LobbyAI株式会社 代表取締役 髙橋京太郎

LobbyAI株式会社は、AIを活用して全国自治体の公共情報を収集・分析し、企業に必要な情報をリアルタイムで届ける情報データベース「LobbyAI」を提供しています。行政にアクセスできる人とそうでない人との間に存在する「官民情報格差」を解消するべく、衆議院議員秘書や地方議会のさいたま市議会政務活動員としての政治経験を持つ代表の髙橋京太郎氏が2025年1月に設立しました。今回は、同社の代表取締役である髙橋京太郎氏に、事業内容や起業の経緯、今後の展望について詳しくお聞きしました。

AIで公共情報を可視化し、官民の情報格差を解消する

事業の内容をお聞かせください

当社は「LobbyAI」という公共情報データベースを提供しています。全国自治体が発信する膨大な公共情報をAIで収集・分析し、企業が求めるニーズに合った情報を365日リアルタイムで通知するサービスです。

 

具体的には、自治体や官公庁の入札に参加している企業、インフラやエネルギーなど行政との折衝が必要な企業、規制対応や実証実験を進めたいスタートアップなど、公共ビジネスに関わる幅広い企業にご利用いただいています。

 

当社の強みは大きく二つあります。一つ目はスピード感です。365日最新の情報が更新される環境を実現しています。二つ目は網羅性です。他社では人力で情報収集を行っているため月に一度の更新が限界ですが、当社はAIを活用して非構造的なデータを構造化し、データベースとして整備しています。このスピードと網羅性を両立できるのは、自社で開発した独自の技術力があるからこそです。

 

たとえば、あるスタートアップが東京都の条例に抵触するのではないかとVCから指摘を受けた事例では、東京都議会の関連議事録を40年分分析し、その条例の成り立ちや規制対象の範囲を洗い出した上で都庁に回答を求めるという対応を48時間以内で完了させました。このようなAIドリブンのロビー活動や自治体への提案活動ができるのは、「LobbyAI」ならではの強みです。

 

また、「LobbyAI」のデータベースに加えて、伴走支援サービスやカスタム開発も提供しています。伴走支援ではデータベースの活用にとどまらず、営業活動の支援まで一緒に取り組みます。カスタム開発ではAPI連携を通じて、クライアントの社内データと当社の公文書データを掛け合わせた分析を可能にしています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私は学生時代から政治の世界に身を置いてきました。大学で政治経済を学ぶ中で、現場の政治にリアリティを持って触れたいと考え、衆議院議員を目指す政治家の事務所で二人三脚の活動を始めました。その後、その議員が当選し、秘書として働くことになりました。同時に大学院ではまちづくりの研究にも取り組み、政治を学術的な観点からも見つめてきました。

 

政治活動の中で、企業や市民の方々から行政への悩みを数多くいただきました。しかし、それに対応できるのは政治家や行政にアクセスがある人だけで、そうでない人たちは制度を活用できないという官民の情報格差を目の当たりにしました。

 

この格差を解消したいという想いを持ち続ける中で、AIの技術が進化し、膨大な公共情報の収集・分析が容易になるタイミングが訪れました。そこで元々知り合いだったCTOの石川と連携し、2025年1月に事業を立ち上げました。

 

また、政治に興味を持った原点には、2011年の東日本大震災の経験があります。父の実家が宮城県南三陸にあり、親戚が被災したことで、政治や行政の無力さや役割について深く考えるようになりました。この時の「もっと政治はよくなるのではないか」という思いが、現在の事業につながっています。

「やるべきことに集中する」取捨選択の覚悟と日々の挑戦

仕事におけるこだわりを教えてください。

こだわりは二つあります。一つ目は、やるべきことをやって、やらないことはやらないという取捨選択です。スタートアップは資金調達をして時間を買っている状態ですので、株主に対して最速でリターンを出すことに集中すべきだと考えています。

 

やりたいことはたくさんありますが、最適解を最速で目指すために、優先順位を明確にすることが非常に重要です。そのためには、とにかくチャレンジして失敗を重ね、経験から学ぶことが大切だと思っています。失敗したらそれで終わりではなく、なぜ失敗したのかを分析し、変数を減らしていくことが重要だと考えています。

 

二つ目は、メンバー一人ひとりが「I am LobbyAI」という意識を持つことです。会社として最大化するためには、個々のメンバーがそれぞれ最大化しなければなりません。その先頭に立てるような代表でありたいと常に思っています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

正直に言うと、毎日が壁だと感じています。社員や業務委託のメンバーなど、多くのステークホルダーを巻き込んでビジネスを行う中で、それぞれが自分の時間を賭けてくれていることに対して、しっかり報いたいという気持ちがあります。

 

全員が本気で取り組める環境を作ることは、チームとして日々さまざまな課題が生まれる中で大きな挑戦です。そうした中でいかに冷静さを保って組織を導いていくか、社長として日々考え続けています。自分自身がその先頭に立てるだけの行動ができているかと問われると、まだまだ足りない部分もあり、日々反省の連続です。

高い壁を越えた先に見える景色が原動力

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

壁を乗り越えた先に、今まで想像もしなかった景色が広がることが大きなモチベーションになっています。たとえば、最初の資金調達が成功した時には、できることが一気に広がりました。簡単に突破できることには面白みがなく、高い壁を越えるからこそ見える景色があるのだと感じています。

 

また、今こうしてここに立てているのは自分や仲間だけの力ではなく、後ろにも前にも横にも多くの支えてくれる人がいるからこそです。起業家であれば、決して勘違いせず、周囲への感謝を忘れないことが大切だと思っています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

ビジネスとしての成功だけでなく、社会にインパクトを残すことを目指しています。「LobbyAI」があったからこそ救われた、新しいビジネスが生まれたという連鎖反応を生み出していきたいと考えています。

 

現在は自治体の情報分析サービスを提供していますが、今後は国レベルの情報分析にも対応し、国の議論のフェーズから自治体の現場レベルまで一気通貫で可視化できる環境を整えていきます。

 

誰がどう動いているかがすべて見える状態を作ることで、一人ひとりがロビー活動やルールメイキングに携われる世の中を実現したいと考えています。またそれによって政治そのものが国民一人ひとりのためのものだと感じられる世の中にしていきたいです。

 

また、将来的には企業向けだけでなく市民向けのサービス展開も視野に入れており、「一家に一台LobbyAI」というインフラになることを目指しています。

しつこく、諦めず、最適なタイミングは必ず来る

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

とにかくしつこさが大事だと思っています。何度叩かれても這い上がる力は非常に重要で、数を打つことで確率論的にも成功の可能性は上がっていきます。一回で諦めず、何年かかってでもやり続けることが大切です。

 

私自身、AIという技術が後から登場したことで初めてプロダクトを作ることができました。起業する最適なタイミングはいつ訪れるかわかりません。今すぐ市場がないからといってダメなプロダクトとは限りませんし、投資家も完璧ではありません。

 

大切なのは、目の前のお客様を増やし、ファンを一人一人積み上げていくことです。とにかくしつこく、巻き込み続け、自分も諦めないことが起業において最も重要だと考えています。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:髙橋京太郎 氏

日本大学法学部を卒業、法政大学大学院を修了。衆議院議員秘書、さいたま市議会政務活動員として国政・地方行政の現場で政策形成や渉外業務に従事。大学在学中から、国政政党学生組織の設立、運営、超党派の団体で政治意識向上に取り組む。一方で、WEBサービスの開発・運営に携わり、マッチングアプリのコンテンツディレクターなどを務め、テクノロジー分野での実務経験を積む。

企業情報

法人名

LobbyAI株式会社

HP

https://lobbyai.co.jp/

設立

2025年1月

事業内容

AIを活用した政策・議会データ分析プラットフォームの開発・提供

お問合せ先

LobbyAI株式会社 

 

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