株式会社ZIKUU 代表取締役CTO 橋本 大河

「すべての人が熱狂できる世界」を掲げ、大学在学中に株式会社ZIKKUを創業した橋本大河氏。AIを活用した営業代行サービス「アポラク」は、リリース後わずかな期間で36社以上に導入され、アウトバウンド営業の新たなスタンダードを切り拓いています。プログラミングへの情熱と「熱狂できるかどうか」という一貫したこだわりを原動力に、若き起業家がどのように事業を成長させてきたのか、その軌跡と展望を伺いました。

 

AIが生み出すパーソナライズ営業で、アポイント獲得の常識を変える

事業の内容をお聞かせください

現在メインで展開しているのは、営業代行サービス「アポラク」です。BtoBの営業手法にはテレアポや訪問営業などさまざまな種類がありますが、その中でも企業のホームページに設置されたフォームに営業文面を送る「フォーム営業」という手法を、完全成果報酬で提供しています。

 

アポラクの最大の差別化ポイントは、テンプレートの文章を一律に送るのではなく、営業先の企業ごとにカスタマイズした文面で営業できるところにあります。営業先のホームページやプレスリリース、求人情報といったネット上の公開情報をもとに、その企業が抱える課題を仮説として立て、その課題に対してクライアントの商材がどのように貢献できるのかを逆算した訴求力の高い文面をAIで作成・送信しています。

 

この手法に切り替えたことで、テンプレートで送っていた頃と比べておよそ20倍の反応率を実現しました。テンプレートが届いた相手はすぐに「営業文面だ」と判断してしまいますが、営業先のサービス名や課題が盛り込まれたオリジナルの文面は、思わず読み込んでしまいます。その結果、多い企業では月10件以上のアポイント獲得にもつながっています。

 

また、テレアポでのアポイントと比較して商談の温度感が高いという点もお客様から評価いただいています。テレアポはとりあえず話だけ聞いてみようというように商談が始まることも多いのですが、フォーム営業でお問い合わせしてくださる方は、文面をしっかり読んだうえでこれなら話を聞いてみたいと判断して来てくださっています。

 

フォーム営業以外にも、システム開発や広告運用なども手がけていますが、今最も力を入れているのがこのアポラクで、引き続き拡大を目指しています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

大学に入学してからずっとプログラミングをやっていたので、「何か自分でサービスを作りたい」という気持ちがずっとありました。最初は受託でのサイトを制作していましたが、正直、その先の売上や事業の成長には直接つながらないという感覚がありました。

 

その中で、大学1年生のときに大学の過去問共有サイトを自分で作った時が転換期となりました。半年かけて、当時はまだ拙いプログラミングスキルで作り上げたのですが、そのときの熱中感が忘れられませんでした。その際に、自分が何かサービスを作って、世の中に打ち出していくということへの情熱を、初めて自覚しました。

 

営業ツールを自分で開発しようと思ったのは、受託業務をやっていたときに他社の営業ツールを使っていて、いくつかの課題を感じたからです。

 

例えば、除外設定をしているにもかかわらずシステムのバグで配信したくない会社に配信されてしまったり、採用エントリーフォームや融資申請フォームなど、営業すべきでないフォームにまで一律に配信してしまうという問題もありました。

 

これでは安心して営業活動をできないと感じ、自分で開発しようと決断したのがきっかけに繋がりました。

 

このサービスの面白いところは、自分がプログラミングで精度を高めれば高めるほど、直接売上にも貢献できるというところです。自分がやりたいこととビジネスの成長がきちんと連動しているため、受託業務とは違う大きな手応えでした。

 

 

「熱狂できているか」を問い続け、無限の壁を乗り越えていく

仕事におけるこだわりを教えてください。

弊社のビジョンでもあるのですが、「自分が熱狂できているかどうか」ということが、仕事における一番の軸であり、こだわりです。経営していると、無限にやるべきタスクがあって、次々と壁が立ちはだかってきます。もし自分が熱狂できていない事業だったら、それを突破していくことはできないと思っています。

 

逆に、熱狂できている事業なら、強いコミットメントで臨めます。プログラミングで精度を高めるほど売上につながるこのサービスは、自分が最も熱狂できる仕事だと実感しています。常に自分はこの仕事に熱狂できているかと問いながら動いているのが、今も変わらない仕事のスタンスです。

 

もう一つ大切にしているのが、「最短距離で突き進む」という考え方です。就職して経験を積むことも一つの選択肢だとは思いますが、私は遠回りだと思っていています。

 

不毛な作業をこなすことで得られることもありますが、自社で起業して自分が必要なタスクを突破していく経験の方が、圧倒的に成長が速いと思います。自分が最短距離で成長するためにどうすればいいか、それを常に考えながら仕事しています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

一番の壁は「営業」でした。BtoBの事業をやっている以上、営業こそが売上を左右する最大のキーポイントでした。それはわかっていたのですが、自分は営業がずっと苦手でした。しかも苦手だけど、得意にならなければいけないとずっと思い込んでいたんです。

 

その思い込みが変わったのは、共同創業者の高橋さんとコーチングをしていく中で、業務に合わせて、向いている人に任せるべきというマインドを教わったことです。

 

それからは、自分は開発に特化して、営業は他の人に任せる体制へと変えていきました。できないことを自分でやろうとするのではなく、得意な人に任せることは、正解だったと思っています。

 

とはいえ、諦めただけではなく、苦手でも一度は飛び込みました。高橋さんから「交流会を攻略しないといけない」と言われたとき、正直苦手ですと答えたのですが、2週間後には3回参加して受注までしてきていました、苦手と言いながらも立ち止まらないこと、まずやってみることは今でも自分の中に残っている姿勢だと思います。

 

 

「不毛な時間はAIへ、熱狂は人間へ」――すべての人が熱狂できる世界へ

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

正直なところ、モチベーションを保とうと意識したことはあまりないです。今の事業に心から熱狂できているからだと思います。

 

プログラミングで精度を上げていくこと、AIを使って誰もやっていない営業の仕組みを作っていくこと、それ自体が楽しい。楽しいから続けられるし、壁にぶつかってももっとよくしたいという気持ちが自然に湧いてきます。

 

支えてくれている高橋さんの存在も大きいです。もともとコーチ・メンターとしての関係から始まったのですが、1年以上ともに議論し、壁打ちを重ねてきた中で、高橋さんも弊社の未来への確信を深めてくださり、共同創業という形で一緒に歩んでいただくことになりました。

 

現在は5人のボードメンバーでこの会社をグロースさせていくフェーズに入っており、信頼できる仲間の存在が、走り続けるための大きなエネルギーになっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

弊社のホームページのトップにも掲げているのですが、「不毛な時間はAIに、熱狂は人間に」という言葉が、今後目指している世界観を一番よく表しています。世の中には、本当に不毛な仕事があふれています。それらをAIとシステムで全部自動化することで、世の中の人たちが熱狂できる仕事だけに集中できる環境を作りたいんです。

 

アポラクというサービスも、その一つのアプローチです。営業文面を一つひとつ人間が書くという不毛な作業をAIに任せることで、営業担当者が本来すべき「人と向き合う仕事」に専念できるようになる。この発想をもっと広げて、あらゆるビジネスの不毛な時間をAIが代替できる仕組みを作っていきたいと思っています。

 

今は36社への導入実績を積み重ねている段階ですが、ここからさらに事業の幅を広げ、「すべての人が熱狂できる世界」の実現に向けて、チームとして一気にグロースさせていくつもりです。

 

 

熱狂できることから逆算せよ。起業に踏み出す一番の近道

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

熱狂できることに特化するということが、一番大切だと思います。経営には本当に無限に壁があります。それが自分の熱狂できない事業だったら、途中で心折れて挫折してしまうはずです。

 

でも熱狂できている仕事なら、壁に当たっても、もっとよくしたいという気持ちが自然に出てきますし、だから続けることができますし、突破することができます。

 

その熱狂できることをどう見つけるかですが、自分の場合は、過去を振り返ることでした。大学1年のときの過去問共有サイトの制作時の楽しさが原点です。過去の自分が何に熱中し、何をやっているときが一番楽しかったのかというところから逆算していくと、自分が本当にやりたいことが見えてくると思います。

 

それから、起業することは実はリスクを下げる選択でもあると私は思っています。就職してしまうと、人生の多くの時間をその会社のために使うことになります。そこで十分に成長できなかったとき、10年後に一人で何もできない状態になっていたら、その方がよほど怖いと思います。

 

起業して自ら市場価値を高め続ければ、どんな環境でも生きていける力が身につきます。石橋を叩いて渡るタイプだから起業したというのが、自分の正直な感覚です。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:橋本 大河 氏

大学在学中、機械学習の研究とプログラミングに没頭し2024年にシステム開発の株式会社ZIKUUを高橋と創業。現在は「すべての人が熱狂できる世界」の実現を掲げ、AIソリューション開発を牽引。

 

企業情報

法人名

株式会社ZIKUU

HP

https://zi-kuu.co.jp/

設立

2024年

事業内容

  • セールス&マーケティングDX事業
  • 次世代コンタクトセンター事業
  • セールスプラットフォーム事業
  • オペレーショナルデザイン事業
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