
株式会社スマートエイトは、法人向けにAIの活用支援を行う会社です。研修や経営者へのマンツーマン支援、業務課題の整理から開発までを一気通貫で手がけ、さらに自社でAIを使い倒して成果を出している実践力が強みです。今回は、代表である小坂井氏に、SaaSからAI活用支援へと舵を切った経緯や、仕事における「置きにいかない」こだわりについて伺いました。
当社は、法人向けにAI活用支援を行っています。単にChatGPTやClaudeといったツールの使い方を教えるのではなく、「その会社のどの業務にAIを取り入れるべきか」というところから整理し、研修や伴走支援、コンサルティング、開発まで一気通貫で支援しています。
多くの企業では、AIツールを導入したものの、何に活用すればよいのか分からず、利用が一部の社員にとどまってしまうことも少なくありません。
また、会社全体でAI活用を進めるためには、経営者自身がAIを理解することも重要です。トップがAIで何ができるのかを理解していなければ、全社的な活用をトップダウンで進めることが難しいからです。
そのため当社では、まず30分から1時間ほどのミーティングを行い、その会社が抱えている課題や今後実現したいことを伺います。
その際、単に「どんな業務をAI化したいですか」と聞くのではなく、過去半年でどこに投資し、何が売上向上や工数削減につながったのか、今後1年間で会社をどうしていきたいのかといった、経営に近い部分からヒアリングしています。そのうえで、どの業務にAIを活用するべきかを整理していきます。
支援方法は、大きく4つあります。
1つ目は、法人向けのAI研修です。実際に企業の中に入り、参加される方々の業務内容に合わせながら、具体的なAIの活用方法をレクチャーしています。
2つ目は、経営者向けのマンツーマン伴走支援です。特にClaude Codeなどを活用しながら、経営者自身がAIを業務に取り入れられる状態をつくっていきます。会社ごとに独自のAI環境を構築できるClaude Codeの仕組みも活用し、どのような情報や指示を組み込むべきかを当社で設計します。ベースとなる環境を作った後は、実際に使っていただきながら、そこで生まれる疑問や課題を解消していきます。
3つ目が、AI活用のコンサルティングと開発です。現場の方々へのインタビューを通じて業務を整理し、「どの課題から解くべきか」を決めたうえで、必要に応じて当社のエンジニアがシステムやアプリを開発します。
4つ目の事業として、Web広告代理店向けのプロダクト「Smart Ad Report」を提供しています。Web広告代理店では、MetaやGoogleなど複数の媒体から広告データを集計し、クライアント向けの報告資料をMicrosoft PowerPointで作成する業務に多くの時間がかかっています。
こうした支援を行う中で、当社が特に価値を出せると考えているのが、既存のSaaSでは対応しきれない業務です。企業の中には、毎日のように人が手作業で処理しているにもかかわらず、その会社や業界特有の業務であるため、専用のSaaSが存在していないケースが数多くあります。
以前であれば、そのためだけにシステムを開発するには相応のコストや時間が必要でした。しかし、生成AIの登場によって、自社専用の小さなアプリや業務ツールを以前よりも短期間で作れるようになっています。
そのため、「SaaSを導入するほど一般的ではないけれど、人が毎回対応するには負担が大きい」というニッチな業務を、AIによって仕組み化できることが当社の強みだと考えています。

父が名古屋で小さな画廊を経営しており、幼い頃からその姿を見て育ちました。時間やお金に縛られず、自分で仕事をしている姿を「自由でかっこいい」と感じたことが、起業に対する原体験になっています。
一方で、私は大学卒業後、大手の教育系や人材系会社などでキャリアを積んできました。比較的レールに沿った道を歩んできたこともあり、その環境を手放して起業する決断はなかなかできませんでした。
転機になったのは、前職に入社して5年が経ったタイミングです。
ちょうどAIが大きく注目され始めた時期でもあり、いくつかの事業案を検討する中で、まずAIのニーズがある領域を調べました。マーケティング、エンジニア、バックオフィスなどの領域がある中で、自分のこれまでのキャリアと最も親和性が高かったのがマーケティングでした。
そこでWeb広告代理店に着目し、知人へのヒアリングを重ねたところ、広告レポートの作成に大きな負担があることが分かりました。サービス案内をメールや問い合わせフォームから約200社に送り、実際に1件の成約が生まれたことで、起業する意思が固まりました。
こだわりは「置きにいかない」ことです。「これくらいでいいや」と思った瞬間に妥協が生じてしまいます。期限ギリギリまで「もっとクオリティを上げられないか」と粘ることが、最終的なアウトプットの大きな差になると考えています。
当社のメンバーに対しても、「クライアントファーストで、自分たち本位のアウトプットになっていないか」ということは口酸っぱく伝えています。自社の都合ではなく、あくまで相手にとっての価値を基準に置く姿勢です。
この「置きにいかない」スタンスや当事者意識は、リクルート時代の上司から学んだ影響が大きいです。「圧倒的当事者意識」を持ち、他人のせいにせず、全て巻き取ってでも成功に導く。その姿勢を叩き込まれたことが、今の自分の軸になっています。

最も苦しかったのは、起業当初、SaaSプロダクトを作れば簡単に売れると思い込んでいたことです。実際には売るのが難しく、エンジニアの人件費だけがかさんで資金が減っていく時期は本当に苦しかったです。
その状況を打開できたのは、AIと徹底的に壁打ちをして戦略を議論し、「研修・支援事業に振り切るべきだ」との結論に至ったからでした。
AIに戦略をゼロから出させるのは難しいのですが、壁打ち相手として抜け漏れや論理の矛盾を指摘させるのには非常に優れています。人だけで抱え込むより、はるかに速く思考を整理できたと思います。その結果、現在は研修とコンサルティング・開発が事業の柱になっています。
モチベーションの源泉は、父親の存在です。自分自身が父にたくさんの支援をしてもらったため、自分も父親のようにかっこいい男になりたいという思いがあります。
父は家庭環境が厳しく大学に行けなかった中で、苦労しながら画廊を立ち上げた人でした。その姿を心から尊敬しています。だからこそ、自分も自分の力で事業を築いていきたいと考えています。

AIの進化によって、人がやらなくてもいい仕事はAIが代替していく時代になります。これまで日本企業には残業して頑張る美徳がありましたが、実際には本質的でない事務作業に時間を奪われ、顧客価値や売上につながる仕事に時間を使えていませんでした。
そこをAI化して、人間が本来注力すべき価値創造に時間を使える社会にしていきたいと考えています。そのために、Claudeをはじめとする最新AIを企業が実践的に活用できるよう、これからも支援し続けていきます。
起業しようと思いながら、私自身も会社員として10年ほど働いていました。事前に事業の検証を行い、実際に成約も生まれましたが、それでも会社員時代と同じ年収を稼げる保証があったわけではありません。
副業で十分な収益をつくってから起業したいと考えがちですが、実際に起業している人から「起業しないと、本当にうまくいくかどうかは見えない」と言われたことが、最後の一押しになりました。
副業として取り組むのと、事業が止まれば収益も止まる環境で挑むのとでは、かけるエネルギーも大きく変わります。もちろん、何の準備もなく飛び込めばいいということではありません。事前に市場やニーズを検証し、「いける」という確度をできるだけ高めることは重要です。
それでも、すべての不安がなくなるまで待つことは難しいと思います。最後はある程度の勢いを持って、「えいや」と飛び込むことも起業には必要だと考えています。
早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーションで教育事業の企画に6年間従事。リクルートでは事業開発組織のゼネラルマネージャーを担当。2025年3月に株式会社スマートエイトを設立し、現在は広告代理店・商社・製造業・医療法人など幅広い業界に向けてAI活用・業務自動化の支援を行っている。
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法人名 |
株式会社スマートエイト |
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HP |
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設立 |
2025年3月 |
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事業内容 |
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