株式会社TechFamily 代表取締役CEO 椎名陽介
2018年設立。「0→1」の事業創出、そして「1→100」の事業拡大をデジタル/アナログの両面から支援する役員全員が起業経験者の異色の集団。豊富なエンジニア人材を活かし、システム構築や動画制作などコンテンツ制作に関しても多くの実績をもち、一気通貫でクライアントをサポートできるのも大きな強みです。
ご自身を「0→1」を変態的に愛する企業家と称する椎名氏にキャリアや起業の経緯、仕事へのこだわりなど、詳しくお話を伺いました。
0→1から1→100まで、額に汗してクライアントの事業を全力支援
早速ですが、事業内容を教えてください
一言でいうと、クライアントの新規事業創出(0→1)からその事業拡大(1→100)をあらゆる手段を使って伴走支援することです。弊社の役員が全て企業家なのですが、中小企業や上場企業まで幅広く相談を受けていたことがきっかけで事業として立ち上げました。
僕たちの強みというか個性は新規事業”案”や事業拡大”計画”のように絵だけに終わらず、実際に事業(売上)拡大まで伴走できることだと思っています。それは足で稼ぐような営業支援もあれば、Web領域でのPRや社内エンジニアによるシステム構築まで幅広い領域です。例えば、仙台にある日本酒メーカー様を支援したときは、販路拡大のため日本酒のボトルを抱えて銀座の有名百貨店へ自分自身で飛び込み営業しました。その結果、大手百貨店様に採用いただき、もう1年以上のお付き合いになっています。
また、SAKE DRESSという日本酒対談メディアを立ち上げたりとデジタル/アナログ両面からの支援で、売上も順調に拡大しています。
インドで確信した自身の天職は、多くの人を巻き込み新たなビジネスへ
起業された経緯を教えていただけますか
起業に至ったのは家族の影響も大きいです。まず父が自分で事業をしていましたし、弟も起業しています。妹も旅人のような生活をしていて(夏は海でサーフィン、冬は山小屋に住み込みでスノーボードして暮らすような)やりたいことを自由にやっている人間が身近にいたことで常に刺激があったのかもしれません。母は小学校の先生なのでその中でいえば逆に異質なんですが。(笑)
僕は踏ん切りがつかず大卒で大手旅行会社に入ったのですが、結局1年ほどで辞めてしまいました。この先どうしようか考えていた時、日系自動車メーカーのインドでの社内ベンチャー立ち上げメンバーに応募すると運よく受かったので、その翌月にはもうインドにいましたね(笑)
その事業の目的は「日本人がインドで快適に暮らせるためのインフラを整えること」でした。日本人にとってインドは衣食住が整っておらず、駐在員がメンタルを壊してしまうことも多かったんです。ただ、僕は結局インドに3年半位いましたが、仕事が楽しすぎてメンタルを壊すどころではありませんでした。
実際にインドで会社を設立する経験が出来、その中で数多くの事業も立ち上げました。日本人向けのホテルやレストラン、サウナにマッサージ施設に漫画喫茶も。もちろん様々な失敗も経験しましたがとにかく楽しくて「あぁ、僕の天職はこれだな」と実感しましたね。
日本に帰ってきてからはまずFAST ENGLISHという英会話スクールを立ちあげました。インドで多くの駐在員と会う中で、駐在に来る前にしっかり英語を身に着けるべきと考え、海外駐在や赴任者向けの英会話スクールを作ったんです。
その後、経営者の方との交流が増えてきて、僕の好きな「0→1」がすごく好きなので会話の中でいろんなアイデアを出していたら、そこから本格的なビジネス依頼が入るようになりました。最初は僕1人で受けていたんですが案件数も増えてきて、みんなでやった方が楽しいということもあり元々経営者仲間だった今のTechFamilyの役員メンバーたちと一緒にやるようになったんです。この事業が大きくなってきたこともあって、最終的に代表としてTech Familyにジョインすることになりました。
常に前向きに!トライアンドエラーではなくその先に成功があると信じて
仕事におけるこだわりを教えて下さい
これはもうシンプルに「嘘をつかない」「約束を守る」「誰よりも早く動く」の3つですね。誰にも負けないと思うのはこの3つです。駆け出しの頃からこれらは大事にしてきましたし、それで信頼を得られたことも多いと思います。万が一期限に間に合わないようなトラブルに見舞われても、どんな時でも”正直に、誠実に”という当たり前のことを大切にしようとTechFamilyのメンバーとも共有しています。
また、TechFamilyでは”常に前向きに”ということも大切にしていて、行動指針で「トライアンドサクセス」というものを置いています。普通「トライアンドエラー」ですよね。でも僕は“トライした先に必ずエラーがある”というのが好きじゃなくて、“トライした先にはサクセス(成功)が待っているんだ”という考えのもと、みんなに前向きに行動してもらいたいと思っているんです。
ちなみにオフィスのこだわりはありますか
オフィスは、午後から営業する英会話教室の一部屋を、午前中にTechFamilyが使うような運用でシェアしています。ゆくゆくは移転や拡張も考えていますが、TechFamilyの事業はクライアント先への訪問が多いこともあり、あまり拠点を集中させる必要がないので不便はないです。現状は固定費の削減という面でも、効率化できていると思います。
まるで文化祭の連続。最愛の人に支えられ、今日も至高の試行錯誤
前に進み続けるモチベーションは何ですか
それはやっぱり支援している事業がうまくいくことなんですが、その過程を楽しんでいるんですよね。文化祭の連続のような感じで。
正直、最初に起業したときは「とにかく売上を作りたい、自由な時間が欲しい」でした。でも今は仕事自体が何より楽しくて「うまくいく」「うまくいかない」の試行錯誤の中で解を見つけることがとにかく面白い。アドレナリンがすごく出ていると思います。
そしてそれを評価いただき、役に立てたと感じる時が一番満足感を感じますね。徐々に扱える案件が増えてきて、それはこれまでの経験によって試行錯誤の引き出しが増えたことが大きいと思うんです。そんな自分を客観的に感じられるときも、すごく嬉しいですね。
その試行錯誤は大変なものですよね。嫌になることはないですか
ないですね。僕は「0→1」を追求するのが変態的に好きなんだなと思います(笑)
以前に妻から「あなたといると辛い」と言われたことがありまして。そんなに仕事を心から楽しんで全力で働いている人の横で自分の仕事がつらいとか弱音を吐けない、という意味でです。(笑)妻には本当に感謝をしていて、彼女の理解があるから僕は全力で仕事に向き合えていると思います。
まだ結婚前のデートしている時から、とあるトレーニングにも付き合ってもらっていまして。それはデートで立ち寄った店を全部つなげて新規事業を作る、というようなものです。コンビニに寄って映画館に行って、あのレストランでご飯を食べて、ふらっと入った花屋で…というようなお店を連携させたら何ができるか、というプランを僕が考えて彼女に採点してもらうんです。普通こんなこと嫌がられそうですが、彼女はおもしろがって付き合ってくれて、本当にありがたいですよね。ちなみに今でもこのトレーニングは続けていて、もう趣味になっています。(笑)
地域の若者の選択肢を広げたい!将来の企業家を育む0→1体験の学び舎
将来の野望や展望のようなものはありますか
僕は千葉県の匝瑳市(そうさし)という成田空港のそばにある町の出身なんですが、いい意味で海と田んぼくらいしかない、のどかな町なんです。僕はここに「0→1」の起業や事業創出を体験できるようなプラットフォームを作りたいんです。
というのも、周囲を見ていると、ここでは小学校や中学校くらいまでに自分の人生のゴールを決めてしまっている人が多いと感じていて。例えば地元の工場で働くとか、ある程度部活で野球を頑張るけど卒業したら親父の店を継ぐ、とか。それが決して悪いことではないんですが、いろんな選択肢があることを知ってほしいんです。
僕は父が経営者だったり、インドで起業したりと面白い人生を歩ませてもらったなと感じていて、そういう選択肢があることを知れる仕組みを作れないかなと。具体的には僕や知り合いの経営者などに出資者兼メンターで参加してもらい、参加者にはこの中で事業立ち上げなどを経験してもらう。そして見込みがある事業には事業拡大の後押しをしながら、それこそ最終的には上場やイグジットを目指すという感じです。
そんな「0→1」を経験できる学び舎を匝瑳市や同じような地方の町に作りたいです。
起業を目指す方にアドバイスやエールをお願いします
これはあくまで僕の意見ですが、最終的に起業を目指しているけれど今は副業として少しづつでも稼ぎがあるというような場合には、思い切って本業を辞めてしまうよりも、0→1のアウトプットを継続したり起業の種を継続して育てていってほしいなと思っています。その中でいかにそこに投資できる資金や時間を増やしていけるかを考えていってほしいです。毎月の飲み代を削るとか、趣味の時間を回すとか。
僕自身、新卒で入社した会社をすぐに辞めてしまったのですが、今思えば違うやり方もできたなと感じているところもあり。もちろん既に独立して起業された方はもうひたすら頑張るしかないと思いますので、一緒に頑張りましょうというか、もし僕で何かお役に立てるようなことがあれば声かけてもらってざっくばらんにお話しましょう。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:椎名 陽介 氏
24歳の時にインドで日系企業のアジア進出をサポートするコンサルティングファームを立ち上げ、日本式ホテルの立ち上げ、日本食レストラン、インド初大浴場&サウナ「SENTO」などを開業。その後、会議通訳、国際見本市主催、など日本と海外のブリッジとなる様々なプロジェクトに従事。
2019年にFAST ENGLISH創業。「長期留学しなくても、英語は話せる」を理念に掲げ、月額9,980円で通い放題の英会話レッスンを展開中。マツコ会議などメディアでの紹介も多数。
現在はTechFamilyの代表となり、これまでの自身の経験やノウハウをもとに多くの企業の「0→1」、「1→100」の事業創出・拡大支援に尽力している。
企業情報
法人名 |
株式会社Tech Family |
HP |
|
設立 |
2018年12月 |
事業内容 |
アジャイル型 新規事業開発 デジタルマーケティング支援 ウェブサイト・LP・ECサイト制作 |
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