【#521】「売り込まずに売れる仕組み」で企業の機会損失を解決。新時代のセールスマーケティング支援|代表取締役 小正 翔平(株式会社EXE Partnerz)

株式会社EXE Partnerz 代表取締役 小正 翔平
株式会社EXE Partnerzは、「売り込まずに売れる仕組み」を構築するBtoBセールス・マーケティング支援企業です。優れたサービス・知見を持つ企業が適切に評価され、必要な顧客に選ばれる市場環境の構築に取り組んでいます。代表取締役の小正 翔平氏に、事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。
営業嫌いの自分だからこそ見つけた“売らずに売れる”勝ち筋
事業の内容をお聞かせください
株式会社EXE Partnerzは「売り込まずに選ばれる仕組み」をつくるBtoBセールス・マーケティング支援会社です。
私たちの主なサービス内容は下記の2軸です
- Knowledge Partnerz:コンテンツ×セミナーを活用した案件獲得とナーチャリング
- PartnerLinx:パートナーセールスを起点としたチャネル構築
私自身、最初のキャリアは人材会社の法人営業でした。ひたすらテレアポと飛び込みを繰り返しましたが、全く売れず、激しく自信を無くしました。ただ、実はこの時売れなかった理由は、人と話すことが苦手とか知識がなかったわけではなく、聞く姿勢が整っていないお客様に売り込むことや時間を奪うことに対してのマインドブロックが強かったからです。
営業を“する”のも“される”のも嫌いな自分に気づいたんです。
しかし、独立後は、正しくニーズがあり利を提供できる顧客に、適切なサービスを届けるターゲティング戦略と、紹介が自然に生まれる仕組み作り、事業提携の構築に集中すると、驚くほど売れるようになりました。
売り込まなくてもお客様から「もっと話を聞かせてほしい」と言っていただける。営業をすると困りごとが顕在化しているケースが多い。潜在化しているニーズも接触の仕方次第では顕在化し、気持ち良くご依頼をいただける。
この体験が今の事業の原点です。
これからの時代は、ゴリ押し営業ではなく、本当にサービスを必要としている、もしくは潜在的に課題を抱えている方と”良い前提”でサービス提供者が巡り会えるマーケティングの仕組みを作って、Win-Winの輪を広げていきたいという思いがあります。
営業が嫌いで苦手だった私も、今では沢山の素敵なお客様にも恵まれ、新規営業のストレスも大幅に減り、感謝される数も断然増えました。
自分のやっていることに意義を感じているので、そこを軸にサービス展開しています。
自社のマーケティング施策の一例を教えてください。
EXE SUMMIT:弊社主催のBtoBカンファレンス
弊社主催の【EXE SUMMIT】という大規模イベントを開催しています。
EXE SUMMITは、広告費をほとんどかけずに1000社近くの企業を集めており、SalesforceやCyberACEなどをはじめとした大手企業から、SalesMarkerをはじめとした急成長スタートアップまでがスポンサーとして協賛してくださっています。
登壇者も一流の経営者や業界のキーパーソンばかりです。彼らが持つノウハウや一次情報を提供することで価値を創出しています。「学びたい」と集まった参加者は、すでに課題を抱えている前向きな企業ばかりです。
その場で自然にリードが生まれ、スポンサー収益とリード獲得を同時に実現できる。まさに「売らずに売れる」仕組みを体現しています。セールス・マーケティング×経営戦略をテーマに約800社が参加し、広告費はほとんどかけていません。
成功の秘訣は、市場の本質的な課題・悩みを特定し、それに対するノウハウを持つ集客力のある企業を集めることです。この施策を自社で実践しながら、クライアント向けにも同様の支援を提供しています。
御社のサービスを利用した企業は、どのような課題解決に繋がりましたか?
ある企業は非常に優れたノウハウを持っていましたが、マーケティング導線が弱いという課題がありました。多くの経営者が、商談が強いと売れる。売り込み営業をした方が売れると考えがちですが、情報過多の社会の現代においては限界があります。
そこで私たちが行ったのは、この企業が自社で持っているノウハウを勉強会として活用することでした。元々勉強会は定期的に開催していましたが、行動経済学・心理学を元に、論理的に構成を変えることで劇的な改善を実現しました。
具体的には、個別相談への移行率が4倍、受注確度が2倍以上、満足度も1.4倍に向上しました。結果として売り込まずに売れる状況を作れたのです。
コンサルティング要素が強いサービスは、圧倒的な権威性や業界の第一人者としての地位、特定業界への特化などがない限り、基本的に信頼勝負・営業勝負になります。
この信頼をどう築くかが重要で、業界の第一人者のような権威がなくても、上場していなくても勝負できる方法が、勉強会やコンテンツだと考えています。
このアプローチを通じて選ばれる理由を明確に作り、お客様には費用対効果を実感していただけました。
利益より「共に勝つ」姿勢
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
私は新卒で東証プライムの人材会社に入社しましたが、大企業で働くことは、できることが限られているように感じ、私には向いていませんでした。
自分の頭で考えて挑戦し、すべての責任を背負い、成果も失敗も自分自身で引き受け、責任を自ら取るような生き方こそが、私にとって魅力的な人生だと感じられるものでした。
前職は1年半で退社しましたが、現在は、EXE Partnerzで、同社が保有するスポーツチームのスポンサーを務めており、恩返しもすることが出来て、良好な関係を築いています。
事業選択については、最初の数年間は自分がやりたいこともできることもなかったので、営業代行から始めることにしました。資金を貯め、世界を広げるためです。そして、やはり、まだ何者でもない自分が価値を発揮できるのは、完全成果報酬の営業代行のみでした。
その後、自分が顧客として利用した補助金サービスが非常に良かったので、補助金事業に参入しました。それからは営業支援と補助金支援の2軸で事業を展開していました。
現在のコンサルティング事業に集中することにしたのは、事業を行い多くの経営層とお会いする中で自分の本領・強みが、案件獲得であることを何度も実感したからです。また、補助金事業は制度変更などの外的要因に左右されやすく、事業として不安定だと感じました。
セールスマーケティングの支援は、競合も非常に多く競争は激しいですが、普遍的に求められるサービスです。独自のメソッドや思想を武器にすることで、そして同業とも、奪い合いの”競合”ではなく、与え合い支え合いの”共創”をすることで、これからもこの領域で活躍していきたいと考えています。
お互いにプラスになる仕事しかしない
仕事におけるこだわりを教えてください。
自社の利益のために誰かを犠牲にするのではなく、信頼を大切にし、互いに納得できる関係を築くことを基本としています。立場に偏った発言はせず、そのうえで必要な後押しはしっかり行う。そして何より、関わるすべての人と共に成果を分かち合い、共に勝つことを重視しています。
そのため、自社の利益のために誰かの不利益を作らないことを徹底し、お互いにプラスになる取引しかしません。また、足元の財務状況を良くしておくことも重要です。困ったら必ず妥協してしまうので、ポジショントークはしません。
ただし、必要だと思ったら後押しは行います。世の中の企業は課題ばかりなので、必要な後押しをして、ステークホルダーと共に成長する経済圏を作ることがこだわりです。
仕事で大切にしているのは、自社だけが儲かる関係は絶対に作らないことです。短期の利益のために誰かを犠牲にするやり方は続かないし何より気持ちが良くない。だからこそ「お互いにプラス」になる仕事しかしません。
自社の財務基盤も健全に保ち、強引な営業はせず、正しく双方に利があると思った顧客にのみセールスを行い、その上で、ポジショントークではなく本質的な提案をする。
ポジショントークをしないために信頼できるパートナー企業と相互に補完関係を構築し、クライアントへの価値提供を最大化する。そして、必要だと思えば遠慮なく背中を押す。
こうして信頼を積み重ねることで、関わるすべての人と成果を分かち合うことを徹底しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
最初の3年間は、スキルもやりたいこともなく、ミッション・ビジョン・バリューもありませんでした。この時期はとても辛かったです。
明確な目標がないと、周りから何をやりたいのかとよく聞かれます。ですが、恵まれた日本で育っている以上、強烈な原体験がない限り、そのようなものはないと思っていました。
しかし、独立後の人生で多く原体験ができてからは本当に思いが醸成されて、判断基準も行動指針も明確になりました。
特定のきっかけがあったわけではなく、人との出会いや学びを積み上げて、自分自身も思考・スキル共に成長することで身の回りに素敵な経営者・ビジネスパーソンが増えたことで徐々に経験値と知見、良質な繋がりが増え、自分自身の思いもより強固に、より明確になりました。
学歴は関係なし。日本の平均給与2倍以上を支給する組織へ
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
人生の選択肢を増やして幸福に生きること、そして身の回りの人の幸福を創出し続けることです。
現在の私は、人間関係にも恵まれ、自由な時間は多くはないものの、経済的には十分に満足できる状態にあります。そして何より良い仕事をすることで、自身の人生の充実にもつながっている感覚があります。こうした幸せの輪を、これからは周囲へも広げていきたいと考えています。
独立前の私は「自分が儲けたい」という思いしかありませんでした。しかしそれは独立一年目に沢山の素敵な仲間や先輩方にお会いすることで激変していきました。
身の回りの素敵な仲間たち、先輩方、クライアントたちと良質かつ善良な経済圏をつくっていくこと自体が、今の私にとって大きなモチベーションになっています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
買い手側でのM&Aは未経験なので挑戦したいと考えており、新規事業も積極的に出していきたいと考えています。
その上で、最も注力したいのは採用です。弊社は、人を増やせば増やすほど儲かる業種ではありませんが、今なら優秀な人材を獲得・育成できると考えています。
そして、入社してくれた仲間には、多く学びや知見、当社でしか得られない経験を与えることができると確信しています。そしてその成長を報酬や裁量、新たな面白い仕事でしっかりと還元していきたいと考えています。
大きな目標としては、社員の平均年収が、日本の中央値の2倍以上となる少数精鋭組織を作りたいです。学歴や経歴は重視しません。後天的な努力と実力で人生を変えられることを証明したいと思っています。
コンサルティングは学歴に関係なく誰でも活躍できる仕事です。学歴ではなく人間性や本質的な能力で採用し、高い給与を提供する。そんな会社を作りたいです。
採用を強化する中で、どんな方と一緒に働きたいですか?
やりたいことが決まっていない人に来てほしいです。明確なビジョンがない人は、既存の選択肢から探しても、コーチングを受けても答えは出てきません。自分自身の世界を広げる必要があります。
私自身もやりたいことが見つからないと悩んでいましたが、今ではそれを見つけ出すことができました。だからこそ、同じように悩む人の気持ちがよく分かりますし、無理に何かを見つけろと押しつけるのではなく、寄り添いながらサポートすることができます。
何かやりたいけれど、どうしたらいいかわからない人には、特定の業界ではなく、様々な業種・業界の人と関われる当社のような環境が最適です。
基本的な条件は、最低限の地頭と向上心、そして人柄の良さです。即戦力は期待せず、育成前提で考えています。だからこそ本当に良い人であることが重要です。私が愛情と体力を持って接することができる人と働きたいと思っています。
また、大手企業が悪いわけではありませんが、独立を考えている人にとっては、学べる範囲が限られてしまうのはもったいないと感じます。独立を目指すなら、さまざまな経験ができる環境に身を置くべきです。
また、私はやりがいだけを与えるような働かせ方はせず、しっかり成果を社員に還元します。この両立を実現できるのが、当社の大きな強みです。
独立前の準備は8割ムダになる
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
まず参入市場を間違えないことです。そして、必ず失敗して軌道修正するので、独立前の準備の8割はムダになります。最低限の勉強はしておくべきですが、完璧を求めすぎない方がいいでしょう。大切なのは実際にやりながら学び、軌道修正していくことです。
世間でよく言われる起業の定石や、大型の資金調達をしてIPOを目指す。数百億数千億を目指して邁進するパターンは格好良く見えます。ですが、難易度は非常に高く、初回起業には向かないと私は思います。受託業務など泥臭いことから始める方が勝率は高くなります。
もちろん、最初から明確なビジョンを描いて独立する人もいます。そうした人はそのまま突き進めばよいと思います。ですが、全員が同じである必要はありません。無理に合わせる必要はなく、それぞれが自分の道を着実に歩んで行くことが大切です。
決意をして、諦めず、正しい努力を積み重ね、応援される生き方をし続ければ必ずうまくいきます!
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:小正 翔平 氏
新卒でディップ株式会社に入社し、法人営業を経験。独立後に立ち上げた営業代行事業では、IT、製造、士業、建設など幅広い業種・フェーズの現場に入り込み、数十社にわたるプロジェクトで【成功と失敗の両軸】を体感。そこで得た一次情報を体系化し、再現性あるセールスマーケティングのメソッドを確立した。現在は株式会社EXE Partnerzを率い、セミナーやコンテンツを軸に【売り込まずに売れるリード獲得・ナーチャリング支援】を提供する「Knowledge Partnerz」、パートナーセールスの仕組み化を支援する「PartnerLinx」を展開。さらに、参加企業1,000社規模を誇る国内最大級のBtoBセールス&マーケティングカンファレンス「EXE SUMMIT」を主催し、業界最大手企業、外資系企業、急成長スタートアップなど幅広い著名企業と共創している。
企業情報
法人名 |
株式会社EXE Partnerz |
HP |
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設立 |
2021年5月 |
事業内容 |
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