【#261】日本最大級のZ世代フェス「Z ERA FES」で、若手企業家に成長と活躍の場所を提供|代表取締役 濱田 健太郎(株式会社Neeew Local)
株式会社Neeew Local 代表取締役 濱田 健太郎
株式会社Neeew Localは、東アジアをターゲットとした越境ECビジネスを展開しています。厳選された日本産品を海外に届け、日本の魅力を世界に伝えています。さらに、Z世代向けの大規模イベント「Z ERA FES(ゼラフェス)」の主催/運営を手がけています。「若手の想いと行動で新たな産業を創り出す」というビジョンのもと、全国から次世代を担う若きリーダーたちが集い、新しいビジネスの種を育てる場所を提供しています。同社の代表取締役、濱田 健太郎に事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。
Z世代発の新たなビジネスが発展する場所を提供
事業の内容をお聞かせください
当社は、シンガポール、フィリピン、マレーシア、台湾などの東南アジアを中心に越境ECを展開しています。主な取り扱い商品は、日本各地の特色ある菓子を中心にした加工品です。自社で倉庫を構え、在庫を管理しながら、海外のお客様からの注文に応じて梱包し、発送業務をおこなっています。
カップ麺やレトルトカレー、缶詰なども扱っていますが、特に力を入れているのは、いわゆる「ご当地グルメ」や「お土産」的な商品です。コンビニで手軽に手に入るものではなく、各地方の特色ある美味しいお菓子を中心に取り扱っています。
越境EC事業は私が海外留学時に感じた「美味しい日本の食品を、海外で手軽に買えたら」という願いが原動力となっています。単に越境ECがしたかったわけではなく、この課題を解決したいといった思いから始まったビジネスです。
Z世代向けイベント「Z ERA FES」にも注力しているとお聞きしました
Z ERA FES(ゼラフェス)は、当社が企画・運営している全国のZ世代が主役の大規模イベントフェスです。若手起業家やアーティストが生み出したサービスや表現、コンテンツなどが集結します。Z世代の創造力と熱気にあふれた、次世代のトレンドや可能性を体感できる場所となっています。
元々は、Z世代向けのカンファレンスをしようと全く思っていませんでした。越境ECを始める前は、アート作品の販売がメイン事業で、アートの大きなイベントをする予定で会場を押さえていたのですが、アート事業から撤退することになったのです。
そこで「この会場で何をしようか?」とZ世代の仲間たちと話をしていたときに、「京都のスタートアップカンファレンスのZ世代バージョンがあったらいいね」という話になり、企画が始まりました。当社でも100人規模のイベント経験はあったのですが、せっかくやるならもっと大きなことをしたいと思いました。
また、Z ERA FESには、個人的な思いも込められています。それはZ世代のリーダーが集まる場を品川につくることで、私の地元地域に貢献したいと思っています。
イベントでは、Z世代が将来描きたい未来についてや失敗談や挑戦した話など、ワクワクする企画を多く盛り込んでいます。過去、現在、未来の視点で、起業家の経験や課題、将来の展望を語り合う場にしたいと考えています。Z ERA FES をステップアップの踏み台に同世代が大きく羽ばたいて日本のリーダーになることを望みます。
実行委員の30人のメンバーも、全員Z世代です。ですが閉鎖的にならないように、大手企業や金融機関にもスポンサーや後援に入っていただき、世代を超えた交流も大切にしたいと思ってます。Z世代がZ世代のために開催しているイベントですが、世代を超えた価値の創造を目指しています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
中学生の頃から起業したいと思っていました。父が経営者だったのですが、当時はその事業内容にあまりクリエイティビティを感じていませんでした。そこで「経営者の働き方は魅力的だけど、もっとワクワクする創造的な事業をやりたい」と漠然と考えていました。
ただ、特に専門分野がなかったので、何で起業するか悩んでいました。そこで、ビジネスの基本である「安く仕入れて高く売る」といった考えから、アート作品の販売事業を選びました。コロナ禍での起業だったこともあり、アートバブルの時期と重なって参入したのです。
一人では何もできないと思ったので、中学時代の幼なじみを副業からではありますが、コアメンバーとして迎え入れ会社を立ち上げました。経営者になりたいという夢と、クリエイティブな事業への憧れが、今の事業の原点になっています。
Z世代の挑戦を加速させる場所を提供
仕事におけるこだわりを教えてください。
越境ECに関しては、お客様のニーズにリアルタイムで応えることを重視しています。東南アジアのECプラットフォームでは、SNSのようにお客様とダイレクトにメッセージのやり取りができるので、要望に迅速に対応できます。また、適切な仕入れと付加価値の創出、そしてリピーターの獲得に注力しています。
Z ERA FESに関しては、単なるイベントプラットフォームを超えた、象徴的なIPにしたいと考えています。Z世代が憧れる存在を目指しています。京都で開催されているスタートアップカンファレンスのZ世代版のような位置づけです。
Z ERA FESでは、40〜50人のZ世代の登壇者を迎えますが、彼らにとってはこれが次のステージに上がる土台になります。普段経験できないパネルディスカッションの機会を提供し、参加者が成長できる場にしたいと考えています。
Z ERA FESは単なるフェスイベントではなく、スポンサー企業含めZ世代の成長を支援し、彼らと一緒に次のステージを目指す象徴的なブランドにしていきたいです。
起業から今までの最大の壁を教えてください
最大の壁は、アート事業の撤退に伴う決断でした。アート好きではあるものの、アーティストでもなく絵も下手な私が、アート事業を始めたのです。約50人ものアーティストに協力していただき、当社のECストアに作品を出品してもらえるまでになりました。
しかし、ビジネスとしての継続が難しく、撤退せざるを得ない状況に陥りました。アーティストの方々の期待を裏切ってしまうことが、何よりも辛かったです。好きなことをビジネスとして続けることの難しさを痛感し、同時に次の一手を見出すことにも苦労しました。
ゼロからブランドを築き、チームと共に成長
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
モチベーションは、自分が生み出したものが大きく成長していく過程にあります。Z ERA FESを一からつくり上げ、多くの人に認められるブランドになっていく様子を見るのは、本当にワクワクします。
特に嬉しいのは、大手企業や行政を巻き込んで大きなプロジェクトを実現できることです。学生時代には想像もできなかった大企業とコラボレーションし、一緒に価値を創造できることが、私にとって大きな喜びの一つになっています。
さらに、素晴らしいチームメンバーに恵まれていることも、モチベーションの源です。365日24時間、起業家モードなので、常に前を向いて取り組めるマインドセットが整っています。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
越境ECの分野では、これまでの実績を基盤に、行政機関や大手メーカーの事業サポートやコンサルティングを展開していきたいと考えています。
市場としては、当面は東南アジアに集中する予定です。人口6〜7億人といった巨大市場で、日本の5倍以上の可能性があります。経済成長率も高いため、ここにベットするのは理にかなっていると考えています。
一方、Z ERA FES(ゼラフェス)に関しては、最高のIPに育て上げ、10年後に有終の美として幕を閉じるか、誰かに引き継ぐかを検討中です。チームメンバーと共に、最高の締めくくり方を模索しているところです。
また多角的に事業を展開することで、さらなる成長を目指したいと思っています。
自分の強みを活かせるニッチな市場を選ぶ
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
私は特別な学歴やインフルエンサーのような華やかさもありません。それでも、ある程度やってこられたのには理由があります。
それは競争の激しい分野ではなく、自分の強みを活かせるニッチな市場を見つけ「戦わずして勝つ」戦略を取ってきたからです。
常に市場を観察し「どこにチャンスがあるのか」「競争せずにオンリーワンになれる領域はどこか」を常に探り続けています。そして、考えたことを実際に行動に移し、壁打ちしながら進んできた結果が今の自分です。
また、経験豊富な人々の集まりの中で堂々と発言できる若者は意外と少ないです。そういった場で自分の意見をしっかり言える能力は、起業家として大きな強みになります。空気を読みすぎずに、世の中に影響を与えたい思いがある人は、起業家になるポテンシャルを持っているでしょう。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:濱田 健太郎氏
2021年3月:東海大学観光学部観光学科を卒業
2021年4月:フードデリバリー特化のゴーストレストラン運営スタートアップに入社(インターンとして2020年8月から勤務)フードテック企業の新規事業に伴う法人営業及びIPコラボなどの商品開発を担当。同年10月に退職
2022年8月:五反田アクセラレーション2022に採択
2022年11月1日:株式会社Neeew Localを創業
2024年3月:東南アジア向けの越境ECを開始
2024年3月31日:Z世代最大級のアントレプレナーカンファレンスZ ERA FES 2024(ゼラフェス)を初開催
企業情報
法人名 |
株式会社Neeew Local |
HP |
https://neeew-local.com/ |
設立 |
2022年11月1日 |
事業内容 |
越境ECビジネス、海外展開サポート、ブランドコンサルティング |
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