株式会社TableCheck 代表取締役CEO 谷口 優

株式会社TableCheckは、レストラン予約検索プラットフォーム「TableCheck」を開発・提供する企業です。飲食店には月額固定費で予約管理から決済まで一元管理できるシステムを提供し、送客手数料の負担を解消。消費者には日時と人数の入力だけで即座に予約できる利便性を提供し、店舗の業務効率化と顧客体験の向上を両立しています。代表取締役CEOの谷口 優氏に、事業内容や今後の展望なども含めて詳しくお聞きしました。

従来のレストラン予約の課題を解決するプラットフォーム

事業の内容をお聞かせください

レストランと消費者を結ぶプラットフォームを提供しています。

 

レストラン向けには、予約管理、顧客管理、ネット予約媒体の一元管理ができるシステムを提供しています。今年の5月頃には、消費者向けの新サービスもリローンチする予定で、現在準備を進めています。

 

これまでと比べ、ネット予約のニーズは格段に高まっていて、最近ではほぼすべての飲食店がオンラインでの予約に対応するようになりました。一般的には、グルメサイトへの掲載を通して予約を受け付け、通常は送客手数料が発生します。

 

掲載の有無によらず人気店では、予約のたびに手数料を払うことに抵抗感を抱くお店も少なくありません。そうした店舗に対して、私たちは月額固定費用のみで、ネット予約の受付、多言語対応、決済ソリューションを含む高機能な予約管理システムを提供しています。

 

 

「TableCheck」は送客手数料がかからないため、店舗は月額固定費の範囲内で制限なくネット予約を受け付けられます。グルメサイト経由だと予約が増えるほど手数料がかさみますが、当社のシステムなら予約数に関係なく定額で利用できます。また、インバウンド対応にも力を入れており、現在は23言語に対応しています。

 

これまでは、主にホテルやレストランで利用されていましたが、現在では幅広い規模やジャンルの飲食店で導入されています。特に最近では、行列のできる人気店での導入を伸ばしています。

 

そこで私たちは「ファストパス」という、お店の前の行列を手数料を払ってスキップできるサービスを提供しています。ラーメン屋やパフェ、季節限定のかき氷専門店などで活用されることが多いです。

 

 

ファストパスにはたくさんの利点があり、その一つが無断キャンセルの少なさです。無料の順番待ち発券システムとは違ってあらかじめ手数料を払うため、時間になってもお客様が現れない、ということがなくなります。

 

また、消費者目線では時間に余裕があるから並んで待つという選択肢に加え、手数料を払ってでも行列を避けたいというニーズにも対応しています。

 

特に限られた時間の中で複数の体験を楽しみたい観光客の方にとって、「待たずに食べる」ということは非常に重要で、手数料を払ってでも時間を有効活用したいというニーズに応えることができています。

 

一般的な飲食業に特化したSaaSでは、店舗のオペレーションを深掘りすることで、お店側だけに焦点を当てたサービスを展開しています。しかし、私たちは、消費者側のニーズを深掘りしていく事業戦略をとっています。根本的な方向性の違いが、他の飲食プラットフォームとの大きな差別化要因だと考えています。

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

起業前は、Web決済代行企業で働いていました。今から20年近く前、ネットを使ったホテルの宿泊予約が急速に広まっていた時期で、ネット予約の便利さを目の当たりにしました。

 

ホテル業界でネット予約が普及した理由は、2つあります。1つ目は自動化です。様々な国から電話がかかってくるホテルでは、時差や言葉の壁がありましたが、ネット予約によって解消しました。

 

2つ目はキャンセル料の確保です。電話予約では決済情報を聞きだせず、キャンセル時の請求が困難でした。しかしネット予約なら、予約完了時にクレジットカード情報の入力やデポジットの支払を求められます。

 

レストランにも同じように、ネット予約を導入すれば利便性が向上するだけでなく、キャンセルによる機会損失やフードロスの低減にも繋がると考えました。そこで飲食業界にも同じ仕組みを導入しようと考え、今の事業をスタートしました。

レストランと消費者の両方に価値を届ける

仕事におけるこだわりを教えてください。

世の中に貢献し、たくさんの人に価値を届けることです。

 

私たちには「レストランと消費者の両方に価値を届けたい」という思いがあります。プラットフォームとして中立的に、両者に価値を届けることを最優先にしています。私たちはお店と消費者をつなぐ存在であって、どちらか一方の代弁者ではないからです。

 

この思いを社員と共有するために、ミッション・ビジョン・バリューのセッションを毎月2回、英語と日本語で開催しています。また、2か月に1回のビジネスモデルセッションも実施しています。

 

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

壁は常にありますが、最大の壁はコロナ禍でした。外食ができなくなり、サービスの新規申し込みは90%も減少しました。

 

幸い、すでに導入いただいているお店から解約されることはほとんどありませんでした。営業時間が短くなり、少人数で運営する体制になった飲食店にとって、ネット予約はますます手放せないものになったからです。

 

コロナ禍で私たちが行ったのは、デリバリーに対応するサービスの開発で、最初の3か月は無償で提供していました。マーケット回復までの3年間は、それまでの倍々成長から一転、嵐が過ぎ去るのを待つ時期でした。

 

コロナ禍で100名程度に留まった従業員は、2023年後半から回復し、現在は350名程度まで成長しています。

「食」を通じて日本に貢献する

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

日本に貢献できている実感です。

 

人口減少が進む中、今後の日本にとって重要なのは外貨をどう稼ぐかだと思っています。その中で私たちは2つの点において貢献できていると考えています。

 

1つ目は、インバウンドへの貢献です。訪日外国人が日本に興味を持つ理由の第1位は「食」です。事業を通じ飲食業を支えることで、外貨獲得に間接的に貢献できている自負があります。

 

2つ目は、直接的な外貨獲得です。シンガポール、タイ、インドなどに進出し、現地の飲食店に私たちのソフトウェアを提供しています。日本は海外のITサービスに多くの費用を支払っていますが、私たちは逆に日本のソフトウェアを海外に販売し、外貨を得ています。

 

私自身、食が大好きです。飲食業界を支援し、消費者としての自分の生活もより便利になっていっています。更なる飲食業界の改善に向けて進んでいくことが、日々の楽しみになっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

今年から「Dining Connected」、消費者とレストランとの最適なマッチングを実現するToC向けの新プラットフォームを本格的に開始します。

 

飲食店の検索エンジンには、まだまだ改良の余地があります。多くのプラットフォームではデータが集積されるほど評価が一般化され、個人の細かなニーズとの乖離が生じています。

 

また昨今のグルメサイトでは、エリアやカテゴリー、価格帯で絞り込むと、都度同じような場所ばかりが候補に挙がってきますが、そのほかの自分が気に入るはずのお店と出会うことができません。私は、それらと出会わないまま人生を終えるのはもったいないと思っています。

 

このプラットフォームは、ユーザーの好みに応じた店舗検索を実現します。キャンセル待ちが必要な人気店とスムーズにマッチングできる仕組みや、AI検索の実装も予定しています。

 

こうした既存サービスができていないことを、当社では実現していきます。お客様が満足することは、お店にとってもプラスになります。お客様とお店の幸せな出会いをアシストすることが当社の目指す姿です。

 

 

自分が信じた道を貫く

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

私のモットーは「なせばなる」です。

 

多くの人が、行動する前に諦めてしまったり、最後までやりきらずに終わってしまいます。確かに、成功するためには運やタイミングも必要にはなります。

 

ですが、何事もまずはやってみなければ始まりません。周囲の声に惑わされず、自分が信じた道を貫くことを何より大切にするべきだと思います。

 

採用を強化されているそうですね。どのような人材が理想でしょうか?

当社は日本企業ではありますが、従業員の約半数は海外のメンバーです。事業のスピード感はかなり速く、これから様々なチャレンジを進めていく予定です。そのため、若くて野望のある意欲的な方にぜひきていただきたいと考えています。

 

▼採用情報の詳細はこちら
https://careers.tablecheck.com/ja

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:谷口 優

神奈川県川崎市出身、生後6ヶ月でシンガポールへ移住。CyberSource 日本法人にて営業、リーガル、経営企画を経験後、English OK(のちにピクメディアに社名変更) にて新規事業の立ち上げに携わる。2011年 TableCheck設立、CEO(最高経営責任者)に就任。”最高のレストラン体験の実現”をモットーに、常にクライアントの立場にたち”使いやすさ”を追求。 現状に甘んじることなく改革していく仕組みを強化し続けている。

 

企業情報

法人名

株式会社TableCheck

HP

https://www.tablecheck.com/ja/join/

設立

2011年3月11日

事業内容

クラウド型レストランマネジメントシステム及び飲食店検索・ネット予約システムの開発・提供

 

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