株式会社ポムスタディ 代表取締役 岩下廉

 

2020年設立。コロナが流行する直前という難しいタイミングでのスタートにも拘らず、経営の多角化を行い、増収増益を続ける株式会社ポムスタディ。英語学習を中心とした教育・学習支援業と、WEBマーケティングなどの各種コンサルティングを事業の柱とする。

 

生まれた環境に左右されずに、誰もが努力次第で夢を見ることができる世界の実現に教育は不可欠である。社名のポム(pom)には「木」の意味があり、生徒やクライアントはもちろん会社としても、成長し続けられるようにという岩下社長の想いが込められています。

 

面と向かって言われる「ありがとう」に勝る喜びはないと語る岩下社長。その背景にはご自身のキャリアも深く関わっています。そんな岩下社長にご経歴や起業の経緯、仕事へのこだわりなど、詳しくお話を伺いました。

 

知識を伝え成長を支援する、柱となる2つの事業

本日はよろしくお願いします。まずは事業内容を教えてください

メインの事業は2つです。

1つ目は教育・学習支援事業として首都圏を中心に「ポム英語学習教室グループ」を運営しています。

小学生から大人まで幅広い世代に英語を通じて世界に羽ばたく力を手に入れてほしいという想いでやっていますね。また小〜中規模の学習塾様向けに、校内のみに時間割や授業レポートを共有できる「Pom Sta.(ポムスタ)」というアプリも提供しています。

 

2つ目はWEBマーケティングをメインとしたコンサルティングですね。これもある意味では教育という面もあります。具体的にはホームページの作成や広告運用、営業ツールに関することや採用についても支援しています。また、企業のSNS運用もサポートもしています。

 

大手から国家公務員、そしてスタートアップという異色のキャリア

現在の事業を始められたきっかけはどのようなものだったんですか

東京大学の農学部を卒業後、日系の大手製薬会社に入社しました。当時の私は起業するなど微塵も考えておらず、安定した大手のホワイトカラーの仕事が自分に合っていると感じ希望通りの企業に入社できたと思っていました。

しかし、MRとして2年ほど働いた頃でしょうか、ある程度仕事にも慣れていろんなことが見えてきたこともあってか、自分がやりたいことを裁量もってやれるようになるのはかなり先だと感じ、次第に日々の業務にやりがいを感じられなくなり、退職したんです。

 

その後、実は国家公務員試験を受けて総合職として中央省庁で働いていました。仕事としては法律の草案を作ったり、国会用の答弁資料を作ったり。ただ、イメージあるかもしれませんがかなりタフな労働時間だったんですよね。入って3日目にはもう夜、家に帰れませんでした(笑) もともと体力がある方ではなかったですし、これは続けられないなと感じました。

 

その後、縁あってIT系のスタートアップに入社しました。

 

大手企業、国家公務員からのITスタートアップはかなりギャップがありますね

そうですね、ただ大きな会社(組織)を2つ経験して、自分にはそういった規模感は合わないなと感じていたので、思い切って真逆に舵を切ったというのもあったんです。

それである程度自分の適性がわかることも期待していました。

そしてその新しい環境は私にはとても合っていたと思います。もちろんスタートアップですので、ある程度はタフな時もあるのですが、夜帰れないというほどでもなかったですし何より自分がやりたいこと、好きなことをやれる環境は楽しかったんですよね。

 

そのスタートアップは最先端のVR技術をビジネスの現場に導入するサービスを扱っていたんですが、やはり代表は大きなビジョンを持っていてそれに向かって情熱的に突き進んでいました。当時私はカスタマーサクセス部隊の立ち上げやオウンドメディアのディレクターなどやりがいのある業務を任されており、もちろん私もモチベーション高く仕事に取り組んでいました。

しかし、次第に自分でも同じように事業に挑戦してみたいと思うようになり、起業を考えるようになりました。

 

最初に英語塾を始められたのはどうしてだったのですか

私自身英語が得意だったということもありますが、実は妻が先に個人事業主として英語塾を始めていたんです。

私もスタートからサポートはしてきていたんですが、予想以上に多くの生徒さんが集まり、彼女1人では塾の運営がままならなくなってきたこともあり、私も思い切って独立し、英語塾の運営に専念することにしました。

ただ、法人化をしたのが2020年1月とコロナが流行る寸前で、英語塾ももともとの生徒さんは大半が残ってくれたのですが、より安定的な会社運営をすべく、前職での経験を活かしてWEBマーケティングを中心としたコンサルティング業も始めたというのが現在の事業形態となった経緯ですね。

 

歯車の時代があったからこそ感じる、生きた感謝の言葉

仕事におけるこだわりや譲れないことはありますか

もともと前職でカスタマーサクセスの経験があったことが大きいのですが、お客様の成功につながるような仕事がしたいというのは常に考えています。

面と向かって言われる「ありがとう」の言葉はやはり何よりも嬉しいんですよね。

大きな企業や組織で仕事をしてきて、どこまでいっても1つの歯車としてひたすら雑務をこなすような毎日を送ってきたからこそ、その人のためになっているということを実感できることに喜びを感じます。

生徒さんからは「試験に合格しました!」という報告を受けたり「先生がいなければどうなっていたかわかりません」という嬉しい言葉をもらったり、コンサルティングでもお相手となる企業さんには無い知識をお伝えすることで「うまくいった」という声をいただいています。

そういったお声をいただけることは本当に嬉しいですね。

 

あとは、弊社はお客様と長期でのお付き合いになるビジネスを選ぶようにしています。

これはスタートアップの時の学びでもありますが、長期に継続していただくことが前提のビジネスは、リカーリングモデルともいったりしますが、収益が安定する分お客様はもちろん従業員に対しても、それを前提としたプランが描けるので。

コロナ禍でさまざまな企業が厳しい局面になりましたが、リカーリングのビジネスに重きを置いていたからこそ、変わらずサービスを継続でき、従業員も雇用し続けることができています。

 

起業されてからの一番の壁というと、どのようものでしょうか

それはやはりコロナウイルスの流行ですね。創業したのが2020年1月でしたので、本当に流行が始まる寸前だったんです。

ただ、コロナがなければコンサルティングの仕事は始めていなかったかもしれないので、そういった意味では大きな転換点でもありましたね。

 

あとは妻と二人三脚で進めてきた中で、それだけでは手が足りなくなって初めて人を採用した時もそうかもしれません。

マネージメントという部分はもちろんですが、自分たち以外の方の人生も背負っての会社運営は、大きな責任感を感じるものになりました。そしてこの点に関してはまだまだ私が事業の大部分を担っていることが課題にも感じていますので、組織の拡大についても今後乗り越えなければならない壁だと思っています。

 

もっと関わる人の力になるべく、次のステップへ

進み続けるモチベーションは何でしょうか

自分がやりたかったことができているというのは大きいです。それを追求していきたいというのが一番の原動力だと思います。

そして関わる全ての人を支えたい、力になりたいという気持ちも強いです。

具体的には自分を信じてサービスを使ってくれている生徒さん、クライアントさん、一緒に仕事をしてくれている従業員や妻。モチベーションというには少し違うかもしれませんが、責任感というのは私にとって大きなエンジンではありますね。

 

今後の展望や野望などはありますか

英語塾に関しては今後は規模を拡大していきたいです。

会社として売上規模を大きくしたいということよりも、教室数を増やして通いやすくしたり、自習室などを設けて日々の勉強でもつかってもらったり。今は個別式の授業形態をとっていて、それはそれで集団授業ではできないきめ細やかな指導ができるんですよね。生徒さんが求めるものをうまくくみ取っていい状態をつくりたいですね。

最終的には学力的に私を超える生徒さんが出てくればいいなと思っています。

 

法人様向けのコンサルティング事業に関しては、ありがたいことにお客様は増えてきているのですが、私1人では抱えきれなくなってしまいそうなので、適切な方に適切な形でパートナーとして参入いただき、こちらも規模を拡大していきたいと思っています。

 

起業をしようとされる方にぜひメッセージをお願いします

まだまだ私も偉そうに言える立場ではないので、その前提でお話しますが、起業されようとする方はご自身のビジョンを抱いてその実現に向けて一歩踏み出そうとされていると思いますので、まずはそこを信じて頑張りぬいてほしいです。

 

あと実は私、昨年の3月に手足が急に動かしにくくなり10日ほど入院したことがあったんです。日常の動作が難しくなるレベルで、ものをつかんでも落としてしまったりという感じで。結局原因は分からず、今思えばストレスだったのかとも思うのですが…。幸いよくなって仕事ができているのでよかったのですが、やはり起業というのは身体的、精神的負担も大きいと思いますのでくれぐれもお身体は大切になさってください。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

*インタビュー場所:ポム英数学習教室 大岡山校

*オリジナル教材

 

起業家データ:岩下 廉 氏

 

東京大学農学部卒業。TOEIC990、英検1級を保持。新卒でMeiji Seikaファルマ株式会社に入社し、MRとして約2年間従事した後にしばし海外生活を送る。その後国家公務員総合職として中央省庁に勤務後、起業も含めた選択肢を検討する中で、IT系スタートアップのスペースリーにジョイン。主にカスタマーサクセス部門の立ち上げやオウンドメディアのディレクターを経て、20年1月に英語教室を運営する株式会社ポムスタディを設立して独立。

コロナ禍の状況下でも、経営の多角化を行い、増益増収を達成中。趣味は将棋で棋力はアマチュア三段。高校時代には全国大会に出場。

 

企業情報

法人名

株式会社ポムスタディ

HP

https://pom-study.com/

設立

2020年1月

事業内容

総合WEBコンサルティング事業
教育・学習支援業
雑貨販売事業

沿革

2018年12月 英語学習ブログ「えいごログ」を開設

2019年5月 英語学習教室「ポム英語学習教室」を大田区西馬込に開業

2020年1月 株式会社ポムスタディとして法人化

2020年6月 WEBコンサルティング事業のサービス提供開始

2022年2月 ポム英数学習教室を大田区大岡山にて開校

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