株式会社サンスポーツコンディショニング 代表取締役 石川 陽一

株式会社サンスポーツコンディショニングは、高齢者を元気にすることを理念に掲げる介護・ヘルスケア企業です。スポーツトレーナー出身の代表が、鍼灸治療とフィットネスを融合させた独自のリハビリ型デイサービスを展開。本格的なトレーニングにより高齢者が筋力をつけ、自立を目指します。代表取締役の石川 陽一氏に、事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。

 

鍼灸・リハビリ・学童保育を組み合わせ、地域と高齢者を元気に

事業の内容をお聞かせください

鍼灸治療院、リハビリ型デイサービス、学童保育の三本柱で展開しています。

 

当社は全10店舗を運営しており、内訳は鍼灸治療院3店舗、リハビリ型デイサービス6店舗、学童保育1店舗です。拠点は大阪府(高槻市・茨木市・枚方市)を中心に、京都府および沖縄県でも事業を展開しています。

 

現在では高齢者から子供まで幅広い年齢層をカバーしていますが、学童保育事業を開始する一昨年までの対象は主に高齢者でした。高齢者を元気にすることにコミットしており、理念に掲げて取り組んできました。

 

特にリハビリ型デイサービスは、一般的なデイサービスとは全く異なります。お風呂も食事もない、本格的なフィットネスジムです。利用者さんはマシンでしっかり体を鍛え、プロテインを飲みます。車椅子や杖を使っている方に対して「絶対に車椅子や杖はいらなくなりますよ」と宣言し、本気で筋力をつけることをサポートしています。

 

もちろん、腰痛や膝痛がある方には、鍼灸師が治療も行います。スポーツトレーナーとして培った経験がある私だからこそできる事業です。「本気で元気になりたい」といった意欲のある高齢者が集まってくる点が他の介護事業と異なる点です。

 

起業当時は鍼灸院からスタートしたため、当初は鍼灸院が競合でした。しかし現在は複数の事業を掛け合わせたユニークな形になっており、競合と呼べる存在は少なくなっています。

 

最近は理学療法士が開業してリハビリ型デイサービスを作るケースが増えていますが、高槻や茨木でこれだけ鍼灸師を抱えて幅広く事業展開しているところは他にありません。従業員数は約70名で、うち25名が正社員、45名ほどがパートタイム勤務です。3分の1が鍼灸師、柔道整復師、看護師などの医療職で、そのうち17名が鍼灸師です。

 

「それほどの人数を採用できる理由は?」とよく聞かれますが、確固とした理念があるからだと考えています。しかし、会社を興した当時は人手不足が大きな課題でした。治療もトレーニング指導もできる人材はなかなかいません。超高齢社会でお客様は今後も増えるでしょうが、技術職等の働き手が圧倒的に不足しています。

 

ありがたいことに、当社は優秀な経歴を持つ方がパートとして多く応募してくださいます。ただ、皆さん子ども中心の生活なので、「2時には帰宅したい」「幼稚園のお迎えがある」となかなかフルタイムで働けません。社員になってほしいとお願いしても「子どもを見てもらえる場所があれば、働きたいです」と言われることが多かったのです。

 

そこで、学童保育を事業として始めました。スタッフに声をかけたところ、すぐに5〜6名が「子どもを預かってくれるならもっと働きたい」と利用を希望してくれました。18時まで子どもを預かることで、保護者であるスタッフもフルタイムで働けるようになりました。こうして、スタッフのニーズに応える形で事業が自然と発展していきました。

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

もともと私はスポーツトレーナーで、20代は実業団のバレーボールチームや陸上部でトレーナーとして活動していました。しかし、リーマンショックと東日本大震災により、4年ほどの間に2度のリストラを経験しました。

 

築き上げてきたものが失われることにストレスを感じ、社会情勢に左右されない基盤が欲しいと考えるようになりました。そのような経緯で、30歳のときに起業を決意しました。

 

最初はスポーツ障害専門の治療院として開業しましたが、患者様の多くが高齢者だったのでそのニーズに答えたいと考え、訪問鍼灸も始めました。

 

そこで、老人ホームやデイサービスに「体操のお兄さん」として無料で出向き、営業活動を兼ねて様々な施設を訪問しました。「鍼灸治療もお願いしたい」との依頼が広がり、開業から2年ほどで予約がいっぱいになりました。キャパシティの限界に達し、初めて人を雇用することになり、2015年に法人化しました。

 

当時は2人ほどのの小さな治療院でしたが、往診で様々な老人ホームやデイサービスを訪れるうちに、施設の良し悪しが見えるようになりました。「自分でもデイサービスをやりたい」という想いが強くなり、高齢者を元気にすることを使命と考え、本店の横の空きスペースを使ってリハビリ型デイサービスを立ち上げました。

 

 

人を大切にする会社であり続ける

仕事におけるこだわりを教えてください。

経営理念でもある「多くの方々を健康にする」「ともに喜び寄り添い合える楽しい職場を作る」、そして「全ての人々を笑顔にする」。この3つを大切にしています。

 

7年ほど前、会社が崩壊しかけた時期がありました。私の管理不足も原因の一つではあったのですが、「こんなことがしたくて会社を始めたわけではないのに」と非常に悩みました。

 

そんな中で出会った経営者の勉強会で、「理念を大切にすることや、人を活かす経営」を学びました。人の雇用の難しさや経営の本質について学び、今の経営理念のもとになっています。現在は、理念をどう社内に浸透させていくかを常に考えています。

 

我々の仕事はサービスや技術をお客様に提供することです。プロダクトに磨きをかけることは勿論、お客様に満足してもらえなければ事業は続きません。実際にお客様に接している社員、パートの方には感謝していますし、これからも成長を続けることができる環境を提供したいと思います。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

コロナ禍での事業の転換が最大の苦難でした。店舗に来られるお客様が激減し、大きな打撃を受けました。

 

そのため、鍼灸治療院は全て訪問型に切り替えました。そして、コロナ禍でも利用者への影響が少なかったリハビリ型デイサービスを拡大する決断をしました。

 

事業の出発点は鍼灸治療院のみでしたが、社会情勢の変化に柔軟に対応し、多角的に事業を広げてきました。

 

 

人の夢を応援することが力になる

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

人の夢を応援することが、私の原動力になっています。

 

以前、私がハワイのホノルルマラソン完走したことを利用者さんの前で話したところ、膝の悪い70代の方が「私も走るのが夢だった」と教えてくれました。「今からでも走れますよ」と私が伝えると「チャレンジしたい」とのことだったので、約1年かけて一緒にリハビリをし、当日は私が伴走して、ハワイで夢の42kmを9時間半かけて完走しました。

 

利用者さん3名と当社スタッフ2名を含む5名全員が完走を果たし、人の夢の可能性を実感しました。こうした体験があるからこそ、利用者さん並びにスタッフに対してもリアルな実体験を伝えることができます。

 

学童事業も同じです。ある女性スタッフは、保育士資格を取得したけれど活かす場所がなく、鍼灸師として長年働いていました。「いつか子供に関わる仕事がしたい」と言っていたので、彼女と一緒に学童事業を立ち上げました。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

現在、海外展開を進めています。シンガポールかマレーシアに絞って検討を進めています。海外展開を考えた理由は、当社に入社してくる社員に海外志望が多いからです。やる気のある人材が海外を目指すなら、当社で実現しようと考えました。

 

夢と希望に満ちたスタッフたちが「目標のために今の仕事を頑張ります」と言ってくれています。前向きなエネルギーは高齢者の方々にも伝わり、利用者さんから「元気をもらっている」と言ってもらえることもあります。より多くの高齢者を元気にするという理念が、このような形でも実現されています。

 

私には「できない」という感覚がなく、やればできると思っているのです。実際、「本当はやりたかったことだよね?」とスタッフに問いかけることも多いです。「でも」「だって」と躊躇する場合は、「まず動いてみよう」と伝えます。

 

 

意味がないことはない。諦めずやり続けるべき。

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

一番大切なのはマインドだと考えています。

 

ベンチャーの仕事の7割は、苦労や困難の連続です。しかし、残りの3割がめちゃくちゃ楽しいのです。だからこそやめられないですし、辛くても諦めなくてよかったと思えます。

 

無駄なことは存在しません。諦めずに継続することが何より重要です。点と点は必ず繋がります。打ち続けることが大切なのです。

 

たとえ今は意味を見出せなくても、将来必ず経験が活きてきます。だから前向きに継続して取り組んでください。私たちの事業展開も、一見脈絡がないように見えるかもしれません。しかし全て繋がっています。

 

採用を強化されているそうですね。どのような人材が理想でしょうか?

素直で前向きに挑戦できる人、そして何より「人を喜ばせたい」という気持ちを持っている人を求めています。

 

当社はサービス業ですから、顧客満足を追求する姿勢が重要です。経験や資格よりも、目の前の方を幸せにしたいという想いがあるかどうかを重視しています。そのマインドさえあれば、スキルは後からついてきます。

 

海外展開も予定していますので、「海外で働きたい」といった夢を持つ方も大歓迎です。スタッフの夢を一緒に実現していく会社でありたいと考えています。

 

▼採用情報の詳細はこちら

https://sunsportsconditioning.com/recruit/

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:石川 陽一

 

企業情報

法人名

株式会社サンスポーツコンディショニング

HP

https://sunsportsconditioning.com/

設立

2015年4月

事業内容

  • 鍼灸事業
  • リハビリデイサービス事業
  • フィットネス・トレーニング事業
  • トレーナー派遣事業
  • 民間学童保育室
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