株式会社Waris 共同代表 田中美和氏 

株式会社Warisは、フリーランスやリモートワークなどの柔軟な働き方を希望する女性と、人材を求める企業をつなぐ人材マッチングサービスを提供しています。人事・経理などのバックオフィスや営業・マーケティングといったビジネス系職種に強く、フリーランス案件、正社員転職、女性役員紹介まで多様な選択肢を用意している点が特長です。今回は、共同代表である田中美和氏に 、女性の柔軟な働き方を支えるサービスの強みや、ベネッセコーポレーショングループ参画を経た事業展開について伺いました。

「Live Your Life」を掲げ、女性の多様な働き方を支える人材サービス

事業の内容をお聞かせください

当社は「Live Your Life すべての人に、自分らしい人生を。」をビジョンに掲げ、一人ひとりの多様な生き方・働き方を支援する人材サービスを展開しています。主に、フリーランスやリモートワークなど柔軟な働き方を希望する方と、人材を求める企業をつなぐ事業を行っており、現在は約3万人の方にご登録いただいています。 

 

中心となるサービスの一つが「Warisプロフェッショナル」です。人事や経理などのバックオフィス、営業、マーケティングなどの経験を持つプロ人材と企業を、業務委託でマッチングしています。企業側は、月30〜40時間程度、最短3カ月から必要な人材に業務を依頼できる仕組みです。

 

また、30代40代を中心とした経験豊富な女性人材を社員候補としてご紹介する「Waris転職」というサービスも展開しています。加えて、「Warisエグゼクティブ」では、女性の社外取締役や監査役候補と企業をつなぐ支援を行っています。特に上場企業やIPOを目指すスタートアップ企業から、女性のボードメンバーや監査役を登用したいといったご相談をいただいています。

 

さらに、仕事に直結するリスキング(学び直し)を提供する「Warisリスキリング」も展開しています。これまでのキャリアで培ったスキルを土台に、新たな知識やスキルを身につけていただくためのサービスで、直近ではClaudeなどのAIを活用し、人事やバックオフィス業務を効率化するための講座も提供しています。

 

そして、今年9月には、AI業務改革を推進するプロ人材の紹介サービス「Waris AIプロ」も立ち上げました。AI活用を進めたい企業の「推進人材がいない」という課題認識と、実務経験豊富なプロ人材が持つ”AI実装力”を接続することで、企業のAI活用による業務効率化や生産性向上を支援します。

 

当社のご登録者は、30〜40代が中心で、8割以上が女性です。フリーランスとして活動している方のほか、会社員、育児や介護、配偶者の転勤などを理由に一時的に離職している方もいます。多くの方が、人事や経理、営業、マーケティングなど、これまでのキャリアで培った経験やスキルを持つ即戦力のプロ人材です。

 

また、多様な人材と企業を適切につなぐため、ご登録後は、登録情報をもとに、当社のカウンセラーがオンラインで面談を行います。履歴書や職務経歴書だけでなく、面談を通じて志向性や働き方の希望まで確認したうえで、マッチする企業を厳選しておつなぎしています。

 

企業側についても、新規のお問い合わせに加え、これまでの事業を通じて築いてきた約2,900社の既存クライアントと法人担当のコンサルタントが日頃からコミュニケーションを取り、求める人材像を把握しています。

 

経験やスキルだけでなく、スタートアップ特有のスピード感や、変化の多い環境にも柔軟に対応できるかといった点まで見ながらマッチングしていることが、当社の強みだと考えています。

 

「柔軟性」と「流動性」で、成果にコミットする働き方を支える

仕事におけるこだわりを教えてください

私が仕事をする上で一番こだわっているのは、ご登録いただいた皆様に喜んでいただき、自分らしい人生づくりをお手伝いすることです。同時に、クライアントである中小・スタートアップ企業の挑戦を、プロ人材のご紹介を通じて支援したいという想いも強く持っています。

 

そのために大切だと考えているのが、働き方の「柔軟性」と「流動性」です。テレワークやフレックスタイムなど、柔軟な働き方ができることに加え、ライフステージの変化に合わせて、働く場所や働き方を変えていけることも重要だと考えています。

 

いわゆる「キャリア自律」という考え方ですが、市場や環境の変化が激しい今の時代だからこそ、個人も企業も変化を前提としたキャリア形成や組織づくりを行っていくことが大切だと感じています。

起業から今までの最大の壁を教えてください

常にさまざまな壁はありますが、企業の皆様に私たちのサービスを知っていただくことは、創業当初から現在まで続く課題の一つです。創業初期は、3人それぞれの知人のつながりをたどり、企業の人事担当者や経営者の方にお時間をいただいて、実際にサービスを使っていただくところから始めました。

 

あわせて、ビジネスコンテストや東京都のアクセラレーションプログラムなどにも積極的に応募し、それらをきっかけに少しずつ認知を広げていきました。現在はフリーランス人材のマッチングに参入する事業者も増えているため、サービスを知っていただくだけでなく、その中でどう差別化していくかも重要だと考えています。

 

また、メンバーが20〜30名と増えていく中で、組織づくりやビジョン、目標をどのように共有していくかという点にも、常に模索しながら取り組んでいます。

「人生が変わりました」の一言が原動力

進み続けるモチベーションは何でしょうか?

何よりの原動力は、マッチングが成功した際に、ご登録者様から「Warisのおかげで人生が変わりました」と言っていただけることです。企業様から「事業が伸びた」「助かった」と言っていただけることも、大きな励みになっています。

 

ありがたいことに、初期からご紹介の連鎖でサービスが広がってきました。ご登録者様と企業様、双方に喜んでいただけたからこそ、口コミや紹介につながってきたのだと思います。こうした一つひとつの成功体験が、次へ進む力になっています。

 

今後やりたいことや展望をお聞かせください

直近では、「女性のキャリア課題を解決するナンバーワン企業になる」ことを目標に掲げています。フリーランス、正社員転職、役員紹介といった多様な選択肢にリスキリングを組み合わせながら、女性がその時々で自分らしく働ける社会の実現に向けて挑戦を続けていきたいと考えています。

 

また、今後はAIへの対応も重要だと考えています。実際に案件を調査すると、AIを活用した仕事は増えており、単にツールを使うだけではなく、業務に組み込み、効率化や自動化まで設計できる人材へのニーズが高まっています。特に中小・スタートアップ企業では、社内に専門人材がいないケースも多いため、AIに強い外部のプロ人材が求められています。

 

こうした変化に対応するため、今後はAIリスキリングにも力を入れていきたいです。フリーランスの方は研修の機会が少ないため、学習格差をなくすという意味でも、積極的に学べる環境を提供していきたいと考えています。

課題を持つなら、起業という手段でチャレンジを

起業しようとしている方へアドバイスをお願いします

起業を通じて、多くの方の課題解決に貢献できているという実感があります。もし解決したい課題や取り組みたいテーマがあるのであれば、起業という選択肢でチャレンジしてみてほしいと思います。

 

私自身、フリーランスとして働いていた頃と比べて、会社を経営することでより多くの方に影響を届けられるようになったと感じています。さまざまな人と協力しながら、より大きな課題を解決していきたいと考えている方にとって、起業は一つの有力な選択肢だと思います。

本日は貴重なお話ありがとうございました。

起業家データ:田中美和 氏

2001年日経ホーム出版社(現日経BP)入社。「日経ウーマン」編集記者として3万人以上の働く女性を調査・取材。2012年退職後、フリーランスライター・キャリアカウンセラーを経て2013年Waris設立。一般社団法人フリーランス協会理事、経済同友会会員。

企業情報

法人名

株式会社Waris

HP

https://waris.co.jp/

設立

2013年4月1日 

事業内容

  • Warisプロフェッショナル:ビジネス系フリーランス女性と企業のマッチングサービス
  • Waris転職:ハイキャリア女性向け転職支援サービス
  • Warisエグゼクティブ:女性役員(取締役・社外取締役・監査役・執行役員等)の人材紹介サービス
  • Waris AIプロ:AI業務改革を推進するプロ人材の紹介サービス
  • Warisリスキリング:仕事に直結するリスキング(学び直し)を提供
  • 各種多様な生き方・働き方に関するセミナー、イベント等の企画・開催・運営
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