株式会社YOAKE entertainment 代表取締役 森山 聡太

エンターテインメント分野において、ファンと推しの関係性に新たな価値を生み出すために挑戦を続けている株式会社YOAKE entertainment。日本最大規模のアイドルとファッションの祭典「IDOL RUNWAY COLLECTION(アイドル ランウェイ コレクション) Supported by TGC(IRC)」の主催から、AIとブロックチェーンを活用した独自アプリの開発まで、リアルとデジタルの両軸でエンターテインメントの未来を切り拓いています。今回は代表取締役の森山氏に、事業内容や起業の経緯、そして今後の展望などを詳しくお聞きしました。

 

リアルとデジタルの両輪で、「推し活」の新しい価値を創り出す

事業の内容をお聞かせください

当社は、テクノロジーを活用してファンとアーティスト、ファンとコンテンツ、ファンとIPの関係性を変えられるようなエンターテインメント体験を、リアルなコンテンツとデジタルアプリの運用を通じて創り出すことを目指しています。

 

リアルなコンテンツの例として「IDOL RUNWAY COLLECTION Supported by TGC」というイベントを東京ガールズコレクション(TGC)の協力のもと主催しています。

 

アイドルとファッションの融合を実現するイベントで、グループ単位だけでなく個人にもスポットライトが当たるのが特徴です。ファッションを通じて新しいアイドルの可能性を見つけていくというコンセプトで運営しており、「日本最大規模のアイドルとファッションの祭典」として昨年は1万人以上のお客様にお越しいただきました。

 

今年は3月に国立代々木競技場第一体育館で3回目を開催し、乃木坂46さんをはじめ、FRUITS ZIPPERさん、CANDY TUNEさん、≒JOYさんなど、100名を超える女性アイドルの方々にランウェイを歩いていただきました。

 

また、イベントを運営するにあたっては、ファンの声を取り入れることにこだわっています。今回新たな取り組みとして、「あなたが見たい、推しのコーデを大募集」するX投票連動企画「IRC衣装テーマ募集」を実施しました。

 

全国から寄せられた数多くの案をもとに製作された衣装でアイドルの方々が実際にランウェイを歩くという内容の「ファン参加型ショー」となりました。自分のアイデアが実際に採用されることで、ファンも一緒にこのステージを作り上げているという意識が芽生え、イベントへの没入感を高められたと考えています。

 

▼今年のイベントの様子はこちらからさらに詳しくご覧いただけます。

vol1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000135510.html

vol2:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000135510.html

vol3:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000135510.html

 

また昨年11月には、IRCのようなリアルなコンテンツとAIとブロックチェーン技術を掛け合わせたデジタルプラットフォーム「IRC APP」をリリースしました。

 

現在推し活は非常に多様化し、グッズやチケットを購入するといった金銭的な応援だけでなく、SNSで投稿する、拡散する、応援活動を行うといった形の非金銭的な応援がかなり増えてきています。当社はそこに着目し、SNSでポジティブな質の高い投稿を継続的に行うユーザーに対してスコアを付与する仕組みをAIとブロックチェーン技術を活用して実現しました。

 

ユーザーが獲得したスコアの合計によって、チケットの先行販売への参加やアリーナ席への優先案内、当日の先行入場など、イベントでの特典が得られる仕組みになっています。

 

このように、リアルイベントとデジタルプラットフォームを連動させることで、コンテンツの発掘、制作から拡散まで一気通貫で回していくのが、現在の事業の形です。

 

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

当社はアソビシステム株式会社、株式会社TWIN PLANET、株式会社W TOKYO、株式会社Y&N Brothersらが集まり、ジョイントベンチャーとして立ち上がりました

 

もともと参画している各社は、様々な事業連携やコラボレーションの実績がありましたが、改めて集まったきっかけは、「テクノロジー」と「グローバル」というキーワードでした。

 

K-POPをはじめとする世界のコンテンツがインターネットを通じてグローバルに波及していく中で、日本のコンテンツをどう世界に通用するものにしていくか。その鍵がテクノロジーにあると全員が感じていたのです。

 

私自身はもともとブロックチェーン業界にいた経験から、新しいトークン(暗号資産)を発行し、それを活用した新しい経済圏を作ることで、エンターテインメントに新たな可能性を加えられないかないかというアイデアを持っていました。

 

アイドルビジネスを例にとっても、メンバー募集からオーディション、レッスンを経てデビューしてから、楽曲リリースしていくという確立されたビジネスモデルがあります。そこに新しいテクノロジーを持ち込むことで、ファンとコンテンツの関係性そのものを再定義したいと考えたのが、会社設立の原点です。

テックとエンタメを橋渡しする存在へ——「人を大事に」という揺るぎない軸

仕事におけるこだわりを教えてください。

一番のこだわりは、「人を大事に」仕事をするということです。テクノロジーの世界にいた頃から、一緒に仕事をする人との関係性は大切にしてきたつもりですが、エンターテインメントの業界に入って、その気持ちはよりいっそう強くなりました。

 

この業界では、人との出会いがそのまま事業の形になっていくことが多く、一つひとつのご縁の重みを日々実感しています。AIが多くの仕事を担うようになるこれからの時代、経営者として最後まで代替できないものは何かと考えると、やはり人と人との信頼関係だと思っています。

 

だからこそ、相手が誰であっても向き合い方は変えないことを意識しています。目上の方にも必要以上に萎縮せず対等にお話しする。年下の方にも同じようにリスペクトを持って接する。そこに時間をかけることが、結果的に一番大きなリターンになると感じています。

 

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

テックの業界とエンタメの業界のカルチャーギャップです。テックの世界ではロジカルな思考が重視され、プロダクトが世の中にどんな付加価値を与えるかを突き詰める文化があります。

 

一方エンターテインメントの業界では、熱量やトレンド、言葉では説明しにくいノンバーバルな価値にフォーカスします。ファン一人ひとりを笑顔にできるかどうかが判断基準になってくる世界です。

 

どちらも本質的なことを追求しているのですが、価値観の出発点が違うので、同じ言葉を使っていてもニュアンスのすり合わせに時間がかかることが、最初の頃は多くありました。

 

この壁への答えは、「対話を続けること」と「私自身がテックとエンタメの橋渡し的な存在になること」だと思っています。現在、社内の人員構成はテックとエンタメの人材が入り混じったチームになっています。

 

どちらか一方に偏るのではなく、両方の文化を理解する橋渡し役として機能していくことで、最近では両者が共通の認識を持てるようになってきたと感じています。

感動を届ける産業に身を置く喜びと、日本発で世界に挑む志

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

モチベーションの源泉は2つあります。

 

1つ目は、エンターテインメントという産業が持つ力への確信です。AIや自動化が進む社会の中で、多くのものの価値が変わっていくと思いますが、エンターテインメントや娯楽はなくならない産業だと信じています。

 

コンテンツが作り出す熱量をダイレクトに人々に届け、その文化を次の世代に伝えていくことに大きなやりがいを感じています。

 

2つ目は、日本人としてグローバルな挑戦をしているという実感です。日本人・アジア人として世界で戦えるプロダクトや事業を作りたいという思いは常に持っています。

 

ブロックチェーンの業界にいた頃から、テクノロジーの力で日本発のコンテンツが世界でメジャーになる未来を描いてきました。エンターテインメントとテクノロジーの両方で世界に挑戦できている今の仕事は、まさに自分がやりたかったことだと感じています。

 

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

一番は、グローバルに日本のエンターテインメントのコミュニティを作っていくことです。今はリアルイベントとデジタルアプリの両軸で国内のプラットフォームを構築している段階ですが、その先にはグローバル展開という挑戦を見据えています。

 

日本のコンテンツを世界に届ける際には文化・言語の壁があります。イベントに海外から友人を招いた際にも、ファンとアイドルが一体となって盛り上がる空気感に、最初は少し驚かれました。

 

欧米では音楽をアートとして評価する文化が強く、ファンと一緒に成長していくというアイドルカルチャー特有の価値観は、まだ広く知られていない面があります。

 

ただ、アニメがNetflixなどの配信プラットフォームを通じて世界に広まり、今やアメリカでも市民権を得ているように、コンテンツへの認識は流れを作ることで変えられると思っています。

 

ファン一人ひとりの熱量が他のファンに伝播し、コミュニティが育まれていくというプロセスをしっかり作っていくことに注力していきたいです。

 

改めて、当社が目指しているのは「推し活の再定義」です。以前はコンテンツを届ける側と受け取る側という構造が中心でしたが、SNSの普及によってファン自身が発信者となり、コンテンツを広める一員なのだという意識がどんどん高まっています。

 

この動きを最大化して、日本から世界へ大きな波を起こしたいと考えています。

 

 

攻略本より先にコントローラーを握れ——まず始めることの大切さ

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

アドバイスできる立場かどうかは分かりませんが、一番伝えたいのは「まず始めてみる」ということです。

 

起業を考えている人は、始める前にいろいろと悩むことが多いと思います。でも実際に始めてみると、やらなければいけないこと、勉強しなければいけないことが山ほどあり、事前の準備が足りることはあり得ません。

 

ゲームを始める時に、攻略本を最初から最後まで読んでからスタートする人はあまりいないと思います。経営や起業も似ていて、知識をインプットすること自体はとても大事なのですが、頭でっかちになりすぎると最初の一歩が遠のいてしまいます。

 

まずやってみて、壁にぶつかったらその都度自分で調べて乗り越えていく。そのくらいの気持ちで始めてみることが大事だと思います。

 

私自身、代表になるという意思決定はかなり即決でしたが、なってからの方が悩むことはずっと多かったです。それでも悩みながら動いた分だけ、確実に前に進んでこられたと感じています。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:森山 聡太 氏

株式会社YOAKE entertainment 代表取締役。Record Protocolファウンダー。グローバルなブロックチェーンエコシステムにおける事業開発および主要暗号資産取引所への上場推進の経験を経て、テクノロジーの力でエンターテインメント、IP・コンテンツの可能性を広げることを志し、代表取締役社長に就任。現在はIP金融(IPFi)の基盤となるRecord Protocolを構築し、ファンダムの貢献をオンチェーンで可視化するインフラの実現に取り組んでいる。

 

企業情報

法人名

株式会社YOAKE entertainment

HP

https://yoake-entertainment.jp/

設立

2023年12月28日

事業内容

  • エンターテインメントコンテンツの企画、制作、開発
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