【#216】エンジニア×案件のマッチングサービス「D’SMASH」をリリース。日本のエンジニアの価値向上とレベルアップに挑戦し続ける|代表取締役 坪内 俊樹(株式会社ミューオン)
株式会社ミューオン 代表取締役 坪内 俊樹
株式会社ミューオンは、IT系のシステムの受託開発を行ってきた会社です。創業15年目となる今年、自社製品としてエンジニアと案件のマッチングプラットフォーム「D’SMASH(ディースマッシュ)」を立ち上げました。自社でもエンジニアを抱えている株式会社ミューオンが、なぜ「D’SMASH」のリリースを決断したのか、このサービスの特徴や今後成し遂げたい展望などを詳しく伺いました。
IT業界の形は変えず、エンジニアが成長できるプラットフォームの制作へ
事業の内容をお聞かせください
弊社は2010年に創業し、今年で15年目の会社です。これまでは主にIT系の受託開発をしており、今年5月には自社製品として、エンジニアと案件のマッチングサービス「D’SMASH(ディースマッシュ)」をリリースしました。
現在は受託開発と並行して、「D’SMASH」の営業、宣伝活動を行っています。
「D’SMASH」は、働きたいエンジニアとエンジニアを募集、採用している会社が効率よくマッチングするプラットフォームを作ろうという思いから誕生しました。
従来、採用する会社側はエンジニアを上から順に評価して、スクリーニングしていました。しかし「D’SMASH」では、エンジニアのスキルや経験を読み込み、会社の条件とどれだけ合っているかスコアリングしてくれます。
反対に会社側は、開発するシステムの詳細や必要とする条件を「D’SMASH」に読み込んでもらい、エンジニア側へ開示しています。エンジニア側としては、好みの案件や得意な案件が一目で分かるようになり、互いに条件の相違なくマッチングできる環境となりました。
また、「D’SMASH」には、従来のIT業界の人材獲得のシステムも組み込まれています。
基本的にエンジニアは会社に属していることが多く、オファーする会社側が気になるエンジニアに声をかける際は、エンジニアが属している会社のエージェントへコンタクトをとっていました。
弊社ではこの依頼形態をうまく活かせるように、気になるエンジニアを見つけたら「D’SMASH」内でオファーできる形へと落とし込んでいます。
オファーする会社側としては、マッチ度合いにあったエンジニアが一覧で分かるようになり、エンジニア側としてはオファーされる手段は変わらず、事前に案件の詳細が分かるようになる部分が「D’SMASH」の特徴だと思っています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
弊社は開発会社であるためエンジニアを抱えているのですが、案件の大きさによっては人手が足りなくなることもあります。
パートナー会社もありますが、案件に適しているエンジニアがどの会社に属しているのか分からないケースも少なくありません。
さらには、SESの事業者の中から目星を付けてお声がけしても、まったく異なる提案が返ってくる経験もしました。最初の数ヶ月は協力していただけるのですが、途中で案件から外れてしまうケースも数多くありました。
案件とエンジニアのマッチングがうまくいかない現状に直面して「これはIT業界の構造に問題があるのでは?」と思いました。これまでは、どのようなエンジニアが所属しているのか問い合わせるまで分からなかったのですが、オープンな形で探せるようにしたら良いのではないかと考えました。さらに、SES企業側もスキルセットや経歴をデータベース化することで、すぐに提案が出せるようになります。また、社内の技術力を正確に把握し、効果的なスキルアップ計画を策定できれば、エンジニアの育成を支援する形にも繋がると考えています。このように、企業側と提案側の双方にメリットが生まれるよう試行錯誤し、最終的に辿り着いたのが「D’SMASH」というサービスです。
D’SMASHは企業とエンジニアのマッチングにAI機能を搭載しているのですが、「本当にAI機能で精査できるの?」と、AIに対して疑問に感じる方もまだまだ多いと思います。D’SMASHが最初からAIを活用したプラットフォームに方向性を定めた理由としては、私自身「D’SMASH」を生み出す前から、分野は違うのですがAIの開発に携わっており、AIの良し悪しや、できること、できないことがある程度分かる状態だったためです。
弊社は、独自で「D’SMASH」を開発しているため、どんどん精度を高め、改善することができます。今後も「D’SMASH」同様に、自社での開発を積極的に行っていく予定です。
「できません」と言わないための努力を惜しまない
仕事におけるこだわりを教えてください。
「D’SMASH」については、引き続きマッチングの精度にこだわっていきたいと思っています。
システム開発面では、AIの分野にとらわれず、スマートフォンやChatGPT、フェイスAIなど、さまざまな技術を取り入れ、多方面に対応できる姿勢を崩さないことを心がけています。
実際に最近では、ChatGPT、フェイスAIなどを活用し、エンジニアの経歴を要約する技術開発にも挑戦しています。
色々な技術を取り入れているのは、クライアント様からの依頼に対して「できません」と言いたくないといった信念からきていると思います。
起業から今までの最大の壁を教えてください
認知度を上げることに関しては、起業してから現在まで苦労しています。
ただ認知度を上げるだけではなく、実際にサービスを提供したときに、期待外れにならないことを心がけています。
私はどちらかと言うと技術寄りの人間で、言語化がうまくないため、認知度を上げるための施策は、得意な人にお願いしています。
クライアントからの興味が1番のモチベーションに
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
私の場合、弊社で考えた技術や、開発したものを利用いただき、興味を持っていただくことがモチベーションになっていると感じます。
今回、大々的に開発しているのはプラットフォームであるため、より多くの方に期待し、興味を持っていただけるような形にしていければと思っています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
「D’SMASH」は5月に事業展開したばかりなので、まずはこのプラットフォームをより良くして行きたいと考えています。
また、最終的な展望としてはエンジニアが成長するような世の中を作っていきたい思いがあります。現在「D’SMASH」を活用することで、業務の効率化ができている状況ですが、さらに突き詰めるとエンジニアが働きやすい環境ができたり、営業に割くコストが少なくなったりします。その循環ができると、浮いた労力や予算が他の部分へ回せるようになります。
さらに、エンジニアの実力・スキル・経験が公開され、マッチングするプラットフォームの特性上、次第にエンジニア自体が商品、商材になってきます。
この好循環によって、日本のエンジニアのレベルが底上げされ、エンジニアの価値が高まるような状態を目指しています。
とにかくいろんな人に会い、話を聞くべき!
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
出会いを大切にしてほしいです。直接仕事につながる、つながらないは置いておき、積極的にいろんな人に会って、話を聞く機会を作ることをお勧めします。
いざ自分がやりたいことに向かって動き出したときに「あの人も似たようなこと言っていたな」などと思い出せるように、多方面との出会いを大事にしてほしいです。
私も現在の仕事の仲間は、過去に仕事で一緒になった方や、間接的に仕事をした方が多いです。ふとしたときに「あの人、一緒に仕事をしていてすごく助かったな」などと思い出し、声を掛けさせていただいたケースもありました。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:坪内俊樹氏
企業情報
法人名 |
株式会社ミューオン |
HP |
|
設立 |
2010年7月1日 |
事業内容 |
1.システムコンサルティング 2.システム受託開発 3.IoTやAIの技術を応用したシステム開発 |
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