
マルディグラ合同会社は東京・原宿で外国人向けヘアメイクサロンを運営するほか、美容分野における教育・貿易事業を展開しています。代表取締役の山内めぐみ氏が同社を設立してから20年、時代の変化に柔軟に対応しつつ、「人」と「もの」を結ぶ事業へと成長させてきた軌跡を伺いました。
弊社は原宿で「NINJYA HARAJYUKU」というヘアメイクサロンを運営しています。主なお客様は、海外からの旅行者や日本在住の外国人の方々です。日本のメイクに多くのインバウンドが興味を持ってくださっています。
サロンでは、メイクを楽しんでいただきながら日本文化も体験できます。お客様のご要望もあり、今後は着物体験など総合的に日本文化を楽しめる事業へと広げていく予定です。
ただこのサロンは、海外の方に向けてサービスを提供するだけではありません。弊社はアメリカ・ロスアンジェルスにもサロンがあり、海外志向のあるスタッフを募集し、希望する方にはアメリカで美容師として活躍できる仕組みも整えています。
美容留学のサポートも行っており、短期間でカットやカラーの技術を学べるコースや、提携アカデミーでの研修と短期語学留学を組み合わせたプログラムなどを用意しています。また現在、ハリウッドのセレブ向け映像制作を手掛けるヘアメイクスタジオと提携し、現地でのワンデーセミナーも開発中です。
日本の美容師は高い技術力を持っていますが、海外で活躍するにはコミュニケーション力や発信力も重要です。そうした人材が育って欲しいという思いで、美容師や関連職の方々に、グローバルな舞台で活躍するための機会や情報を届けています。
サロン経営はBtoC事業ですが、BtoB事業も手掛けていて、そちらは「人」と「もの」の2つの軸で展開しています。
「もの」については、ヨーロッパのサロンやヘアケア商材のディストリビューターとのネットワークを活かし、日本のメーカーが海外進出する際の支援を行っています。逆に、海外メーカーが日本で販売展開を希望する際には、日本国内の美容問屋とのマッチングをサポートしています。
一方、「人」に関しては、世界的なアーティストや、フォロワー10万人を超える英国人インフルエンサーを日本に招き、専門学校などへ派遣しています。また、海外で学びたい学生や美容師の方々への送り出しサポートも行っており、学校単位・個人単位、長期・短期を問わず希望に応じて柔軟に対応しています。

私が起業したのは20年前で、当初は医薬品の卸売会社を運営していました。その後、別事業としてアパレル分野に参入し、ハロウィンコスチュームの輸入販売を手掛けました。
一時はビジネスが順調に拡大しましたが、やがて中国から安価な商品が容易に入手できるようになり、事業の方向転換を考えるようになりました。
そこで目を向けたのが美容分野です。もともと医薬品事業のなかで化粧品やサプリメントなどの美容関連商材を取り扱っていて、美容クリニックさんとのお付き合いもありました。体の内側からきれいになることと、外側の美しさを引き出すヘアメイクはつながりがあり、親和性が高いと思ったのです。
加えて、私はアメリカに12年間滞在していた経験があり、国際的なビジネスにも対応できます。当時、美容分野においては海外の方を対象とした会社がほとんどいなかったため、大きなチャンスがあると感じました。
自分にできて、他の人にはなかなかできないことは何かを考えた結果、外国人向けの美容に行き着きました。そこから、貿易を起点にサロン経営、セミナー、留学支援など、多角的に事業を展開してきました。
私が大切にしているのは多様な価値観の尊重と双方向性です。現在は外国人の方がどんどん日本に来られますし、日本人も世界へと活躍の場を広げています。
またSNSの発達によって、情報を発信することも受け取ることも自由にできる時代になりました。その中で、多様な価値観を互いに取り入れることは、当たり前の時代の流れだと思っています。
日本の優れた技術を海外へ発信することにこだわるのは、ある意味で日本の優位性を誇るだけの発想になりかねません。
日本には素晴らしい技術や文化があり、海外にも異なる魅力があります。だからこそ私は、日本の技術を世界に紹介するだけでなく、海外の素晴らしいセンスを日本に取り入れることも大切にしています。
一方通行で日本のものを外に出すだけでなく、双方向で文化や情報を交流することを大切にしています。弊社がミッションステートメントとして「美容を通じて、文化や国境を越えて人々を繋げる」を掲げているのも、そうした思いがあるからです。
起業から約20年、本当にさまざまな出来事がありました。ひとつに絞るのは難しいのですが、直近の課題としては海外で働く美容師の採用です。
「NINJYA HARAJYUKU」では、海外のお客様と日常的に接することができますし、海外出張、海外から招いたゲストスピーカーの話を直接聞ける機会があります。日本国内では珍しいサロンということもあり、日本でのスタッフ採用に困ったことはほとんどありません。
一方で、ロサンゼルスで働いてくれる美容師を探すのは非常に難しいのが現状です。熱意のある人材はいても、ビザの取得が厳しくなるなど、さまざまな要因が重なり採用が難しくなっています。
日本の美容業界には厳しい上下関係など保守的な体質が依然として残っており、優れた技術やセンスを持っていても、必ずしも収入に反映されないこともあります。そのような環境では心身が疲弊してしまう人も少なくありません。
一方で、海外ではフラットな組織文化やチップ制度といった仕組みが整っており、努力が正当に評価されやすい環境があります。そうした場に挑戦することで、美容師の方々には新しい可能性が大きく開かれていると思います。だからこそ、海外で挑戦したいと考える人を全力で支えていきたいと考えています。
世界で活躍するグローバルビジネスパーソンを育てるお手伝いをしたい気持ちが私のモチベーションです。
私は日本の大学を卒業後、シアトルの大学に1年間留学し、その後ロサンゼルスで1か月間のインターンシップを経験しました。いったん帰国しましたが、再びロサンゼルスに渡り、医薬品の卸売会社を起業しました。
大学時代からグローバルで活躍できるビジネスパーソンになることが夢でした。その夢が実現し、やりたかったことに挑戦できています。世界各国に取引先を持ち、とても大きなやりがいを感じています。
だからこそ、同じようにグローバルに活躍したいと考える人を応援したいのはもちろんのこと、自分が歩んできた道を形にして残したいと思っています。
20代で経験したことが、キャリア形成の刺激となり、今の会社経営やグローバルビジネスにつながっています。若いうちに海外で働く体験をすることで、キャリアの選択肢が広がり、将来の可能性が大きくなります。
その実感があるからこそ、次世代にもそういった機会を届けていきたいと考えています。
20年間、会社を続けることができました。そしてこの先をどうしていこうかと考えたとき、人と関わることに軸を置きたいと考えるようになりました。
美容を通じて国際的に人と人がつながれる場所をつくりたいという思いから生まれたのが、10月19日に東京都内で開催する「Global Beauty Fes 2025」です。
グローバルで活躍するアーティストによるワークショップを開催する予定で、日本の美容を発信し、海外の最新美容情報に触れられる交流イベントとなります。
美容系の学校とも連携し、海外で活躍しているプロの生の声を直接届けることで、興味を持つ学生が一人でも増えてくれたら嬉しいです。
最終的に進路を選ぶのは本人ですが、そのきっかけを提供することで、人生の選択肢を広げることができると信じています。
※こちらはすでに終了したイベントです。
開催レポートはこちら

事業をしていると、必ず困難に直面します。孤独な戦いになることも多いですが、そこで必要なのは、1人でも前に進み続ける力や、最後までやり切る粘り強さです。
起業においては、自分が全責任を負う覚悟が不可欠であり、周囲に頼るのではなく、自らが主体となって行動する力が求められます。
実は私自身、最初は友人と一緒に起業しました。しかし、最終的には自分ひとりになりました。仲間がいるからこそ成功するケースもあると思いますが、友人同士での起業がうまくいく例はあまり多くないと感じています。
自分が責任を取る覚悟や、ひとりでもやり抜く力はとても大切だと思っています。また、人生はすべてが連動しています。仕事がうまくいかなければプライベートにも影響しますし、逆にプライベートが乱れると仕事にも支障が出ます。
特に女性の場合、結婚や出産、子育てといったライフイベントとの両立が大きなテーマになります。だからこそ、ある程度は先を見据えて計画的に取り組むことが大切だと考えています。
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法人名 |
マルディグラ合同会社 |
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