【#615】高品質×手に取りやすい価格の家具をオンラインで。3D提案で家具選びを変える|代表取締役社長 中村 勇輝(CAGUUU株式会社)

CAGUUU株式会社 代表取締役社長 中村 勇輝
CAGUUU株式会社は、オンラインを主軸に、高品質で手に取りやすい価格を目指す家具ブランドです。ODM形式で商品をピックアップし、幅広いラインナップを展開。3Dコーディネーションなどを通じて、オンラインでも迷わず選べる購入体験を磨いています。代表取締役社長の中村勇輝氏に、立ち上げの背景と今後の展望を伺いました。
※CAGUUU:https://caguuu.com/
オンラインで実現する、高品質・適正価格の家具
事業の内容をお聞かせください
当社は2024年5月に設立した家具ブランドです。一般的な家具ブランドと異なるのは、オンラインを主な販売チャネルにしている点と、デザイナーズブランドや輸入ブランドといった高級路線のブランドのクオリティのままで、量販店とそんなに変わらない価格設定の商品を提供していく点です。
日本の家具ブランドは、ベーシック商品を中心に、幅広い人が選びやすいデザインで、大衆向けにコストパフォーマンスを重視する傾向があります。
高級ブランドが高価格になりやすい背景には、ブランドや生産地イメージによるプレミアム、そして店舗運営コストなどが上乗せされる構造があるのですが、私たちはそうした余計なコストをできる限り省くことで、 高品質かつ高コストパフォーマンスを強みに勝負しています。
また、商品開発では、ODM形式を採用しています。既にデザインされた優秀な商品をピックアップするこの方式は、アパレルでは主流ですが家具分野ではまだ多くありません。すでに海外で存在している優秀な商品を選定できるため、創業から2年未満ながら約3,000商品を展開しています。
また、オンラインで購入する際に消費者が不安にならないよう、商品ページではさまざまな角度の写真に加え、生活の中で使用するシーンも豊富に掲載し、サイズ感を含めて想像しやすい工夫をしています。
さらに、マイクロインフルエンサーと提携し、動画でサイズ感や触り心地を伝える取り組みも進めています。加えて、3Dのインテリアデザインソフトを使ったコーディネーションサービスも提供しており、ユーザーの間取り図をもとに家具を配置したリアルな3D画像によって、実際に置いたときのイメージを判断できるようにしています。
ウェブサイトでは、ユーザーの閲覧履歴に合わせて次に好きそうな商品を出すなど、SNSのようにどんどん好みのものが見つかる工夫をしています。
ユーザーによって重視するポイントが違うためデザインやセール商品などで絞り込みやすいフィルター設計にしたり、割引を目立たせたりと、それぞれが欲しい情報へアクセスしやすいデザインを心がけています。

事業を始めた経緯をお伺いできますか?
1つはSHEINでの経験です。SHEINにいた3年間で、コスパの良い商品を届けるビジネスモデルや、サプライチェーンの組み方を実務として学び、「高いものでも、余計なコストを省けばもっと手に取りやすい価格にできる」と実感しました。
もう1つは、私自身が家具を買う側として感じた課題です。以前ソファを買ったとき、価格もそれなりに高く、発注してから届くまでに6カ月かかりました。受注生産で海外製造され、船便で日本に運ばれるという行程のせいです。
価格と待った時間を考えると、必ずしも良い購入体験ではありませんでした。日本の家具市場は選択肢が少なく、改善できるところがまだまだあると強く感じました。
そこで、これまでの経験を踏まえて、アパレルだけでなく家具の領域でも同じように余計なプレミアムを外せるのではないかと思うようになりました。ブランドや生産地イメージなど、モノそのもの以外に乗っているコストを見直せば、仕組み次第で「良いものを、もっと手に取りやすい価格で」提供できるはずです。
これが実現できれば、「いい家具が欲しいけど高すぎる」「届くまでが長すぎる」と感じていた顧客にとって価値があると確信できたので、起業しました。
顧客視点でニーズを捉える
仕事におけるこだわりを教えてください。
私が一番大事にしているのは、顧客の視点です。いわゆる「顧客第一」「顧客主義」と言われるものですが、経営やサービスづくりの根幹として、絶対に譲れない部分だと考えています。社員一人ひとりも、この視点を持って行動しなければいけないと思っています。
たとえばUI・UXを企画するときも、顧客にとって何が課題で、どんな情報が欲しいのかを起点に考えます。加えて、自分がすべてのお客さんを代表できるわけではないことを前提に立つことも大切にしています。人によって価値観や生活スタイルは違うので、「他の人だったらどう考えるだろう?」を想像する力が必要です。
この想像ができると、結果的にニーズのある商品開発や、使いやすいサービス設計につながります。才能のように見えることもありますが、トレーニングやマインドセットの転換で身につけられる部分も大きいと思っています。

起業から今までの最大の壁を教えてください
一番最初の壁は、起業前のシードラウンドの資金調達でした。どうやって最初の資金を集めて事業をスタートするのかは本当に悩みましたし、いけると思っていたところから、VCに「今回は参加しない」と言われることもありました。感覚としては就活に近く、見送りの連絡が届くたびに次も頑張ろうと思いつつ、心のどこかで不安になる瞬間もありました。
ただ、資金調達ができたら終わりではありません。次に来るのはチームづくりで、そのあとは事業のマイルストーンを一つずつ取りにいくフェーズになります。でも、予定通りに進むことのほうが少なく、トラブルが起きては悩み、突破していく。日々壁を乗り越えながら進めています。
顧客満足度を高め、「一番好きなブランド」を目指す
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
一番大きいのは、私たちが提供している価値に自信があることです。今この時点でも価値があると思っていますし、目指している最終形まで実現できたら、顧客に対しても社会に対しても、大きな価値を生み出せるはずだと感じています。
そんなチャンスだと感じているからこそ、自分の手で実現したい気持ちが自然と湧いてきます。もちろん、いつも100%自信があるわけではなく、80%くらいに落ちる日もありますが、自信が揺らぐ原因があるならそれを一つずつ埋めていき、どうすれば100%に戻せるかを日々考えながら前に進んでいます。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
まずは、顧客にしっかり満足してもらい、家具を選ぶ際に最初に名前が挙がるブランドになりたいです。今もその方向に向かって改善を続けていますが、まだ最終形には到達していません。
商品によっては価格が高いものがあったり、組み立てが難しかったり、在庫が不安定で注文から届くまでに時間がかかったりと、課題は残っています。そうした部分をできるだけ早く改善し、信頼して繰り返し使ってもらえるブランドにしていきたいです。
その先に、周りの人にもおすすめしたくなる存在になり、最終的には世界でも通用する知名度のある「日本の家具ブランド」を作っていけたらと思っています。

折れずに前へ。必要なら学び直す
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
起業は、資金調達にしても仲間集めにしても、周囲から否定されたり理解されにくい場面があると思います。もし本気でやると決めたなら、そうした反応に引っ張られすぎず進むことが大事です。
一方で、根性だけに頼るのではなく、一定期間全力で取り組んでも進捗が出ない場合は、いったん別の環境で経験を積む選択肢もあります。スタートアップで学び直したり、視野やスキルを広げてから再挑戦するのも、有効な進み方だと考えています。
採用にあたり、求めている人物像について教えてください
大きく2つあります。まずは、これまでの経験が、私たちの事業や今のフェーズにマッチする方です。加えて、会社に今どんな人材が必要かまで考え、主導的に動ける方に来てほしいと思っています。
求人要件に書かれていない経験でも、家具や消費者向けブランドが好きで挑戦したい方は歓迎しています。学生や若手で経験が少なくても、事業に興味があり一緒に成長していきたい方であれば大歓迎です。インターンも受け入れており、卒業後の新卒採用も行っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:中村 勇輝 氏
東京大学大学院卒業後、PwC Strategy&に入社。2018年にインフルエンサーを起点としたブランドプロデュース会社を創業。2020年、スマート家電領域に特化した新会社を設立。2021年にファッションブランド「SHEIN」の日本市場責任者兼日本法人代表に就任、日本市場の立ち上げをリード。2024年、家具ブランド「CAGUUU」を設立し、代表取締役社長に就任。
企業情報
|
法人名 |
CAGUUU株式会社 |
|
HP |
|
|
設立 |
2024年5月1日 |
|
事業内容 |
|
関連記事