スタートアップ企業やベンチャー企業では、バックオフィス業務が非常に大切です。バックオフィス業務が適切に行われていなければ、会社全体の業務を円滑に進められません。

 

反対に、バックオフィス業務を適切かつ効率的に進められれば、会社全体の生産性を高められます。

 

今回は、スタートアップ企業やベンチャー企業のバックオフィスの重要性や効率を上げるためにできることを解説します。この記事を参考にバックオフィス業務を改善することで、売り上げ増加に繋げられる可能性も高いです。

スタートアップやベンチャーのバックオフィス業務の重要性

 

スタートアップやベンチャーの経営を成功させるためには、バックオフィス業務が非常に大切です。バックオフィス業務とは、顧客とは直接関わらずに行う業務のことです。具体的には、経理や人事、総務などが挙げられます。

 

バックオフィス業務は、企業活動の基盤となる「人」「モノ」「金」「情報」などをコントロールする重要な役割を担っています。バックオフィス業務を強化することで、資源の有効活用や業務の効率化、生産性の向上、意思決定の迅速化などを実現できます。

 

さらに、バックオフィス業務を適切に行うことで財務実績を把握し、データに基づいた戦略的な意思決定をしやすくなるのもメリットです。

 

スタートアップのバックオフィス業務は何から始める?

 

スタートアップのバックオフィス業務では、労務を最優先で行うことが大切です。労務の仕事は、給与の振り込みや入社手続きなど、労働に関連する業務が挙げられます。企業にとって、できるだけ早く組織的な労働力を確保することは最優先事項となります。

 

また、労務に関する業務の後は、経理業務を適切に行うことが大切です。会社が成長し、従業員数が10人以上になると、労働基準監督署への届出が必要になります。経験豊富な社労士や労働経験者に依頼して、組織の精神を捉えた適切な就業規則を策定しましょう。

 

労務と経理業務に関しては、合わせて2〜3ヶ月のスパンで行う必要があります。

 

スタートアップのバックオフィス業務に最適な人数

 

スタートアップのバックオフィス業務に最適な人数は、下記の通りです。

 

  • 社員の10%程度が最適
  • 社員の30%を超えると赤字になる
  • 少人数でバックオフィス業務を行える体制を整える

 

スタートアップ企業が安定して経営を続けるためには、バックオフィス業務は重要です。しかし、必要以上に人員を割り当ててしまうと、フロントオフィス業務が滞ってしまう恐れがあるため、適切な人数を把握しておきましょう。

 

社員の10%程度が最適

 

スタートアップのバックオフィス業務では、全社員の10%程度の人数が最適です。全社員の10%程度を確保していれば、作業を進めながら各部署との連携や報告もスムーズに行える可能性が高いです。

 

例えば、従業員が100人の会社であれば、10人をバックオフィス業務に従事させる必要があります。

 

また、適切な人員数や比率は、会社の規模や業種、アウトソーシングの計画、ITの状況などに影響されます。企業の経営環境に応じて人的資源の配分を変更し、効率的にバックオフィス業務を進めることが大切です。

 

社員の30%を超えると赤字になる

 

バックオフィス業務に従事する人数が、全社員の30%を超えると赤字になる可能性が高いです。

大きな理由としては、フロントオフィス業務に割ける時間やリソースが少なくなることが考えられます。

 

バックオフィス業務に多くの人材を投入すると、顧客サービス、マーケティング、セールス、製品イノベーションに支障をきたす。さらに、新興企業の従業員の大半がバックオフィス業務に従事している場合、ビジネスの質にも悪影響が及びます。

 

例えば、営業マン10人に対して事務員を3人以上任命した場合、事務員を雇うだけの粗利益を生み出せない可能性が高いです。バックオフィス業務を効果的に進めるためには、適切な人数を配置する必要があります。

 

少人数でバックオフィス業務を行える体制を整える

 

バックオフィスを整えるためには、少人数で行える体制を構築することが不可欠です。通常、事業の成長に伴い、運営費は増加しやすくなります。安定した経営を進めるためには、効率化や支出削減、組織構造の高度化などによりコストを抑制し、きめ細かな経営を行うことが大切です。

 

また、少数精鋭だけを考えるのではなく、会社全体の作業効率を高められる戦略的なバックオフィス体制を作りましょう。戦略的にバックオフィス業務を進めることで、単にコストを抑えるだけでなく、会社全体の機能を高めることが可能です。

 

スタートアップのバックオフィスを採用するタイミング

 

バックオフィスを採用する際には「可能な限り早く」採用することが大切です。早期採用のメリットデメリットは、下記表を参考にしてください。

 

早期採用のメリット

早期採用のデメリット

  • 経営的思想を持ってもらいやすい
  • 未経験でも基盤を整えられる
  • 幅広く対応させる必要がある
  • 早期は予算をかけられない

 

早期採用の最大のメリットとしては、経営者の思考回路を身近なところで理解できるようになることです。スタートアップの立ち上げ段階では、少人数で経営を進めるため、バックオフィスにも経営的思想を持ってもらいやすく、その後のコミュニケーションコスト削減にも繋がります。

 

反対に、早期対応のデメリットとして、予算をかけられないことが挙げられます。スタートアップのバックオフィスでは、労務や総務、人事など幅広い分野を任せることになる可能性が高いです。業務量に応じて給料も相当な額を提示したいと考えていても、予算をかけられないため写真が不満に感じる恐れもあります。

 

モチベーションが高く、給料よりも経験値を増やしたいと考えている人を採用することで、早期採用でも効率的なバックオフィス業務を進められます。

 

バックオフィス業務の効率を上げるためにできること

 

バックオフィス業務の効率を上げるためにできることは、下記の3つです。

 

  • 既存社員を育成する
  • アウトソーシングを活用する
  • ツールを利用する

 

バックオフィス業務を効率化することで、無駄なコスト削減にも繋がり、会社全体の生産性を向上させられます。バックオフィス業務の効率を高める方法を理解し、適切かつ効率的に進めましょう。

 

既存社員を育成する

 

バックオフィスの業務を円滑に進めるためには、必要な人材を見極め、その人材を育成・採用することが有効な手段の一つです。多くの業界では人手不足が深刻化しており、早急に優秀な人材を確保するのは困難な状況となっています。

 

優秀な人材を採用するよりも、既存社員を育成した方が確実かつ効率的です。採用にはコストもかかるため、既存社員を育成することで採用コストも抑えられます。

 

既存社員を育成すると、課題を根本から解決できるのが大きなメリットです。経営課題に対してコンサルタントに依頼する方法もありますが、社内にノウハウや人材が溜まりづらいため、長期的に考えても人材育成をおすすめします。

 

アウトソーシングを活用する

 

アウトソーシングを活用することで、業務効率化を図りやすくなります。アウトソーシングとは、業務の一部または全部を外部へ依頼することです。

 

アウトソーシングを活用できる業務としては、下記4つが挙げられます。

 

  • 会社設立関係
  • HP制作関係
  • 人事・労務関係
  • 請求書関係

 

続いては、上記がアウトソーシングできる理由やアウトソーシングすることで得られるメリットを解説します。アウトソーシングの活用を考えているなら、何をアウトソーシングすべきかを考えながら検討してみましょう。

 

会社設立関係

 

会社設立のためには、定款作成や各種届出書を作成する必要があります。会社設立に関わる業務をアウトソーシングすることで、様々な専門家を調整しながら複雑なプロセスを管理する膨大な時間やストレスを節約することが可能です。

 

信頼できるアウトソーシングサービスを利用すれば、あらゆるミスを回避し、最小限の労力でスムーズにプロセスを進められるためおすすめです。

 

HP制作関係

 

会社のHPを作成するためには、Webデザインのスキルが必要です。ただ、スキルはもちろんのこと制作するための時間や手間がかかるため、アウトソーシングすることをおすすめします。

 

アウトソーシングすることで、問い合わせやトラブル対応に対しても、社内で対応するよりも迅速かつ穏便に解決できるのがメリットです。

 

人事・労務関係

 

人事・労務関係には、定期給与計算や月変届、社会保険料、賃金台帳、勤怠管理などがあります。他にも、毎年の算定基礎届や年末調整など、新入社員や退職者の手続き・届出などもあり、人的リソースが必要です。

 

人事や労務に関する業務をアウトソーシングすることで、正確かつ効率的にバックオフィス業務を進められます。

 

請求書関係

 

請求書関係に関する業務としては、請求書作成や入金確認、内容確認、支払い業務などが挙げられます。

 

請求書関係に関する業務をアウトソーシングすることで、リソースをより戦略的なプロジェクトに集中させることができます。その上で、正確性と効率性の確保、人件費の削減、顧客満足度の向上など、様々なメリットを得られるためおすすめです。

 

ツールを利用する

 

バックオフィス業務を効率化するためには、ITツールの利用もおすすめです。バックオフィス業務を効率化するためにおすすめのツールとしては、下記4つが挙げられます。

 

  • 社内向けチャットボット
  • RPA
  • 電子契約・電子帳簿システム
  • OCR/AI OCR

 

上記の中でも特におすすめなのが、RPAと電子契約・電子帳簿システムです。RPAとは、人間が行っていた作業を自動で行ってくれるツールのことです。RPAを導入することで、様々な業務を自動化できるだけでなく、ヒューマンエラーの防止にも繋がります。

 

また、電子契約・電子帳簿システムとは、契約書類は帳簿書類を電子化するツールのことです。社内や取引先との手続きを簡素化できるだけでなく、ペーパーレス化にも繋がるメリットがあります。

 

ITツールを適切に活用すれば、バックオフィス業務の効率化に繋がるため積極的に活用しましょう。

 

バックオフィスを整えれば会社が安定しやすい

 

バックオフィス業務は、スタートアップが安定的な経営を進める上で非常に大切な業務です。バックオフィス業務が充実していなければ、フロント業務にも支障をきたし、安定的な経営を進められません。

 

ただ、適切な方法で充実させなければ、赤字になってしまったりバックオフィス業務の効率が悪くなったりしてしまいます。今回解説した内容を参考にして、適切な人数や方法でバックオフィス業務を改善しましょう。

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