【#188】企業の本質的な課題を見つけて、ブランディングづくりを支援。ブランディングが民主化された社会を目指す|代表取締役 維口 貴文(ブランドデザイン株式会社)
ブランドデザイン株式会社 代表取締役 維口 貴文
事業ブランディング及び採用ブランディングの支援事業を展開しているブランドデザイン株式会社。代表取締役の維口 貴文氏は、もともとWebデザイナーとして広告代理店やフリーランスとして活躍していました。そのキャリアを活かし、コンサルティングとクリエイティブの両面からブランディングづくりを支援されています。「自走社会を作る」をミッションに掲げる維口氏に、起業を決意したきっかけや、今後の目標などを伺いました。
企業のブランディングづくりをコンサル・クリエイティブの両視点から支援
事業の内容をお聞かせください
主にBtoB向けに事業ブランディング及び採用ブランディングの支援事業を展開しています。端的に説明すると、事業やサービス、プロダクト、ブランドを強化していくための支援です。コンサルティングの視点はもちろん、私のキャリアがデザイナーなので、クリエイティブの視点も含めて支援しています。
事業やサービス、プロダクトのブランディングを考えたことがある方は、「ブランド」と「ブランディング」の違いに悩んだことがあるのではないでしょうか。言葉だけ見るとingがついただけですが、私個人としては「ブランド」とは“約束”、「ブランディング」とは“約束を達成するためのアクション”と定義しています。ここまでシンプルに説明しているのは、「ブランディングは難しい、分かりにくい」というイメージをお持ちの方が多いためです。噛み砕いて説明することで、ブランディングづくりのハードルを下げたいと考えています。
現在は福岡を中心に事業を展開しています。取引先は売上10億円〜50億円ほどの中堅企業から大手企業まで幅広くいらっしゃいます。私たちの強みは、エンタメ系のブランディング支援です。私や社内のデザイナーは、エンタメ系のデザインに強く、音楽・ゲームなどのブランディング支援を得意としています。 しかし、エンタメ分野に特化しているわけではなく、幅広い企業とお取引しています。
事業を始めた経緯をお伺いできますか?
お客様の本質的な課題を見つけ出し、解決していきたいと考えるようになったからです。
20代の頃は広告代理店で内勤のWebデザイナーとして働き、スキルを身につけた上でフリーランスとして独立しました。お客様から依頼をいただき、Webサイトを制作していたのですが、その過程で「このWebサイトは何のために作るのだろうか」、「お客様にとって、本当に制作する意味があるのだろうか」といった疑問を持つことが徐々に増えていきました。
お客様に問題提起していくうちに「そもそもの本質的な課題についてより考えていくべきではないか」と考えるようになりました。私がやりたいのは、Webサイトの制作を包括的に考えること、つまりブランディングづくりだと気付いたのです。それまではフリーランスとして働いていましたが、この課題に組織として本格的に取り組みたいと思い、2021年に当社を設立しました。
なお、私の場合は独立したい気持ちが昔から強かったわけではありません。約7年間お世話になった広告代理店を辞めて、次の転職先を考えている時に、知り合いからHPを作ってほしいと頼まれました。それが非常に感謝され、その流れで「フリーランスで活動しないの?」と聞かれたのです。それまで自分の中にその選択肢はなかったのですが、ダメ元ではじめてみようと思い、その後独立に至ります。
妥協は一切せず、社会をよく観察し、価値あることを実践する
仕事におけるこだわりを教えてください。
当社は「妥協しない」「よく遊び、よく学ぶ」「まずはやってみる」という3つのバリューを設定しており、これが私のこだわりにもなっています。
まずは「妥協しない」ですが、何を作るにも妥協しないで作ることが当たり前だと考えています。例えば、50万円相当の見積もりをした制作物が、クライアントの予算の関係で30万円になってしまった場合です。この場合、差額の20万円分を引いて30万円のクオリティで制作しようと思うかもしれません。しかし、50万円の案件が予算1万円になってしまったとしても、「50万円分、もっと言うと50万円以上のクオリティを出そう」と社員に伝えています。
次に「よく遊び、よく学ぶ」です。今風にいうとウェルビーイング的な考え方になります。
あくまで私の持論ですが、ブランディングを売るということは、理論を売ることではなくて、世界や社会にどう浸透していくかだと考えています。そのため、まずは世界や社会を理解しなければ、仕事が円滑に進まないと考えています。
休みの日は家に引きこもっているのではなく、街やショッピングモールに行き、今の流行や人々の関心を知ることが大事です。そこに目を向けることで、結果的に仕事につながるのだと考えています。
最後に「まずはやってみる」です。社員には「やった方が良いと思ったことは全部やってみよう」と頻繁に話しています。もちろん自分自身もその考えに沿って、有言実行しています。
また、当社はミッションとして「自走社会を作る」を掲げています。目指すのは、コンサルティングの存在が不要で、ブランディングが民主化された社会です。誰もがブランディングづくりの能力をビジネススキルとして持てば、より良い社会になるのではないでしょうか。
そのため、当社ではブランディングづくりのノウハウをWebやオフラインのセミナーで惜しみなく提供しています。これが各組織の自走につながってほしいと考えています。
起業から今までの最大の壁を教えてください
これまでで一番大変だったのは、資金繰りでした。
フリーランスの時は自分一人が食べられていれば良かったのですが、組織になると従業員の給与や経費などが必要になります。一時期は、借り入れを増やそうとしたり、投資家に会おうと画策したりと、いろいろなことを考えました。
しかし、資金が返ってくる見通しがない企業には誰も貸してくれないことに気付いたのです。まずは売上を伸ばせるポテンシャルを持っていることを見せなければいけないと思い、より一層仕事に注力するようになりました。
成功するまで続ける
進み続けるモチベーションは何でしょうか?
シンプルに「辞める」という選択肢がないだけです。
7〜8年前、福岡市で起業家30人くらいを集めてシリコンバレーに行くというプログラムがあり、私も参加しました。その際、現地の起業家にインタビューする機会があり、とある起業家が「事業で失敗したときにどうやってリカバリーするのか?」と質問を投げかけたのです。
すると、シリコンバレーの起業家は「どうして失敗か成功の2択で捉えてしまうのでしょうか。私たちはただ成功するまで続けているだけです。失敗は成功するまでの過程に過ぎません」と回答していました。とても印象的な言葉で、まさにその通りだと思いました。
今後やりたいことや展望をお聞かせください
私も社内のデザイナーもエンタメ系のデザインが得意ですし、何より私自身がエンタメに興味があるので、好きなことを仕事にしていきたいです。
また、学生時代は学校の先生になることが夢でした。そのため、教育や学校などの分野にも挑戦したいと考えています。
私たちの事業を知ってもらうために、SNSの発信にとにかく注力しています。最近は、ありがたいことに知名度も徐々に上がり、お問い合わせの数も増加しています。
X、Facebook、Instagram、TikTok、YouTube、noteといったSNSはもちろん、ウェビナーやセミナーも積極的に行い、露出することをこれからも徹底していきます。
「起業」を考えている人は、すぐに行動しましょう
起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします
起業という考えが頭によぎったら、すぐに行動するべきだと思います。起業について相談されることがあるのですが、悩んでいても始まりません。法務局に行き、諸々の手続きをすれば誰だって会社を作れるのです。そこのアクセルを踏めるかどうかが重要だと思います。起業を考えている方は、今すぐにでも取り掛かってほしいです。
まずはお気軽にご相談ください!
「ブランドデザイン株式会社」では、採用ブランディングや事業ブランディングに課題を抱えている企業を支援しています。「ブランド戦略を構築したい」と思った時点で、ご相談いただけるのが一番良いタイミングです。「そもそもブランディングは何から始めるべきか」など、イチから丁寧にご説明しますので、まずはお気軽にご相談ください。
SNSでも積極的に情報を発信しています。当社の事業内容や雰囲気が分かると思いますので、ぜひご参考になさってください。
- X:https://x.com/brand_design_jp
- Facebook:https://www.facebook.com/brand.design.corp/
- Instagram:https://www.instagram.com/brand_design_fukuoka/
- TikTok:https://www.tiktok.com/@brand.design.inc
- YouTube:https://www.youtube.com/@brand-design
- note:https://note.com/branddesign/
本日は貴重なお話をありがとうございました!
起業家データ:維口貴文 氏
2004年から約7年間、福岡の広告代理店で内勤のwebデザイナーとして従事し、2013年にフリーランスとして独立。 web、紙、ロゴ、動画といった幅広い領域のデザインを手掛ける。 その後、スタートアップの創業、ベンチャー企業でのマネージャー職など幅広く経験。 ベンチャー企業在籍時は、入社後半年で前年対比 250%超の集客実績を実現するなど、マーケティング責任者としての手腕も発揮。同社にて社内新規事業の責任者も兼任し、自社サービスとなるアプリリリースを牽引。 歴任後、2021年9月に理念創出をメイン事業とする「ブランディング」に特化した業態で「ブランドデザイン株式会社」を設立。 福岡・東京を中心に、クリエイティブ・マーケティング・ブランディング、それぞれの分野を得意領域とし、ブランド創出、ブランド再生に取り組む。
企業情報
法人名 |
ブランドデザイン株式会社 |
HP |
https://brand-design.jp/ |
設立 |
2021年9月 |
事業内容 |
ブランド創出事業 |
関連記事