トイウェア株式会社 代表取締役 岸 卓甫

戦略コンサルティングからシステム開発、さらにはマーケティングまでを一気通貫で担い、金融領域に特化したプロフェッショナル集団として企業の課題解決に取り組んでいます。システムの提供にとどまらず、事業戦略の策定から運用品質、マーケティングの成果担保まで、お客さまの事業成長を総合的にサポートしている点が特徴です。今回は、代表取締役の岸卓甫氏に、事業の詳細や起業の経緯、そして今後の展望についてお話を伺いました。 

戦略から開発まで、一気通貫で企業成長を支援 

事業の内容をお聞かせください。

当社は、シンプレクスやアクセンチュアといった金融IT・総合コンサル出身メンバーが中心となって創立しました。証券・保険などエンタープライズ金融領域におけるコンサルティングからシステム開発までを一気通貫で担っています。

 

現在は、金融エンタープライズ向けの「Fintech事業」、そしてAIによる規制業種への支援を行う「RegTech事業」、そして金融業界特有のコンプライアンスを踏まえた広告支援を行う「マーケティング事業」を中核として展開しています。

 

主力のFintech事業では、金融機関向けのシステム開発やコンサルティング支援を行っています。現在は、証券会社や保険会社などの金融機関において、専門的な業務理解に基づくAI活用のプロジェクトが中心となっています。

 

当社の技術力と信頼性を証明するものとして、国内の登録暗号資産交換業者の約半数との取引実績(圧倒的なシェア)が挙げられます。このようにシステム開発にとどまらずコンサルティングも含めて培ってきた金融特有の厳格な運用品質が、最先端のAI技術を安全かつ確実に業務へ組み込むための強力な基盤となっています。

 

RegTech事業では、金融機関向けのコンプライアンス支援サービスを展開しています。AIによる通話内容のテキスト化やNGワード抽出、不審な業務の抽出など、厳格なリスク管理と業務効率化を支援しています。

 

また、マーケティング事業では、金融機関と広告代理店の橋渡しを担うとともに、業界特有の複雑な広告・法令対応のノウハウを蓄積しています。この一歩踏み込んだ深いドメイン知識を強みに、現場のニーズに寄り添った独自のソリューションを提供しています。

 

事業を始めた経緯をお伺いできますか?

祖父が宝石店をはじめ複数の事業を経営していたこともあり、幼い頃から商売が身近にある環境で育ちました。大学では金融工学を学び、卒業後はシンプレクスに入社して、金融システム開発やコンサルティングの経験を積みました。

 

起業を考えるようになったきっかけは、システム開発やコンサルティングに携わる中で、お客様への支援範囲に限界を感じたことです。システムを提供するだけでなく、マーケティングや事業戦略まで含めて、お客様の事業成長をもっと幅広く支援したいという思いが強くなっていきました。

 

しかし、会社として対応できる領域にはどうしても制約があります。そこで、自分たちの手でより幅広い支援を提供し、お客様の事業成長に深く関わりたいと考えたことが、起業のきっかけになりました。

 

新卒で入社したシンプレクスで鍛えられた経験は、今振り返っても本当に良かったと感じています。その上で、開発の枠に留まらず、お客様の事業全体を支援する存在を目指してトイウェアを立ち上げました。

金融領域で求められる、考え抜く力とチームワーク 

仕事におけるこだわりを教えてください。

私たちが大切にしているのは、自分たちの頭で考え抜き、お客様に価値を提供することです。

 

金融業界は、他の業界と比べて高い専門知識や品質が求められます。法律や規制を正しく理解した上でシステムを設計する必要があり、高度で複雑な課題も少なくありません。そうした難しい課題に対して、論理的に考えながら最適な解決策を導き出せる組織でありたいと考えています。

 

そのため、採用にも強いこだわりがあります。特に論理的思考力や考え抜く力を重視しており、選考段階でしっかり見極めています。中途採用では大規模システムの開発経験や高度な業務経験を求めていますが、新卒採用では将来のトイウェアを牽引する中心メンバーになってほしいという強い期待を持っています。

 

だからこそ、目先のスキルではなく、論理的思考力と考え抜くポテンシャルを何よりも重視しています。また、スキルと同じくらい大切にしているのが人柄です。私たちの仕事はチームでお客様の課題を解決していくため、周囲と協力しながら仕事を進められる能力が欠かせません。

 

どれだけ優秀な人でも、一緒に働く仲間から信頼されなければ大きな成果は生み出せないと考えています。そのため、協調性やチームワークを大切にできる人と働きたいと思っています。

 

 

起業から今までの最大の壁を教えてください。

今まさに向き合っている課題が、一番大きな壁かもしれません。近年はAIの進化が急速に進み、コンサルティングやシステム開発のあり方そのものが大きく変わろうとしています。私たちも、この1〜2年が大きな転換期になると感じています。

 

そうした環境の変化に対応するために、私たちはお客様の業務を深く理解し、課題整理からシステムの設計・開発・運用までを一貫して支援する体制をさらに強化しています。

 

最近はFDE(Forward Deployed Engineer:顧客の最前線で共に課題解決にあたるエンジニア)という職種も注目されていますが、振り返ってみると、私たちは創業当初からそうした役割を担ってきました。

 

AIによって一部の業務は自動化されていくと思いますが、お客様の業務を理解し、課題解決まで伴走する力の重要性は変わらないと考えています。

AIによって広がる課題解決の可能性 

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

一番のモチベーションは、お客様の課題を解決し、事業成長に貢献できることです。創業当初からお客様の事業を総合的に支援したいという思いで事業を続けてきました。まだまだ支援できる領域は多く、難しい課題を解決できた時に大きなやりがいを感じます。

 

また、AIの進化に対しても不安より期待の方が大きいです。AIによってシステム開発や業務改善のハードルが下がることで、これまで対応が難しかった課題にも取り組めるようになります。

 

お客様に提供できる価値や解決できる課題の幅がさらに広がっていくことに、大きな可能性を感じています。

今後やりたいことや展望をお聞かせください。

今後は、AIを活用した業務効率化の領域をさらに広げていきたいと考えています。

 

現在も多くの企業で、人が手作業で行っている業務が数多く残っています。これまではシステム化にかかるコストが高く、導入効果とのバランスが合わないケースも少なくありませんでした。しかし、AIの進化によってシステム開発のコストが下がり、これまで自動化が難しかった業務にも対応できるようになってきています。

 

将来的には、より多くの業務が自動化される時代が来ると考えています。そうした中で、私たちは金融業界や大企業向けの支援で培ってきた厳格なコンプライアンスやセキュリティの知見と、最先端のAI技術を掛け合わせ、お客様の業務効率化や生産性向上を幅広く支援していきたいと考えています。

 

起業前に積み上げるべきは、信頼という財産 

起業しようとしている方へのアドバイスをお願いします。

起業のハードルは以前に比べて大きく下がっており、挑戦しやすい時代になったと思います。その上で大切なのは、日頃から信頼を積み重ねておくことです。

 

実は創業当初、大きな案件を受注できる前提で会社を立ち上げたのですが、創業から間もないタイミングでその案件がなくなってしまいました。

 

そんな状況を支えてくれたのが、これまで一緒に仕事をしてきた方々や過去のお客様でした。新たな仕事を紹介していただき、会社を続けることができたのです。

 

起業において、信頼は大きな財産です。起業するかどうかに関わらず、目の前の仕事に誠実に向き合い、信頼関係を築いていくことが将来必ず自分を助けてくれると思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

起業家データ:岸 卓甫氏

1985年生まれ。東京学芸大学卒

学生時代から金融工学を専攻

卒業後、シンプレクス・テクノロジー株式会社に入社。債券・CFD・FX・バイナリーオプション・株などの取引系システムのプロジェクトマネージャーとして9年間活躍

2017年3月、同僚らとともにトイウェア株式会社を創業

企業情報

法人名

トイウェア株式会社

HP

https://toiware.co.jp/

設立

2017年3月

事業内容

  • Fintech事業
  • RegTech事業
  • マーケティング事業

 

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