【#135】地域の中小企業の魅力を最大限引き出し、発信することで成長をサポート。企業と求職者の幸せを追求し、地域経済へ貢献していく。｜代表取締役　河村 勝就（株式会社Be win）

株式会社Be win　代表取締役　河村 勝就

地域に根付く企業の採用をサポートするBe win。中小企業の魅力をしっかり打ち出し、価値観の合致した優秀な人材を採用するためのサポートをしています。良い出会いを通じて、企業と人の成長を叶えられるようなサービスづくりにこだわっています。

今回は、代表取締役の河村氏へインタビューし、事業内容や事業を始めた経緯、今後の展望などについて詳しくお伺いしました。2019年から全国展開し急成長を遂げている求人サイト「じょぶるJAPAN」についても詳しく記載しています。今後起業をしたい方はもちろん、現在採用に関する問題を抱えている企業の方も、どうかお見逃しなく。

地域密着型求人サイト「じょぶるJAPAN」をはじめとした総合人材サービスを展開

事業の内容をお聞かせください

「Creativeな思考とSustainableな成長戦略で社会、地方、企業、人材業界の課題解決をする」というミッションを掲げ、地域特化型求人情報サイト「じょぶる」の運営を中心に、正社員からアルバイト、派遣社員まで幅広い人材採用を支援する、総合人材サービス事業を展開しています。

2007年2月に山口県宇部市において人材派遣事業を開始した当社は、人材採用に苦戦する地方企業の厳しい現実に直面しました。また、地方における採用課題を把握すると同時に、都市部の大企業にも負けない強みや魅力をもった多くの地方企業の存在を知りました。

そこで、地方企業の強みや魅力を透明性高く発信し、能力を発揮したいと願う求職者へ届けるためのサービスを考えました。「当社で採用記事を作成し、求職者に有用性の高い情報として届けることで、地方企業の採用課題を解決したい」、そんな想いから誕生したのが、地域特化型求人情報サイト「じょぶる」です。

2015年3月に山口県内の求人情報に特化する形で立ち上げた「じょぶる山口」は、現在、年間2,485名（2022年1〜12月）が応募するサイトにまで成長しました。日本国内にある中小企業の約88％にあたる約316万社は地方に存在していること、また、政府が首都圏から地方への移住者を年間１万人に増やすなどを柱とした「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を掲げていることなどが、事業の成長の支えとなっていると感じています。

　現在は「じょぶる山口」を地域特化型求人サイトの成功モデルとし、同様の悩みを抱える地方企業の採用支援を行うべく、対象エリアの拡大を図っております。

ちなみに、当社が行う採用支援活動においては「Value Share recruiting™」という手法を常に心掛けています。「Value Share recruiting」は当社の造語です。企業のバリューを採用情報に掲載し、求職者とシェアすることで、企業と求職者双方の価値観がある程度一致した中で採用活動が行われることを目指しています。

企業の価値観を理解し、納得した上で集まった人は貴重な存在です。企業理念に共感しているからこそ長く企業に定着し、企業の成長に貢献する人財となります。採用市場において双方に誤解と思い込みがない世界を実現させながら、地方企業に必要な人材確保の機会を提供することを通じて、地方経済の発展に寄与していきます。そして求職者には、仕事を通じて挑戦し、さらに成長してより良い人生を歩んでもらいたいと考えています。

また、当社は先進的なテクノロジーの導入にも意欲的に取り組んでいます。当社が開発した「マッチングシステム（特許番号6955294号）」は、AI（人口知能）を用いて、膨大な求人情報の中から求職者のニーズに最適な案件を提案します。当社のオペレーション負荷が軽減するほか、熟練キャリアコーディネーターの知見をアルゴリズム化していることから、新人キャリアコーディネーターの育成期間の短縮にも寄与していると実感しています。

事業を始めた経緯をお伺いできますか？

実家が中堅企業を営んでいたため、子供の頃から事業や起業に関心がありました。大学卒業後、グッド・ウィルグループ株式会社の人材派遣事業部門にて支店長業務を務めていましたが、実父の逝去に伴い同社を退社し、2007年２月に山口県宇部市で当社を創業しました。

最初は、同業他社との差別化を図るために短期派遣へ注力。取引社数を順調に伸ばしていきました。

派遣という雇用形態に捉われない採用支援を行いたいという起業前からの強い思いもあり、2014年頃には正社員雇用へのニーズに応えるべく、インターネットを利用した求人広告事業に着手しました。高い将来性を感じ、翌年3月には求人サイト「じょぶる」の運営を開始。雇用形態に囚われない採用支援サービスで、事業のより一層の拡大を図りました。

スマートフォンの普及の波に乗り、今では全国３１拠点までサイトの開設。軌道に乗り、今では年間利用者数216万人の求人サイトへと成長しています。

 恐怖や困難を乗り越えて行動することで、大きな成果に辿り着ける

仕事におけるこだわりを教えてください。

当社でしか届ける事ができないような情報について、高い透明性をもって伝えていくことです。企業と求職者双方の成長や発展を支援していけるようなサービスにこだわっています。

また、「まずはやってみる」という精神が大切だと考えており、常日頃から社員にも伝えています。仮説を立てて検証することを繰り返すことで、失敗を何度も経験し、結果的に大きな学びや成果を得られます。

もちろん、挑戦にはリスクがつきまといます。しかし、困難や恐怖が勝るものほど、乗り越えたり成し遂げられたりした時の報酬が大きいです。リスクはチャンスだと捉えています。取り返しがつかない失敗は当然できませんが、許容範囲であれば多少費用がかかることでもやってみることが重要です。試行錯誤の中からビジネスチャンスや特有のこだわりなどが生まれ、事業をより大きくしていけると考えています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

会社の業績不振やビジョンの不透明性等により、社員の離職が一時的に続いてしまった事です。多くの社員からの信頼を失ってしまい、精神的にとても辛かったです。もう一度挑戦しようと思えるようになるまでは、時間を要しました。

その後は、人との出会いをきっかけに再挑戦し状況が改善していきました。

「企業は人なり」だと思いますので、会社が成長するには、優秀な人材を確保しともに成長していくことが必要です。

自分の考えを改めコミュニケーションの頻度を増やしたり、人にお願いする時にしっかりフォローしたりすることを意識するようになりました。自分では簡単だと思っていることでも、社員にとっては難しくて再現性が持てないと思うことがあります。規則やマニュアルを作り、必要なタイミングでアドバイスをしながら完了まで見届けることで、社員が問題を乗り越えられるようにサポートしています。

企業成長には「人」が大きく影響することを実感

進み続けるモチベーションは何でしょうか？

我々にしか成し遂げられない事業内容そのものが、モチベーションの源泉です。地方の中小企業の採用を下支えするプラットフォームを完成させるべく、日々奮闘しています。

また、常にワクワクできるメンバーやお客様との出会いがあり、毎期成長し続けられていることもモチベーションにつながっていると実感します。

過去、一度に大量の離職者が出て落ち込んでしまったときにも、新たな仲間と出会えたことが転機となり再起できました。2015年時点では、私を含め6名しか残っていなかったのですが、2024年1月現在は、おかげさまで50名を超える規模にまで戻りました。人との出会いは、人生や会社を大きく左右するものだと、改めて実感しました。

今後やりたいことや展望をお聞かせください　

日本国内で、企業情報を最も多く、そして最も必要とされる情報を届けられる企業に成長することです。入社後のギャップを０にできるような求人サイトづくりに、今後も尽力していきます。

現在は、全国30道府県で事業を展開しています。

この事業を導入いただいたお客様のエリアで2019年からパートナー企業の募集をしています。

山口版での成功を受け、≪じょぶるJAPAN≫を各県に展開し、サイト運営は地元のパートナー企業に委託してビジネスモデルを伝えることで、地域内で雇用を生み出せる仕組みを作りました。直近では新たに石川県・香川県・栃木県で≪じょぶる≫が導入され、30道府県で地方企業の採用の手助けをしています。

そして、われわれのサービスを通じて採用活動をする企業さんに、ますます成長していってもらいたいです。日本中で、最も信頼されるようなサービスを提供できたらと思います。

 まずは行動を。挑戦の先に、成長や感動がある

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

私は「自分ならきっと叶えられる」という大きな錯覚から起業しました。あなたも「起業しよう」という想いをもし持っているのであれば、ぜひすぐにでも取り組んでもらいたいです。

たとえ、明確なビジョンが今はなかったとしても、挑戦や失敗を繰り返していくことで自然と磨かれていくはずです。今の自分の気持ちと素直に向き合うことや、挑戦することをどうか恐れないでください。大きな壁の向こうにこそ、大きな成長と感動が待ってます。

本日は貴重なお話をありがとうございました！

起業家データ

島根職業能力開発短期大学卒業後、上京し建築業や不動産営業に携わる。

家族の病気などを機に地元山口県に戻ることを決断し、派遣業界に身を置きながらエクステリア関係の自営業をしていた父に憧れて起業を目指す。

2007年、株式会社Bewinを設立。

現在は、主力のサービス地域密着型求人サイトじょぶるJAPANを展開し、地元企業と求職者の架け橋となっている。

数年後には全国をほぼ網羅する予定。（2023.9月時点）

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