株式会社日本提携支援 代表取締役 大野 駿介

株式会社日本提携支援は、提携支援サポートやM&Aオファーにより経営者の方の悩みを解消するお手伝いをしています。事業承継やM&A検討時の初期相談を受け付け、それぞれの会社にマッチするM&A会社をアドバイスします。これまでに1000件を超える事業承継の相談数を誇る同社の代表取締役、大野駿介氏に詳しくお話を伺いました。

 

会社ごとに適したM&A会社をアドバイスする、包括的なM&A窓口

事業の内容をお聞かせください

弊社がおこなっている事業のメインは、M&Aの窓口です。現在、100社をこえる保険を取り扱っている「ほけんの窓口」というものがありますが、そのM&Aバージョンです。

 

会社を経営している人の中で、会社を売買したいと考えているものの、どこに相談すればいいかわからないと感じている人もいらっしゃると思います。M&A会社に直接行って相談する手段はありますが、そのM&A会社が自社に適しているのかどうかを判断するのは難しいのが現状です。

 

たとえば、「従業員10名の運送会社」と「従業員50名の医療法人」が同じM&A会社に相談するとなると、担当者が会社の業種について詳しくなかったり、最適な改善案を見つけられなかったりするケースがあります。

 

そのため包括的なM&Aの窓口を弊社が担い、全国に約60社のM&A会社との提携ネットワークを活かし、お客様のM&Aの窓口として総合的にサポートしています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私は新卒で株式会社日本M&Aセンターに入社しました。株式会社日本M&Aセンターは業界最大手で、事業承継におけるM&Aや未上場企業のM&A仲介業務、会社の成長戦略立案や売り手と買い手のマッチングなどをおこなっている会社です。

 

いち営業担当者として成果を出していかなければいけない中で、経営者と対峙した時に「M&Aではなく採用支援をした方がいいのではないか」と思っても、M&Aを勧める話しかできないことに歯がゆさを感じたことがありました。

 

そんな時、M&Aの窓口があればいいのにと考えるようになり、この会社を立ち上げました。現在は、経営者が抱えるリアルな課題やニーズに関する情報を集めながら、幅広い声に応えられるように数十社の事業会社と提携しています。

 

たとえば、外国人の特定技能実習生を欲している建設会社から「M&Aは行わずに人手を確保するいい方法はないか」との話があり、弊社の提携会社をお繋ぎさせていただきました。このようなM&Aだけに囚われない良い循環を、M&Aを切り口にして事業展開していけることがうちの会社の強いところであり、今後やっていきたいところです。

 

提案にワクワクしてほしいし、ワクワクしながら仕事したい

仕事におけるこだわりを教えてください。

仕事をする上で、相手のためになっているかを常に意識しています。また、経営者の方には弊社からの提案にワクワクしてもらいたいと思っています。

 

例えば、採用に困っている経営者の方に外国人の採用が最適解であることを伝えるとします。そこでまず経営者の方に「外国の方の採用を始めませんか」とだけ伝えてしまうと、外国人の採用により会社にどう変化が生じるのかがイメージしづらくただの物売りという印象を与えてしまいかねません。

 

そこで、会社をどうしていきたいか、それに対しての課題は何かを逆算思考でひも解いていき、その選択肢に外国人採用があることを伝えると、経営者の方は外国人採用をポジティブに捉えることができ、会社にとってひとつの選択肢になります。

 

私は、経営者の方が気付いていない選択肢を提案し、ワクワクを感じてもらえたら、何れM&Aの戦略についても話せるようになるなど付加価値が生まれていくと思います。

 

私たちは、経営者の方にワクワクしていただける提案を行うこと、そして従業員全員が仕事に対してやりがいを感じながら働ける環境を作ることに力を入れています。これが私たちのこだわりです。

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

弊社役員と方向性の違いから、事務所を移転したタイミングで別々の道を歩むことになりました。その時、一緒に働いてはいきたいものの、経営者としての姿、会社としての方向性、ステークホルダーが感じる印象と様々なことを考えなくてはならず、起業ならではの壁を感じました。

 

しかし、今のスタッフには自分の考えや会社の目指す方向性をしっかり伝えることで、一体感が生まれ、分断の壁を乗り越えることができたと感じています。

世の中にあったほうがいいサービスを実現するための使命感に近い

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

一番は、世の中にあったほうがいいサービスだと思うので進み続けることができていると思います。皆さんに支えてもらいながら自分がやりたくてやっていることなので、モチベーションに関してはあまり意識せず進んできました。

 

今後はニーズが顕在化する前の段階で、相談に乗れるインフラを作っていきたいと思っています。いつどこに何を相談すればいいかわからないものを、ITも取り入れつつ、人と人とのつながりの中で解決していけるサービスを生んでいきたいです。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

弊社のサービスを全国に広めていきたいと思っています。

 

今は日本提携支援という名前でやっていますが、たとえば「長野提携支援」「島根提携支援」のように現地で相談窓口を作って、そこに雇用を生み、現地で困っている経営者の方々の悩みを解決するインフラになっていけたらと思っています。

 

現在、M&Aの支援機関として国に登録しているのが約3000社あります。その中でも、M&Aの仲介をやっている会社や株価だけ算定する会社などに枝分かれしています。

M&Aの仲介をしている会社に対象を絞ったとしても、M&Aの会社ごとに担当する買い手のニーズが異なり、買収できる業種や規模のデータが各社に蓄積されるため、それぞれのM&A会社に独自の特徴があります。

 

つまり、弊社ではあらゆる業種・規模・エリアでも対応できるMA会社の情報インフラを構築し、最適な会社に効率的に相談できる環境を提供したいと考えています。

 

起業のその先に何をしたいのかを明確にすることが大事

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

起業をしようとしている方にとって「ゴールがどこなのか」は重要だと思っています。

 

たとえば「1000万円稼ぎたい」だと、1000万円稼げたらそこで終わってしまいます。一方で、「こういう世の中にしたい」「こういうサービスを拡げていきたい」などの目標であれば尽きることはありません。

 

私自身、学生時代にサンフランシスコから帰国後に感化され、起業をしようとして、全然うまくいかずに失敗をし、「起業をゴールにするのは良くない」「ただいつか事業をしたいと思ったときにそこで無力感を感じるのはもう嫌だ」と力をつける必要があると感じたため、Webデザイナーのインターンや、会社の立ち上げを一緒にやらせてもらったりしていました。

 

起業の先に何を目指すのかを明確にすることで、今やるべきことがはっきり見えてくると思います。

 

結果として、当時よりもできることが圧倒的に増え、明確な意志を持って仕事に取り組め、モチベーションも保てています。学生の頃から将来を見据えてやり続けていたことが、今につながっていると思います。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:大野 駿介氏

学生時代にサンフランシスコでのインターンシップや複数の国内スタートアップ(ラクスル㈱、スマートキャンプ㈱)にてウェブデザイナー等にてインターンシップを経験。 新卒として(株)日本M&Aセンターに入社。 公認会計士・税理士事務所との提携推進チームや、大手金融機関の中堅M&Aビジネスの立ち上げチームに参画。 大手金融機関への出向経験やチームマネジメント、アドバイザリー契約の件数で全社一位の表彰を受けるなどを経験し、2020年12月退職。 2021年3月、同社設立。

 

企業情報

法人名

株式会社日本提携支援

HP

https://nihon-teikei.com/

設立

2021年3月

事業内容

M&A支援会社向けサポートサービス等

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