産業が変化し、特に大手企業の中間管理職のような業務が縮小していく可能性があります。
長期的に見ると、残り続ける価値ある仕事は「ラストワンマイルの営業力」と「事業開発・新しい事業を創造できる力」の2つだと考えています。このようなスキルを養える環境として、当社のようなベンチャー企業に入ることは、これからの20〜30年のキャリアを考えても良い選択ではないかと思います。
▲撮影場所:WeWork東京スクエアガーデン共用エリア
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:市原 大和氏
東京海上日動火災保険株式会社に15年間勤めて独立。2020年に社内のビジネスコンテストで優勝した事業をローンチ。「株式会社Agent Tech」を2021年4月に創業。
「株式会社BEYOND AGE」を2022年4月に創業。
企業情報
法人名 |
株式会社BEYOND AGE |
HP |
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設立 |
2022年4月20日 |
事業内容 |
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