【#273】主婦から5億円企業の経営者へ。女性の人生を変える革新的コミュニティの力|代表取締役 唐仁原 けいこ(株式会社ライフキャリアcircle)
株式会社ライフキャリアcircle 代表取締役 唐仁原 けいこ(けーりん)
株式会社ライフキャリアcircleは、女性の自己実現を支援するオンラインコミュニティを主軸に事業を展開をしています。コロナ禍で始めたブログが多くの共感を呼び、書籍化やオンラインサービス展開へと発展しました。わずか2年で年商5億円の会社に成長し、今後の展開にも期待が高まっています。「自分の人生に夢中になれる女性を増やしたい」と語る代表取締役の唐仁原けいこ氏に、事業内容や今後の展望なども含めて、詳しくお聞きしました。
主体的に生きる女性を増やすオンラインコミュニティ
事業の内容をお聞かせください
事業の中心は、女性向けのオンラインコミュニティの運営です。コミュニティでは「女性が主体的に生きる」ことをテーマにしています。現在、女性が自宅にいながらも自分で仕事をつくり出せる時代になりました。そのための知識やスキル、マインドなどを伝えています。
また、2023年からは私の著書「戦略的いい人 残念ないい人の考え方」で提唱している「B視点」という考え方に基づいた講座も始めました。これは人と人との架け橋となる、つまり人々をつなぐポジションに焦点を当てた内容です。その他にも起業家のサポートなど幅広く事業を展開しています。
コミュニティの運営方法としては、オンラインを中心としていますが、日本全国でリアルイベントも開催しておりハイブリッド形式で展開しています。メンバーは主に女性で、年齢層は幅広く20代から70代までさまざまです。子育て中の方が多いのですが、子育てを終えた世代の方も「女性が主体的に生きる」といったテーマに共感して参加してくださっています。
人気のコンテンツとしては、意外にも「飲み会」が好評です。私自身、お酒を飲みながらのライブ配信が得意で、気軽な雰囲気のイベントが喜ばれています。現在は出版記念で日本全国を回っていますが、講演会ではなく「宴会」として開催しています。
何度も会ったことがあるメンバーも多く、家庭でも職場でもない新たな交流の場として機能しています。当初は30人程度のコミュニティを想定していましたが、現在では650人ほどのメンバーがいます。
このように、オンラインとオフラインを組み合わせた独自のコミュニティ運営と、女性のエンパワーメントに焦点を当てたプログラムが、当社の事業の柱となっています。
短期間で成功した理由は何だとお考えですか?
一番大きな要因は、人と人をつなげることを重視した点だと考えています。具体的には私が提唱している「B視点」の実践から生まれた成果です。
組織の中で重要な役割を果たすと、自然に「大事な人だ」と認識されるようになります。今の時代、SNSフォロワー数で価値を測る人も多いですが、組織内で貢献していくことで大きな信頼関係が築けます。
私自身、フォロワー数はそれほど多くありませんが、会社の業績で見ると短期間で大きな成果を出せたと言えるでしょう。
「B視点」を使うことで気づいたのは、自分より力のある人や影響力のある人が、私に力を貸してくれるようになったことです。起業家は自分一人の力で成果を出すものだと思っていましたが、実は周りの人の力をうまく借りられる人が大きな成果を出しているのです。
個人事業主の場合は自分の力を強くする必要がありますが、法人の場合は必ずしも自分がすごくなる必要はなく、優秀な人材を組織に迎え入れることが重要です。
学校の成績のように自分の点数を上げることではなく、いかに貢献できるか、力のある人たちの力をどう借りるかを考えるようになったのが、短期間での成功の秘訣だと思います。
さらに、業界で既に実績を持つ人に力を貸してもらう価値は大きいです。まだ影響力のない自分が影響力を持つためには先駆者たちの力をいかにお借りできるのか。そういった人たちは簡単には自分の信頼をしてくれないため、どういう人なら信頼を貸してくれるかまで考えて行動していました。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
仕事への情熱は昔から強く、出産後も何とか仕事を続けてきました。しかし、3人目の子どもが生まれた頃にはさすがに大変になり、そこにコロナ禍が重なりました。さらに親族からは、仕事を辞めるように言われている状況でした。
そんな中、ブログ代筆を請け負っていた男性経営者に相談したところ、私の能力を活かすべきだとアドバイスを受け「主婦業をやめる」というテーマでブログを書き始めたのです。
この内容が反響を呼び、メディアに取り上げられテレビ出演までしました。X(当時Twitter)で【9割削減】というワードがトレンド1位にもなり、その経験を元に「主婦業9割削減宣言」という本を出版するに至ったのです。
多くの女性の悩みを聞く中で、根本的な問題は「自分で決めていない」と思っていることだと気づきました。主体的に選択できる人になることの重要性、そのための経済的自立について伝えるようになったのです。
この経験を活かし「何でも仕事になる」といった考え方をオンラインコミュニティで広めていきました。短期間で売上が伸び、その要因を分析した結果、「B視点」にたどり着きました。自分を中心に置くのではなく、人と人をつなげることに注力したことが成功の鍵だったのです。
また、起業への意欲は以前からありましたが、実際に法人化したのは最近のことです。フリーランスや副業として約20年のキャリアがありましたが、今になってようやく時代に合った形で事業を展開できるようになりました。
長期的な視点を持ち、本質的な価値を提供する
仕事におけるこだわりを教えてください。
短期的な成果よりも長期的な視点を大切にしています。
長く続く人間関係を築くことや、一時的な売上よりも長期的に通用する考え方を教えることにこだわっています。
瞬間的に売上を立てることも素晴らしいですが、わたしが価値があると思うのは、困った時に助けてくれる人がいることや、事業が落ち込んだ時に助けてもらえる人がいること、そこから立ち直る方法を知っていることです。
しかし同時に、こだわりを持ちすぎないようにも気をつけています。バランスを取りながら、本質的なものを見極め、提供していくことが私の仕事のこだわりだと言えます。
起業から今までの最大の壁を教えてください
正直、法人化してからは順調すぎて怖かったです。
1年前のことがはるか昔に感じるほど、いろいろなことがありました。関わってくれるメンバーが増え、仕事も増えていく、拡大のスピードについていくのが大変でした。しかしながら、それほど大きな壁はありませんでした。むしろ「ちゃんと足元を見よう」と自分に言い聞かせて、調子に乗らないように気をつけていました。
これからの壁としては、組織の変化や離職などが予想されます。今のところ退職者はいませんが、突然の退職や売り上げの浮き沈みが起こりうると覚悟しています。そのような時に慌てないこと、それだけは気をつけようと思っています。
そういう時がきたら、強がらずに「最近うまくいってないので、教えてもらえますか」と活躍している人に素直に聞ける自分でいようと決めています。
生涯をかけて良い影響を与え続ける存在でありたい
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
誰かの人生に良い影響を与えられることが私のモチベーションです。
以前、自分の人生や幸せについて考えたことがあります。その時に気づいたのが、私にとっての大きな喜びのひとつは、誰かに「けいこさんの考え方を知って人生が良くなりました」と言われることだったのです。だからこそずっと仕事を続けていきたいですし、生涯現役でいようと思っています。
ですが、会社の規模を拡大する時は、さまざまなことが大きく変わり非常に悩みました。そこで、私や会社に関わってくれた人が、自分の軸を持って活躍していくのを見るのが好きだと改めて気づいたのです。会社の規模が大きくなることで、より多くの人に影響を与えられると考え、拡大の方向に進み続けようと決心できました。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
今運営している「Bポジけーりん大学」というオンライン講座を、さらに発展させたいと考えています。今まではオンラインがメインだったのですが、これからはリアルに会える学校のような環境で何かできたらいいなと思っています。
それに加えて、今回 本を出版し多くの経営者や管理職の方から反響をいただきました。特に、管理職で苦労している人たちから、考え方ついて参考になったと言っていただいき、「実写化したら面白いんじゃない?」といった話も出ています。
普通、こういう話は言うだけで終わることが多いですが、私は思いついたことを実際に実現していくのが大切だと考えています。実際に実現していく姿を見せることで誰かの勇気にもなると思うから。
4年前までは3人の子育て中の主婦で、仕事と育児の両立に悩んでいたのに、今はできることが本当に増えました。これからもいろいろな人の力を借りながら、新しいことにチャレンジしていけたら面白いなと思っています。
頭で難しく考えすぎず、まずは行動を
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
多くの方が起業を非常に難しいものだと考えがちですが、実際はそうでもないです。それこそ、法人設立の手続きもやってみれば意外と簡単で、誰でもできるものだと気づきました。
今の時代、フリマアプリなどを使えば、誰でも簡単に収入を得る機会があります。これも起業の第一歩と考えてみてはどうでしょうか。起業を大げさなものとして捉えるのではなく、もっと気軽に挑戦してみる姿勢が大切だと思います。
自分の好きなこと、続けられそうなこと、やってみたいと思うことがあれば、頭で考えすぎず行動してみることをおすすめします。そうすることで、意外な形で自分に合った道が見つかるかもしれません。
著作「戦略的いい人 残念ないい人の考え方」はどのような方におすすめですか?
本の中で伝えたかったのは、競争ではない形で成果を出していく方法です。
今の時代、自分一人で実力を上げるよりも、いかに周りの人とつながり力を借りられるかの方が、成果は絶対に出るのです。そこに焦点を当てると、相当な実力者をも超えていける可能性があるでしょう。
起業すると、最初は1人でやっていくイメージがあるかもしれません。しかし実際は、関係者やお客様との良好な関係があってこそ、長く繁栄していけるのです。この本では、そういった人間関係や協力関係を築くための重要な考え方をまとめています。
起業を考えている方はもちろん、会社の中で自分の道を切り開きたい方、経営者の方にも、ぜひ読んでいただきたいです。多くの人の味方をつける視点や、人とのつながりを大切にする考え方が、皆さんの成功につながると信じています。
▼書籍の詳細はこちら
https://senryakuteki-iihito.com/
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:唐仁原 けいこ氏
1980年生まれ、長野県在住、3児の母。コロナ禍で書き始めたブログが話題になり『主婦業9割削減宣言』(中央公論新社)として書籍化。”女性が主体的に生きる”をテーマにしたオンラインコミュニティが人気を博し、フリーランスから法人化したところ2年で年商5億円の会社に成長。組織拡大の要であり重要な役割は「橋渡し=ブリッジ(Bridge)」のポジションであることを見出し、言語化して発信。それをメソッドとして伝える「Bポジけーりん大学」には1年で500名以上が参加。「仕事や人間関係に役立つ」という声が多く寄せられている。2024年8月『戦略的いい人残念ないい人の考え方』(すばる舎)出版。
企業情報
法人名 |
株式会社ライフキャリアcircle |
HP |
https://lifecareercircle.co.jp/ |
設立 |
2021年12月 |
事業内容 |
オンラインコミュニティの運営 |
沿革 |
2021年 ライフキャリアcircle 設立 2023年 東京表参道に事務所を設立 2024年 書籍「戦略的いい人・残念ないい人の考え方」出版 |
関連記事