
株式会社UPSIDE SPORTS ENTERTAINMENTは、スポーツ・エンターテインメント産業全体の価値を最大化することを目指す企業です。完全無料・非ベッティング型の予想アプリ「なんでもドラフト」を中核に、スポーツ団体へのバリュークリエーション事業、そして業界横断型のコミュニティ事業を展開し、観戦を“参加型”に変える新しいスポーツ体験を提供しています。今回は、森井氏、糸山氏、穂積氏に、事業内容や起業の経緯、今後の展望などを詳しくお聞きしました。
森井氏:当社は、スポーツ・エンターテインメント産業全体の価値最大化を目指し、大きく3つの事業を展開しています。
1つ目は、完全無料・非ベッティング型の予想アプリ「なんでもドラフト」です。もし自分が監督やGMだったら今日の試合は誰で戦うか、というコンセプトのゲームで、選んだ選手の実際の活躍に応じてポイントが加算されます。
自分のチームと他のユーザーのチームで合計点を競い合うため、実際のスポーツの結果を使いながらファン同士の純粋なゲームとして楽しめます。自分の推しチームだけを選んでいると勝てないため、ライバルチームからも選手を選ぶ必要が出てきます。
その結果、特定のチームのファンがリーグ全体や競技そのものを好きになっていく効果も生まれます。扱うコンテンツはスポーツにとどまらず、桜の開花日予想やアカデミー賞の受賞予想、ドラマの結末予想など、あらゆる近未来の出来事をクイズ形式で幅広く展開しています。
2つ目のバリュークリエーション事業では、スポーツやエンターテインメントのIPをテクノロジーや企画、パートナーシップで拡大し、ファンやスポンサー企業に届けることでビジネスを創出しています。コンテンツの幅と時間の幅を広げることで、スポーツ団体の収益構造やファン体験そのものをアップデートしていくことを重視しています。
3つ目のコミュニティ事業では、企業やスポーツ団体、テック企業が垣根を越えて連携する「SPORTS BIZ TECH コンソーシアム」の立ち上げを進めています。スポーツを活用した社会貢献プロジェクトや、スタジアムを起点とした街づくりなど、さまざまなプロジェクトがすでに動き出しています。個社で完結するのではなく、業界全体で伸びしろを創っていくための基盤づくりを行っています。
このようなプロダクトを展開することで、スポーツという産業そのものに新しい価値を生み出し続ける存在でありたいと考えています。

森井氏:中学生の頃に、阪神大震災に関する論文を発表し被災地を含めた多くの人からの反響を得たこと。高校時代に文化祭の委員長としてステージを企画・プロデュースしたことをキッカケに、多くの人に感動を届けたいという想いがあり、新卒ではテレビ局に入社し、番組制作に携わっていました。
TBSでは世界陸上の中継班から報道番組の特別捜査班、サンデージャポンのジャーナリストなどを経て、宣伝プロデューサーに。憧れていた現場での日々は刺激的ではありましたが、激務の中、自分自身が感動することや楽しむ感情が薄れてきていることに気付き、テレビ局、日本も飛び出し、エンターテインメントの本場、アメリカに渡りました。
そこで出会ったのが、ファンタジースポーツでした。自分が監督になったかのように試合に入り込み、スポーツがここまで人を熱狂させられるのかと衝撃を受けました。ただ日本では、その仕組みをそのまま持ち込むことはできません。だからこそ、合法的で誰も傷つけず、それでいて同じ熱狂を生み出せる仕組みを作りたいという想いが、創業の出発点となりました。
糸山氏:森井とは高校の同級生でした。当時から文化祭の委員長を務めるほどのお祭り男で、面白いやつという印象をずっと持っていました。高校卒業以降、別々の領域でキャリアを歩んできましたが、森井から「アプリの開発で力を貸して欲しい」と声をかけてもらったことがジョインのきっかけです。
森井のビジョンに加え、共同創業メンバーの存在も決め手になりました。このチームなら新しいものを生み出せると、純粋にワクワクしました。
穂積氏:大学2年生のとき、授業に森井さんがゲストとして来たことが出会いのきっかけです。その場でインターン募集の話があり、応募したことで当社と関わるようになりました。インターンとして働く中で社員の皆さんが楽しそうに仕事をしている姿を間近に見て、自分もこういう働き方をしたいと感じるようになりました。
その後、大手航空会社への内定が決まったタイミングで森井さんに報告したところ、「おめでとう!でも今後、一緒に働けなくなるのは残念だなぁ。」と言われました。その一言が背中を押し、内定を辞退して新卒から当社に入社することを決めました。

森井氏:当社が最も大切にしているのは、「楽しく、優しく、正しく」です。これは単なるスローガンではありません。自分が取り組んでいる挑戦を楽しめているか、誰かを傷つけていないか、子供に見せられる背中か、迷った時に立ち返るべき場所として、創業時から社是にしていました。
スポーツ予想の領域は、世界的に見ても賭博や不正、スキャンダルなどが隣り合わせです。だからこそ、この領域で事業をやる以上、どこまで正しくあるかを基準にしなければならないと考えています。
違法行為やグレーゾーンには一切手を出さず、景表法や賭博法への準拠はもちろんのこと、予想の項目もネガティブな予想はしないよう心がけています。誰かの犠牲や射幸心の上に成り立つビジネスではなく、純粋なワクワクで人を熱狂させられるようにしています。
また、会社を立ち上げる際に大切にしたのが、人生を彩るための仕事だという価値観です。創業メンバーには、テレビ局や投資銀行、ベンチャーなど様々な経歴を持つ人間が集まっています。
これまでは仕事のための人生を歩んでいたメンバーも少なくありません。だからこそ、自分たちでスタートするからには、自分の人生と健康がまずあって、それを良くするために仕事があるという考え方で、仲間を巻き込んでいきました。
糸山氏:世にないサービスだからこそ、どのように作るかという点には特にこだわりました。森井がアイデアを次々と出してくる中で、それをプロダクトとしてきちんと形にするにはどうすればいいか、さらにユーザーが直感的に理解できるUXにどう落とし込むかが、開発における最大の苦労でした。
無茶振りもありつつ、試行錯誤を重ねながら完成度を高めていきました。最初はスタジアムへ足を運んでチラシを配り、その場でアプリを体験してもらいながら実際のユーザーの声を聞くところから、地道に積み上げてきました。
穂積氏:前例がないからこそ、ユーザーやスポーツファンにいかに「気軽に楽しめそう」と感じてもらうかが、マーケティングにおける最大の課題でした。設問の言葉一つひとつをユーザー目線で考え抜き、どうすれば多くの人に使ってもらえるかを日々試行錯誤してきました。そんな地道な積み重ねが、今の「楽しい」という声につながっているのだと思います。

森井氏:一番大きかった壁は、新しい価値をどう社会に理解してもらうかということ、そしてベンチャーとしてどのように信頼を積み上げるかでした。
日本のスポーツは伝統を重んじる、清廉潔白な文化の上に成り立っています。エンターテインメント性が強く、見方によってはギャンブルに近いと捉えられてしまうこともあります。当社のサービスが受け入れられるまでには、想像以上に時間がかかりました。
だからこそ最初は、自分も大学・社会人として経験してきたラクロスなどの競技やアマチュアスポーツの大会などの現場から価値を証明していくことからスタートしました。
その積み重ねを徹底した結果、徐々に信頼が広がり、世界大会やプロ野球のクライマックスシリーズといったトップレベルの舞台でも公式に採用されるまでになりました。
このゼロから理解をつくり、信頼を積み上げるプロセスこそが最大の壁であり、同時に自分たちの強さを形づくった経験だったと感じています。

森井氏:一番のモチベーションは、自分が楽しみながら、多くの誰かに楽しんでもらいたいという気持ちです。
私は好奇心がとても強いと思っています。気になったら触ってみたり、自分でも試してみたり、誰かからリアクションをもらうのがとても好きです。それが悪い反応であっても、プロダクトを作ってその反応を得るという体験を繰り返せていること自体が、最高のモチベーションになっています。
そしてもう一つ大きいのが、チームで何かをつくることの面白さです。会社の経営はスポーツと似ていると感じています。
一人では絶対にできないものを、仲間と一緒に形にしていき、その過程でぶつかったり、悩んだりしながらも、最終的にひとつの世界が出来上がった瞬間の達成感は私を大きく動かしてくれていると思います。
森井氏:今後は、スポーツ・エンターテインメント産業そのものを進化させるプレイヤーとして、世界で戦っていきたいと考えています。シリコンバレーで感じた圧倒的な差に、今度は自分たちのプロダクトで挑戦したいです。
一方で、私たちだけで変えられる世界には限界があるとも感じています。そのため、SPORTS BIZ TECH コンソーシアムの立ち上げを進めています。志を同じくする仲間が集まり、戦略を議論し、新しい価値を共に創り出す存在にしたいと考えています。良いものを共有し合って産業全体を大きくしていきたいです。
最終的な夢は、自分たちでスポーツチームを持つことです。テクノロジーとエンターテインメントの力で、経営やファン体験を根本からアップデートし、誰もが熱狂できる理想のチームを作りたいです。
「楽しく、優しく、正しく」という信念が世界でも通用することを証明するために、その挑戦をこれからも本気で続けていきます。
また、長年コンテンツやサービスを生み出してきたプロデューサーとして、我が家の3人の娘たちがそれぞれの世界へ大きく羽ばたいていけるよう、しっかりと世に送り出していきたいと思います。そして家族とともに、「楽しく、優しく、正しく」、人生そのものを豊かに彩り続けていきたいと考えています。
糸山氏:当社に入るまでは「かっこいいおじさんになりたい」という目標を持っていました。しかし森井と再会し、目指すべき姿が「面白いおじさん」に変わりました。様々な経験や引き出しを持ち、話していて純粋に面白い人間になるために、畑違いのスポーツ・エンタメの世界に飛び込みました。これからも、「面白いおじさん」になるために突き進みます。
穂積氏:仕事でもプライベートでも、人に何かを与えられる人でありたいと思っています。自分が企画したコンテンツを起点に、誰かの生活がちょっと楽しくなるような作り手でありたいです。プライベートでも、一緒にいるだけで周りがハッピーになれるような存在でありたい。そんな思いが、日々の仕事の原動力になっています。

森井氏:起業にしても何にしても挑戦を「やった自分」と「やらなかった自分」がいると思います。やった自分の未来が気になるのであれば、挑戦するしかないのではないでしょうか。それに尽きると思います。
もし失敗しても、挑戦した自分が見えたということです。挑戦しなかったら、そうじゃない自分しか一生見ることができません。
やらない選択肢はいつでもできます。でも、やる選択肢はおそらくその時にしかできないと思います。まずはその一歩を踏み出すということが大事だと思います。
新卒でTBSテレビに入社し、スポーツ局や情報報道局を経て宣伝プロデューサーとして活動。退社後、NYの専門大学院でMBA(メディア・エンターテインメントビジネス専攻)を取得し、SoftBankに入社。国内外の新規事業、孫正義社長のスピーチライターなどを担当した後、シリコンバレーに赴任し、事業開発・ベンチャー投資で新規事業最優秀賞を獲得。SoftBank退職後は、オープンハウスのCIOとしてシリコンバレー拠点を立ち上げ、新規事業・ブランディングの責任者を務めた。その後、アメリカでBizDevDojo、日本でなんでもドラフト(現 UPSIDE SPORTS ENTERTAINMENT)を創業し、スポーツ・エンタメの再演出を通じて熱狂を創り出すことを目指している。モットーは「楽しく」「優しく」「正しく」。
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法人名 |
株式会社UPSIDE SPORTS ENTERTAINMENT |
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HP |
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設立 |
2019年 |
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事業内容 |
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