【#054】年商30億事業への挑戦。未経験の人材業界に飛び込み、赤字企業を2年で年商10億円に急成長。|代表者 塚原 誠(ワンダーグループ株式会社)
ワンダーグループ株式会社 代表者 塚原 誠
「年齢や性別を問わず、すべての人に活躍の場を提供したい」という経営ビジョンのもと、人材事業を手掛けるワンダーグループ株式会社。代表を務めるのは、経営の立て直しを任され約2年前から代表取締役に就任された、塚原 誠氏です。
23歳という若さで営業代行の会社を起業し、経営も順調だったなか、事業再構築のためにワンダーグループの代表となる道を選択された塚原氏。今回は同社で働くことになった経緯や、経営面で乗り越えてきた壁、起業したい人へのアドバイスなどを詳しく伺いました。
アルバイト人材手配事業を通じ、働きたい人が活躍できる場を提供
質問① 事業内容を詳しくお聞かせください
社名でありグループ名でもある「ワンダーグループ」全体の計6社で、さまざまな事業を展開しています。
現在は「アルバイト人材手配サービス」という事業経営をメインに取り組んでおり、通常の雇用契約より短い期間で働くことを希望される方に、さまざまなお仕事を提供しています。仕事内容はイベント関連が多いのですが、他にも事務所の移転作業を手伝う仕事やハウスクリ―ニングのサポート、コールセンター、コンビニスタッフなど内容は多岐にわたります。
契約形態もさまざまで、雇用契約の時もあれば弊社と業務委託契約を結び弊社のスタッフとして委託先の企業に行っていただくケースもあり、働き手、就業先企業、業務内容に合わせて柔軟に雇用形態を変えられる環境を整えています。
毎日300〜500名が弊社のグループのもとで働いてくださっていて、事業規模も大きくなってきており、今では売上の80%がアルバイト人材手配事業から生まれています。
質問② 2年前に代表に就任されたそうですが、どのような経緯で入社を決意されたのでしょうか?
営業代行の会社を起業してから、ずっと営業関連の仕事をしていたのですが、その時に知り合ったある投資家の方に誘われたことがキッカケで、ワンダーグループに入社することになりました。ワンダーグループは2年ほど前まで比較的小規模で運営していたのですが、コロナで大打撃を受けてしまい「このままでは経営が危ない」というタイミングで、私が経営再建を担うことになったのです。
人材業界は未知の世界でしたが、私が入社したからにはこの会社と社会に貢献したいと思い、考え抜いた末に辿り付いたのが先ほどお話ししたアルバイト人材手配事業でした。日本はいま、人口が減り続けていてどの業界も人手不足です。しかもこの問題はこれからさらに深刻化していくでしょう。
そこで我々は人材業界をさらに流動化、活発化させるためにも、フルタイムで働くのは難しいけれどやる気やスキルがある働き手と人材不足に悩む企業をマッチングできる、アルバイト人材手配事業が最適だと考え、グループのメイン事業とすることにしました。
アルバイトで働く方がさらに活躍できる場を増やすことが我々の使命です。
「クライアントファースト」の姿勢を常に大切に
質問③ 仕事におけるこだわりを教えてください。
こだわりは色々あるのですが、常にクライアントファーストの姿勢を大切にするよう心がけています。アルバイトとして働いてくださる方ももちろん大切なのですが、その方達の就業先がないと我々の事業は成り立ちません。
アルバイトスタッフが「働きたいのに働けない」状況を作らないためにも、仕事を提供してくださるクライアントさんの希望・要望を一番に聞くようにしています。
たとえば、アルバイトスタッフとクライアントの要望がぶつかった時はクライアントの声を優先し、常にクライアントファーストで動く姿勢を社内でも浸透させています。決してアルバイトスタッフを蔑ろにしている訳ではなく、仕事を提供してくださるクライアントがいなければ我々もスタッフに仕事を依頼できなくなります。そのため、クライアントを最優先に考えるのは自然な流れだと思うのです。
弊社は人材事業を運営しているため、人を集めることはできるのですが自分たちで仕事を生み出すことはできません。スタッフに「働きたい」と言われても仕事がないという状況を作らないためにも、クライアントファーストの姿勢をいつも大切にしています。
一方でスタッフとは、一緒に働く仲間として、 クライアントに満足して頂ける業務への取り組みを一緒に追及していこうというスタンスで接しています。
そうすることにより、スタッフの収入を向上させることができ、スキルがついてより働きやすい環境や自分の本来やりたい仕事を行えると考えています。
アルバイトスタッフは社員と同じ会社の仲間なので何よりも本人の将来的な収入向上を優先してあげたいです。
質問④ 代表に就任されてから今までにあった最大の壁を教えてください
これまでたくさんの壁がありましたが、最初に直面した大きな壁は会社にキャッシュがなかったことです。社長に就任した当時は経営が本当に苦しいタイミングで、キャッシュも、実質的なクライアントリストも何もありませんでした。
私と副社長の2人でこの会社を再建しようと奮起していたのですが、すべてのリソースが足りなかったため、自分たちで何でもやりました。さまざまなクライアント先に足を運び、建設現場ではヘルメットを被って、スタッフと一緒に土嚢袋を担いで運ぶ作業をしたりもしました。そのような状況の中で働きぶりを認めてもらい、次のお仕事に繋がったケースも多くあります。
実は今も大きな壁に直面しています。現在、会社の成長速度をとんでもない速度に設定しているため、社員に大きな負荷と苦労をかけてしまっています。と言うのも、この先5年の目標は、年商30億円規模まで会社を成長させることです。それに向けて売上を伸ばし、会社を急成長させたいのですが、一緒に働くスタッフの満足度を上げたり働きやすい環境を整えたりもしたい。今はそのジレンマを常に抱えています。
もう1つの壁は、まだまだアルバイト人材手配事業に対する世間の認知度が低く、事業内容に対する理解を得難いことです。営業先で「この働き方、法律的に大丈夫?」と言われることも少なくありません。
雇用形態に問題がないことを証明するためにも、行政と頻繁にコミュニケーションを取り、多い時では2週に1度の頻度で労働基準監督署や労働局に出向き、新しいプロジェクトでの雇用形態や働き方に問題がないかを確認しています。何か問題を指摘されてから動くのではなく自分たちから行政にアプローチし、しっかりと事前に確認を取り、クライアントに安心していただけるよう準備しています。
目標に集中することで、大きな壁を乗り越えていく
質問⑤ 経営者として進み続けるモチベーションを教えてください
まずは先ほどお話した、「年商30億円」の目標を達成することが一番のモチベーションになっています。会社の規模をより大きくし、さらに社会に貢献できる事業に育てたいという思いがあります。
次に、一緒に働いてくれている従業員ひとり一人の充実感をもっと上げていきたいという思いもあります。
30億円に到達した際はそこまでついてきてくれた全ての従業員に報酬で感謝を返します。
各マネージャー陣には年収1,000万円以上を提供し、そこの部下にあたる者にも通常の業界水準より高い収入を提供する予定です。
30億円以降の方針は会社の成長速度を強く優先するよりも、共に仕事をしているメンバーの満足度や、福利厚生面などをさらに充実したものに整えていけるよう、力を注いでいく方針です。
目標達成をあと3年と言う短い期間で必ず実現させますので、それまでには様々な試練があることも分かってはいますが、その先にあるものに意識を集中することで、大きな壁も乗り超えていけるよう、私含め社員全員で限界突破していきたいと思います。
質問⑥ 今後やりたいことや展望をお聞かせください
いま考えているのは、アルバイトスタッフのクオリティをさらに高め「アルバイト=ハイクオリティ人材」というイメージを世の中に浸透させていくことです。
アルバイトという働き方は大きなポテンシャルを秘めていて、世の中の需要もあるはずなのですがまだまだ認知度が低く、また近年人気を集めているスキマ時間で働ける単発派遣サービスと混合されがちです。しかし、このようなサービスは必ずしもクオリティが高くないと聞きます。
我々のサービスは一線を画していて、アルバイトスタッフに仕事を依頼する時は簡単な作業であっても丁寧に仕事内容を事前に説明し、クライアントに迷惑がかからないよう最大限の努力をしています。仕事をただ横流しするのではなく、我々はアルバイトスタッフの教育もおこなっているため、提供サービスのクオリティを担保できるのですが他社サービスとの違いをまだまだ伝え切れていません。
アルバイトに対する世の中のイメージをさらに良くしていくために我々がすべきことがたくさんあるので、それをひとつずつ実現していくのが今後の野望です。
企業を支援していて、自分が成長できる会社がお勧め迷ったらぜひ弊社へ
質問⑦ 起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
起業を考えているけれど踏み切れないという人はぜひ、弊社に来てください(笑)。弊社では起業したい人がやりたい事業を実現できるよう、100%サポートします。
起業にはさまざまなリスクが伴うため、起業したくても中々踏み切れない気持ちは私もよくわかります。しかし、石橋を叩いていたら一生行動できないのではないでしょうか。起業には不安材料が多すぎるため「お金が貯まったら」「知識をつけたら」などと言っていたら、時間ばかり過ぎていきます。
起業が怖い人は弊社を含め、起業を支援している会社にまずは所属し、資本を借りながら安全な形で起業してみるのが良いと思います。まず行動してみたら、勉強しないといけないこと、やらなければならないことが見えてくるはずです。まずは会社に所属しながら起業と経営の経験を積み、上手くいったらその会社から株式を買い戻して独立したらいいのではないでしょうか。
私は23歳の時に大手企業のサラリーマンを辞めて、自己資本数百万で営業代行の会社を起業しました。背水の陣で後先考えずに無鉄砲にやり続けていたら上手く行き、順調に階段を上がり続けていました。しかし今思うと、私のやり方は再現性ゼロです。成功法則を人に教えることもできなければ、5年前に戻って同じことをまたやれる自信も保証もありません。私自身が反面教師となって言えるのは「起業は無鉄砲でやるものではない」ということです。
どこかの会社に所属しながら起業すればさまざまな不安を払拭できるので、起業したいけど怖くて出来ない人には、まずは弊社のようなベンチャー企業に就職して、自己成長を目指していく。その手法がベストだと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:塚原 誠 氏
企業情報
法人名 |
ワンダーグループ株式会社 |
HP |
|
設立 |
2015年7月 |
事業内容 |
各種人材サービスおよびアウトソーシング事業の受託及び請負 |
従業員人数 |
正社員/54人 登録アルバイト/40,000人 |
関連記事