
株式会社OKAN 代表取締役 沢木 恵太
「働く人のライフスタイルを豊かにする」をミッションに、人材定着を支援するリテンションマネジメント事業を展開する株式会社OKAN。置き型社食サービス「オフィスおかん」と、組織サーベイ「ハタラクカルテ」を通じて、企業の定着支援に取り組んでいます。創業の思いから事業内容、今後の展望まで、代表取締役の沢木恵太氏に伺いました。
人材定着を支援、組織改善にも寄与
事業の内容をお聞かせください
企業の人材定着を支援するリテンションマネジメント事業を展開しています。現在の主な事業は2つあり、 置き型社食サービス「オフィスおかん」と、従業員の離職防止を支援する組織サーベイサービス「ハタラクカルテ」です。
一つ目の「オフィスおかん」は、職場に専用の冷蔵庫や自販機を設置し、手軽に食事環境を構築できる「置き型社食」を提供するサービスです。
福利厚生施策の導入を検討する企業や、従業員の健康や満足度向上に役立つ施策を導入したい、働く人の心身の健康を重視した経営に取り組みたいと考える企業さまの、最初の一歩として選ばれているサービスです。
導入企業は数名規模の拠点から全体で1万人超の大企業まで幅広く、全国的に利用が広がっています。
導入企業様では、導入後に従業員の満足度やエンゲージメントが向上し、離職率の改善につながったという声もいただいています。また、従業員が食生活を見直し、栄養バランスを意識するようになったという変化も見られるそうです。
二つ目の「ハタラクカルテ」は、人材定着に課題を抱える企業向けの意識調査・組織課題解決サービスです。企業がより踏み込んだ定着施策を進める際に、離職がなぜ発生しているのか、どの部分に組織課題があるのかを明らかにするために活用されています。
研究結果をもとに離職との相関があると導き出した15要素に基づく設問を作成しています。どの要素に問題があるのか、どの拠点にどんな傾向があるのか、年齢層や雇用形態などでも分析できます。また、企業ごとに自由に設問を追加することも可能です。
良スコア・低スコアの回答があると、自動で深掘り設問を追加し原因を明らかにします。これにより、単に問題があることを示すだけでなく、具体的な改善策や評価されているポイントまで示したレポートを提供することができます。
導入企業様は、これまでサーベイを実施したことがない企業や、ノンデスクワーカーの働く企業が中心です。パソコンや会社のメールアドレスがなくても回答が可能というような工夫により、現場職や非正規雇用の従業員も利用しやすくなっています。
これら二つのサービスは現場でも手軽に使えることを意識してサービスを設計しており、医療・福祉、運輸、製造、建設、サービス業など幅広い業界で導入されています。
まずは取り組みを始めてみたいという企業から、さらに踏み込んだ施策を検討したい企業まで、幅広く支援しています。
このように我々は置き型社食サービスによる人材定着のきっかけ作りから、組織サーベイサービスによる具体的な改善策まで、事業領域を拡大しています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
学生の頃から社会に貢献できる仕組みを作りたいという思いを持っていました。社長になりたいというよりも、事業を作りたいという思いの中で、チャンスを探していました。
しかし、新卒で入社した会社では意欲的に働きすぎて、体調を崩してしまいました。そのときに、どれだけ働くことへのモチベーションが高くても、会社を辞めざるを得ない状況があるのだと気づきました。
周囲にも、結婚や出産などのライフイベントをきっかけに、意欲は高いのに会社を辞めざるを得ない人がいました。そんな状況を見て、望まない離職をなくす事業を始めたいと思ったのが創業のきっかけです。
起業して「置き型社食」をスタートしたのは、入り口はなるべくわかりやすいサービスがいいだろうと思ったからです。食事というテーマは、私自身を含む誰にでも関連があり、従業員の満足度向上にもつながると考えました。
こうして「オフィスおかん」を提供する中で、多くの企業から「退職してしまう人を減らしたい」という課題の声を聞き、現場での離職課題の深刻さが明らかになりました。
そこで、人材の定着や離職原因を明らかにするために現場仕事の方でも使いやすい「ハタラクカルテ」を開発しました。

ミッションの実現が第一
仕事におけるこだわりを教えてください。
私は目的を非常に重視しており、同じことを行っても目的が違えば意味が全く変わると考えています。
当社も「働く人のライフスタイルを豊かにする」というミッションを最上位に掲げています。ミッションは企業における目的です。まずミッションを実現することを第一に考え、そのために最適な順序やステップを常に検討しています。
社内でも、重要な意思決定や戦略転換の際には必ずミッションとの繋がりを説明しています。
ミッションやバリューが事業戦略や組織戦略にどう関わるかを社員に理解してもらい、評価制度とも連動させています。社内のあらゆる仕組みや発信がミッションに沿うよう意識していることが、私のこだわりです。
起業から今までの最大の壁を教えてください
現在の社員数はおよそ150人で、いわゆる「30人の壁」「100人の壁」も経験してきました。当社は事業領域が広く、システム開発やマーケティング、カスタマーサクセスに加え、商品の開発・調達、物流まで担います。
全く異なる職種や個性を持つメンバーがともに働くため、まとめていく難しさは常に感じています。
さらに社内では「100の問いを100人で解く組織」を目指し、一人一人がミッションに向き合い、自分で問いを見つけて解くことを大切にしています。
このような組織では、常に全員にミッションを浸透させ、同じ方向を向き続ける必要があり、人数が増えるほどそのバランスを取るのが難しくなります。これが大きな壁のひとつでした。
日々の会話の中でも自然とミッションが語られるようになり、今では社員への権限移譲が着実に進んでいます。三歩進んで二歩下がるという歩みではありますが、少しずつ前に進むことができている実感があります。
社員はそれぞれキャリアに向き合い、社内外で新しい挑戦を続けており、前向きに働く人材がそろってくれたと感謝しています。

働く人のライフスタイルを豊かにする
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
私のモチベーションの源泉は、やはり会社のミッションです。常に自分に「本当にやりたいことか」「ミッションに沿っているか」を問いかけるようにしています。
仲間やお客さまが増えている実感が励みになり、少しずつでも前に進めていることがモチベーションにつながっています。
私は創業者ではありますが、私の後についてきてほしいのではなく、私も皆と同じ立場でミッションの実現に向かって一緒に進む姿勢でいたいと思っています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
「働く人のライフスタイルを豊かにする」というミッションの実現に向けて、今後も日本におけるリテンションマネジメントの普及に取り組んでいきたいと考えています。
まずは、望まない離職を防ぎたいと考えている企業様が、「オフィスおかん」以外でもより気軽に取り組める選択肢を増やしていく予定です。
さらに次のステップとしては、課題を可視化できる「ハタラクカルテ」を活用いただくことで、組織の状態を正しく把握し、その結果に基づいた最適なソリューションをご提案できる流れをつくっていきたいです。
こうした段階的な支援を通じて、企業と働く人の双方にとってより良い環境を実現し、ミッションの達成に近づいていきたいと考えています。

一歩踏み出す勇気を
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
私が一番大切だと思っているのは、とにかく行動を始めることです。
そして行動するだけでなく、「これを実現したい」「この課題を解決したい」という想いを、言葉にして発信し続けることも重要だと考えています。想いを伝え続けることで、共感や応援が生まれ、次の機会につながっていきます。
チャンスは、特別な人だけに与えられるものではありません。新しい挑戦でなくても、身近なことでも構いません。「自分はこれをやりたい」と周囲に伝えながら、一歩を踏み出してみてほしいと思います。
その小さな一歩が仲間を呼び込み、やがて大きな結果へとつながっていくはずです。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:沢木 恵太 氏
企業情報
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法人名 |
株式会社OKAN |
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HP |
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設立 |
2012年12月10日 |
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事業内容 |
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