
株式会社Nova Clearlyは、「サウナは、自由だ。」を掲げるサウナブランド「SAUNA NOVA」を展開しています。サウナハットを中心に累計3万点以上を販売し、ECや全国のサウナ施設とのコラボレーションを通じて事業を拡大。3期目には年商1億円を突破しました。今回は代表取締役の加納優誉氏に、元高校教師から起業家へ転身した背景、経営危機から事業を成長させた転機、そして「日本一のサウナブランド」を目指す今後の構想について伺いました。
当社のメイン事業は、サウナアイテムに特化したライフスタイルブランド「SAUNA NOVA」の開発・運営です。サウナハットを中心に、サウナバッグやウェアなど、サウナで過ごす時間をより快適で豊かなものにするためのプロダクトを展開しています。
主力商品のサウナハットは、機能性とデザイン性の両立を大切にしています。特徴の一つが、意匠登録している独自の曲線的なシルエットです。頭の大きさにかかわらずフィットしやすい設計にすると同時に、深く被ることで自然と視界が遮られ、周囲を気にせず自分だけの時間に入り込めるようにしています。
また、表地・断熱材・メッシュ生地による3層構造を採用し、サウナ室の熱から頭部を守りながら、洗濯後も乾きやすい仕様にしています。コンパクトに折りたためるなど、サウナへ持っていく際の使いやすさにもこだわりました。
価格帯は、一般的なサウナハットと比較すると高めです。それでも価格競争をするのではなく、「本当に良いものを長く使いたい」と考える方に選んでいただけるブランドを目指しています。現在は自社ECを中心に販売し、全国のサウナ施設とのコラボレーションや卸販売も行っています。
販売は自社ECが中心です。あわせて、コラボレーション商品として全国のサウナ施設様への卸販売も行っており、現在は全国20店舗ほどでお取り扱いいただいています。
ただ、私たちはサウナハットやサウナ用品という「モノ」そのものを売ることが目的ではないと考えています。
本当に届けたいのは、そのプロダクトを使った先にある「体験」です。
僕自身、サウナには、スマートフォンや仕事から離れ、一人で自分自身と向き合える時間としての価値があると感じています。SAUNA NOVAのサウナハットを深く被ると視界が遮られるようにしているのも、ロゴをあえて小さくしているのも、ブランドを目立たせるためではなく、その人自身のサウナ体験を主役にしたいからです。
「サウナは、自由だ。」
決められた入り方や「ととのう」という正解に合わせるのではなく、一人ひとりが自分にとっての最高の過ごし方を見つけてほしい。SAUNA NOVAは、プロダクトを入り口に、そうしたサウナ体験や価値観まで届けるブランドでありたいと考えています。

このブランドを始めた背景には、私自身がサウナに救われた原体験があります。
もともと私は高校の教員をしていました。担任や教科主任など責任ある仕事を任される中で、日々の忙しさに追われ、自分自身のことを考える余裕がなくなっていた時期がありました。そんなときに、自分を取り戻すきっかけをくれたのがサウナでした。
スマートフォンも仕事も持ち込めないサウナ室で、日常から強制的に切り離され、一人で自分自身と向き合う。そこで初めて、「自分は本当はどう生きたいのか」「何をやりたいのか」と、自分に矢印を向けて考える時間を持てるようになりました。
もちろん、純粋に身体が軽くなり、心身ともにリラックスできる気持ちよさもありました。ただ、僕がサウナに感じた価値はそれだけではありません。忙しい日常の中で見失いかけていた本来の自分を取り戻せる時間そのものに、大きな価値があると感じたんです。「この体験をもっと多くの人に届けたい」と思ったことが、後にSAUNA NOVAを始める一つの原点になりました。
一方で、教員の仕事が嫌だったわけではありません。むしろ、生徒の成長に関われることには大きなやりがいを感じていました。ただ、20歳頃から「いつか自分で事業をやってみたい」という思いもずっと持ち続けていました。
教員時代、生徒たちには「周りの目や親の期待に合わせるのではなく、自分の人生は自分で選んでほしい」と伝えていました。そう言いながら、自分自身は本当にやりたいことに挑戦できているのか、と考えるようになったんです。
もちろん、公務員という安定した仕事を辞めることへの不安はありました。起業経験もなければ、ビジネスの知識もほとんどありません。それでも、サウナと出会って「これを仕事にしたい」と心から思えるものが見つかった以上、挑戦せずに後悔する方が嫌でした。
生徒に自分で人生を選んでほしいと伝えるなら、まずは自分自身がそれを体現しよう。そう考えて、27歳で教員を辞め、起業の道を選びました。
2021年頃から起業に向けた準備を始め、2022年3月、27歳で教員を退職し独立。2023年1月に株式会社Nova Clearlyを設立。サウナブランド「SAUNA NOVA」を本格的にスタートしました。好きなことを軸に据えたからこそ、迷いなく踏み出せたと感じています。
当社が大切にしているのは、「すべての人が輝ける世界をつくる」という企業理念を、SAUNA NOVAというブランドを通じて形にしていくことです。
そのため、商品をつくるときも、単に機能性やデザイン性だけを追求するのではなく、「このプロダクトによって、その人のサウナ時間がどう変わるか」を大切にしています。
例えば、サウナハットを深く被れる形にしているのも、ロゴを必要以上に大きくしていないのも、ブランドそのものを主役にしたいからではありません。周囲の情報から少し離れ、その人自身がサウナで過ごす時間を主役にしてほしいからです。
私たちが掲げている言葉が、「サウナは、自由だ。」です。
「こう入らなければならない」「ととのわなければならない」という正解に合わせるのではなく、自分にとって心地いい時間や自分だけの最高のひとときを見つけてほしい。
SAUNA NOVAは、単にサウナ用品を販売するブランドではなく、プロダクトや体験を通じて、一人ひとりが自分らしく過ごせる時間を届けるブランドでありたいと考えています。

最大の壁は、創業から1年ほど経った2期目の2024年前半です。
起業当初はビジネスの世界をまったく知らない状態からのスタートで、資金調達や事業計画書の作成、商品の製造など、すべてを一から学んでいきました。サウナハットの素材の仕入れ先や縫製工場も分からなかったため、製造業者が集まる展示会やイベントに足を運び、協力してくれる工場を探すところから始めました。
クラウドファンディングでは目標金額の1,476%を達成し、順調なスタートを切れたように見えました。しかし、その後の一般販売では思うように売上が伸びず、2023年末から2024年前半にかけては資金繰りも厳しくなり、事業を続けられるかというところまで追い込まれました。
そこで改めて、商品そのものだけでなく「どう届けるか」を根本から見直しました。ECサイトを刷新し、広告運用やWebマーケティングについても、自分ですべて抱えるのではなく、その領域に強いプロの力を借りるようにしました。
その中でも大きな決断だったのが、初めて正社員を採用したことです。それまでは1人で事業を回しており、こだわりが強い分、人に任せることへの抵抗がありました。固定費が増えることや、人の人生を背負う責任へのプレッシャーもありましたが、自分ですべてを抱える経営には限界があると感じ、適切な人に仕事を任せる方向へと切り替えました。
その結果、自分が本当にやるべき仕事に集中できるようになり、2024年後半から少しずつ売上が伸び始め、2024年12月には当時の過去最高月商となる500万円を達成。その後も事業は成長を続け、3期目には年商1億円を突破しました。
年商1億円という数字以上に、自分一人の力で事業を伸ばす段階から、周囲の力を借りて事業をつくる経営へ変われたことが、会社にとって大きな転機だったと思います。4期目となる今期も昨対比200%以上の成長率で事業拡大中です。
今後は、SAUNA NOVAに経営資源をさらに集中させ、まずは日本一のサウナブランドを目指していきます。
ただ、僕たちが考える「日本一」は、単純に売上や販売個数が一番になることではありません。「サウナブランドといえば?」と聞かれたときに、多くの人が真っ先に「SAUNA NOVA」を思い浮かべてくれる。そんな存在になることが目標です。売上や販売個数は、その結果としてついてくるものだと考えています。
そのためにも、商品をたくさん売ることだけを追いかけるのではなく、プロダクトの品質やデザイン、発信、イベント、リアルな体験まで含めて、SAUNA NOVAというブランドそのものを育てていきたいです。「SAUNA NOVAだから選びたい」と思ってくださる方を一人ずつ増やし、まずは国内で確固たるポジションを築いていきます。
その一環として、ブランドの体験価値をさらに高めていきたいと考えています。現在はECでの販売が中心ですが、会員限定のリアルサウナイベントを開催したところ、多くの方に参加いただきました。そこで将来的には、SAUNA NOVAの世界観をリアルに体験できる拠点「SAUNA NOVA BASE(仮称)」をつくりたいと考えています。
商品を購入していただいて終わりではなく、実際にサウナに入り、仲間や家族と時間を過ごし、SAUNA NOVAが大切にしている価値観まで体験してもらう。ECブランドから、リアルな体験まで提供できるブランドへ進化させていきたいです。
そして、日本で「サウナブランドといえばSAUNA NOVA」と言ってもらえるポジションを確立した先に見据えているのが、海外展開です。サウナは日本だけの文化ではありません。フィンランドをはじめ、世界各地にそれぞれのサウナ文化があります。だからこそ、SAUNA NOVAが海外でどこまで受け入れられるのか、大きな可能性を感じています。
まずは越境ECを通じて海外のお客様との接点をつくり、日本発のサウナブランドとしてプロダクトを届けていく。ただ、海外に届けたいのも商品だけではありません。
SAUNA NOVAが掲げる「サウナは、自由だ。」というメッセージや、サウナを通じて日常から少し離れ、自分自身と向き合う時間を大切にするという価値観まで届けていきたいと思っています。国や文化が違っても、こうした考え方には共感してもらえると考えています。
まずは日本一のサウナブランドになる。そして、その先は世界へ。将来的には、日本発のサウナブランドとして、世界でもSAUNA NOVAの名前を思い浮かべてもらえる存在を目指していきます。
そのために、これからは発信にもより力を入れていきます。2023年から2024年にかけては、学校や企業のサウナ部などに呼んでいただき、「ととのえ先生®」として起業の背景や、好きなことを仕事にするまでの経験をお話ししてきました。一方で、当時はまず経営者として実績をつくることが先だと考え、メディアへの露出を意図的に控えていました。
会社としての実績も少しずつ積み上がってきた今、次のフェーズでは、SAUNA NOVAが何を目指しているブランドなのか、僕自身がなぜこの事業をやっているのかも積極的に発信していきたいと考えています。
そして、このビジョンを一緒に実現してくれる仲間も増やしていきたいです。特に今後は、ブランド公式SNSやPR、メディアとのコミュニケーション、リアルイベントなどを強化していきます。商品を売るだけではなく、SAUNA NOVAの世界観や価値観を社会に届け、ブランドを一緒につくってくれる方と働きたいと思っています。

一番伝えたいのは、「やりたいと思ったら、まず動いてみる」ということです。
僕自身、サウナで起業すると決めたとき、ビジネスの知識も経験もほとんどありませんでした。それでも、すべてを理解して準備が整うまで待つのではなく、まず行動することを選びました。
教員時代には「起業家100人に会う」という目標を立て、SNSで直接連絡を取り、経営者の方々をサウナに誘って実際に100人に会いました。事業計画書の書き方も、商品の作り方も、資金調達の方法も、最初から知っていたわけではありません。必要になったときに調べ、人に聞き、一つずつ覚えていきました。
振り返ると、行動したからこそ次にやるべきことが見えてきたことが何度もあります。逆に、最初から正解を探していたら、SAUNA NOVAは生まれていなかったかもしれません。
起業に限らず、やりたいことがあるなら、最初から大きな決断をする必要はないと思います。人に会ってみる、SNSで発信してみる、商品を一つ作ってみる。今の自分にできる小さな一歩から始めればいい。
やりたいと思った瞬間が、一番早く動けるタイミングです。完璧な準備を待つのではなく、まず一歩踏み出してみることが大切だと思います。
鳥取県鳥取市出身。元々サウナが好きだったことをきっかけにサウナ事業を展開。国内外700施設以上のサウナを訪問し、サウナインフルエンサー「ととのえ先生®」として活動しています。2022年4月より関東を中心にサウナイベントの主催を開始。2023年1月に株式会社Nova Clearlyを設立し、代表取締役に就任しました。サウナブランド「SAUNA NOVA」の開発・運営を軸に事業を展開。「すべての人が輝ける世界を創る」を理念に掲げています。
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法人名 |
株式会社Nova Clearly |
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設立 |
2023年1月 |
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HP |
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公式ECサイト |
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代表SNS |
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事業内容 |
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