株式会社TORINOME 代表取締役 佐藤晃一

 

株式会社TORINOMEは、鳥のような高い視野で人生を見渡し、無限の可能性へ羽ばたく人材を育成するというコンセプトのもと設立された、キャリア支援の企業です。

 

「人材業界を変革したい」と語り、新しい事業に積極的に取り組む代表取締役、佐藤晃一氏にお話を伺いました。

 

唯一無二の営業コンサルで強い組織づくりを実現

事業の内容をお聞かせください

当社では「教育」「営業」「採用」この3つを掛け合わせた事業を展開しています。

 

一つ目が「新卒特化型の人材紹介事業」です。特徴は2つ。

 

①就活塾顔負けのトレーニングによって学生のポテンシャルを開花させると同時に、企業様の魅力を過不足なく伝えるスキームにより、高いマッチング率を実現させている事。

 

②弊社でTeam「B」という「学生営業組織」を構築しており、法人営業をテレアポから商談まで全て行える営業力、部下の育成まで行えるマネジメント力を有した「即戦力新卒」をご紹介できる事。

 

当社の社名である「TORINOME」は文字通り「鳥の目」、つまり俯瞰的な視点を意味しています。入社がゴールと考えがちな学生に、人生のゴールから逆算したキャリアビジョンを考えていただく事で、学生1人1人の可能性を広げる事を強く意識しております。Team「B」の運営も、就活生へのトレーニングも、ここが基盤となっています。

 

二つ目が「採用コンサルティング事業」です。エージェントコントロールに特化し、効率的な採用を実現するコンサルティング事業です。

 

三つ目が「営業組織構築コンサルティング事業」です。私たちは「営業コンサルティング3.0」と呼び、一般的な営業コンサルティングとは一線を画すものです。

 

この営業支援の強みは2つあります。1つは、単なる営業コンサルティングではなく、組織づくりからマネジメント、採用まで総合的にサポートすることです。もう1つは、「3.0」という考え方です。

 

病院で例えるなら「営業コンサル1.0」は、対処療法です。熱が出たら解熱剤を処方するように、問題が起きたら対処します。「2.0」は根本治療に当たり、問題の原因を特定して解決します。ですが、当社の「3.0」は予防医療です。現在の問題を解決するだけでなく、将来起こりうる問題まで予測して、事前に対策を立てます。

 

こういったアプローチは、少なくとも日本では唯一無二だと自負しています。単に売上を上げるだけではなく、持続可能な強い組織づくりをサポートすることが、当社の事業の基本です。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

私の人生そのものが今の事業に繋がっており、事業と同じく「教育」「営業」「採用」、この3つが重要なキーワードになっています。

 

私の人生には、大きな挫折が4つありました。

 

1つ目が就職活動です。

 

恥ずかしい話、慶應義塾大学を卒業したのにも関わらず、就活1年目は1社も内定をいただけなかったんです。泣く泣くやった2年目も全く受かる事ができず、不安と焦りの中、やっとの思いで1社内定をいただいて就職ができました。

 

そして2つ目、入社できたのはいいものの、営業マンとして同期の中で契約をいただいたのが1番遅く、初契約のときは嬉し涙ではなく不甲斐なさによる悔し涙を流したのを今でも鮮明に覚えています。



その1年後には、周囲から狂人扱いされる程の努力と、素晴らしい幸運に恵まれ、同期1位として社長賞を受賞できました。

 

ただ3つ目、ヘッドハントしていただいた外資系の生命保険会社では、営業所長に就任後、採用が全くうまくいかず、ここにきてもまた泥水を啜るような苦労を強いられました。

 

最後4つ目は人間関係です。幼稚園から大学に至るまで、人間関係構築にはほとほと頭を悩まされました。正直友人をどれだけ失ったか分かりません。本当に人との関係構築が下手な人間でした。

 

これらに共通しているキーワードが「教育」です。私は恥ずかしながら、教えられたことはよくできますが、教えられていないことは、とにかくできません。慶應義塾大学に入学できたのは塾のお陰です。テニスもダンスも結果を出せた裏には良い指導者の存在がありました。

ですが、就活も営業も採用も、誰も教えてくれる人がいなかったんです。


だからこそ、教育の重要性を誰よりもわかっていますし、できない人の気持ちも痛いほどわかります。それが今、誰よりもわかりやすく教える力に繋がっているのだと感じています。


特に挫折した「営業」と「採用」には強い思い入れがあります。営業コンサルには自身の失敗体験を活かして「コミュニケーション研修」や「在り方研修」も入れていますし、採用については就活生と人事、両者の幸せの実現を何よりも大切にしています。


ここまででご理解いただけたかと思いますが、当社の事業は全て私自身の経験と「想い」から生まれました。自分が苦労したからこそ、同じ思いをする人を減らしたいとの思いが、事業の原動力になっています。

 

長期的な幸せを掴む人は「在り方」が違う

仕事における信念を教えてください。

3つ挙げさせていただきます。

 

一つ目は、「やり方より在り方」。

 

多くの人を見てきた中で、長期的に幸せを掴んでいる人とそうでない人には決定的な差があることに気付きました。それは「在り方」です。多くの営業マンやビジネスマンは、やり方に固執しがちで、成功するやり方を真似ようとします。ですが「在り方のないやり方」は、根のない木と同じで、少し風が吹いただけで簡単に倒れてしまっていました。

 

二つ目は、「人生は感謝をした数とされた数」です。

 

物心共に豊かな人生を歩んでる人達は、とにかく腰が低く、謙虚で、感謝の姿勢が突出しています。「有る」ことが「難しい」と書いて「有難う」。有難うの逆は「当たり前」。目の前にある事どれもが「当たり前」だと考えると人はどんどん感謝を忘れ、傲慢になっていきます。何にも感謝できない人生は、貧しい人生になります。

 

そして同時に、豊かな人生を歩んでる方は、周りの人達の幸せに貢献し、誰よりも多くの感謝を集めています。感謝するだけの人生でもダメ、感謝されるだけの人生でもダメ。両方があって、人は初めて豊かな人生を歩めるのだと思っています。

 

三つ目は、「笑顔で明るく元気よく気持ちがいい人」です。

 

「笑顔」「元気」「明るい」「気持ち良い」これらができている人に多くの人が集まります。友人や家族だけでなく、会社の同僚や、お客様、ビジネスパートナーからも好かれて、全ての仕事がうまくいっています。

 

彼らは無理して笑顔でいるわけではなく、自然とそうなっているのです。最初は意識的に始めたことが、気づいたら習慣になっているのかもしれません。「外見は内面の一番外側」といった言葉もあるように、内面を磨くことは大事です。

 

私が今幸せでいられるのは、この3つの信念を大事にしてきた結果だと思います。

 

 

起業から今までの最大の壁を教えてください

大変なことだらけではあったのですが、その中で一番の壁だったのは、今のTORINOMEの前に立ち上げた1社目での経験です。

 

営業組織構築コンサルティングをしていましたが、経営やビジネスのことをよくわからないまま独立してしまったために、2つの大きな問題に直面しました。

 

一つ目は、属人的な事業内容だったことです。一般的には会社を大きくするには、社員を雇って仕事を任せます。ですが、あまりにもスキルフルな仕事内容だったので、自分以外に仕事ができる人がおらず、会社をスケールできない壁にぶつかりました。

 

二つ目は、結果を出すために安売りをしてしまったことです。起業当初は、とにかくお客様と契約して、コンサルに入らせてもらおうと考えていました。ですが結果的に、安い賃金で働き続けなければならなくなり、新しいことを始める時間も取れず、会社をスケールできずに早々に限界を迎えてしまいました。

 

この経験があったからこそ、今の自分がいます。1社目で一生懸命仕事をしていなければ、当社のNo.2である坂井が私について来てくれなかったと思います。

 

どれほど上手くいかないことがあっても、決して諦めず、投げ出さず、ひたむきに頑張り続けることが、泥沼を抜け出す唯一の方法だと考えています。

 

「神は自ら助くる者を助く」との言葉があるように、どのような時でも頑張っている人にだけ、神様はほんの少しだけ味方してくれるのでしょう。それに気づけるかどうかが、自分の「在り方」で決まるのだと思います。

 

一度切りの人生を最高のものにしたい

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

1番大きなモチベーションは「人生は一度きり」ということです。

 

生まれてきたからには、死ぬ時に「最高の人生だった」と思いたいです。「そこそこの人生だった」と思いたい人は、ほぼいないのではないでしょうか。

 

私は、絶対にやり切ったと思える人生にしたいですし、成功したいです。成功の定義は人それぞれだと思いますが、自分の中で「成功だった」と思える人生にしたいと考えています。

 

よく成功の反対は失敗と言われますが、私はそうではないと思います。成功の反対は「妥協」なんです。成功を得る為には、まずは妥協を排除する事が重要です。

 

また、成功の為には絶対に後悔しないと思える選択をする事、そしてその選んだ道を正解にする覚悟が重要です。多くの人は正解を選ぼうとしますが、実は正解の道なんてないんです。選んだ後に自分でその道を正解にするしかないんです。

 

人生は決断の連続です。「決断」は「断つことを決める」と書きます。「何を選ぶか」は重要ですが、「何を捨てるか」も同じくらい重要です。1つ1つの人生の選択において、しっかりと決断し、それを正解にしていく覚悟を持つ事で、一度きりの人生は最高のものになっていくのだと思います。

今後やりたいことや展望をお聞かせください 

会社が目指す方向性は創業当時から一貫しており、「人材業界に変革をもたらす」ことです。

 

私たちは、単なる数字や短期的な利益だけを追求するのではなく、本当の意味で求職者と企業の双方に価値を提供できる人材紹介の形をつくり上げることを目指しています。

 

「人が足りないから誰でもいい」といった安易なマッチングではなく、双方にとって本当に意味のある、持続可能な採用を実現したいと考えています。

 

これまでの業界の慣習にとらわれず、真に役立つ仕事、社会に貢献できる仕事をしたいとの思いが、私の原点であり、今後も変わらない信念です。

 

そして今、この信念をさらに大きなスケールで実現するための新しいビジネススキームを立てている最中です。年内には具体的な形にして発表できればと考えています。

 

 

成功の反対は失敗ではなく妥協である

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします

「失敗を積み重ねることが、成功への唯一の手段」だと私は確信しています。

 

「失敗は成功のもと」とよく言われます。エジソンの「私は失敗をしたことがない。ただ1万通りの上手くいかない方法を見つけただけだ」や、アインシュタインの「一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である」といった言葉も有名です。

 

世の中の成功者に共通しているのは、「誰よりも打席に立ち、誰よりもバットを振った」という事実です。必然的に、空振りの回数も誰よりも多いわけですが、その分、誰よりもヒットも多くなっているんです。

 

何度でも打席に立ち、何度でもバットを振り、何度でも空振りをしてください。

失敗しても立ち上がって、何度でも挑戦することが大事なのです。

 

「失敗が怖い」とよく聞きますが、本当に怖いのは「失敗を恐れるあまり挑戦しなくなり、何者にもなれず妥協した人生を送ること」ではないでしょうか。

 

人間、誰もが「死」を迎えます。どうせ死ぬなら、死ぬときに「妥協した人生だった」と思うのか、それとも「やり切った人生だった」と思うのか、どちらがいいでしょうか。答えはそこにあります。

 

今、起業するかどうか悩んでいるなら、失敗を恐れず今すぐ踏み出してください。

 

「成功の反対は失敗ではなく妥協である」これは私を支える言葉の一つです。私自身、妻と子供3人がいる状況で起業しました。この言葉で一人でも多くの人が奮い立ち、挑戦する勇気を持つことを、心から願っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:佐藤晃一氏

慶應義塾大学経済学部を卒業し、タイムズ24(株)に営業職として入社。売上・件数ともに同期1位を獲得し新人賞受賞。その後プルデンシャル生命(株)にヘッドハンティングされ、営業マンとして2年連続入賞を果たす。3年目からは管理職に就任し、0から営業所を立ち上げ、5年で全社で上位2.9%の成績を誇るチームを創り上げる。その経験から、世の中の営業マンの「在り方」を変革し、会社・営業マン・顧客のwin-win-winの実現に向けたサービスを展開すべく起業。営業コンサルタント、経営コンサルタントとしての活動を通じ、より社会に貢献する為に、学生向けのキャリア支援事業として(株)TORINOMEを創業

 

企業情報

法人名

株式会社TORINOME

HP

https://torinome-inc.com/company/ 

設立

2023年8月22日

事業内容

  • 大学生の就職活動支援
  • 大学生の能力開発、人材育成
  • 企業の採用支援
送る 送る

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