
シェアエックス株式会社 代表取締役 中川 りょう
“CxOキャリア支援” と “リスキリング支援” を推進するベンチャー企業。シェアエックス株式会社は、2026年6月に渋谷に移転、日本初?CxO限定のCo CreatingSpace「CxO+HUB」を開設。中川氏は売却した前の会社から8年ぶりに渋谷に戻り、事業を拡大をしています。今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。
CxOの再挑戦・再起動を支えるCxO経験者特化の副業・転職とは
事業の内容をお聞かせください
私たちは、CxOと呼ばれる経営者や幹部層のキャリアに寄り添い、再挑戦・再起動を支援しています。
起業かCxOで転職か、フリーランスか。皆さん、大いに悩まれます。其の中でいきなり転職やフルコミットで新環境に飛び込むのはハードルが高いため、「まず試してみる」や「副業として関わってみる」という形で企業とCxO経験者の間に接点をつくり、CxOのみなさんが新たな挑戦の一歩を踏み出しやすい環境を提供しています。
起業という選択肢についてはエンジェルや投資家を無償でご紹介させてもらっております。
当社には、ベンチャー経営者や幹部を取締役を5〜10年経験した、若実績豊富な人材がご登録いただいております。一人ひとりと向き合い、次のキャリアをサポートしております。
また、今年開設したCxO限定の共創スペース「CxO+HUB」でランチ会や勉強会を開催、皆さんとの接点を増やし、支援するスペースをつくりました。
皆さんの次の挑戦やキャリアの方向性をじっくり聞かせてもらい、実現できる企業をご紹介させてもらっております。
企業側に対しては、上場前後の重要な時期や、事業拡大期において即戦力となる、CxO経験者がい非常に有効的です。企業の経営や事業課題を聞かせていただき、人材とマッチングさせてもらっております。
先ほど少し触れましたが、今年に入り、「CxO+HUB」という「共創スペース」を立ち上げました。
これまでも交流会や勉強会を通じて多くのCxOとの接点づくりを模索してきましたが、日常的に繋がれる場所をつくりたいという思いから、コワーキングスペースではなく、ベンチャー企業同士が「共創」できる場所として実際に形にしたものです。また、元CxO人材のみなさまのキャリアについて相談できる個室も用意しております。
また、 地方では非デジタル企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためリスキリング(デジタル人材育成)に取り組んできました。リスキリング事業に関しては、2021年に岸田政権が経済政策として、人的投資に5年間で1兆円を投入する方針を表明した時期から取り組んでいました。
東京に比べて地方にはより多くの課題があります。その中でリスキリングを通じて「何か力になれないか」と考えるようになりました。そこで、自治体(徳島県小松島市)を通じた住民のデジタル人材育成や、地方の製造業の社員のデジタルスキル習得支援を行ってきました。
現在は社員から経営幹部(CxO)に寄り添ったリスキリングにも力を入れています。DX戦略設計に伴走しております。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
以前経営していた会社を売却したタイミングでコロナ禍が訪れ、「自分はこれから国内でどんな価値を提供できるのか」を改めて見つめ直す機会となりました。
そこで立ち上げたのが、リスキリングを軸とした人材育成事業です。その後、自身のキャリアや経験をさらに活かせる形として、CxO人材に特化した事業へと発展させました。
私は30歳で起業し、現在51歳になるまでに5社を立ち上げてきました。順風満帆だったわけではなく、成功も失敗も、さらには会社員としての再挑戦も経験しました。
こうした過程の中で、自らの時間とお金を投じて得た経験には大きな価値があると感じるようになりました。
その価値を社会にもっと普及させたい。そんな想いから、「誰に対して、どのような事業をすれば10年先も続けられるのか」を指針に、現在のCxO特化型の事業をスタートしました。CxO領域に特化しているのは、まさにこれまでの私のキャリアと実体験が背景にあるからです。
10年向き合える領域で、誠実に積み重ねる
仕事におけるこだわり、譲れない軸を教えてください
課題解決を長く続けられるかどうかを重視し、新しいことに安易に手を出さないようにしています。
事業に関しても、この10年間で自分がやり切れるかというドメインで向き合っています。
また、経営においては、一つ一つをしっかりとやり切ることが何より大切であると考えています。だからこそお客様にも丁寧に対応することを心がけており、その積み重ねこそがすべてだと考えています。
とくにCxOの方々は経験が豊富な方が多く、かつ私たちが担っているのはコンサルティング業務ではないため、相手には常に丁寧なヒアリングを心がけ、誰に対してもフラットに接することを意識しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
いくつかの壁があったと思いますが、代表的なのはお金の問題や人の問題でした。そしてそれらは今でも壁に感じていますし、乗り越えていかなければなりません。
しかし体調面でも苦労したこともありました。それは40代半ばの頃に体調を崩し、眠れない日が続いた時期です。今振り返ると、そのときが最も辛かったと感じています。
これから先にも、きっとまた壁はあると思います。でも、今いくら考えても状況が変わるわけではないので、現時点であれこれ悩んでも仕方がないとも思っています。
だからこそ、壁が目の前に現れたときには、しっかりと向き合い、乗り越えていきたいと考えています。
喜ばれる事業づくりが、何よりの原動力
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
まず最初にお伝えしたいのは、私自身が「事業をつくることが本当に好きだ」ということです。
世の中にはいろいろな趣味や楽しみがありますが、私にとって一番ワクワクするのは、新しい事業をゼロから考えて形にすることで、それが誰かの役に立ったり、喜んでもらえたりする瞬間です。
そのプロセスを通じて、人や社会に貢献できているという実感を得られることが、何より嬉しいですし、自分にとってのアイデンティティにもなっています。
事業をつくるという行為は、単なる仕事というより、自分らしさを表現できる手段であり、人生の中で一番しっくりくる時間だと感じています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
「CxO+HUB」というスペースを中心に、CxOの皆さんに寄り添いながらキャリアサポートを行っていきたいと考えています。
それに伴い、今あるCxO人材の強みをさらに磨き上げ、私たちが提供するサービス自体も、しっかりと成熟させていきたいと思っています。
また、CxOの皆さんと地方企業との架け橋のような役割も果たしていけたらと考えています。 たとえば、地方企業が抱えるDXの課題に対して、登録いただいているCxO人材をマッチングし、地方の企業にとって具体的な助けとなれるような取り組みを広げていきたいと思っています。
そのためにも、「CxO+HUB」をはじめとして様々な方々が交流できる場を作り出していきたいと思っています。
続ける力と、やり切る覚悟
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
実際に何かを始めて、実行に移していく中では、想像していた以上に大変なことや思い通りにいかないことがたくさんあると思います。
むしろ、順風満帆に進むことの方が珍しいかもしれません。そうした困難な局面に直面したときにこそ、本当に大切になるのが「継続する力」だと私は感じています。
どれだけ高い能力があったとしても、途中で諦めてしまっては成果にはつながりません。逆に特別な才能がなかったとしても、地道に続けていけば、必ず何かしらの形で結果はついてくるものだと思います。
もちろん、続けること自体が簡単ではないからこそ、価値があります。うまくいかないときほど焦らずに、「とにかくやり抜いてみる」という姿勢を持ち続けてほしいです。
そしてまずは、自分にできることを一つひとつ積み重ねながら、目の前のことに丁寧に取り組んでみてほしいと思います。
最後にCxOのみなさまへメッセージをお願いします
CxOを経験された皆さん、是非一度CxO+HUB@渋谷にお越しください。「CxO+HUB」は、事前登録・承認制ですが、隔週でランチ会も実施しております。再起動・再挑戦のご相談、また「共創」の場として多くの方に活用していただければ嬉しいです。
私自身も皆さまとお話しできることを楽しみにしております。
▽CxO+キャリア
▽Co-Creating Space「CxO+HUB@渋谷」
▽CxOリスキリング
https://www.cxoreskilling.com/
▽CxOマガジン
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:中川 亮 氏
関西大学を卒業後、商社、金融コンサルティング会社を経て6社を起業、1社を上場企業に会社を売却。現在はリスキリングを通じて雇用創出・企業のDXの課題解決を推進。また、元/現役のCxO人材のキャリア支援も行っている。2022年1月には日本初のリスキリングカンファレンス「リスキリングJAPAN2022」も開催。
【企業情報】
法人名 |
シェアエックス株式会社 |
HP |
|
設立 |
2018年6月 |
事業内容 |
Re-skilling(DX人材育成×企業DX推進)事業 |
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