【#045】海外進出志望の志ある起業家やリーダーをサポート！起業や海外経験のある2人が転換期にある日本の成長に貢献｜代表取締役　宮川 聡／ケニー ラム（LaunchStarz Inc.）

LaunchStarz Inc.　代表取締役　宮川 聡・ケニー ラム

英語を話せる宮川氏と、日本語を話せるアメリカ人ケニー氏が共同創業したLaunchStarz。2人には、日米の両方で働き、起業を経験している共通点が。また、「大好きな日本に貢献したい」という志を持っています。

今回は、そんな2人が、海外で事業をしたい日本人をサポートするためにLaunchStarzを創業した経緯や仕事におけるこだわり、今後の展望などを詳細にお話くださいました。

 海外でスタートアップしたい日本人起業家やリーダーのサポート

事業の内容をお聞かせください

宮川氏：

主にアメリカ進出したい日本人向けにスタートアップ支援を行っています。海外進出を望む起業家・リーダーや会社のフェーズに合わせて、必要なサポートをカスタマイズします。

今の日本には、既存の概念にとらわれず柔軟に学び続けられる人や、現状に安住せず進み続けられる人が求められています。パッションや志が少しでもあれば、まずはぜひ挑戦してみて欲しいです。僕らは日本とアメリカで培った経験を活かして、起業家・リーダーがグローバルに活躍できるように手助けしたいと考えています。

現在、アメリカで事業展開を目指している起業家・リーダー向けのプログラムを、経済産業省やJETROと企画しており、政府のスタートアップ育成5か年計画の大きな柱にもなる「グローバルイノベーター創出プログラム　Beyond JAPAN Zero to X」が、今年の夏からスタートします。

事業を始めた経緯をお伺いできますか？

宮川氏：

僕とケニー氏は、3年前くらいから友人として親しくしていました。僕は教育が好きでアメリカで起業を経験していて、彼は日米で起業した経験がある。しかも、2人ともスタートアップと大企業を経験しているし、なにより日本が大好き。このような共通点があり「僕らなら、日本人が海外に出ていくのをサポートできそうだよね」とずっと話していました。

2023年に入って「いよいよ始めようか」と話していたタイミングで、経済産業省の担当者の方とのご縁があり今に至ります。

僕はもともと大手保険会社に12年勤めた経験があります。その間に、スタンフォード・ビジネス・スクールへ留学し、人・情報・カネが集まるシリコンバレーの熱気に触れて、スタートアップに情熱を注ぎたいと思うようになりました。帰国後はグローバルカンパニーの経営企画を経て、IT・プログラミング教育サービスを提供するスタートアップに参画。そこでアメリカでの起業を経験しました。

これらの経験のなかで得た、様々な原体験（Aha! Moment）を通じて、自分の人生がどんどん面白く変わってきた感覚があります。このような経緯から、僕は教育に携わることが好きです。「人生が変わるような瞬間を一人でも多くの人に届けたい」というのが、僕の本望です。

ケニー氏：

僕はマレーシアで生まれ、5歳の時にカナダのバンクーバーに移住しました。ブリティッシュコロンビア大学を卒業後、カリフォルニアのMBAプログラムに合格しましたが、ギャップイヤーを取って1年だけ日本で英語を教えることにしました。

日本の文化と人々に一瞬で魅了され、結局、1年の予定が14年になりました。その間に、自分の英会話スクールやLIFEmeeというスタートアップを起業し、TechCrunch 2009のファイナリストになりました。そこで人生を変えるような経験をし、その瞬間からテックとスタートアップへの情熱を追求したいと思うようになりました。

その後、グルーポンで日本事業の立ち上げ・ローカライズを行い、アメリカのグルーポンに異動し、シリコンバレーのテック文化にどっぷり浸かりました。Amazonやagodaといった大手ハイテク企業で働いたほか、アメリカで最初となる、日本のスナック菓子をサブスクで販売するスタートアップのCEOも務めました。

これらの経験を大好きな日本のスタートアップに還元したいと考え、LaunchStarzを立ち上げました。日本のスタートアップのアメリカ進出を支援し、また、JETRO/METIとも提携することで、この恩返しができることを光栄に思います。

志を持ち失敗を乗り越えて挑戦できる人が求められている

仕事におけるこだわりを教えてください。

宮川氏：

志やパッションを持った起業家・リーダーを応援し、増やしていくことです。

たとえば、ネームバリューのある大企業であったとしても、会社の看板を前面に押し出すやり方では上手くいきません。また、起業したとしてもお金儲けだけが目的であれば、いずれ限界がきます。

大切なことは、その人に志やパッションがあるかどうかです。それが社会にしっかりと還元されるようにしたいのです。 

また、素直さがなければ人は変わっていけません。そういう意味でも、マインドは大切です。 さらに、起業家たちには失敗経験が欠かせません。安心領域ではない世界でも挑戦し続けることが求められます。そして、僕はそんな起業家たちをそばで見守り、道標となりたいと考えています。

ケニー氏：

何事も志から始まるからこそ、目的を達成できます。志がなければ誰かに教えられても身になりません。

人から話を聞いたり、本を読んだり、プログラムを受講したり、机上で学べることはたくさんあります。でも、全てのことは経験することから始まると信じています。まずは何かに挑戦して、失敗することもとても重要な経験です。

弊社では、重要な価値観として”embrace the uncomfortableー挑戦し続けようー”を掲げています。おそらくこれは日本人にとっては難しいことなのかもしれません。だからこそ、意識をして行動してみて欲しいのです。

僕はマレーシア、カナダ、日本、アメリカと渡り歩き、日米で起業しています。新鮮で、チャレンジングな環境へ常に身を置くように意識しています。ちなみに、宮川は、幼稚園をベルギーで過ごし、小学校の時にニューヨークの学校から日本の学校に移り、その後も引っ越しを繰り返しています（二人合わせて人生で30回）。

常に”uncomfortable(心地よくない)”な環境に身を置くことを繰り返してきたので、今ではそれが普通のことになってきています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

宮川氏：

LaunchStarzとしては、幸い今のところはまだ大きな壁にあたったことはありません。これまで一人でアメリカへ渡り起業して経営していく中で、たくさん失敗してきたからこそです。それが、今に活きています。

当時は、たとえば、何をするにしても1つ問題を解決すると、新たな問題が5つ出てくるような感じで進んでいて、それらを一人で解決していくことが苦しかったです。しかも、一つひとつの問題や失敗のダメージがとても大きかったです。

現在は、共通のミッションを持ち、かつ、同じような経験をしてきたケニーが今はパートナーでいてくれていることもあり、とてもスムーズです。「日本人を助けたい、日本のスタートアップをグローバルにしたい！」という志をベースにして、力を合わせて進んでいます。

一人でも多くを支えることがミッション

進み続けるモチベーションは何でしょうか？

ケニー氏：

「日本から海外に出て、挑戦したい人を支えたい」という志こそが、モチベーションの源です。ライフワークとして、今後もずっとやっていきたいです。

戦略やチームづくり、資金調達なども含めて、起業家の相談役としてできる限りのサポートをします。そして、事業が立ち上がるところまで見届けること。その活動内容そのものが、僕たちのモチベーションに繋がっています。

今後やりたいことや展望をお聞かせください　

宮川氏：

日本人の起業家のためのエコシステムをアメリカに創っていきたいです。

日本のスタートアップが、アメリカ進出しようと考えたときに、頼れるコミュニティがある状態を目指しています。まずはロサンゼルス、サンディエゴ、オースティンから始めていきますが、ゆくゆくは全米、カナダ、その他の海外にも拡げていければ最高です。

いまはまずはアメリカ進出に興味があるスタートアップを一社でも多くローンチ・グロースまで導いていくことを最優先課題に据えています。それと並行して、アメリカ進出に挑戦してみたいと思う起業家の数も増やしていきたいです。

一人ひとりにきちんと向き合って、一人でも多くの起業家をサポートしていきたいと考えています。

転換期にいる日本、志を胸に思考を解放し行動を

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

宮川氏：

志を大切にしてください。そして、クレイジーであり続けましょう！

忙しくなると、つい日常に埋もれてしまいがちです。自分が本当にやりたいことを、意識して思い出してください。そうしなければ、すぐそこにあるチャンスを逃してしまいます。常に思考を解放して、自分の枠を超えて考えることが大切かなと思います。

今、日本の若い世代が変わろうとしているのを、僕らは感じています。今後も、そんな志のある起業家をサポートしていきたいです！

ケニー氏：

14年間日本に住み続けて、若い世代が今まさに変わり始めていることが感じられます。日本は、転換点にいるんです。

今の日本の起業家を見ると、みなさん英語が話せて、世界中で起きていることも知っている方々が多い印象です。一方で、海外でビジネスを始めることに興味をお持ちでも、実際に始める方法を知らないという方が多いのではないかと感じています。このような思いを持つ起業家の方々を、僕たちはぜひ助けたいのです。

今、日本は転換期にいるからこそ、その成長曲線をより伸ばしていけるよう、我々も少しでも貢献していきたいと願っています！

本日は貴重なお話をありがとうございました！

起業家データ：

宮川 聡氏

自身でEdTechスタートアップをロサンゼルスで立ち上げ、事業推進してきた経験と、日本のスタートアップおよび大企業での17年以上に渡る海外事業のビジネス経験を活かし、アメリカで起業・新規ビジネスを立ち上げる方々の挑戦を全力で応援・サポートする。

ケニー ラム氏

北米ネイティブとして、日米のワークカルチャーを理解しており、アメリカ市場に参入する起業家の橋渡を提供（日本14年、アメリカ10年超の経験）。日米での自身の起業経験と、日本およびシリコンバレーやシリコンビーチの大手ハイテク企業で働いた経験を活かし、スタートアップや起業家をメンタリング・支援する。

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