株式会社ローンディール 代表取締役 後藤幸起

「越境」をコンセプトに、大手企業社員をスタートアップへ送り出す「レンタル移籍」など複数のサービスを展開する株式会社ローンディール。今回、代表取締役の後藤幸起氏に、地域密着型サッカークラブ・品川CCへのスポンサー支援に至った背景や、スポーツという新たな切り口を通じた情報発信への挑戦についてお話を伺いました。

 

「越境学習」という事業の哲学と、地域に根ざす総合スポーツクラブとの出会い

事業の内容をお聞かせください

私たちが手がけているのは、「越境学習」と呼ばれる人材育成事業です。大手企業に勤める社員を様々な業界のベンチャー企業に一定期間送り出し、自社では得難い経験を積んでいただきます。そのうえで元の会社に戻り、活躍してもらうことを目的としています。「行って、帰ってくる」という人の流れをつくり、帰還後の活躍支援まで一貫して担うのが私たちの事業の特徴です。

 

実務を伴う越境プログラムの形式は大きく2通りあります。

 

ひとつはフルタイムで6か月から1年程度携わる「レンタル移籍」、もうひとつは3か月間、業務時間の20%を充てる社外兼務型の「side project(サイドプロジェクト)」です。企業の課題や目的に合わせて使い分けていただいており、どちらも越境による人材育成と組織変革を支援するという方向性は共通しています。

 

会社の設立は、前代表の個人的な体験がきっかけでした。長年勤めた企業を退職し、外の世界に出て初めて、以前の会社への愛着や「もっとできることがあった」という感覚に気づいたそうです。辞めずに外部の視点を持てていれば、本人にとっても、会社にとっても、違う結果があったかもしれないという思いがローンディールの原点となっています。私自身は昨年10周年を迎えたタイミングで代表を引き継ぎましたが、その志をしっかりと受け継ぎながら、新たなステージへと事業を発展させていきたいと考えています。

 

支援されているチームについても教えてください

品川を拠点とする地域総合スポーツクラブ「品川CC」のスポンサーとして支援しています。サッカーのほかバスケットボールなど複数のスポーツチームを運営しています。

 

クラブの大きな特徴は、地域密着型の運営スタイルです。

 

代表者が元々スポーツ事業への強い思いを持っており、仕事上の縁でつながった仲間とともにクラブを作り上げてきた経緯があります。SNSや定期的なイベントを通じて地元の子どもから大人まで選手と触れ合える機会を積極的に提供しており、社会人が働きながら競技に打ち込む姿勢には、私たちローンディールが大切にする「越境」と通じるものを感じています。

 

 

「レンタル移籍」が結んだ、ビジネスとサッカーの接点

なぜそのチームを支援するのですか

スポンサー契約のきっかけは、私たちのメンバーと品川CCの代表者とのつながりでした。いくつかの交流が複合的に重なり、まず品川CCが私たちのレンタル移籍における「受け入れ先」として関わるかたちで協力関係が始まりました。

 

「レンタル移籍」という言葉は、サッカー界では選手が一定期間、他クラブへ移籍する制度として広く知られています。

 

受け入れ先として最初の案件が動き始めた際、「サッカークラブと組んでいるのであれば、これまでビジネスの世界で使ってきた“レンタル移籍”という概念が、まさにリアルな形で実現している」といった話になりました。

 

私たちはこれまでビジネスの文脈で「レンタル移籍」という言葉を使ってきましたが、サッカークラブとの協業によって、その言葉に、新たな広がりが生まれたと感じています。単なる支援にとどまらず、共に発信していくことで、普段ビジネスの文脈でしか届かなかった方々にもサービスを知っていただくきっかけになります。そうした意味でも、非常に自然な流れでの取り組みだったと思います。

 

支援するチームと取り組まれていることはありますか?

現在、具体的に進めているのはSNSを活用した共同コンテンツの制作です。品川CCは発信力の高いSNS運営に定評があるため、その強みを活かして選手や監督、そして越境プログラム参加者へのインタビューを行う予定です。

 

選手ご本人のキャリアについて語っていただいたうえで、サッカーにおけるレンタル移籍の経験はあるか、ビジネスでそれをやるとしたらどう思うかという話をしてもらい、それを私たちのSNSでも発信していく形を考えています。今後3か月かけてコンテンツの方向性を固め、双方にとって意義のある発信を積み重ねていく計画です。

 

また、アスリートの現役中のキャリアや引退後のキャリアという文脈でも、私たちの知見を活かした連携を模索しています。スポーツ選手の引退後のキャリアは今、非常に注目されているテーマです。この観点も取り入れたいという話もすでに出ており、スポーツとビジネスをつなぐコンテンツとして、じっくりと育てていきたいと考えています。

 

 

ロゴが語る誇り、そしてスポーツとビジネスが交差する未来へ

社内ではどのような反応がありましたか

社内の反響は、正直なところ私自身が想定していた以上のものでした。背面にスポンサー企業のロゴが並ぶ練習着を購入できる機会を設け、1着目は会社負担の福利厚生として提供したところ、社内で半数以上が購入してくれました。中には半袖と長袖を合わせて3着購入し、飾る用と着る用に使い分けているメンバーも現れました。自社のロゴがスポーツチームの練習着に載ると、これほど誇らしい気持ちになるのかと気づいたという声も複数上がりました。

 

私自身がFacebookでこの取り組みを発信したところ、普段はビジネス関連の投稿やプレスリリースに反応しない人たちからもコメントをいただきました。違う切り口で発信することで、これまでリーチできていなかった層からの共感や関心を得られることを実感しています。

 

支援するチームと今後どうなっていきたいですか

今後の展開として描いているのは、スポーツとビジネスを横断するキャリア支援の文脈での協力です。アスリートが現役中に積む経験や、引退後のキャリアというテーマは、越境学習とも強い親和性があると感じています。

 

先日、知人とのゴルフの席でJ2クラブに所属するJリーガーと話す機会がありました。そのJリーガー自身がレンタル移籍の経験者だったこともあり、品川CCとの取り組みを話すと大きな共感を示していただきました。ご本人が将来の引退を視野に入れ始めている中で、自分のクラブチームも持っているとのことで、いろいろなやり取りができそうだという話にもなりました。

 

スポーツ選手のキャリアに私たちが関われる場面は、まだ多く残されていると思っています。品川CCとの取り組みを足がかりに、その可能性を少しずつ広げていきたいと考えています。スポーツという切り口から越境の概念を発信することで、より幅広い方々にこの仕組みを知ってもらいたいです。そのためにも品川CCとの関係をしっかりと育てていきたいと思っています。

 

 

長年の思いが形になったスポンサードが、グラウンドに届けるエール

スポンサー契約のご感想を教えてください

実は前職で、スポンサー契約を検討したことがありました。

 

あの時は様々な理由で諦めましたが、その記憶がずっと心の片隅にありました。今回は、条件面だけでなく、発信を一緒に取り組んでいただけるという点で、ただロゴを貼るだけのスポンサードとは全く異なる意味があると感じています。

 

自社の事業や取り組む姿勢を、スポーツという切り口を通じて広く知ってもらいたいという思いが実現できる形として、率直にポジティブな手応えを感じています。発信を一緒にやっていただけるというところにものすごく価値を感じています。ロゴを掲載してもらうこと以上に、それが本質だと思っています。

 

応援しているチームへのエールをお願いします

私自身もずっとサッカーを続けてきましたので、それを職業として続けている選手たちには、本当に尊敬しかありません。先輩や同級生にプロを目指した人も多くいましたが、続けていくことの難しさを身近で見てきたからこそ、今シーズンの昇格争いを、たとえ直接スタジアムに足を運べなくても、心から応援しています。上のカテゴリーに上がれるよう、全力で戦い抜いてください。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

企業情報

法人名

株式会社ローンディール

HP

https://loandeal.jp/

設立

2015年7月7日

事業内容

  • 「越境」をコンセプトに、人材育成・イノベーション創出・キャリア自律等、企業の人事・組織課題に応じた複数の事業を展開

 

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