
株式会社WAKAは、ゲームプラットフォーム「Roblox」上で、企業のブランドや商品の魅力を伝えるゲームを企画・開発・運営している会社です。Z世代・α世代の当事者としての若者目線のマーケティング設計と、人気ゲームを買収して再プロデュースする独自のモデルが強みです。今回は、代表取締役社長である野田慶多氏に、15歳での起業の経緯や、仕事におけるこだわりについて伺いました。
当社は、ゲームプラットフォーム「Roblox」を中心に事業を展開しています。事業の柱は大きく2つあり、「ブランデッドエンターテインメント事業」と「コンテンツプロデュース事業」です。
1つ目の「ブランデッドエンターテインメント事業」は、企業のブランド体験をゲームという形で提供する取り組みです。当社がRoblox上でブランドオリジナルのゲームを企画・開発し、世界中のユーザーに遊んでいただくことで、ブランド認知やファン形成につなげています。
企業からマーケティング予算をお預かりし、ゲームを活用した新しいプロモーション手法を提供しています。例えば、大手鉄道会社様とは、実際に電車に乗る体験を楽しめるゲームをRobloxやFortnite上で展開しました。単なる広告ではなく、ユーザーが楽しく遊ぶ中で、自然にブランドへの理解や親近感を深めてもらうことを目指しています。
飲料や化粧品、アパレルなど、多くの商品がコモディティ化する現在、重要なのは「必要な時に最初に思い出してもらえるか」です。ゲームというエンターテインメント体験を通じて、数十分から数時間にわたりブランドと接触してもらうことで、従来の広告では難しかった深いブランド体験を提供できる点が大きな特徴です。
2つ目の「コンテンツプロデュース事業」は、Roblox上で生まれるゲームコンテンツを成長させる事業です。Robloxは「ゲーム版YouTube」とも言われるUGC(ユーザー生成コンテンツ)型のプラットフォームで、個人でも自由にゲームを制作・公開できます。その結果、これまで大手企業から生まれていたヒット作が、現在では個人クリエイターからも数多く生まれるようになりました。
一方で、個人制作ならではの課題もあります。人気IPを無許可で利用したゲームが生まれる著作権上の問題や、ゲーム自体は面白くても継続的な運用やアップデートができず、成長の機会を失ってしまうケースです。
当社はこうした課題を解決するため、ゲームの買収やライセンス管理、運営改善を行っています。クリエイターから有望なゲームを取得し継続的なコンテンツ追加を通じて、より長く愛されるゲームへと成長させたり、公式ライセンスの取得を行って公式のゲームパブリッシング等を行っています。
Robloxは、現在ゲームUGCプラットフォーム市場において世界的に大きな存在感を持っています。世界中で多くのユーザーが利用しており、日本でも2022年以降、日本語対応や認知拡大を背景に利用者が増加しています。特に若年層を中心に利用が広がり、ゲーム実況などを通じて認知も高まっています。
日本ではこれまでNintendo SwitchやPlayStationなどのコンソールゲーム文化が強かった一方で、近年はスマートフォンやPCを中心とした新しいゲーム体験も広がっています。Robloxは、その流れを代表するプラットフォームの一つです。
当社がRobloxに注目している理由は、若年層との長時間接点を持ち、「第一想起」を獲得できる可能性があるからです。広告が短尺化・コンテンツ化し、数秒で消費される時代において、ゲームなら数十分、数時間という単位でブランド体験を届けることができます。これは、かつてテレビCMが担っていた「繰り返し接触による記憶形成」を、ゲームという体験型コンテンツで実現するものです。
コンテンツプロデュース事業では、ゼロからゲームを開発するだけでなく、既存のヒットゲームを買収し、成長させるM&A型のモデルも含めて展開しています。
クリエイターにとっては、自身が生み出したゲームを資産として売却し、新たな挑戦につなげる機会になります。一方で当社は、組織力を活かしてライセンス管理、企業とのコラボレーション、運営改善を行い、ゲームの価値とファンとの関係性をさらに高めていきます。
Robloxという新しいゲーム経済圏において、マーケティング支援とコンテンツプロデュースの両面から事業を展開している点が、当社の大きな特徴です。

私はもともと、神奈川県の栄光学園中学校に通っていました。中学受験が終わるまではゲームを制限されていた反動もあり、ゲームに触れた瞬間、その面白さに夢中になりました。
一方で学校の勉強に疑問を感じるようになり、中学2年生の時に学校を中退しました。その後しばらくはゲーム中心の生活を送っていましたが、家庭環境の複雑さや親からのプレッシャーもあり、引きこもった状態を続けることに苦しさを感じるようになりました。
そこで、「経済的に自立して一人暮らしをし、好きなゲームに思う存分向き合いたい」と考え、14〜15歳頃からお金を稼ぐことに関心を持つようになりました。動画編集などさまざまな仕事を経験する中で、次第に「自分でサービスをつくること」に興味を持ち始めました。
当時運営していたeスポーツチームには、アジア大会で優勝するほど実力のある選手が所属しており、そのご縁からキャスティング会社の方と出会いました。その方が「スタートアップを再起業する」と話していたことをきっかけに、初めてスタートアップという世界を知りました。
「スタートアップとは何か」と尋ねたところ、借金をするのではなく、投資家から資金を集めて大きな挑戦ができる仕組みだと知りました。その仕組みに大きな可能性を感じ、15歳で飛び込んだのが最初の起業です。
最初の1年間は、資金調達をしたものの思うように成果を出せず、事業がほとんど前に進まない時期もありました。その後、売上をつくれるようになってからは、また別の種類のプレッシャーや責任を感じるようになりました。
両親は基本的に「頑張れ」と応援してくれていましたが、学校を辞める時には母が泣いたこともありました。ただ、当時は学校の友人関係がほとんどなく、周囲からの反応を強く意識する環境ではなかったかもしれません。
現在、最も親しく付き合っている友人の多くは、起業を通じて出会ったスタートアップの仲間たちです。挑戦する中で出会った人たちとのつながりが、今の自分を支える大きな財産になっています。
常に正しい意思決定をし続けることです。
例えば、新興市場であるRoblox領域で大きな事業をつくろうと考えた場合、目先の状況に合わせるのではなく、5年後の未来を予測し、そこから逆算して今やるべきことを決めることが重要だと考えています。先行者として市場をつくり、優位性を築くためには、未来から逆算した戦略が必要です。
一方で、人はつい「他社がこう動いているから自社も合わせよう」といった、一見正しそうで安心できる選択に流されがちです。しかし、表面的な模倣では本質的な勝利にはつながりません。重要なのは、未来への解像度を高く持ち、どの選択が本当に価値を生むのかを考え抜くことです。
人間は不確実な未来よりも、目の前の安心を選びたくなるものだからこそ、自分自身への戒めも込めて、本質的に正しい意思決定を積み重ねることを大切にしています。
また、ステークホルダーとの関係づくりにおいては、嘘をつかず、誠実に向き合うことを何より重視しています。短期的な成果だけではなく、長期的に信頼されるパートナーであり続けることが重要だと考えています。
社内では、「複利を意識する」という考え方を共有しています。目先の成果にコミットするのは当然として、制作ノウハウや営業の仕組みなど、組織としての資産が積み上がっていくかという視点を、チーム全体で意識するようにしています。

最大の苦労は、事業領域をFortniteからRobloxへピボットした際の立ち上げフェーズです。プラットフォームが変わると、必要となる開発ノウハウや人材、体制は大きく異なります。
Robloxについて十分な知見や経験がない状態で、大型案件を受注したこともありました。当時はチームメンバーも少なく、「本当に納期までに完成させられるのか」というプレッシャーと向き合いながら、約4カ月間、ほぼ休むことなく開発に取り組みました。最終的には無事に納品することができましたが、創業以来でも特に厳しい時期だったと感じています。
また、資金調達においても大きな挑戦がありました。新しいマーケットに挑むからこそ、「本当にこの市場が成長するのか」と「その市場の中で自分たちが勝ち切れるのか」という二つの前提を投資家の方々に理解していただく必要があり、そのすり合わせや説明には苦心しました。
根底にあるのは、「コンプレックス」と「見返したい」という感情です。
中学受験やeスポーツなど、競争環境の中で成果を出してきた自負がありましたが、世間一般からは「中退」や「引きこもり」として見られ、自分の努力や成果が正当に評価されない悔しさがありました。
だからこそ、誰もが向き合っている資本主義の中で正々堂々と結果を出すことで、自分自身の価値を証明したいという思いがあります。
19歳の若さは、圧倒的な強みであると同時に諸刃の剣だと思っています。若さという肩書で評価してもらえる期限は限られており、下駄を履かせてもらっている間に実力や本質的な価値へ置き換えていかなければ生き残れません。
一方で、若さは間違いなく活用すべき強みでもあります。挑戦できる環境や時間がある今だからこそ、このアドバンテージを最大限に活かしながら実績と価値を積み上げていきたいと考えています。
Robloxは、ゲームやソーシャルメディアの領域において、ソーシャルゲームが登場した時や、YouTubeが登場した時以上の大きな変化を起こしていると感じています。
特にこの市場は、若い世代だからこそ直感的に理解できる価値や文化があります。だからこそ、当社にしか見えない機会や提供できる価値があると考えています。この大きな変化の波の中で、業界を代表する存在となり、世界で勝負できるスタートアップをつくることが目標です。
海外展開は、創業当初から前提として考えています。当社が買収・運営しているゲームのユーザーは、アメリカやアフリカ、東南アジアなど海外ユーザーが中心で、日本ユーザーの割合は約1.4%にとどまります。Roblox自体が国境を越えて広がる一つのカルチャーになっているため、私たちもグローバル市場を前提に事業を展開しています。
その実現に向けて、組織づくりにも力を入れています。現在、特に強化したいポジションは2つです。
1つ目は、ナショナルクライアント向けにRobloxを活用したソリューション営業を推進する「ビジネスプロデューサー」です。型の決まった営業ではなく、クライアントの課題に合わせたコンサルティング型の営業ができる方を求めています。
もう1つは、制作部門を束ねる「制作ヘッド」です。既存のゲームや映像業界などで制作チームをマネジメントしてきた経験を持ち、新しいマーケットで業界スタンダードを作っていくことに挑戦したい、30代中盤くらいの方と一緒に働きたいと思っています。
ご興味を持っていただけた方はぜひ一度ご連絡ください。
➤採用サイトはこちら

おこがましい気もしますが、「まずは、やってみろ」でしょうか。頭で考えているだけでは何も始まらないため、まず動いてみることが大切だと思っています。
株式会社WAKA 代表取締役社長。2007年生まれ。栄光学園中学校を2年生で中退し、15歳で起業。
2023年に「株式会社EbuAction」として設立した会社を、2026年に株式会社WAKAへ社名変更。「熱中を、新たな価値へ昇華させる。」をミッションに掲げ、Roblox上で日本のブランド・IPと熱中をつなぐ熱中コンテンツスタジオを展開。
2026年、Spiral Capitalをリード投資家として総額2.5億円の資金調達を実施。自らもZ世代の当事者として、若者目線のマーケティング設計を強みとする。
|
法人名 |
株式会社WAKA(旧 株式会社EbuAction) |
|
HP |
|
|
設立 |
2023年1月 |
|
所在地 |
東京都品川区西五反田5丁目1−3(2026年9月〜) |
|
事業内容 |
|
関連記事
関連記事