株式会社ネクスウィル 代表取締役 丸岡智幸

「訳あり不動産」というニッチな市場で独自のポジションを確立しながら、地元・茨城のスポーツチームとタッグを組んで空き家問題の解決に挑む。株式会社ネクスウィル代表取締役の丸岡智幸氏に、水戸ホーリーホックへのスポンサーシップの意図と、不動産×スポーツが生み出す新しい地域活性化モデルについて、率直に語っていただいた。

 

訳あり物件専門買取で市場に流動性を生み出す

事業の内容をお聞かせください

弊社は全国の「訳あり不動産」の買い取りを軸に事業を展開しています。

 

世の中には、共有名義で売却の意見がまとまらないもの、再建築ができないもの、事故物件、需要の少ない地方の空き家など、さまざまな種類の訳あり不動産があります。特に、所有者不明土地は国土の2割を占めます。

 

なかでも私たちが独自性を発揮しているのは、共有持分の買い取りです。共有持分とは、1つの不動産に対し、所有者が複数人いる状態のことです。多くは相続や離婚が原因で発生しており、弊社では一部の持分を買取り、権利関係を整理して再販しています。また、相続が繰り返されると複雑な権利関係が生まれることもあります。

 

共有者の中には、自分が権利を持っていること自体知らない方もいらっしゃいます。連絡先すら不明な共有者を、弁護士や司法書士といった士業のネットワークを通じて戸籍を辿りながら一人ひとり追跡し、全員から権利を取得して不動産を1分の1に整理しています。

 

このように難しい案件を手がけることで、長年放置されてきた物件に再び流通の道を開いています。

 

支援に至るまでの背景を教えてください

私自身、茨城県出身で、友人がホーリーホックのスタッフだったことがパートナーシップを結んだきっかけです。空き家をはじめとする訳あり不動産の買取事業を展開する中で、空き家問題の解決には民間業者だけでなく自治体との連携が不可欠だと痛感していました。

 

そこで、せっかくなら地元の茨城県から始めたいと考えていたところ、地域との連携を密に行なっているホーリーホックの話を聞き、それならば、ホーリーホックの応援を通じて様々な自治体と連携し、地域を活性化していくのが最適なのではないかと思い、連携がスタートしました。

 

2023年にシルバーパートナーとして契約を結んだのを皮切りに、ゴールド、エメラルドと段階的にパートナーランクを引き上げ、2026年にはダイヤモンドパートナーになりました。

 

その背景には、単なるスポンサーシップを超えたビジネス上の成果がありました。自治体連携を模索する中で、ホーリーホックが「空き家の相談窓口」を担う形に発展し、さらには茨城県庁とホーリーホックが空き家連携協定を締結するという展開になりました。

 

当初はスポンサーとして会社のブランディングができたらいいなと考えていたのですが、結果的にはそれ以上の利益に繋げることができる仕組みを作ることができました。

 

 

オーナー企業不在の自由な風土が、前例のない取り組みを生む

なぜそのチームを支援するのですか

ホーリーホックは、Jリーグの中でもかなり珍しい存在で、大手スポンサー企業が事実上のオーナーとして運営方針を左右するクラブが多い中、ホーリーホックには特定のオーナー企業が存在しません。多くのスポンサー企業がそれぞれの立場でクラブを支える、いわば「みんなで作るチーム」という雰囲気があります。

 

だからこそ、こういう新しい取り組みができているのだと思います。スポーツチームは多額のお金がかかるので、どうしても大きいオーナー企業の意向に従う形になりがちですが、ホーリーホックはその点で異なり、それがこの取り組みを実現できた大きな要因だと感じています。

 

支援するチームとのご関係は

ホーリーホックとの関わりは、試合観戦や企業ロゴの掲載にとどまりません。現在、ホームゲームの際に空き家の相談ブースを設けることが計画されています。

 

不動産会社にいきなり相談するのは、敷居が高いと思う方も多いです。しかし、ホーリーホックという窓口ならフラットに来てもらいやすく、そこから弊社につながる案件が生まれています。また、スポンサー企業同士の横のつながりからご紹介をいただくケースも増えてきています。

 

さらに、ホーリーホックのブランドを冠した民泊施設の開設プロジェクトも進行中です。弊社が空き家を買い取り、民泊用にリフォームした上でホーリーホックのブランドとして展開するというもので、今年水戸に新たに支店を開設したのもこの動きを加速させるためです。

 

 

スポーツが人を呼び、空き家が経済を回す。地域に生まれる新しい循環

支援するチームに今後どうなってほしいですか

まずはJ1に残留してほしいです。取り組みの観点からすると、スポーツチームの人を集める力を最大限に生かしてほしいです。人口が減り続ける地方では、空き家は増えるばかりです。また、単に空き家を1件2件買い取るだけでは、地域の人の流れは変えられません。

 

しかし、ホーリーホックには人を集める力があります。その人流を、空き家の利活用という形で地域経済に落とし込んでいきたいです。例えば、試合を見に来た人たちが泊まれる場所があれば、食事もできますし、そこに雇用も生まれます。

 

民泊を作ろうとしているのは、まさにそのためです。この仕組みが成功すれば、全国のスポーツチームに同じモデルを展開できるのではないかと考えています。

 

最終的には、ホーリーホックだけでなく、いろんなスポーツチームのユニフォームに弊社の名前が入るような会社にしたいです。

 

スポンサー料を払うことで双方にビジネス的な利益が生まれるような、前例のないスポンサーシップの形を、私たちが最初に作ったと言われるようになれたらいいなと思っています。

 

 

スポンサー同士の横のつながりが生む新しい価値

スポンサー契約を検討している企業へのアドバイス

単にチームを応援したいからお金を出す、という発想では長続きしないと思います。大切なのは、スポンサーとして参画することで何を得られるかを明確にすることです。そして、同じスポンサー企業同士の「横のつながり」に着目することだと思います。

 

ホーリーホックのスポンサー企業には、銀行、不動産会社、老人ホームの運営会社、残置物の処理業者など、さまざまな業種が集まっています。これらの企業間だけでも「家に関する課題」に関するケースを解決できる可能性があります。

 

このように横の連携を強めていくことで、スポンサーシップが新しいビジネスを生む仕組みになると考えています。

 

一方的にお金を出すだけでなく、スポンサー仲間とのネットワークから案件が生まれ、そこで得た利益をまたスポンサー料に回していくというような循環を設計できれば、スポンサーシップは単なる広告費ではなく、事業投資へと変わります。

 

ホーリーホックの場合は特に、社会的意義のある取り組みに対してオープンなチームなので、自社の事業と組み合わせられる要素がないか、ぜひ考えてみてほしいです。

 

応援しているチームへのエールをお願いします

水戸ホーリーホックのみなさんへ。まずはJ1残留、そして上位進出を目指して、これからも頑張ってください。

我々も微力ではありますが引き続き支援させていただきます!

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

企業情報

法人名

株式会社ネクスウィル

HP

https://www.nexwill.co.jp/

設立

2019年1月29日

事業内容

  • 訳あり不動産買取事業
  • 不動産CtoCプラットフォーム運営

 

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