
株式会社LeadingRole 代表 山内友樹
株式会社LeadingRoleは店舗DX支援、人材紹介事業、M&A支援事業を主に取り組むなど、幅広い事業を展開しています。同社の代表、山内友樹氏は、人を“主役”にしたいという想いを社名にも込めたと話します。事業内容や今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。
人を主役に。「何をするか」より「誰とするか」を追求
事業内容をお聞かせください
大きく3つの軸で展開していて、共通しているのは人材を中心に据えていることです。
1つ目は店舗DX支援です。現在、主力になっているのは店舗DX事業で、立ち上げから1年半ほどで数万社の支援実績があります。
日本は今、深刻な人口減少に直面していて、慢性的な人手不足が続いています。そんな中、私たちの強みはITを活用して業務を効率化する仕組みを提供していることです。
たとえば、シフト管理や予算管理といった業務のデジタル化はもちろん、モバイルオーダーやデリバリー連携など、様々なDXの提案をしています。単なるツール提供ではなく、導入後の運用支援も行い、必要があれば人材の手配も可能です。
2つ目は外国人人材紹介事業です。ベトナムを拠点に、日本語学校も運営しており現地で語学や日本文化を学んだ人材を日本へ送り出しています。日本で働くうえで必要なマインドやカルチャーまでしっかり教えているので、日本企業とのマッチングもスムーズです。
そして3つ目はM&A支援事業です。日本の企業の後継者不足は深刻な問題だと認識しています。企業を次の世代へとつなぐためM&Aを通して事業を持続可能な形で社会に残すことができます。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?
きっかけは、人の存在の大切さを身をもって実感した経験からです。
私は新卒で社会人としてのスタートを切りましたが、2011年に起きた東日本大震災が大きな転機になりました。当たり前のように一緒に働いていた仲間と急に働けなくなり、震災の影響で仕事自体がなくなってしまい、リストラも起きて日常が一変しました。
その時、強く感じたのが「何をするかよりも、誰と働くかが本当に大事だ」ということです。その想いから、2012年に前職を立ち上げた背景があります。
その後、2020年のコロナで働きたくても働けない、誰とも会えないという状況が起きました。そこで「接触しなくても働ける環境を作ろう」と考え、2021年に在宅ワーク事業「コールシェア」を立ち上げました。現在では、登録者が約4万人にまで広がっています。
これまでの経験を振り返ったとき、「何をするか」ではなく「誰とするか」が非常に大事だということです。自分の時間をどんな人たちとどんな想いで使うのか、そこに人生の本質があるのではないかと思い、今の会社を立ち上げました。

北海道、東京、ベトナム、分散拠点の壁を乗り越え成長
仕事におけるこだわりを教えてください。
私たちは人材の成長にこだわりを持っています。どのような事業に携わるにしても、「一緒に仕事ができてよかった」と思ってもらえるような、信頼できる人材が集まっているという自負があります。だからこそ、私たちの強みは、採用力や教育力にあると強く思っています。
採用においてはスキル重視ではなく、やる気さえあれば未経験でも大歓迎です。「ここをきっかけに成長していきたい」と思える人にも、キャリアアップの土台となれるような会社でありたいと考えています。
教育については考え方やマインドセットを大事にしていて、脳科学に基づいた研修なども取り入れ、自分自身と向き合える環境を用意しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
最大の壁と言えるのは、拠点ごとの経営体制の確立でした。私たちは今、東京・北海道・ベトナムと3つの拠点で展開していて、それぞれに役員が常駐しています。
一般的には、起業初期は役員が一カ所に集まり、コミュニケーションを密に取りながら会社を立ち上げていくケースが多いと思います。
しかし、当社の場合は立ち上げ当初から役員がバラバラの拠点にいて、なかなか直接会えませんでした。そのため、最初の頃は生産性が思うように上がらないという課題がありました。
この問題に対して2つのアプローチを取り、乗り越えました。1つ目は、オンラインでの定期的なミーティングを徹底して、認識合わせをしました。
もう1つは、役員がいなくても事業が回る仕組みを各拠点でつくったことです。今では、私が東京にいようが、北海道にいようが、ベトナムにいようが、全体としての運営にはほとんど支障が出ません。

国境を越える「人」の成長支援
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
私の中では「生かされている」という感覚があり、人生は有限で、いつか自分自身も世の中からいなくなる存在です。「限られた時間の中で、自分は何ができるのか?」「どれだけ人の笑顔を増やせるのか?」が原動力になっています。
死と向き合う中で何をするのかを日頃から考えているので、モチベーションが上がる・下がるという感覚自体がありません。だからこそ、失敗しても成功してもすべてが経験だと思っています。
社員に対しても、単なる業務指示やマニュアルの話だけではなく、「人生どう生きるか」「何のために働くのか」といった価値観や生き方の話を食事会などで共有しています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
リーディングロールという社名にも込めたように、「リーディングロール」は人を軸にして、「人を主役に」という想いを大切にしています。だからこそ、人の可能性をどうやって引き出せるか、どうやって高められるかということが、常にテーマにあります。
今の日本は少子高齢化が進んでいて、このままだと働き手も減ってしまいます。それに対し、私たちは人にフォーカスした事業を通して、社会の課題を解決する一歩になれたらと思っています。そういう意味では、日本とベトナムをつなぐような、架け橋のような存在でありたいです。
実際、今ベトナムでは日本語学校の運営を通し、現地の若い人たちが日本で働けるようにサポートする取り組みをしています。今後はインドネシアとかマレーシア、ミャンマーにも広げていくつもりです。
また、日本はものづくりの国で職人肌の方が多く技術力も非常に高いですが、自分たちの価値をうまく外に伝えきれてないケースも多い印象です。良く言えば「謙虚」、逆に言えば「発信力が足りない」という状況にあります。そういった状況に対し、私たちが持ってる営業力と発信力をかけあわせられたらと思ってます。

起業で迷ったら、まず「やってみる」
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
「やってみたい」と思ったら、失敗しようが成功しようが、私は絶対にやったほうがいいと思います。
私自身、学生の頃から経営をしてきましたが、この会社を立ち上げるまでは10年以上会社員として働いていました。その経験が無駄だったとは思っていませんが、「もっと早く自分で始めてたらよかったかな」と思う瞬間は正直あります。
今は情報化社会で、AIも当たり前の存在になってきています。知りたいことはすぐに調べられるし、誰かが答えを教えてくれる時代です。だからこそ結局のところ大事なのは、自分自身の意思決定と行動力なのではないかと、強く感じています。
「起業したい」という気持ちを持つこと自体が素晴らしいことですし、挑戦する人が増えることは、日本の未来にとって非常に大切だと思います。
採用状況について、詳しく教えてください
明確なビジョンがなくても、とにかく自分自身を信じて「がんばりたい」という気持ちがある方は、当社で活躍できる環境が整っています。もちろん、学歴が高い、頭の回転が速いといった要素も素晴らしいことです。ですが、コツコツと目の前のことに向き合ってきた人、失敗を恐れずチャレンジしてきた人は、成長していける場所だと思います。
海外で働けるというのも当社の制度の一つです。「リゾートワーク」という独自の制度があり、希望すればベトナムのダナンで働くこともできます。
たくさんのチャンスがある場所なので、「本気で向き合いたい」と思っている方はぜひ一緒に仕事ができればと思っています。
▼採用情報の詳細はこちら
https://leadingrole.info/contact.html
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:山内 友樹 氏
企業情報
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法人名 |
株式会社LeadingRole |
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HP |
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設立 |
2023年10月 |
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事業内容 |
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