株式会社みんなの社食 代表取締役CEO 齋藤 武仁

株式会社みんなの社食は、有名店の味をオフィスの社食として届けるサービスを展開する企業です。美味しい食体験を通じて社員が自然とオフィスに集まり、部署や役職を超えたつながりが生まれることで、組織の団結力向上まで実現しています。代表取締役CEOの齋藤 武仁氏に、事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。

 

有名店のメニューが会社のランチになる

事業の内容をお聞かせください

私たちが展開しているのは「有名店社食」というサービスです。簡単に説明すると、普段は並ばないと食べられないような有名店のメニューが、自社専用の社食になるというサービスです。

 

数あるレストランの中でも、食べログ百名店に選出されたお店やレビューが常に高い人気店の料理を対象にしています。立ち上げ当初はカレーだけだったバリエーションも、今や中華から焼肉丼など、あらゆるジャンルを取り扱うようになりました。ただメニューが変わるのではなく店舗そのものが日ごとに入れ替わり、毎日異なる有名店の味を楽しめるというのがこのサービスの魅力です。

 

提供方法にもこだわっていて、出来立ての料理をビュッフェスタイルで楽しむことができます。お弁当や置き型社食など他のサービスとは一線を画しています。

 

料金は一食1,500円で、従業員負担を500円に設定し、残りを会社が福利厚生として補助する形が一般的です。週1回からの導入も可能で、シャッフルランチやコミュニケーションランチとして会社が全額負担するケースも多くあります。

 

有名店社食の価値は、「美味しい食事」だけに留まりません。「次の社食はどのお店だろう」というワクワクが生まれ、それが出社の動機になります。私たちは「大人の学校給食」をコンセプトに掲げていますが、小学生が献立表を楽しみに待つ時のような期待感こそが、社員を自然とオフィスへ向かわせると考えています。

 

リモートワークやハイブリッドワークが当たり前になった今、人をオフィスに集める理由をつくることは、多くの企業にとって課題です。ビュッフェ形式で並びながら料理を取り分ける時間には自然と会話が生まれ、デスクで一人で食べる昼食とはまったく異なる体験になります。さらには、ビュッフェを囲む中で部署や役職を超えたコミュニケーションが自然に生まれます。

 

世界の名だたるサービスの数々は社食での雑談から生まれたアイデアだと言われていますが、私たちが目指すのはそういった、組織の団結力向上やイノベーションの源泉になる場を、すべての企業に届けることです。

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

大学生のころ、法人向けお弁当デリバリーサービスでアルバイトをしていました。その中で「あったかいものが食べたい」「スープがあると嬉しい」といった声が毎日のように届いていました。しかしお弁当は食品衛生上、冷めた状態でしか届けられません。

 

ならばホテルの朝食にあるようなご飯ジャーやスープジャーごと持っていけばいいのではないかといったアイデアが浮かび、それが今の事業の原点です。

 

当時の共同創業者と2人でサービスを立ち上げ、1年半ほどで年商数億円規模まで成長しました。しかしコロナ禍で事業はクローズし、私はメガバンクを経てVCへ転職し、スタートアップ支援に携わっていました。また、パートナーの仕事の関係でイスラエルに滞在する時期もありました。

 

転機となったのは、日本に帰国して間もない頃のことです。ある日、大手企業の社員食堂に招かれる機会がありました。そこでは、東京タワーを望む広い空間に、常時10種類以上の温かいメニューが並んでいました。

 

しかしビルの外に出て地下の飲食店街へ行くと、1,200円ほどのランチに長い行列ができている光景もありました。充実した社員食堂がある企業もある一方で、オフィス街ではこうした行列ができている。そのギャップを目の当たりにし、働く人の食環境にはまだ大きな課題があると感じました。

 

しかも、この「ランチ難民」と呼ばれる問題は10年前からほとんど変わっていませんでした。その現実に衝撃を受け、すぐに共同創業者に電話をかけ、「もう一度この事業をやりたい」と伝えました。これが現在の事業を立ち上げるきっかけです。

 

全ての意思決定を顧客体験で決める

仕事におけるこだわりを教えてください。

仕事で大切にしているのは、すべての意思決定を「顧客体験」を軸に考えることです。

 

「儲かりそうだからやる」「大変そうだからやらない」ではなく、それが顧客体験にどのようなインパクトを与えるかを考えたうえで行動を決めています。表面的なマーケティングやブランディングよりも、体験そのものの設計にこそ時間をかけています。

 

自分の中で顧客体験には二つの定義があり、一つが顧客を主語にして考えること、そしてもう一つが相手の期待をはるかに超えることです。顧客体験を大切にすることと、顧客の声をそのまま聞くことは別のことだと思っています。改善には顧客の声が役立ちますが、イノベーションは顧客の声を聞いても出てきません。その違いを意識しながら仕事をしています。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

時間が経つと自然と切り替えられる性格なので、壁と感じることはあまりありません。強いて挙げるとすれば、起業は成果を出すまでに時間がかかるということです。

 

会社員のときは自分のペースで仕事を進められますが、起業をすると社員や取引先など、あらゆるステークホルダーを巻き込みながら前に進む必要があります。自分一人の力で出せるインパクトには限界があり、思い通りにいかないことの連続です。理想は明確にあるのに現実がなかなかついてこない葛藤とは常に向き合っています。

 

美味しい社食が社会全体を動かす

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

私のモチベーションは、この事業が社会にとって必要だと実感できることです。毎日懸命に働く人たちのランチを、少しでも豊かな時間にしたいという思いがあります。

 

仕事は大変なことも多いものです。だからこそ、お昼に温かくて美味しいものを誰かと一緒に食べることで、午後の仕事に向けて前向きな気持ちになれる。その小さな積み重ねが、個人の成果や会社の成果につながり、やがて社会全体にも良い影響を与えると信じています。

 

もう一つのモチベーションは、料理人が正当に評価される社会をつくりたいという思いです。美味しい料理で人を幸せにする料理人こそ、もっと報われるべきだと思っています。しかし、飲食業界には構造的な課題があり、それが十分に実現できていないのが現状です。この事業を通じて、その状況を少しでも変えていきたいと考えています。

 

実際、まだ十分な価値を還元しきれていない段階にもかかわらず、多くの飲食店様が弊社のビジョンに共感いただき、二人三脚で力強いご支援をいただいております。そうした、現場で美味しい料理を創って下さる方々の想いが原動力になっています。 

 

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

直近で力を入れたいのは、ビュッフェのデザインを根本から変えることです。今のみんなの社食には、まだまだ改善の余地があると思っています。目指しているのは、オフィスの中にお店がそのままあるような体験です。

 

見た瞬間に「これはすごい」と感じてもらえる空間にしたいですし、お皿やカトラリーもお店で実際に使われているものに置き換えたいと考えています。

 

また、食の体験そのものもより高めていく予定です。例えば、10年以上ミシュラン三つ星を維持しているフレンチレストランのランチコースが社食で味わえたり、有名店の熱々のラーメンがオフィスで食べられるといった体験は、仕組みさえ整えれば実現できると考えています。

 

大きな野望としては、有名店社食のサービスを通して前向きに働く人を増やし、日本全体のGDP向上を実現させたいです。

 

全員が起業に向いているわけではない

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業は素晴らしい選択肢だと思っています。

 

まだ何も成功していない自分がこのようなことを語るのはおこがましいですが、ただ「いつか起業したい」と思い続けて数年経っている人は、踏み出せないことがほとんどです。考え続けているうちに時間が経ってしまうとしたら、向いていないサインかもしれません。全員が起業に向いているわけではないし、そうである必要もありません。社会はさまざまな役割の人で成り立っているものです。

 


ただ、収入を得る方法を突き詰めると、「雇う側」か「雇われる側」かの二択しかありません。日本ではアルバイトから社会経験を積む人が多いため、気づかないうちに「雇われる」ことが当たり前になっていることがあります。自分はどちら側に立ちたいのか、一度立ち止まって考えてみる必要があると感じています。

 

また、起業するときに「人脈がない」「スキルが足りない」と感じていても、行動してこそ見えてくることがほとんどです。

 

会社はオーケストラのようなもので、一人の力より、それぞれの強みを持つメンバーが集まることで、はるかに大きなことが実現できます。それが会社の面白さだと思っています。必要以上に身構えず、まず一歩を踏み出してみていただければと思います。

 

採用を強化されているそうですね。募集されているポジションを詳しく教えてください

当社はまだ創業初期の段階ですが、サービスが市場に受け入れられ始め、事業が大きく成長し始めているフェーズにあります。

 

その中で、特に力を入れて募集しているのが営業責任者のポジションです。営業組織を立ち上げ、チームを牽引できるような方を想定しています。また、「デザインこそプロダクト」と考えているため、社員数人の段階からインハウスでのアートディレクターの採用によって更なる顧客体験・ブランディング強化も図っていきたいです。

 

事業が急成長しているため、まだ仕組みが整っていない部分も多くあります。しかしその分、成長している事業の中で仕組みをゼロから作っていく経験ができる、非常にやりがいのあるポジションだと考えています。

 

また、「働く人のランチをもっと豊かにしたい」というビジョンに共感し、食に対して情熱を持てる方にもぜひ参加していただきたいと思っています!

 

あらゆるポジションでの1人目ポジションの採用を加速させておりますので、ご応募是非お待ちしております。

 

▼採用情報の詳細はこちら
https://www.wantedly.com/companies/company_8921722

▼「みんなの社食」直近のプレスリリースはこちら

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000164511.html

▼齋藤社長の出演するインタビュー動画(PIVOT)はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=gOh1_LW3Pls&feature=youtu.be

 

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:齋藤 武仁

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。在学中は、株式会社くるめしにて、みんなの社食の前身となる、デリバリー型社員食堂サービス『みんなの食堂』の立ち上げを構想からグロースまで一貫して尽力する。その後新卒として三井住友銀行に入行し、中小企業向けの法人融資を経験。2020年に独立系ベンチャーキャピタルのサムライインキュベートに参画し、国内11社に累計5億円の投資を行い、高い投資リターンを達成。2022年11月に同社を退職後、イスラエルに移住しフリーランスとしてVCやスタートアップへのアドバイザリー・コンサルティングを行う。その後勃発した戦争により日本へ帰国し、2024年6月に株式会社みんなの社食を設立。

 

企業情報

法人名

株式会社みんなの社食

HP

https://minshoku.jp/

設立

2024年6月

事業内容

  • デリバリー型社員食堂サービス『有名店社食』の運営・企画
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