
NEULO株式会社は、「歩行と創造性の再定義」をコンセプトに、素足感覚を追求したパフォーマンス・フットギアブランド「NEULO」の企画・開発・販売を手がけています。ワイドトウやゼロドロップ、ミニマムトウスプリングといった独自の設計により、人間本来の足の機能を呼び覚まし、歩くことを通じて心と創造性を豊かにする社会の実現を目指しています。今回は、2025年6月に同社を創業した代表取締役の船瀬悠太氏に、事業の詳細や起業に至った経緯、そして今後の展望についてお話を伺いました。
弊社は、人間本来の足の機能を呼び覚ますことをコンセプトにしたシューズを製作しています。世の中の靴の多くは、革靴のようにつま先が硬く窮屈なものや、スニーカーのような厚底のもの、ランニングシューズのようにつま先が反り上がったものなど、足本来の自然な動きを制限する構造になっています。
NEULOは、こうした靴とは逆の発想で設計しており、特徴は主に3つあります。
1つ目はつま先近辺を広くとった「ワイドトー」です。足指が靴の中で重なったり圧迫されたりしにくく、自然に広げて使える形にしています。2つ目はかかとからつま先までをフラットにした「ゼロドロップ」、そして3つ目がつま先の反り上がりを最小限に抑えた「ミニマムトー スプリング」です。
この3つの特徴により、裸足に近い感覚で人間本来の足の複雑な機能や指の力を引き出しながら、快適に歩ける一足を目指しています。
同じような機能を持つブランドは海外にも存在しますが、NEULOの特徴は、ソールの厚みを13ミリほどに抑えている点です。ワイドトー やゼロドロップを実現しながらも薄底に近いバランスに仕上げることで、アスファルトの上でも痛みを感じにくく、しっかりとした接地感と指が動く感覚を両立させています。
指先が自由に動く一方で、中足部とかかとはしっかりとフィットさせているため、緩さを感じさせない仕上がりになっています。素材にも一流のランニングシューズと同水準のものを採用しており、普段履きでありながら、積極的に歩いたり走ったりすることにも十分対応できる作りです。

きっかけは、自分が理想とするシューズがなかなか見つからなかったことです。
ワイドトーやゼロドロップを採用したシューズは海外にもありますが、それらの特徴を備えながら、ソールを薄底に近いバランスで仕上げた製品はほとんど見当たりませんでした。地面をしっかり感じられる一方で、アスファルトの上でも快適に歩ける。そんな一足を探しても見つからなかったため、「それなら自分で作ろう」と考えたことが開発の始まりです。
もともとマラソンを続けていたこともあり、シューズには以前から強い関心を持っていました。また、約5年間暮らしたインドネシアでは、登山やトレイルランニングにもよく取り組んでおり、新しいシューズを履くたびに、走り方や身体の使い方、感覚が変わる面白さを実感していました。
一方で、コロナ禍以前にはインドネシアでオンライン教育スタートアップ「Quipper」の事業立ち上げにも携わっていました。この経験を通じて、ゼロから事業をつくる面白さを知り、「次は自分で何かを立ち上げたい」と考えるようになりました。その中で行き着いたのがシューズという領域です。
市場を調べると、大手ブランドが存在感を示す一方で、海外では新興ブランドも少しずつ生まれ始めていました。まだ本格的な競争が起きていない領域であり、挑戦する価値があるのではないかと考えたのです。
専門家への取材を重ねる中で、シューズ開発は非常に難易度が高いものの、決して実現不可能ではないことが分かりました。そして、この難しさこそが参入障壁となっているため、最後までやり切ることが競争優位性につながると確信しました。
そこから木型の設計やデザイン、生産体制の構築を、社外の専門家や工場と連携しながら一つひとつ進めていきました。開発の途中からは、大手スポーツシューズメーカーでシューズ開発を担当していたメンバーにも参画いただき、試行錯誤を重ねた結果、ようやく理想としていた履き心地を実現することができました。
私たちが目指しているのは、NEULOを通じて歩くことが好きになったり、1日に動く歩数が自然と増えたり、外に出ることがより前向きになったりする世界です。そのためであれば、これだけは絶対にやりたい、あるいはやりたくないという強いこだわりはあまりなく、良い製品と向き合い続けることを大切にしています。
一方で、お客様の声にはできる限り耳を傾けたいと考えています。デザインの好みは人によって大きく異なるため、すべての意見を反映することは難しいものの、丁寧に耳を傾けながらもブランドとしての軸はぶれさせないようにしていきたいと思っています。

ものづくりの難しさを痛感したことが、最も大きな壁でした。
これまで私はデジタルサービスやWebサービスに関わるスタートアップで働いてきました。デジタルの世界では、画面上でデザインを確認しながら修正を重ねていくことができますが、シューズはデザインしたものを実際の素材を使って立体として形にしなければなりません。
想定していた光沢感が出なかったり、素材の質感が思っていたものと違ったり、色合いが目指していたイメージと異なったりと、想定外が次々に起こりました。
三次元のものづくりに初めて本格的に取り組む中で味わった難しさは、これまでのキャリアでは経験したことのないものであり、試作と改善を何度も繰り返しながら理想の一足へと近づけていきました。
AI時代だからこそ、私たちが新しい価値を提供できるという思いが原動力になっています。テクノロジーやディストリビューションの力によって大手が市場を寡占していく可能性がある中、参入障壁を築きやすい領域に挑戦できることに大きな面白さを感じています。
日本発のブランドが海外で高く評価される例は数多くあり、インドネシアで見てきたユニクロの急成長のように、日本発のブランドとして誇りを持てる存在を目指したいと考えています。
また、どんな壁も時間とともに解決されていくという考え方を大切にしています。1年前にはできなかったことが、いつの間にかできるようになっていることは少なくありません。目の前でできていないことばかりに目を向けるのではなく、これまでに起こしてきた変化を振り返りながら、変わらないものはないという姿勢で前に進んでいきたいと思っています。
NEULOは、立ち上げの当初から海外展開を見据えています。ローンチ時点からシンガポールやオーストラリア、韓国、台湾など、アジアを中心に10カ国での展開を予定しています。まずは第一弾のシューズで培った履き心地を軸に、デザインのバリエーションを増やしながら、さまざまな好みや用途に合わせて誰もが一足を持てるようなブランドに育てていきたいと考えています。
NEULOは既存の靴を完全に置き換えることを目指しているわけではありません。パンプスやヒールなど、目的に応じて使い分けていただきながら、週に何度か、あるいは歩きたい日にNEULOを選んでいただけるような存在になれればと思っています。

やりたいことを見つけるまでに時間をかけることを、ためらう必要はないと思います。私自身、コンサルティングファームやQuipperでの経験を経て、シューズという答えにたどり着くまでに4、5年ほどかかりました。
同時にいくつものことに手を広げるタイプではなく、これだと決めたら一つのことに集中するタイプだったからこそ、時間をかけて向き合ったことに納得感を持てています。何をやるべきか迷っている方には、焦らずじっくりと自分に合うものを探してほしいと思います。
学生時代はラグビーに打ち込む。卒業後、McKinsey & Companyにて製造・IT業界のコンサルティングに従事。その後Quipperへ参画し、フィリピン・インドネシアの海外事業展開を牽引。国内スタートアップの執行役員・事業開発本部長を歴任後、2025年6月にNEULO株式会社を創業。
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法人名 |
NEULO株式会社(ニューロ) |
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HP |
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設立 |
2025年6月2日 |
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事業内容 |
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