オフィス設計を考える際には、デザインだけでなくレイアウトや流れを理解しておくことが大切です。重要なポイントを理解しておけば、オフィス設計したことで会社全体の生産性を高められます。
オフィス設計を誤ってしまうと、社員のモチベーション低下や機能性の低下にも繋がるため注意が必要です。
今回は、オフィス設計で重要なデザインのポイントやオフィス設計の流れについて解説します。この記事を参考にすれば、自社に適切なオフィス設計が行える可能性が高いです。
オフィス設計ではデザインが重要な理由
オフィス設計では、デザインが重要と言われています。オフィス設計でデザインが重要な理由は、デザイン次第でその後の社員のモチベーションや生産性が上がるかどうかが決まるからです。
しかし、かっこよさやおしゃれさだけを求めたデザインだと利便性が悪くなってしまうかもしれません。オフィス設計でデザインを考える際には、見た目だけでなく機能性も考えた上で設計しましょう。
また、オフィス設計でデザインを考えることは社内にメリットがあるだけではありません。取引先が訪問してきた時にも、オフィスによって印象が大きく異なるため綿密に設計することが大切です。
オフィス設計で重要なデザインのポイント
オフィス設計で重要なデザインのポイントは、下記の3つです。
- 課題に沿った解決策を考える
- エリア別の目的を考える
- よくあるレイアウトパターンを理解する
オフィス設計のデザインでは、見た目だけを重視すれば良いわけではありません。「機能性や生産性を上げるためにはどうすれば良いのか」を前提とした上でデザインを考えることが大切です。
課題に沿った解決策を考える
オフィス設計でデザインを考える際には、課題に合った解決策も考えることが大切です。現在の課題を解決できるオフィスにしなければ、オフィス設計に失敗してしまうかもしれません。
例えば、従来のオフィスだとコミュニケーションを取る機会が少なく、新しいアイデアがほとんど出ていなかったとします。創造性に欠けていると感じるなら、オフィス設計をする際にミーティングスペースを増やすことでコミュニケーションを取る機会を増やせる可能性が高いです。
また、会社の課題を明確化することで、どんなオフィスにするべきなのかを考えやすくなります。デザインだけに拘るのではなく、働くことを考えた上でオフィス設計をするのがポイントです。
エリア別の目的を考える
エリア別の目的を考えて設計することで、見た目だけでなく機能性も兼ね備えたオフィスになります。エリア別の目的を考えずにオフィスを設計してしまうと、完成後に使いづらいオフィスになってしまうかもしれません。
例えば、会議室は社内の人間だけでなく取引先との商談で利用する機会も多いため、派手なものよりは落ち着いたものにするのがおすすめです。他にも、エントランスで取引先からの第一印象が決まりやすいため、植物を置いたり企業のロゴを設置したりすることをおすすめします。
よくあるレイアウトパターンを理解する
オフィスレイアウトの種類としては、下記6つが挙げられます。
- 対向型(島型)レイアウト
- 背面式レイアウト
- クロス型レイアウト
- ブーメラン型レイアウト
- 同向型レイアウト
- ブース型レイアウト
よくあるレイアウトパターンを理解することで、自社にどんなレイアウトが適切なのかを判断しやすくなります。コミュニケーションの機会を増やし、幅広い職種に向いているレイアウトは「対向型レイアウト」です。ただ、他部署とのコミュニケーションがとりづらくなるため注意しましょう。
また、コミュニケーションの活性化だけでなく個人の業務にも集中したい場合には「背面式レイアウト」を活用しましょう。基本的には背中合わせとなっており、個人の業務に集中できます。部署内で相談したい場合には、すぐ後ろに社員がいるためコミュニケーションも取りやすい形となっています。
レイアウトによって、特徴やメリットデメリットが異なるため、オフィス設計でどの部分を改善したいのかを明確にし、適切なレイアウトパターンを選択しましょう。
それぞれのレイアウトについて詳しく知りたい方は「オフィスの間取りは働きやすさを左右する!おしゃれで快適なレイアウトとは?」を参考にしてください。
おすすめのオフィス設計の流れ
オフィス設計の流れとしては、下記を参考にしてください。
- ①ゾーニング計画
- ②動線計画
- ③レイアウト作成
適切な流れを理解しておくことで、スムーズかつ後悔しないオフィス設計がしやすくなります。いきなりオフィス設計をすると、失敗してしまう恐れがあるため注意が必要です。
①ゾーニング計画
オフィス設計を行う際には、ゾーニング計画を立てることが大切です。ゾーニング計画とは、オフィスに必要なスペースを平面上で簡単に考えることです。ゾーニング計画を立てなければ、実際に働いた時に不便に感じる部分が多くなってしまいます。
例えば、来客スペースの近くにリラックススペースがあると、来客者としては不満に感じてしまうかもしれません。反対に、来客スペースは作業スペースと少し離れた場所に設置したり、しっかりとした壁で区切ったりすることで会議に集中できます。
ゾーニング計画を考えておくことで、オフィス完成後の不満防止や業務効率化にも繋がるため必ず最初に行いましょう。
ただ、ゾーニング計画に取り組む際には、消防法や建築基準法に基づいた方法で進めることが大切です。
②動線計画
ゾーニング計画を立てることができたら、動線計画を立てましょう。動線計画とは、オフィス内を人が移動する時に通ると考えられる線路計画のことです。動線計画を細かく考えておくことで、スムーズな移動が可能となり、会社全体の生産性向上にも繋がります。
コツとしては、人が移動する通路を複数用意しておくことが大切です。動線が重なってしまうと、効率が下がるだけでなく社員同士がぶつかってしまうリスクも考えられます。
動線計画を立てる際には、メイン通路を明確化し、避難通路も確保しておかなければいけません。ただ、初めて動線計画を考える場合には、細かく考えたつもりでも不備があるかもしれません。動線計画を立てることを不安に感じるなら、オフィス設計を考えてくれる会社に依頼することをおすすめします。
③レイアウト作成
ゾーニング計画と動線計画を立てることができたら、レイアウトを作成しましょう。ゾーニング計画と動線計画を参考にしながらレイアウト作成すれば、スムーズかつ安全に進められます。
オフィス設計をしようとなると、いきなりレイアウト作成から始めてしまいやすいです。しかし、いきなりレイアウトを作成すると、失敗する恐れがあるため正しい手順で進めることが大切です。
オフィス設計で考えるべき項目
オフィス設計で考えるべき項目は、下記の3つです。
- 社員の満足度が高まりやすいかどうか
- 社員同士のコミュニケーションが生まれやすいかどうか
- 働き方の多様化に対応しやすいかどうか
オフィス設計では、デザインだけでなく満足度や働き方に関しても考えなければいけません。上記を考えた上でオフィス設計を行えば、移転後に後悔する可能性を抑えられます。
社員の満足度が高まりやすいかどうか
オフィス設計では、社員の満足度が高まりやすいかどうかを考えましょう。社員の満足度が上がらないオフィスだと、全体のモチベーションや生産性の低下に繋がってしまいます。
社長がどうしたいのかではなく、社員目線で考えることが大切です。例えば、社長は食堂があることで社員の満足度が高まるだろうと考えていても、社員目線だと小休憩が取れるリフレッシュスペースが欲しいと考えている可能性もあります。
オフィス設計で、社長が求めているものと社員が求めているものでは違いがある可能性も高いため、社員の意見を尊重することをおすすめします。
社員同士のコミュニケーションが生まれやすいかどうか
オフィス設計では、社員同士のコミュニケーションが生まれやすいかどうかも考えることが大切です。社員同士のコミュニケーションが少ないと、新しいアイデアも生まれにくくなってしまいます。
社員同士のコミュニケーションを活性化させるためには、簡易的なミーティングスペースやカフェスペースがおすすめです。
また、コミュニケーションを増やすことのメリットは、新しいアイデアを生まれやすくするだけではありません。連絡も密にしやすくなるため、小さなトラブルが起きづらくなるメリットもあります。
働き方の多様化に対応しやすいかどうか
オフィス設計を考える際には、働き方の多様化に対応しやすいかどうかも考えましょう。近年では、リモートワーク推奨の流れによって、働き方が多様化しています。ただ、働き方が変わることで、社員の帰属意識が低下してしまう恐れがあります。
社員の帰属意識を低下させないためには、仕事以外の部分でリフレッシュスペースやカフェを設けるなどの工夫が必要です。機能性だけを求めるのではなく「社員のモチベーションを高めるにはどうすれば良いか」も考えましょう。
また、働くことがメインであるため、業務に集中できる環境を作ることも大切です。例えば、リモートワークを推奨したとしても、自宅で仕事に集中できない人もいます。自宅で集中できない社員のために、個室スペースを設けることで社員の満足度を高めつつ、帰属意識を保ちやすくなります。
オフィスのレイアウト設計を考える時の注意点
オフィスのレイアウト設計を考える時の注意点は、下記の2つです。
- デザインにこだわりすぎない
- 建築基準法を遵守する
オフィスのレイアウト設計では、法律面も考えた上で設計しなければいけません。オフィスのレイアウトは、建築基準法で要件が定められているため、設計前に必ず確認しておきましょう。
デザインにこだわりすぎない
オフィスのレイアウト設計を考える際には、デザインに拘りすぎないように注意しましょう。デザインに拘りすぎると、機能性を失う恐れがあります。
オフィス設計では、見た目だけでなく社員の働きやすさや効率の良さなども考えた上でデザインすることが大切です。
最近では「フリーアドレス」を導入する企業も増えています。フリーアドレスとは、固定の席を設けずに好きなスペースで仕事ができるレイアウトのことです。フリーアドレスは、個人の席がないため不必要な物が溜まりづらく、デザイン性と機能性を両立できます。
また、多様な働き方の増加によって、イレギュラーな事態が発生しても柔軟に対応できるためおすすめです。
建築基準法を遵守する
オフィスのレイアウト設計を考える際には、建築基準法を遵守することが大切です。建築基準法では、オフィス設計に関しての通路幅が定められています。建築基準法による通路幅の規定は、下記の通りです。
- その他の廊下における場合:1200mm以上が必要
- 両側に居室がある廊下における場合:1600mm以上が必要
また、建築基準法だけでなく、消防法でも消防設備の設置や避難経路の確保などが定められています。
完璧に考えて設計したつもりでも、思わぬ落とし穴があるかもしれません。法律に違反しないためには、専門の内装業者に依頼するのがおすすめです。内装業者に依頼すれば、法律に詳しくなくても法律を遵守した上での適切なオフィス設計ができるのがメリットです。
ポイントを抑えて働きやすいオフィス設計をしよう
オフィス設計では、正しいポイントを抑えれば働きやすいオフィス設計が可能です。法律面もしっかりと理解した上で設計することで、問題なくオフィスを利用できます。
しかし、通常業務を行いながらオフィス設計や法律面の遵守などを考える時間は確保できないかもしれません。効率的に理想のオフィスを設定したいなら、内装業者に依頼することをおすすめします。
内装業者の中でも「株式会社アットオフィス」がおすすめです。株式会社アットオフィスでは、オフィスの仲介業だけでなく、オフィスの内装デザインや設計施工も行っています。オフィス移転に関するアドバイスも受けられるため、初めてオフィス設計をする人ほどおすすめです。
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