
「仲の良い人ともっと仲良くなれるSNS」をコンセプトに掲げる株式会社Jiffcyが、新機能「Dots」をリリースし、この1年でユーザー数を15倍に成長させています。今回は代表取締役CEO・西村成城氏に、新機能の詳細から組織づくりの哲学、そして世界展開への挑戦まで、追跡インタビューとして伺いました。
現在最も力を入れているのが、「Dots」という新機能です。友達や家族と一緒に無加工の自撮りコラージュを作り、グループごとに共有できるコミュニケーション機能です。
私は以前から、家族に見せる自分と友達に見せる自分は違うと感じていました。そして、本当に仲の良い人同士だからこそ成立する写真コミュニケーションとは何かを、2年近く考え続けてきました。その中でたどり着いたのが、このDotsという仕組みです。
この機能はグループごとに投稿先を分けられるため、家族、友達、職場など、それぞれ異なるコミュニティで使い分けることができます。実際に、高校生だけでなく親子世代にも使っていただいており、「子どもが一人暮らしを始めてから、Dotsを通じて毎日やり取りしている」という声もいただきました。
さらに、自分だけが投稿しても成立せず、相手も投稿して初めてコラージュとして完成する仕組みになっているため、必ず共同作業になる設計です。そのため、自分をよく見せるためのSNSではなく、人との関係を深めるためのSNSになっている点が、他サービスとの大きな違いだと思っています。
さらに、1日の好きなタイミングで1枚投稿すればよく、他アプリのように突然通知が来るわけではないため社会人でも無理なく続けやすい構造になっています。
私たちは、映えるSNSではなく、人と人との関係性を自然に続けられるコミュニケーション体験を作りたいと考えています。

グループ機能・スタンプ機能・Android版のリリースと、インフラとして使われるための機能を着実に追加してきた結果、ユーザー数はこの1年間で15倍という大幅な成長を遂げました。
ただ、課題もありました。Jiffcyのコア機能であるテキスト通話は声を出さずに電話するという新しい概念であるがゆえに、友人を誘う際の説明が難しいという問題があったのです。
言葉だけでは直感的にイメージしづらく、新規ユーザーにとってはテキスト通話がどのような体験なのかが伝わりにくい状況がありました。そのため、サービスの世界観を壊さずに、誰でも直感的に面白さを理解できる入口が必要だと考えていました。
その課題に対する答えとして生まれたのが、Dots機能です。Dotsは、投稿方法自体も非常に簡単で、近年は写真共有系の類似サービスが増えていることから、多くのユーザーが感覚的に使い方を理解しやすい設計になっています。現在では、Dotsをきっかけにアプリへ流入したユーザーが、そのまま自然な流れでテキスト通話機能も利用する導線を生み出しています。

メンバーが増えるにつれ、人間関係においてさまざまな困難を経験してきました。この1年は、いわゆる「Hard Things」を数多く経験した期間だったと感じています。
その中でたどり着いたのが、人を変えようとするのではなく、仕組みで問題を解決するという考え方です。
例えば、ゴミ箱が溢れる前にまとめてくださいと声をかけても、実際には誰も動かないことが多くあります。しかし、最初からゴミ箱を二つ設置しておけばそもそも溢れにくくなります。
私自身も、言われたことを毎回完璧にできるわけではありません。そのため、誰かに改善を求め続けるよりも、自然と問題が起きにくい環境を作った方がいいと考えるようになりました。
それ以降は、人に働きかけ続けるのではなく、問題が発生しにくい仕組みづくりに集中するようになりました。この視点を持てるようになってからは、無駄なストレスが大きく減り、本来向き合うべき事業や組織の課題に、より集中できるようになったと感じています。

最も嬉しかったのは、Dots機能の継続率の高さです。実際に、テキスト通話機能よりも非常に高い数値を記録しており、自分自身でも驚いています。
これまでさまざまなサービスや機能を開発してきましたが、ここまで継続率の高いものを作れた経験はありませんでした。また同時に、テキスト通話機能そのものの長期的な継続率の高さを証明できたことも、大きな成果だったと感じています。実際に、1年半前からサービスを使い始めたユーザーが、今もなお利用を継続しているケースが数多くあります。
こうした継続利用は、短期間では証明できない価値です。時間をかけて初めて、「Jiffcyが日常のコミュニケーションインフラになり得るサービスである」ということを、改めて裏付けることができたと感じています。
また、受賞やメディア掲載については、運の要素も大きかったと感じています。ただ、音声通話を置き換えるというビジョン自体が非常にわかりやすく、評論家やメディア関係者の方々にも伝わりやすかったことは、大きかったのではないかと分析しています。
実際に、日経トレンディ「スタートアップ大賞2024」の受賞や、「2025年ヒット商品30」へのランクインなど、外部からの評価も少しずつ高まってきています。そうした評価をいただけることは非常にありがたいですし、自分たちが取り組んでいる方向性に対する一つの手応えにもなっています。
オフィス移転とともに、働き方にも大きな変化がありました。拠点を神楽坂へ移して以降は、30名ほどが同時に出社する日も珍しくなくなっています。出社中心のスタイルへ移行したことで、流れを作る仕事が格段に進めやすくなったと感じています。
既にある流れに乗って進める業務はオンラインでも十分対応できますが、、新しいアイデアを生み出したり、組織の流れそのものを作ったりする仕事は、リアルな対話が非常に重要だと考えています。
オンライン環境では、これを議題として出してよいのかと考えてしまい、些細な相談や雑談が生まれにくい側面があります。しかし、出社環境ではちょっとした違和感や思いつきをその場で気軽に共有できるため、自然とコミュニケーションが増え、流れを作れる人が組織内に増えていきました。
また、オフィス移転から約4ヶ月後には、社名を「株式会社穴熊」から「株式会社Jiffcy」へ変更しました。背景には、採用活動において「Jiffcyから連絡が来た」という一文の反応率が非常に高かったことがあります。サービス名の認知がそのまま採用力にもつながっていることを実感しました。
さらに、単なる採用上の理由だけではなく、将来的な上場も見据え、「サービス名と会社名を一致させる」という長期的なブランディング戦略としての意味合いもありました。サービスそのものの認知を会社の価値へと直結させながら、長期的にブランドを積み上げていける体制を整えていきたいと考えています。

今後はJiffcyを「親しい人との関係性に特化したSNS」として世界中に広めることに全力を注ぎます。特にアメリカでの展開を強化しており、現地で過ごす時間を増やしながら市場開拓を進める予定です。
アメリカには、友人同士で集まるパーティー文化が根付いており、現在日本でも一般的になっているアプリやサービスも、そうしたアメリカ文化の中で大学生を中心にユーザーを拡大してきました。
その点で、グループで写真を共有するというDotsの特徴は、アメリカのパーティー文化とも非常に相性が良いと考えています。単なる個人発信ではなく、仲の良いコミュニティの中で関係性を深めるという価値観を軸に、自然な形で普及を広げていきたいと思っています。
私自身、Jiffcyのために人生をかける覚悟で取り組んでいます。世界展開の実現に向けて、今後もあらゆる挑戦を続けていきたいと考えています。
ぜひ最初から世界を見据えたサービス開発に挑戦してほしいと思っています。
日本市場向けだけにサービスを展開するという考え方もありますが、私はそれを一つの都道府県だけに向けたサービスを作ることと近いと捉えています。特にITサービスは、店舗を構える必要もなく、インターネットを通じて最初から世界中のユーザーに届けることができる時代です。
だからこそ、最初からグローバル市場を前提にプロダクトを設計することには、大きな意味があると考えています。
私自身、世界中の人に使われるサービスを本気で作りたいと思っていますし、同じ志を持つ起業家や開発者の方々と、互いに切磋琢磨しながら挑戦していきたいと思っています。

1995年生まれ
小学生中学生の時シンガポールとタイで9年間過ごし、その後帰国。19歳で初の事業を開始し、20以上のサービス開発を経験
2018年 株式会社穴熊(現:株式会社Jiffcy)を創業、代表取締役CEOに就任
日経トレンディ「スタートアップ大賞2024」受賞、「2025年ヒット商品30」ランクイン
「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’25 / 第31回AMD Award」優秀賞受賞
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法人名 |
株式会社Jiffcy |
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HP |
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設立 |
2018年1月 |
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事業内容 |
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