
「ちょっといいことの選択が、いい未来をつくる」その信念のもと、再生可能エネルギー事業を軸に多様なSXサービスを展開する株式会社UPDATER。同社がJ3のFC大阪とスポンサーパートナーシップを結んだ理由は、広告価値でも地縁でもなく、「理念の合致」でした。チームリーダーの菊池斗己氏に、サスティナビリティ×スポーツという掛け算が生む、新しいスポンサーシップのかたちをお聞きしました。
株式会社UPDATERは、社会課題をソーシャルビジネスとして解決することを軸に事業を展開しています。創業当初から手がける再生可能エネルギー事業「みんな電力」をはじめ、ウェルビーイング領域の「みんなワークス」、顔の見えるライフスタイルを提案する「TADORi」など、多角的なSXサービスを法人・個人向けに提供しています。
弊社の根幹にあるのは、「顔の見える」という哲学です。私たちが日常的に使う電気は、コンセントに差せばいつでも当たり前のように使えるもの。しかし、「その電気が誰によってどのように作られたものか」を意識する人はほとんどいません。
野菜や洋服と同じように、生産者の顔や思いが見えれば、「この人が作った電気だから使いたい」という全く新しい選択肢が生まれるのではないか。この発想が「みんな電力」誕生の原点です。
実際に今では応援するスポーツチームやアーティストが生産した電
そして弊社を語る上で欠かせないのが、「面白くて儲かる」という言葉です。ミッションやビジョンといった定型的なフレームワークではなく、「まず面白いかどうかを問い、それが儲かることに繋がるかを検証する」というシンプルな問いが、すべての意思決定の土台になっています。
今回、弊社がスポンサーパートナーとして支援するのは、J3リーグに所属するFC大阪です。東大阪を拠点とし、花園ラグビー場をホームスタジアムとするFC大阪は、Jリーグ60クラブの中でもサステナビリティへの取り組みで際立った存在感を放っています。
多くのクラブがサステナビリティをスポンサー誘致の手段として活用するなか、FC大阪は一線を画したアプローチをとっています。「サッカークラブとして、今できる脱炭素アクションを取っていく」というビジョンを掲げ、その実現を共に担うパートナーを積極的に募集しています。単なる広告主ではなく、ともに社会課題に挑む仲間として企業を迎え入れるスタンスです。
また、スタジアムの規模ゆえにVIPラウンジでの滞在時間が長く、スポンサー企業同士のコミュニケーションが自然と深まる環境も特徴的です。
CO2排出量の見える化を支援する企業と、削減のための再生可能エネルギーを提供する弊社が出会い、「タッグを組んだら営業でうまくシナジーが出るのでは」といったビジネスマッチングが生まれています。当初は二者間で考えていた協業が、三者、四者、五者へと自然に広がっていくのが、FC大阪ならではの魅力だと思います。

FC大阪との出会いは、クラブ側からのアプローチをいただいたことがきっかけでした。
スポンサーをするかどうか社内で話に上がった際に「なんで大阪のチームなんだ」FC大阪を選んだ理由は何だ」と声が上がるのは自然なことでした。東京・世田谷に拠点を置く弊社にとって地縁が全くなかったのです。しかし、FC大阪が提示したのは「社会課題解決を本気でやりたい。みんな電力に入ってほしい」という、ビジネスの論理を超えた熱量ある提案でした。
弊社がFC大阪を選んだ理由は同チームが掲げる理念にあります。サステナビリティ領域で何ができるかを共に考え、エリア全体を巻き込んでいこうとするクラブの姿勢が、「顔の見える電力」という思想と見事に重なりました。
スポーツチームとしての広告的価値が判断の主軸ではなく、「どれだけ自分たちの社会課題解決の理念と連携できるか」「目指す世界観がどれだけリンクするか」が決定的な判断基準となりました。
加えて、弊社の代表が東大阪出身であるという縁も重なり、地元への思いという個人的な意味合いも背景にあります。スポーツチームだから支援するのではなく、ビジネスパートナーとしての相性を見極めた先に、スポーツチームがあったという順番が、弊社のスポンサーシップの特徴です。
FC大阪との取り組みの中で特に注目されるのが、今シーズンから始動した「減らないポイント」という仕組みです。従来のポイントプログラムはリワード型で、来場したらポイントが貯まり、それが商品や特典に交換できるというものでした。しかし「減らないポイント」は、その発想を根本から覆すものです。
ファン・サポーターのサステナブルな行動や応援の履歴を可視化し、単なる消費として消えていくのではなく、その人の社会的な貢献の履歴として積み重なっていく仕組みを目指しています。
スタジアムへの継続的な来場、環境活動への参加、地域貢献といった行動が「徳なポイント」として蓄積されていくことで、長年クラブを支えてきたファンが社会的に評価されるようになると考えています。将来的には、採用活動の場面でその履歴が評価されたり、起業した際に融資の判断材料になったりと、行動の記録が社会的価値を持つ世界観を描いています。
「楽しい→リワードがある→誇れる」という段階を踏むことで、継続的にファンとして関わり続ける動機が生まれる。こうした実験的な取り組みを、クラブと共同で進めているのが弊社、UPDATERです。将来的には他のスポーツにも広げていく計画で、スポーツ×サステナビリティの新しいコミュニティのかたちを模索しています。

世田谷に本社を置く弊社にとって、J3の大阪クラブは本来、日常的に意識する存在ではありませんでした。しかし、FC大阪とのパートナーシップが深まるにつれ、シーズン終盤の昇格争いになると担当者以外のメンバーも「FC大阪、大丈夫かな」「今調子いいよね」と口にするようになりました。
昨シーズン終盤、わずかのところでJ2昇格を逃した際には、社内にもどこか悔しさが漂っていました。
会社として深く関わり、クラブの経営陣と密にやり取りをする関係性を築いたからこそ生まれるリアルな応援の感情、それは広告看板を出すだけでは絶対に生まれないものです。また、担当者が東京から毎試合のようにスタジアムに通い続けたことが、他のスポンサー企業やファンの間でも話題になり、そのコミットメントが信頼の礎になっています。
チームとしてはもちろん、まずJ2への昇格を願っています。しかしそれ以上に注目するのが、「スポーツポジティブリーグ」での上位獲得です。Jリーグの60クラブをチームの強さではなく、クラブの気候アクションを数値化しランク付けするこの仕組みは、イギリス・ドイツ・フランスに続き日本が世界で4番目に導入したもので、今シーズンから本格始動しています。
FC大阪がそのランキングで1位を獲得すれば、J3のクラブが社会への貢献度で日本一になり、スポーツの新しい価値基準を示すことができます。弊社としても、新たな取り組みを提案していく計画であり、クラブの可能性を広げることが自社のビジネスチャンスにも直結すると考えています。
さらに長期的には、他クラブに展開し、スポーツ×サステナビリティの成功モデルを日本全国に広げていくことを目指しています。毎年ロンドンでヨーロッパを中心にスポーツ×サスティナビリティのカンファレンスが開催されています。
昨年はJリーグの取り組みが紹介されていましたが、いつかFC大阪の取り組みを世界に向けて発信していきたいです。より多くのアップデーターを増やしていくという弊社の目標に向けて、FC大阪と最良のパートナーであり続けたいと思います。
スポンサー契約で得られるものを広告換算する発想では、FC大阪との取り組みは到底測れないです。サステナビリティを前面に打ち出した正しさの訴求は、データ上も消費者への効果が薄れてきています。「再エネだから選んでください」という発信より、「あの会社なら間違いない」と自然に選ばれるポジションを築く方が、長期的にははるかに有効なのです。
FC大阪のスポンサーコミュニティに参加することで、同じ志を持つ企業と繋がり、その輪の中で信頼が醸成され、新たな顧客が生まれていく。当初は想定していなかった企業間のビジネスマッチングが自然と生まれ、インバウンド営業の起点にもなっています。「感覚的にも数字的にも、スポンサーシップが営業利益に返ってきている」という実感が、この取り組みを続ける根拠です。
また、スポンサーを検討する企業へのアドバイスとして強調したいのは、「何をやるのかを最初に明確にすること」です。契約後のコミット力を高めるためにも、自社がそのクラブと何を実現したいのかという目的をしっかり定めた上で関係をスタートすることが重要。「面白くて儲かる」か、この二つの問いを、スポンサーの文脈でも問い続けることが、成功への近道だと思います。
まずはリーグでの昇格に向けて、どんどん上を目指してほしいです。そして同時に、スポーツポジティブリーグでも一緒に1位を狙っていきたい。FC大阪が「大阪で一番サステナビリティに本気な企業」として認知される存在になれたら、きっともっとたくさんの輪が広がっていくはずです。
毎試合スタジアムに通い続けてきた担当者が築いてきた関係性、クラブと一緒に育んできた「減らないポイント」の仕組み、そしてスポンサー同士のビジネスマッチングの土台。これからはそれをさらに大きく育てていく段階だと思っています。FC大阪と一緒に、より多くのアップデーターを増やしていく。それが弊社の目指す未来です。これからも最高のパートナーとして走り続けたいと思っています。
|
法人名 |
株式会社UPDATER |
|
HP |
|
|
設立 |
2011年5月 |
|
事業内容 |
|
関連記事




