【#252】独自SNS戦略で中小企業の躍進を支援。営業力と人脈を加速させるマーケティングのプロ集団|代表取締役社長CEO 山崎 歩希(株式会社バジェットアドテクノロジーズ)
株式会社バジェットアドテクノロジーズ 代表取締役社長CEO 山崎 歩希
株式会社バジェットアドテクノロジーズは、Facebookを活用した独自の営業代行事業をおこなっています。同社の特徴は徹底的な顧客志向と、リストとノウハウを活用した効率的な運用にあり、それらを活かした中小企業の広告運用のマーケティング支援などの事業も展開しています。クライアントの売上が上がるコスパの良いマーケティングの実施を主義を掲げ、新しい挑戦をし続ける代表取締役社長CEOの山崎 歩希氏に、事業内容や今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。
中小企業の営業活動と人脈形成を同時に実現
事業の内容をお聞かせください
当社では、主に2つの軸で事業を展開しています。SNSを活用した営業代行事業と、デジタルマーケティング事業です。
特に力を入れているのが、SNSを活用した営業代行事業です。「FB5000(エフビー・ゴセン)」というサービス名で展開しており、Facebookを使った営業代行と運用代行をおこなうサービスです。
具体的には、クライアントである経営者のFacebookアカウントをお借りするか、同じ名義で新しいアカウントを作成します。そして、当社が保有する16,000社のリストの中から、クライアントの狙いたいターゲットに向けてアポイントの獲得につなげていきます。
このサービスの特徴は、単にアポイントを取るだけでなく、クライアントの人脈形成にも大きく貢献できる点です。毎月約200人の経営者とつながりができるため、中小ベンチャー企業界隈での知名度も自然と上がっていきます。さらにこのサービスで経営者の友達が増えていけば、商材の投稿などで増やして行った友達に対して無料でアプローチをすることができます。
当社がFacebookに注目したきっかけは、以前おこなっていたInstagramの運用代行事業でアポイント獲得に苦戦したことでした。
そこで、実名で登録されているFacebookに着目し、直接経営者にアプローチする方法を見出しました。この方法で初月に2つのアカウントを使って40件ものアポイントを獲得できたことから、これを多くの中小企業の方々の役に立つサービスとして展開しようと考えました。
また、運用面では、10日に1回のペースでPDCAを徹底的に回し、DMの内容を常に最適化して反応率を追求しています。これが他社との大きな違いです。
さらに、戦略面でも独自のアプローチを取っています。当社で保有している影響力のあるアカウントを活用して、投稿を一斉におこなったり、相互に送客し合ったりを代行し、クライアントの人脈構築をサポートしています。
この他にも、一般的な広告運用やTikTok、YouTube、Instagramの運用代行など、デジタルマーケティングの幅広い領域もカバーしています。
当社のサービスは、人脈がなくて困っている中小企業の方や、効果的な営業方法を模索している経営者の方に特に喜んでいただいています。単なる営業支援だけでなく、ビジネスネットワークの拡大にも貢献できることが強みだと自負しています。
他社の広告運用との違いを教えてください。
1番の特徴は価格の安さ、特に手数料の安さです。
一般的には20%の広告の手数料を取る企業が多いのですが、当社では10%に抑えています。これだけ安いとなると。個人事業主レベルの価格設定だと言えるかもしれません。
ですが、ただ安いだけではありません。効果の出る広告を打って、クライアントにもっと大きな利益を生んでいただくことを目指しています。そして、その利益を使って、さらに別のマーケティング施策に投資していただく、そういった長期的な視点でお客様と関わっていくのが、当社のアプローチです。
「マーケティングを資産化する」事業について教えてください。
このサービスは「シサンカ」という名前で、現在テストローンチの段階にあります。基本的な内容としては、YouTube、TikTok、Instagramの運用を低価格でおこなうものです。
通常、SNSの運用代行は、月額20〜50万円くらいが相場です。そうなると年間で240万円以上かかってしまい、特に新規ビジネスを始めるときは、かなりの負担になります。
そこで当社では毎月かかる固定費の部分を大幅に削減し、3万円という相場の10分の1程度の低価格で提供することにしました。戦略立案やコンセプトづくり、運用、レポート作成といった基本的なサービスをカバーします。
ただし、動画コンテンツの制作などに関しては別途料金をいただきます。例えば、カメラマンの手配が必要な場合など、実費がかかる部分については、制作した月にのみ料金が発生する仕組みです。
このサービスの特徴は、クライアントの予算や状況に応じて柔軟に対応できる点です。予算に余裕があるときはコンテンツを多めに作成し、予算が厳しいときは動画制作を一時停止するなど、状況に応じて調整が可能です。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
起業した経緯は、学生時代に出会った仲間がきっかけでした。私はSEOを得意としていて、もう一人の創業メンバーはSNSの事業をやっていました。二人で力を合わせたら面白いことができるんじゃないかと思い、学生で起業をしました。
起業して良かったと感じる点は、行動力が身についたことです。そして、相手に喜んでもらえることが自分たちの売上にも直結するといったビジネスの基本を体感できました。この経験から、マーケティングといった新しい分野に挑戦する際も、まずは相手に喜んでもらうことを第一に考えるようになりました。
クライアントの成功が自社の成功につながる
仕事におけるこだわりを教えてください。
簡単に言えば、「クライアントの成功にこだわる」ことです。
当社は主に中小企業向けのマーケティング支援や集客支援をおこなっていますが、単に契約上の役務を提供して終わり、といったスタンスは取っていません。「これでやりました。支払ってください。結果は出なかったですけど」といった形では、クライアントも潰れてしまいますし、私たちの事業も成長しません。
そうではなく、本当にできるところまでやってクライアントの売上を上げる、そしてより深い信頼関係を築き、さまざまな面で当社に任せてもらえる関係性を目指しています。そのために、常にクレームの収集とその声を反映する会議を行いサービス改善を行うことはもちろん、時にはクライアントさんと一緒に「これがあったらいいよね」といった視点でサービスを改善し、オプションを追加しています。
この考えに至った背景には、長期的な事業成長の視点があります。クライアントが儲からなければ、当然ながら長期的な付き合いにはならず、LTV(顧客生涯価値)が低くなってしまいます。
日本には約300万社の中小企業があると言われていますが、今メンバー12人で1人100社と深い関係を築くと単純計算しても現実的に私たちが深い関係を築けるのは恐らく1,000社程度だと考えています。だからこそ、その限られたクライアントとどれだけ長く、深い関係を築けるかが、事業成長の鍵になると確信しています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
現在も直面しているところではあるのですが、組織文化の成熟と人材育成です。特に当社は、営業部門の比重が大きいため、この分野での壁を強く感じています。
もちろん営業にはスキルや提案能力も必要ですが、その奥にある理念やサービスで成し遂げたい展望などを理解し、正しい活用方法を顧客と共有することが営業マンにとって必要なことだと思っています。
しかし、この理念などは言っているだけでは浸透せず、組織の文化として仕組み化しないと浸透と定着はしないと思います。その浸透と定着に今苦戦しているところです。
現在、業務委託を含めると40〜50人ほどの規模になっていますが、コアとなっているメンバーは12人です。さらにオンラインでの稼働がメインの方も少なくなく、この環境下で理念を伝え全員の熱意を高く保ち続けることは、簡単なことではありません。
しかし、この壁を乗り越えることが、会社の成長には不可欠だと考えています。メンバー一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、熱意を持って取り組める環境づくりこそが、重要な課題だと日々感じています。
世の中に必要なサービスを生み出し進化させる
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
まず、この仕事が純粋に楽しいです。資本主義という大きなゲームの中で、会社をどれだけ成長させられるかとの挑戦が、私にとって何よりの原動力になっています。
特に面白いと感じるのは、プロダクトマーケットフィットを達成するプロセスです。世の中が何を求めているのかを探り、毎日サービスを改善していく中で、ある瞬間に多くの人が欲しがるサービスへと変化する、その瞬間の興奮は言葉では表せないほどです。
しかし、そこで満足せず、様々なクライアントさんからクレームを収集し、もっと多くの人々や違う市場に必要とされるサービスへと進化させていく、どうすればより多くの人に必要とされるのか、どのように改善すれば新たな市場で受け入れられるのか、そういった課題に取り組み、解決策を構築していくプロセスが、私にとって最も楽しく感じています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
会社としての展望は、中小企業のネットワークを構築し、困っている企業を広範囲でサポートすることです。
特に、素晴らしいサービスを持っているにもかかわらず、人脈やつながりが不足している方を支援したいと考えています。当社が橋渡し役となり、そういった方を中小企業のネットワークに迅速につなげられるような仕組みをつくり上げたいです。
個人的な展望としては、ロケットをつくることや自動車会社の設立など、さまざまな分野での事業展開を考えています。やりたいことが山積みで、多岐にわたる事業に挑戦していきたいとの思いがあります。
顧客第一の戦略を立て信頼関係を築く
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
全然駆け出しの私がいうのは恐縮ですが、起業家として、最も重要なマインドセットは「すべては自分の責任である」といった認識です。
日々の業務でさまざまな問題に直面しますが、それが自分のミスであれ、自分が知らない範囲で起きたトラブルであれ、結局のところ管理ができていない自分の問題ということです。この責任感があるからこそ、細部まで目を配り、事業の全体像を把握する必要があります。
あとは苦言や要望、クレームは顧客からの大ヒントだと思うことも重要だと思います。サービスやシステムをどれだけ入念に設計しても、最初から誰もが納得するサービスなど作れないと思っています。自分では気づかない盲点やトラブルなど必ず起き、それに対し大なり小なりクレームを受けます。もちろんクレームを受けるのは嫌ですが、ここでのどれだけ苦言や要望を顧客からのサービス改善の大ヒントだと思えるかでサービスの良し悪しは分岐すると思います。
真摯に受け止め顧客からのヒントだと思えれば、サービスのナレッジやシステムに組み込み改善を図れるので自分であれこれ考えるより圧倒的なスピードで伸びていくと思います。なので喜んでクレームを拾い上げる体制や仕組みを作りそれを改善し続けるのがいいサービスへの近道だと思います。
具体的なアドバイスとしては、マインドとは全然方向性が違うものになりますが、価格的に原価率の低い目玉商品を作り、効率的にクレームの収集と改善する仕組みを組みサービスを改善し、顧客と長期的な関係の構築できる状態にし、そこからそのサービスを応用した他の商材やオプションを設計していくことがいいかと思います。
当社では、大手チェーンのディスカウントストアのビジネスモデルを参考にしています。1番の目玉商品やバリューが出せる商品を低価格で提供し、顧客満足度を高めて信頼関係を構築します。そして、その他の商品は通常価格で販売する方法を取っています。
サービスを売るということは最初に大きな壁に見えましたが、本質はすごく簡単で日常のスーパーで見る光景が形を変えているだけだと思います。自分だったら買うかという顧客視点に立ったサービス設計と販売戦略を立て、諦めずにクレームを広い、サービスを改善し続ければいずれ、いいサービスになっていると思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:山崎 歩希氏
2000年10月24日生まれ。
立教大学理学部在学中
企業情報
法人名 |
株式会社バジェットアドテクノロジーズ |
HP |
https://www.budget-adtech.co.jp/ |
設立 |
2021年07月 |
事業内容 |
SNS営業代行事業、デジタルマーケティング事業 |
関連記事