これからベンチャーの独立をする人にとって、事業を成長させるために資金確保は重要な課題の一つとなるでしょう。そこで、おすすめの資金調達方法として、ベンチャー企業がよく利用するベンチャーキャピタルがあります。
本記事では、独立をする際にベンチャーキャピタルを利用するべき理由と、利用の手順について解説します。またベンチャー独立を目指す人が、理解しておきたいポイントや独立に向けた手順、独立に向いている人の特徴も紹介するので、参考にしてみてください。
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ベンチャーの独立はベンチャーキャピタルを利用するべき?
ベンチャーの独立時には、ベンチャーキャピタルの利用がおすすめです。ベンチャーキャピタルとは、高い成長が予想される未上場企業に対して出資を行う投資会社のこといいます。
ベンチャーキャピタルの利用をおすすめする理由は、以下の2つです。
- 返済不要の出資が受けられる
- 経営支援を受けられる
ベンチャーキャピタルによる審査を通過すれば、資金調達が受けられます。資金は出資となるため、基本的に返済は不要です。また、経営に関する知識や経験など提供してもらえるため、会社に経営ノウハウを溜められることも大きなメリットです。
初めて独立する人は、一度ベンチャーキャピタルにエントリーすることをおすすめします。
ベンチャーで独立したい人が理解しておくべきポイント
ベンチャーで独立したい人が理解しておくべきポイントは、以下の3つが挙げられます。
- 出資の重要性を理解する
- 成長途中で大手に買収される恐れがある
- 事前の準備資金や事業計画が重要
独立する前に理解しておかなければ独立後に赤字が続いてしまい、最悪の場合倒産する恐れもあります。その他にも経営には、イレギュラーなトラブルが起こりやすいため、事前に対策できる部分を認識した上で、対策しておくことが重要です。
出資の重要性を理解する
ベンチャーで独立する場合、資金調達方法として出資の重要性を理解しておきましょう。出資とは、基本的に返済不要で資金を確保する方法です。
今までに無い新しい事業であればあるほど、先行投資が大きかったり、黒字化するまでに時間がかかったりする可能性があるため、出資による資金調達がおすすめです。例えば、返済が必要な融資で資金調達を行っていた場合、事業の利益が出ないと返済できない事態に陥ってしまうことが考えられます。
出資を受けるには、事業の価値に共感してくれるベンチャーキャピタルの利用や個人投資家からの支援などの方法があります。ただし、出資もベンチャーキャピタルや個人投資家から受ける投資であるため、できるだけ早く収益化して利益を出資者に還元する必要があることも認識しておきましょう。
成長途中で大手に買収される恐れがある
ベンチャーの独立をする場合、成長途中で大企業から買収される可能性があることを理解しておきましょう。
元々ベンチャー企業であったInstagramは、2012年にFacebook(現在Meta)に買収されました。日本の企業でもヤフーやパナソニックなど、大企業が積極的に買収を行っています。
大企業に買収されると、企業の認知度を上げられる反面、企業の意思決定権が親会社に有利なものになってしまう可能性があります。自由な経営をしたい場合や、自分のビジネスに思い入れが強い場合は特に、買収による影響を理解しておきましょう。
事前の準備資金や事業計画が重要
ベンチャーで起業する前には、事業資金や事業計画などのビジネスプランが重要となります。ビジネスプランが定まっていないと、資金が無くなったり予期せぬトラブルが起きたりして、事業を継続させることが難しくなってしまう可能性があります。
ビジネスプランには、どのように事業を展開し収益化するのかなどの道筋を綿密に計画することが重要です。特に今までに無い新しい事業であれば、既存の企業の成功事例がないため、ビジネスプランをより一層細かく練るようにしましょう。
ベンチャー企業の独立でおすすめの手順
ベンチャー企業の独立をするための、おすすめの手順は以下の通りです。
- ベンチャー企業へ就職して経験を積む
- 事業計画を立てて独立する
- ベンチャーキャピタルを利用して出資を募る
上記の手順は、必ずこうしなければならないというわけではありませんが、手順に沿ってベンチャー独立した方がスムーズに起業できるでしょう。
①ベンチャー企業へ就職して経験を積む
ベンチャーで独立するのなら、一度ベンチャー企業へ就職するのがおすすめです。
ベンチャー企業へ就職すれば、ベンチャー企業の雰囲気を掴めるだけでなく、経営者のもとで経営ノウハウや考え方を学ぶことができます。また、事業の成長が速いベンチャー企業では、環境の変化も大きく、さまざまな業務経験を積むことが可能です。
ベンチャー企業に入社したら、ベンチャーで成功している部分は盗み、失敗していた部分の改善点を検討し、独立時にどのように生かせるか意識しながら働くのがよいでしょう。
②事業計画を立てて独立する
ベンチャー企業で経験を積み、経営に関するノウハウを吸収できたら事業計画を立てて独立しましょう。
創業計画書には、経歴や展開する事業の詳細や、市場の成長性、差別化できるポイントなどをまとめる必要があります。また、売上計画や黒字化するまでの資金計画など、どのように利益を出すのか、資金面に関しても細かく記載が必要です。
創業計画書は、出資や融資を受ける際に審査される資料となるため、綿密に作り込みましょう。
創業計画書を作成できたら、資金の確保が必要です。設立間も無いベンチャー企業におすすめの資金調達方法は、ベンチャーキャピタルの利用です。
以下の章で、ベンチャーキャピタルから出資を受ける流れを紹介します。
③ベンチャーキャピタルを利用して出資を募る
ベンチャー企業での経験を積み、起業した後にはベンチャーキャピタルを利用して出資を募りましょう。
ベンチャーキャピタルを利用した資金調達の流れは以下の通りです。
- ベンチャーキャピタルと接触する
- ベンチャーキャピタルから要求された必要書類の準備
- ベンチャーキャピタルによる審査(デューデリジェンス)
- 監査法人によるレビュー
- 投資契約書の交渉
ベンチャーキャピタルとの接触には「他の経営者からの紹介」や「ホームページから問い合わせる」などの方法があります。
ベンチャーキャピタルの審査には、事前に提出した創業計画書に基づき、ベンチャーキャピタル担当者と数回の面談を行い出資可否が決められます。
ベンチャーキャピタルは、政府機関から大手証券会社、大手銀行、大手通信会社などさまざまな企業が運営しています。資金調達以外にどのような支援が受けられるのかも検討した上で、ベンチャーキャピタルを選ぶようにしましょう。
ベンチャーでの独立に向いている人の特徴
ベンチャー独立に向いている人の特徴は、以下の2つが挙げられます。
- 自分自身の力で成功して新たな価値を生み出したい人
- トラブルや逆境を楽しんで乗り越えられる人
ベンチャー企業は環境の変化が多く、イレギュラーな事柄が多いため、ベンチャー独立に向いているかどうかは、テクニックや経験よりも考え方や気持ちの方が重要となります。それぞれの特徴について解説するので、参考にしてみてください。
自分自身の力で成功して新たな価値を生み出したい人
世の中に新たな価値を生み出したいと考えている人は、ベンチャーの立上げに向いているでしょう。
近年、ベンチャー企業の事業が、生活に無くてはならいものになるほど、大きなインパクトを与えるものもあります。例えば、VRやECサイト、宅配サービスの普及などがそれに当たります。
ベンチャーで独立する場合は、自分だけが儲かるのではなく、社会の課題や日常生活における課題を解決する事業を展開したいという思いがあれば、ベンチャーで成功する素質を持っているといえるでしょう。
事業を成功させるためには、細かな経営テクニックなども必要ですが、最終的には本気で実現したいと思っているかどうかが重要です。
トラブルや逆境を楽しんで乗り越えられる人
トラブルや逆境を楽しめる人はベンチャーでの独立がおすすめです。
環境の変化が多いベンチャー企業は、成果を出すために常に最良な選択が求められます。また、新しい事業を展開する場合は、クリアしなければならないハードルも多いです。このような頻繁に発生する逆境に対して、根気強く向き合っていくことが求められます。
また、ベンチャーでの独立では、業務の遂行以外に人材の確保や、出資者との人間関係の構築など、経営者として向き合っていかなければならない課題が多くあります。
そのため、このような課題を乗り越えてでも実現したい目標ががある人が、ベンチャーの独立で成功を手に入れられるでしょう。
ベンチャーの独立では準備を徹底しよう
ベンチャーの独立を考えている人は、資金調達や経営支援を受けるために、ベンチャーキャピタルの利用がおすすめです。出資による資金で返済の必要が無いため、返済時期や返済額を気にすることなく、事業をスタートできるでしょう。
ただし、ベンチャーキャピタルの利用には、審査があります。審査は、創業計画書などの書類をもとにベンチャーキャピタル担当者による複数回の面談を経て出資可否が決まります。
新たな事業を行う場合は、特に創業計画書の作り込みが重要です。創業計画書には、事業内容の詳細に合わせて、どのようにサービスを展開しどのように黒字化を目指すのか、出資者が納得できるように綿密に作りましょう。
以上のように、ベンチャーの独立で企業を継続して成長させたいと考える場合は、準備段階から徹底する必要があります。ベンチャーの独立をするには、何に気をつけながらどのような手順で進めていけばよいか、本記事を参考に行動してみてください。
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