鴻池運輸株式会社 広報室 坪井 悟氏(左)/古屋 勝英氏(右)

創業以来146年、「期待を超えなければ、仕事ではない」というブランドプロミスを体現し続けてきた鴻池運輸株式会社が、ドイツ6部リーグに所属するサッカークラブ、バサラマインツのスポンサーに就きました。物流という枠を大きく超え、鉄鋼から医療まで多岐にわたる事業を展開するこの老舗企業が、なぜ今、ドイツの小さなサッカークラブと手を結んだのでしょうか。その背景には、偶然とも必然ともいえる「縁」と、理念の深い共鳴がありました。

社会の血流を支え続けて146年。物流の枠を超えた、裏方の力持ちが語る事業の原点

事業の内容をお聞かせください

創業は1880年で、今年で146年目を迎えます。もともと大阪が発祥ですが、現在は東京と大阪の両本社体制を取っています。歴史的には、1945年に国の方針で建設部門と物流・運輸部門が分かれ、そこから鴻池運輸として独立しました。

 

弊社は「鴻池運輸」という社名がついているため、物を運ぶ会社というイメージを持たれる方が多いのですが、実は売上の半分以上は運輸以外の事業で成り立っています。鉄鋼事業に始まり、エンジニアリング事業、食品関連・定温物流事業、メディカル事業、空港事業、国際物流事業など、多岐にわたる領域でお客さまの現場を支えています。

 

一言で事業内容を表すのは難しいですが、大きくいうと「物を運ぶ仕事(物流事業)」と「お客さまの裏方としてお手伝いする仕事(請負事業)」の2つで成り立っている会社です。

 

弊社の事業が広がった背景には、「お客さまの裏方」を担ってきた当社ならではの経緯があります。

 

例えば鉄鋼分野では、当初は原材料の運搬から始まりました。しかし、「荷物を置いておいてほしい」「このスイッチを押してほしい」「その先の作業も任せたい」といったお客さまの要望に応え続けるうちに、自然と事業領域が拡大し、今では製造の全工程を請け負うまでに至っています。

 

弊社のブランドプロミスは「期待を超えなければ、仕事ではない」というものです。これは経営層が押しつけた言葉ではなく、2018年にブランド体系を見直した際、社長から現場の従業員まで数十名にインタビューしたところ、共通して出てきた言葉でした。

 

お客さまの期待に応えるだけでなく、それを超えることを自然と意識しながら働いてきた、弊社のDNAといえるものです。企業理念である「人と絆を大切に」という言葉とともに、日々の事業の根っこにあるものだと思っています。

支援されているチームについても教えてください

バサラマインツは、ドイツ6部リーグに所属するサッカークラブです。元日本代表フォワードとして活躍された岡崎慎司さんが、現役時代から滝川第二高校の先輩とともに立ち上げられたチームで、2014年に設立されました。岡崎さんは現在も監督として、現場からチームをまとめていらっしゃいます。

 

チームの理念は「世界で活躍できるサッカー人材の育成・輩出」です。日本人選手を中心に、海外の選手も含めてグローバルに活躍できる人材を育てることを目指しています。現在は6部リーグに所属していますが、1部昇格を目標に一歩ずつ歩みを進めています。

 

ドイツでの新たな挑戦が引き寄せた、理念の共鳴

なぜそのチームを支援するのですか

ご縁の出発点は、昨年7月に、物流現場向けのシステム・ソリューション開発を手掛ける合弁会社をドイツで立ち上げたことです。

 

これを主導したのが、当時専務で4月から副社長に就任した鴻池忠嗣で、ある方からの紹介を通じて岡崎さんとの接点が生まれました。もし弊社がドイツに拠点を構えていなければ、このご縁はなかった可能性が高いと思っています。

 

岡崎さんからお話を伺っていく中で、バサラマインツの「世界で活躍できる選手を育成したい」という志は、弊社が企業理念に掲げる「人と絆を大切に」という考え方や、海外で事業を展開しながら成長していきたいというマインドと非常に近いと感じました。単に著名な方だからお声がけするのではなく、理念の共鳴があったからこそ、応援したいという気持ちが自然に生まれました。

 

岡崎さんは、純粋にサッカーが好きで、自分で挑戦して道を切り拓いてきた方だということが伝わってきたのと同時に、本当に素朴で真っ直ぐな方だという印象でした。鴻池副社長も直接お会いして人柄に惹かれたとよく話していますが、人を惹きつける不思議な魅力がある方だと感じます。

 

 

支援するチームと取り組まれていることはありますか?

現在はアンバサダー契約という形で、弊社からはユニフォームや練習場へのロゴ掲出という形でスポンサーをさせていただいています。加えて、YouTubeを通じた情報発信にも取り組んでいます。すでに2本の動画を公開していて、さらに複数本分を撮り溜めており、今後も定期的に発信していく予定です。

 

また、岡崎さんが日本に帰国される機会に、弊社の現場を実際に訪問していただいています。現場の従業員と直接触れ合っていただくことで、お互いのシンクロするところを見つけながら関係を深めていきたいと考えています。なお私(坪井)も4月中旬にドイツへ訪問する予定で、監督としての岡崎さんの姿を現地で初めて見させていただくのをとても楽しみにしています。

 

弊社の事業スタイルと岡崎さんのプレースタイルや人柄には共通する部分が多いと感じており、「挑戦」というキーワードや「人材」への想いといった親和性のある部分を、YouTubeなどさまざまな媒体を通じてともに発信していきたいと思っています。

 

■こちらのYouTubeもご覧ください!

【岡崎慎司×KONOIKE】特別対談「未来への熱量と挑戦する力」

【岡崎慎司×KONOIKE】サッカーと物流のデータ活用の最前線を語る!

 

社内ではどのような反応がありましたか

弊社ではこれまで、スポーツチームとして鹿島アントラーズさんやサントリーサンバーズさんを応援するといった例はあったのですが、著名人とのアンバサダー契約という形はほとんど前例がありませんでした。そのため、社内での反応としてはまず「あの岡崎さん?」という驚きの声が多かったですね。

 

私(坪井)は社内広報の編集長も兼務しているのですが、岡崎さんに関する記事を掲載したところ、その号の閲読率が特に高かったです。代表選手として活躍されてきた岡崎さんが弊社と縁を持ってくださっていることは、社員にとっても誇りであり喜びであり、仕事へのモチベーションにもなっているようです。

 

現場に岡崎さんが訪問してくださった際も従業員からの反響がとても大きく、社内全体として非常にポジティブな受け取られ方をしています。

 

支援するチームと今後どうなっていきたいですか

まずはバサラマインツさんに、6部から5部、4部と一歩ずつ上がっていってほしいと思っています。そして弊社も、ドイツでの事業展開を含めてともに成長していきたいという気持ちがあります。

 

ドイツはインダストリー4.0と呼ばれる第4次産業革命の本場であり、物流の世界でも非常に最先端の市場です。岡崎さんもサッカーに新しいテクノロジーを取り入れることを進めていらっしゃいますし、そこでも弊社と向いている方向が一致しています。国内にないものをドイツから取り入れていきたいというビジネス的な思いとも重なっています。

 

バサラマインツさんの発展が、弊社の従業員にとっての「じゃあ自分たちも頑張ろう」というモチベーションにもなっていますので、スポンサーというより、パートナーという感覚でいます。

 

スポンサーではなくパートナーとして。共に成長していく、それが鴻池流の応援

スポンサー契約のご感想を教えてください

岡崎さんが弊社のアンバサダーとしてぴったりだと感じるのは、プレースタイルや人柄が弊社のイメージと重なる部分が多いからです。

 

弊社グループは、現場で汗をかいて、お客さまの裏方として縁の下の力持ちの役割を担いながら、しっかり結果を出すことを大切にしている会社です。岡崎さんも日本代表歴代上位の得点記録を持つ実力者でありながら、決して派手さを前面に出すのではなく、真っ直ぐに走り続けてきた方です。

 

そんな岡崎さんは、弊社グループの社員だけでなく、それほど詳しくない方にもおそらくイメージがぴったりはまるのではないかと思っています。

 

大きな金額で企業が有名チームをスポンサーするというやり方もあると思いますが、縁があってこその今回の形は、弊社にとってとても自然な応援の仕方でした。スポーツへの企業関与がより活発になっている今、こういったご縁を大切にした応援の仕方がもっと広がっていってほしいとも感じています。

 

実際にチームを見学された際に感じたことなどを教えてください

見学を通じてまず目を引いたのが、選手・スタッフの皆さんの爽やかな挨拶です。プレー中はもちろん、日常のコミュニケーションを大切にする岡崎さんの理念がチーム全体に浸透していることが伝わってきました。

 

また練習前後の円陣やハイタッチの様子からは、チームとしての強い結束力が感じられ、選手の家族や友人たちが応援に駆けつけるアットホームな雰囲気も印象的でした。

 

選手の皆さんはサッカーの傍ら生活のために仕事を行っており、試合当日も朝から直前まで仕事をされている方もいるそうです。私自身も非常に驚きましたが、夢と現実のはざまでプレーを続ける姿は彼らのリアルな一面を映し出していました。 

 

試合当日は、グラウンドアナウンサーによる音楽演出や、有志によるたこ焼きなどの日本食販売が行われます。こうした他チームにはないホスピタリティも、バサラマインツならではの大きな魅力です。 

 

今回の見学を通じて、バサラマインツのピッチ上の強さだけではなく、チームとしての姿勢や総合的な魅力を肌で感じることができました。 

応援しているチームへのエールをお願いします

岡崎さんを筆頭に、世界で活躍できる選手を育てるという志を持って、ドイツという異国の地で挑戦し続けている姿に、私たちはいつも力をもらっています。今年4月中旬に現地に伺い、皆さんの熱い戦いを直接目で見させていただきました。

 

6部から一歩ずつ、ともに上を目指していきましょう。弊社も現場で期待を超え続けることを誓いながら、バサラマインツの躍進を心から応援しています。

 

本日は貴重なお話をありがとうございました!

企業情報

法人名

鴻池運輸株式会社

HP

https://www.konoike.net/aboutus/

創業

1880(明治13)年5月

設立

1945(昭和20)年5月30日

事業内容

  • 鉄鋼事業
  • エンジニアリング事業
  • 食品関連/定温物流事業
  • 食品プロダクツ関連事業
  • 生活関連事業
  • メディカル事業
  • 空港事業
  • 国際物流事業
  • インド事業

 

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