株式会社スパルタ英会話 COO 髙橋友哉

株式会社スパルタ英会話は、3ヶ月間の短期集中型でビジネスレベルの英語が習得できる英会話スクールです。「日本を英語ができる国にしたい」「自分が留学時に味わった惨めさを次の世代には感じさせたくない」という使命感を持って、日々生徒さんに向き合う髙橋氏。今回は「日本一の英会話スクールになるのはあくまで通過点」と仰るCOO、髙橋友哉氏にお話を伺いました。

英語学習はインプットとアウトプットの2つ

さっそくですが、事業内容をお聞かせください。

スパルタ英会話では、3ヶ月間で英語を習得してもらいます。主にビジネスレベルで英語を話せるようになりたい方がターゲットです。体験レッスンに来た方に理由を伺うと、「外資系企業に就職したい」「海外赴任することになった」といった方が多くいらっしゃいますね。

英語のトレーニング方法は、インプット(自主トレーニング)とアウトプット(コミュニケーション体験)の2つに分けられます。インプットでは、コンサルティングによる学習計画を作成したり進捗管理をしたりします。毎日のチャットによる学習報告とトレーニングフィードバックのサポートがメインです。

アウトプットでは、実際に試合に出てラリーをしてもらうことが大切なので、コミュニケーション体験の場を設けています。それからアウトプットのために、外国人講師とマンツーマンレッスンやグループレッスンをして成功体験を積んでいってもらいます。

 

アウトプットで行うネイティブコースのマンツーマンレッスンでは、生徒さんの悩みと3ヶ月後の理想の姿を聞いてカリキュラムを組みます。なので、直近の英語の課題を見つけることが可能です。

 

グループレッスンに関しては、通い放題です。数ヶ月後に海外赴任が決まっている方は特に、英語に慣れる必要があるので、店舗でもオンラインでも受け放題にしています。講師が使えるフレーズをレクチャーし、それをペアワークで実際に使えるまでアウトプットする仕組みです。

 

グループレッスンでは、話したい方だけが話していると思われがちですがそのようなことはなくて、実際にはペアワークで進んでいってもらいます。なので生徒さんのみんながアウトプットできるように工夫しています。

現在の仕事を始めた経緯を教えていただけますか?

スパルタ英会話で働くことで、僕が目標にしている「日本人が英語を喋れる国にする」ことが実現できると思ったからです。

 

実は僕、もともと英語がすごく得意だったわけではないんです。中学生時代に通っていた塾の先生がまさにスパルタって感じですごく怖くて、怒られたくないから英語の勉強を始めました。さらに受験のためにも英語を勉強して、その甲斐あって英語が得意になりました。

 

大学生になってからも僕は英語が得意だという自負があったので、「大学のプログラムを利用して留学に行こう」と思ったんです。その際は、学内の募集要項の中でもトップのほうで選ばれたので、大学からの補助をもらいながら留学に行けました。

 

なので、結構自信満々に留学したのですが、初日から挫折してしまって・・・。

 

現地に着いて、現地の学生が空港に迎えに来てくれて話してくれたのですが、本当に聞き取れなくて・・・。今までやってきたリスニングの練習と違っていたことに驚きました。

 

ただ、4ヶ月間は留学する予定だったので、その間に「絶対英語で会話ができるようにしよう」と、学生寮も開けっ放しにして廊下を通る現地の学生に自分から自己紹介して、「僕は英語の勉強をするから手伝ってくれ」といったことをもどんどん行っていきました。

 

自分からコミニケーションをとって、アウトプットの場を設けたことで段々話せるようになってきたんです。それで留学中に友達が増えていきました。

 

現地の友達が増えてきたときに、他の大学から来た日本人の方がいたんです。僕が現地の学生たちと輪をつくってコミュニケーションをとっているのを見て、近寄ってきてお話をしたら、その方がすごく英語が上手かったんです。

 

僕が頑張って身振り手振りでコミニケーションをとっていたのに、その方はいとも簡単にコミニケーションをとってしまって。そのときに「すごく惨めだなぁ」と感じました。それと同時に、「なんでこんなことが起きているのだろう」って少し疑問に思いましたね。

なので、僕はその方にどうしてそんなに英語が喋れるのか聞きました。そしたらその方が「うちバイリンガルやんね」と答えてくれたのですが、正直僕は「バイリンガルってなんだよ、ずるい」って思ったんです(笑)。

 

大学に戻ったあとは言語学に興味を持っていました。また、「英語の勉強をしたのに惨めな思いをする日本人は、僕で最後でいい!」という強い思いもあって、言語学の研究をしようとイギリスの大学院に進学しました。

 

しかし、研究の道を進んでいく中でコロナが始まってしまいまして、研究を断念しなければならいけなくなりました。それで日本に戻ってきたときに、実際に日本人はどのくらい英語を喋れないのか未知数だったので、一度日本の英会話スクールで働いてみよう思って、就活を進めていきました。

 

その中で簡単にいうとスパルタ英会話が1番良いサービスをやっていると感じたので、ここに入社をしました。正直僕は3ヶ月で英語が喋れるようになるのか疑問でしたが、実際にコンサルタントとしてお客様に接していると、本当に3ヶ月という短い期間で伸びていく生徒さんを目の当たりにして驚愕しました。

 

大学院生時代は、僕の人生の目標である「日本を英語が喋れる国にしたい」、それを叶える手段の1つとして「研究者になる」道を選択していました。

 

しかし、スパルタ英会話で働いていくうちに、「会社として経営していくことで、より大きなインパクトを日本社会に巻き起こせるのではないか」と思ったので、今もこの職場で働いています。

 

入社して1年半から2年くらい経ったところでCOOを任され、今は日本一の英会話スクールを目指そうとスタッフみんなと力を合わせながら頑張っています。

相手に合わせた指導へのこだわり

仕事におけるこだわりや譲れない軸を教えてください。

こだわりは、スパルタ英会話にあるメソッドを、すべての生徒さんに押し付けないことです。例えば、人によってインプットがそもそも足りない方もいらっしゃいます。英語の過去形が分からない方に、さあアウトプットしよう、話してみてっていうのでは意味がありません。

 

そういった方にはまず、インプットを優先していきましょうと伝えています。そのように、担当している生徒さんに合わせた指導にこだわりを持っています。

 

ゆずれない軸に関しては、日々の業務の中でというよりも、スパルタ英会話は間違いなく日本一の英会話だと思っていることです。ただ僕が一人で「スパルタ英会話は日本一だ!」と言っているのではなくて、実際に通ってくれた生徒さんの評価としても表れています。

 

例えば サービスを利用したあとに、”あなたはこのサービスをどれだけ友人に勧めたいですか”というNPS(お客様満足度調査)を採用していて、こちらが1〜10段階で評価するものになっています。その割合によってスコアがつけられ、-100~100までのレンジです。

 

分かりやすい基準として、日本の教育業界全体が確かマイナス1です。日本人は真ん中を選びがちなので、このように低くなってしまうそうです。しかし、スパルタ英会話では、53という高いスコアが出ているので、お客様から高評価をいただいております。

 

また、Googleレビューを見ても100件以上の口コミが寄せられています。

 

僕たちからはGoogleレビューに良いこと書いてほしいとは一切伝えていません。それなのに生徒さん達が感謝の気持ちを投稿してくれるっていうのは、評判の良さが可視化されていると感じています。

 

また、ネット上の口コミだけでなく、 

生徒さん自身が生徒さんを紹介してくれることも実際に多いので、僕たちが無理に営業しなくても生徒さんが増えていく状況につながっています。

 

そういったこともあり、譲れない軸は、日本一の英会話スクールだという自負ですね。

みんなの気持ちを1つにまとめて引っ張っていく    

COOになるまでの最大の壁はありましたか。

目の前の生徒さんだけではなくスクール全体のことを考えて行動しなければいけないのは、壁だったかなと思います。

スタッフみんなの気持ちを1つにまとめて引っ張っていくのが、僕の1番の仕事でもあり、難しい部分だなと感じております。

 

以前は銀座校があったのですが、コロナの影響を受けたことやオンライン受講生が増えてきたこともあって、新宿校と統合することになったのです。もともと銀座校にいた生徒さんやスタッフたちにとっては思い出がありますし、閉校に対する不安を抱いているのが感じ取れました。

 

そのようなときに、みんなの気持ちをどれだけ僕がポジティブになって鼓舞し続けるか、みんなの炎を焚き付けてその炎をどこに投下させるのかを、僕が道しるべになって教えていくのは苦労していた部分ですね。

 

他の経営陣とも相談しながら進めていますが、すべて上手くいっているわけではないので難しさを感じます。

留学先での挫折経験。信じてついてきてくれる生徒さん。この2つは僕にとってもモチベーション

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

それはもう完全に、大学で留学を経験して英語が伝わらなくて、「うちバイリンガルやんね」っていわれたあの原点が一生忘れられないモチベーションになっていますね。

 

そのとき人生で感じたことのない惨めさを味わったので、この気持ちを絶対次の世代の方に感じて欲しくない。あと、僕は勝手に日本の英語を変えるっていう風に背負っているので、その決意がある限り絶対にブレないです。(笑)

 

あと、日本の英語を変えるっていうのはCOOになる前からずっと宣言していて、「日本一になりたいね」「日本一にしよう」「日本一の良いスクールだよ」って本当に毎日のようにスタッフに伝え続けています。

 

メンバーも、そのような言葉を毎日言っている人がいれば気持ちも変わってくるので、みんなのモチベーションにも繋がっていると思います。そんな僕の言葉を信じてついてきてくれるメンバーたちがいることも、今の僕にとってのモチベーションです。

日本一の英会話スクールになるのはあくまで通過点

日本一に向かうための今後の展望を教えてください。

 

ビジネスとしての展望は、TO CもTO Bもやっているので、それぞれ目標があります。

今の日本の英語学習の流れとしては、大手さんの月額制で通うものや、5年10年のスパンでトレーニングしていくものがあります。そしてその後、短期集中のコーチング型がここ数年の流行りとなっており、TO Cに関しては飽和状態になりつつあります。なので展望としては、法人向けの英会話を強化していこうと考えています。

 

ただ、TO Cも今は新宿にしかない店舗を主要都市にも展開していく予定で、2030年までに6店舗を全国に構えるのが目標です。簡単にいうと年に1店舗ずつ増やしていくイメージですね。法人のほうは、パートナー事業と法人営業を強化していって、スパルタ英会話の認知を広げていく予定になっています。

 

あとはその先にある部分なのですが、日本一の英会話スクールになるのはあくまで通過点なのです。日本が英語を喋れる国になることがどういう世界観かというと、日本に英会話スクールが無くなることだと思ってます。

 

日本には、日本語の日常会話学校ってないじゃないですか。ですが日本人向けのビジネスマナースクールや、アナウンサー養成学校などといった言葉遣いのプロフェッショナルな日本語スクールはあると思うんですね。

 

なので英語も似たような感じで、プロフェッショナルに使うための英会話スクールはあっても良いと思うのですが、日常会話ための英会話スクールは消えていく。そういった世界観を目指すのが、日本一のさらに先をいく展望ではあります。

 

 

COOとして同じように働いている方へのメッセージをお願いします。

本当に僕がそのエールですとかアドバイスというのは、すごくおこがましいところではあるのですが、僕はほかのCOOに比べて結構特殊かもしれません。というのも新卒でこの会社に入ったのですが、1年半くらいでCOOを任せたといわれまして、そのときに覚悟は決まっていたので、不安もなかったのです。

 

なのでお伝えできることといえば精神論のようで申し訳ないのですが、自分を突き動かすのは何なのかを自問自答することが大切だと思います。

 

僕の場合は英語ができる国にしたい、それと僕が任されたCOOという仕事が一致していたので、頑張れました。例えば、スパルタが中国語スクールだとして、僕がCOOを任せたといわれても、今の力が発揮できないんです。

 

なので、もし抜擢されたときに悩んだり不安になったりする場合は、自分が人生かけてやりたいことは何だろうと考えてみたらいいと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:髙橋友哉氏

「世の中に多くの英会話スクールがあるのに、日本人は英語が話せない」。この課題を解決するため、スパルタ英会話は8年間かけて、本当に話せるようになるサービスに磨きをかけてきた。日本の企業・人材が、英語に対して自信と実力を身につけることで、世界で活躍する後押しをする。

 

企業情報

 

法人名

株式会社スパルタ英会話

HP

https://spartan-english.jp/

設立

2014年12月25日

事業内容

英会話スクール

 

【オフィスデータ】

住所

東京都新宿区新宿1丁目16-10コスモス御苑ビル702号

アクセス

新宿御苑前 徒歩3分

規模・人数

112人(業務委託・契約社員含む)

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