株式会社bibin 代表取締役 仲 大輔

株式会社bibinが手がけるのは韓国発のコスメブランドのインフルエンサーマーケティングです。代表の仲大輔さんが個人的に発信していた韓国コスメ情報が注目を集めて事業化。現在では「韓国コスメのインフルエンサーマーケティングならbibin」と言われるまでに成長しています。「日韓の架け橋」からさらに「東南アジア市場をつなぐ架け橋」へと夢を広げる仲さんに、事業への思いを伺いました。

 

「韓国コスメのインフルエンサーマーケティング」ならbibin

事業の内容をお聞かせください

インフルエンサーを通して、韓国のコスメなどの商品を日本に届け、その魅力を消費者に届けています。人気を集める韓国コスメですが、日本で展開する際にはマーケティング戦略が欠かせません。

 

特に現在は口コミの影響力が非常に大きく、その中でもインフルエンサーマーケティングは効果的な手法のひとつです。とはいえ、数万人いるインフルエンサーの中から最適な人材を探すのは容易ではありません。私たちはインフルエンサーと直接ネットワークを築いているため、ブランドに最も合うインフルエンサーを的確にマッチングできます。

 

また、憧れの存在よりも、身近な人の方が影響力があるため、消費者に近いインフルエンサーを数多く起用することで自然とバイラルを生み出す施策の提案もしています。同業他社は少なくありませんが、私たちは5年前から韓国コスメに特化して実績を積み重ねてきました。これは大きな強みになっています。

 

そのため、韓国国内では日本で韓国コスメのインフルエンサーマーケティングといえばbibinと認識していただけるまでになっています。2025年には、韓国コスメ専門ECプラットフォームを立ち上げました。

 

約2,500の韓国ブランドが日本展開していますが、実は韓国内で登録されているブランドは約8万近くあります。ほとんどのブランドはまだ日本で知られていません。弊社が手がけるサイトは、そうした未上陸ブランドと出会えるコスメモールです。

 

今後は、買うことが楽しくなる体験型のアプリケーションへと進化させていく予定です。同時に力を入れているのがオフラインイベントです。多くの韓国ブランドは日本に直営店を持たないため、ユーザーがブランドと直接触れ合う場はほとんどありません。

 

私自身、韓国で商談をすると、ブランドがどんな背景や想いを込めて商品を生み出しているのか、開発秘話やストーリーをたくさん伺います。こうしたメッセージが日本のユーザーに届かないのは非常にもったいないと感じました。

 

期間限定でポップアップストアが開催されることもありますが、商品の陳列や簡単なサンプリングが中心で、ブランドの世界観までは十分に伝わりにくいのが現状です。そこで、単なる販売や体験にとどまらず、商品の魅力や理解を深めてもらえるワークショップ形式のオフラインイベント「韓国美容イベント」を企画しました。

 

このイベントは、ブランド・ユーザー・インフルエンサーが集まり、ブランドを知り、コスメを体験し、相互に理解を深められる場です。節目となる第10回は、大手ブランドとのコラボレーションによるメモリアルイベントを計画しています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

高校時代から社長になりたいと漠然と思っていました。ただ、社長になるためだけにこの事業を始めたわけではありません。きっかけは、私自身が韓国ブランドのコスメを使い、長年悩んでいた肌トラブルを解消し、理想の自分に近づくことができたことです。

 

韓国コスメの品質の高さやコストパフォーマンスを実感し、その魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと考えるようになりました。ちょうどコロナ禍の期間に、SNSを活用し韓国コスメの情報を発信していました。

 

それが思いがけず話題となり、多くのフォロワーが集まりました。その流れの中で韓国企業からご依頼をいただき、ビジネスへと発展していったのです。アカウント運営が思いがけず道を拓き、夢を叶えることになりました。

 

 

国際ビジネスに欠かせないのが相手への「リスペクト」

仕事におけるこだわりを教えてください。

私が一番大切にしているのは、クライアントとインフルエンサー、双方にメリットが残るように折衷することです。クライアントには満足できる施策をご提案し、インフルエンサーには納得できる報酬をきちんとお支払いします。

 

そのために、双方に対してしっかりと交渉を行います。どちらか一方に偏ることは決してしません。また、国際的にビジネスを行う上で欠かせないのがリスペクトです。

 

国や地域が違えば、歴史も文化も価値観も異なります。言葉では伝わりきらない部分がどうしても出てきますが、相手を尊重する姿勢だけは必ず伝わります。だからこそ、海外の方と接するときには、日本でのやり取り以上に相手をリスペクトすることを心がけています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

創業当初は、韓国と日本での商談の進め方やビジネス慣習の違いすら理解できず、右も左も分からない状態からのスタートで、日々が試行錯誤の連続でした。

 

言葉の壁は想像以上に大きく、文化の違いから生まれる誤解も少なくありませんでした。それでも、とにかく前に進むしかないという一心で、リスクを考える余裕もなく走り続けてきたのが正直なところです。

 

その道のりの中で、数えきれないほどの困難に直面しましたが、直近で最も大きな壁となったのは「資金繰り」の問題でした。韓国コスメ専門のECモール「bibin」をローンチする際、システム開発やデザインなどの初期投資が当初の見込みを大きく上回り、予想外のコストが発生してしまったのです。

 

さらに不運にも、ちょうど同じ時期に韓国ブランド全体の売上が一時的に落ち込み、それに連動してマーケティング案件からの収益も減少しました。売上の柱が同時に揺らいだことで、会社のキャッシュフローは急激に悪化し、資金ショート寸前という極めて厳しい状況に追い込まれ、大変でしたがなんとか乗り越えることができました。

 

 

まずは上場。そして、「東南アジア市場をつなぐ架け橋」に

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

韓国ブランドを求めている人は、国境を越えて世界中に確かに存在します。私自身、その熱量や憧れを肌で感じてきた一人として、そうした方々に商品を届ける架け橋になりたいという強い想いから、この会社を立ち上げました。

 

創業当初から共に歩んできたメンバーの中には、学生時代からの知人も少なくありません。 「韓国ブランドを世界に届ける」というビジョンを掲げ、将来的には上場を目指すという私の言葉に共感し、信じてついてきてくれた人たちです。

 

だからこそ、私は彼らに対して決して嘘をつくことはできません。どんなに厳しい局面にあっても、誠実であること、そして約束を守ることを何より大切にしています。スタッフ一人ひとりが信頼を寄せ、全力で会社の未来を支えてくれているからこそ、私はその期待に応える責任があります。

 

一緒に働く仲間たちが「この会社で働いて良かった」と心から思えるようにすることが、私にとっての最大の使命であり、日々の原動力となっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

通過点として掲げている第一目標は上場です。ただし、上場は最終目的ではなく、あくまで次なる成長への手段に過ぎません。

 

上場後には、東南アジア全域に韓国ブランドを届ける仕組みを構築することを目指しています。その足がかりとして、2026年4月にベトナムに支社を設立し、そこを拠点に実店舗展開およびオンライン販売の拡大を計画しています。

 

そんな新しい挑戦を前に、ともに未来を切り拓いてくださる仲間を現在募集しています。

 

韓国コスメというトレンド商品と、トレンドを創出するインフルエンサーという二つの軸で、日本・韓国・ベトナムをはじめとする東南アジア市場をつなぐ架け橋となるビジネスをさらに進めていく予定です。この挑戦はやりがいがあり、そして楽しいはずです。私たちの志に共感し、真摯に向き合いながら共に歩んでいただける方はぜひ、ご連絡をください。

 

 

純粋に夢を追い求められるのが経営者の特権

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

自らの夢を純粋に追い求め、自身が「正しい」と信じることに全力で向き合えるのは、経営者の特権です。さらに、同じ志を共有する仲間とともに歩みを進められることは、何ものにも代えがたい大きな喜びです。

 

起業して5年がたちますが、この道を選んだからこそ得られる充実感と幸福感を日々実感しています。起業は、このような大きな喜びをもたらしてくれますが、決して楽な道ではありません。覚悟を持てないのであれば、安易に踏み出すべきではないと思います。

 

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:仲 大輔

2020年10月に株式会社bibinを創業し、事業を拡大して2022年8月には海外拠点となる「bibin korea Co.,Ltd」を設立した。

 

企業情報

法人名

株式会社bibin

HP

https://bibin.jp/

設立

202010

事業内容

SNSマーケティング事業

送る 送る

関連記事