共同経営の成功例

共同経営は場合によってはうまくいかないこともあり、起業まで踏み切れない方もいるのではないでしょうか。確かに、意見の食い違いや経営の悪化がトラブルにつながることもあります。

 

しかし、共同経営は相乗効果を発揮できる場合もあり、成功している企業は多いです。

 

本記事では、共同経営の成功例や成功するポイントについて詳しく解説します。うまくいかない理由や失敗しないためのコツも紹介するので、共同経営を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

 

共同経営の成功例

共同経営は失敗するリスクが高いと言われていますが、成功した企業も多く存在します。この章では、ベンチャー.jpがインタビューした企業の中から、共同経営で成功している事例を2件紹介します。

 

株式会社Creative Group

株式会社Creative Groupは、国内外の美容業界のPR事業や学習塾の運営・インフルエンサーを活用したプロモーションなどを行っている会社です。学生時代の友人と創業し、共同経営を行っています。

 

2015年に学習塾を創業以来、当時ではまだ珍しかったSNSを活用したPRで、地元のみならず全国の生徒の集客に成功。それらで培った知見からインフルエンサー事業を立ち上げ、わずか2年で国内外の企業が利用するサービスまで成長しました。

 

これまで美容や美容医療、スキンケア、アパレルなどを中心に300社以上のプロモーションやPRなどの施策を実施し、現在はSNS運用代行事業やメディア事業など幅広く展開しています。

 

新しいサービスをお客様の課題から派生して生み出しているため、今後も事業の拡大が期待できます。

 

株式会社YUMRICH

株式会社YUMRICHは、国産の穀物をベースとした植物性ミルクによるプラントベースアイス「yumrich(ヤムリッチ)」を手がける会社です。10年来の友人と創業し、共同経営を行っています。

 

牛乳を一切使用しないヤムリッチを通じて、環境問題とアレルギー問題にアプローチしています。これまでのプラントベースフードやヴィーガンフードは環境や健康への配慮を第一に考えられた商品が多くありました。一方で、株式会社YUMRICHでは、食としての美味しさや楽しさを最優先にしているのが特徴です。

 

2023年1月にブランドローンチを迎えたばかりですが、今後プラントベースアイスとしての認知度拡大が期待できます。

 

共同経営が実際に成功したポイント

共同経営が実際に成功したポイントとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • 目指したビジョンが同じ
  • 信頼できるパートナーが見つかった
  • コミュニケーションを惜しまなかった

 

共同経営が成功した会社には、共通のポイントがあります。失敗するリスクを抑えるためには、ポイントを把握することが大切です。

 

目指したビジョンが同じ

目指すビジョンが同じであることは、一番欠かせない条件です。パートナーと目指すビジョンが同じであれば、意見が対立した場合でも、お互いにビジョンを達成させられる最善の選択がしやすくなります。

 

仮にビジョンが異なれば、やりたいことや目標が噛み合わず、ビジネスを続けていくことが難しくなる場合があります。

 

経営者は多くの人を巻き込む力が重要なため、まずお互いのビジョンを明確にし、それに共感してもらえるビジネスを展開することが事業成功の秘訣といえます。

 

信頼できるパートナーが見つかった

共同経営の成功は、自分にとって良きパートナーを選べたかどうかが鍵となります。友人として信頼できたり、頼れたりする相手でも、必ずしも経営のパートナーとして適しているとは限りません。

 

「自分が不足しているスキルや苦手な分野をカバーできるか」「違う分野を任せられるか」なども考えた上で、最適なパートナーを選ぶと良いです。業務分野が同じ人を選んでしまうと、お互いの仕事量や実績の比較がしやすく、「自分よりも働いてない」「自分よりも成果が出ていない」など、不満につながります。

 

初めての起業で不安に感じる場合は、あえて過去に起業経験のある人をパートナーとして選び、リスクを軽減するのも一つの手です。ビジネスパートナーの探し方や、探す際の注意点については、以下の記事を参考にしてください。

 

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ビジネスパートナーの探し方は?起業仲間を集める失敗しない方法や注意点を解説!

 

コミュニケーションを惜しまなかった

共同経営の場合、意見が食い違うことは多々あります。そのような時でも、相手の意見をしっかり聞き、安易に否定しないことが大切です。相手の意見を聞かなかったり、否定し続けたりすると、コミュニケーションは自然と減っていきます。

 

コミュニケーション不足は人間関係がうまくいかなくなる原因につながるため、相手が間違っていると思っても頭ごなしに否定するのは避けましょう。なんでも話せる関係を構築できれば、お互いに溜め込むこともなくなり、トラブルも未然に防ぐことができます。

 

共同経営がうまくいかない理由

共同経営がうまくいかない理由として、以下の4つが挙げられます。

 

  • 方向性のズレが生じる
  • 失敗や責任のなすりつけ合いになる
  • 複数人で決定するためスピード感が落ちる
  • 権限や仕事量に不満が出てくる

 

共同経営を成功させるためには、うまくいかない理由もしっかり把握しておくことが大切です。

 

方向性のズレが生じる

同じビジョンで起業したとしても、仲違いや認識、方向のズレが生じてしまうことは多いです。しっかり話し合いができる関係であれば、適切なタイミングで軌道修正でき、経営にプラスになることがあります。

 

その一方で、仲違いした後、関係がそのまま修復しない場合、お互いに不満を抱え続けることになります。

 

仮に経営のパートナーが仲が良い友人や家族だからといって、必ずしもうまくいくとは限りません。どのようなパートナーであっても、密にコミュニケーションを重ね、ビジネスにおける信頼関係を築くことが重要となります。

 

失敗や責任のなすりつけ合いになる

意思決定権の所在が曖昧な場合、何か問題が発生した際に、その責任の所在が曖昧であるが故に大きなトラブルに発展する可能性があります。

 

友人や家族など仲良しであればあるほど、意思決定権や職責、重要事項などを決めずに進めてしまう場合があるため、注意が必要です。

 

失敗や責任のなすりつけ合いを防ぐためにも、決めるべき事は明確にしておきましょう。

 

複数人で決定するためスピード感が落ちる

意見や方向性が合致しないと、意思決定に時間がかかりやすくなります。また、経営者が複数人いるため、意見をまとめるのにも時間が必要です。特にスピード感で勝負している企業では、マイナス要因となります。

 

意思決定が遅く、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまう可能性もゼロではありません。そのため、何度話し合ってもなかなか意見がまとまらない場合、最終の意思決定権は誰にあるのか事前に決めておくことをおすすめします。

 

権限や仕事量に不満が出てくる

共同経営の場合でも、権限や仕事量を完璧に平等に分配するのは難しいです。しかし、得意分野や担当業務が似ていれば、権限や仕事量に対して不満を感じることも多く、それが原因で不満が募り、社内で派閥が生まれてしまうこともあります。

 

共同経営のメリットは、お互いの強みを活かし、弱みはカバーしてもらえることです。

 

不公平感が生じないように、日頃からお互いを尊重した人間関係を構築することが大切です。そもそも不満を生まないためには、得意分野が違う人や、担当業務が異なる人をパートナーとして選ぶ方法もあります。

 

共同経営で失敗しないためのコツ

共同経営を成功させるコツとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • 役割や出資については明確化しておく
  • 共同経営契約書を作成する
  • 弁護士や事業の専門家などに相談できる環境を作っておく

 

事前に共同経営の成功させるコツを押さえておくと、失敗するリスクを軽減できます。

 

役割や出資については明確化しておく

意見が割れるとさまざまなトラブルに発展しやすいため、個人の役割や出資などのルールについてしっかり話し合っておくことが大切です。具体的には、出資金の金額や割合、報酬の決め方、コミュニケーションの方法、業務分担などが挙げられます。

 

そのほか、共同経営の権限や事業目的、引退時の継承、契約解除手続きなども決めておくことをおすすめします。できるだけ多くの項目を事前に明確化しておくと、トラブルに発展しづらいです。

 

共同経営契約書を作成する

共同経営契約書の作成は義務ではありませんが、決めた項目を明文化する上でも非常に役立つ書類です。万が一、トラブルが起きてしまっても、契約書があることで解決につながる可能性があります。

 

法人化して共同経営を行う場合は、株主総会や決算制度の手順も契約書に盛り込んでおくと良いでしょう。認識のズレがなくなるため、混乱を回避できます。

 

なお、作成した契約書は契約期間ごとに見直しましょう。常に最適な内容を保持することで、経営の安定にもつながります。

 

弁護士や事業の専門家などに相談できる環境を作っておく

それぞれの経営段階において、弁護士や事業の専門家などに相談できる環境を作っておくことが重要です。アドバイスをもらうことで、安定的な成長につながります。

 

経理の専門知識がない場合や手続きを行う時間が取れない場合は、税理士などの専門家に依頼した方が効率良く進められます。

 

ベンチャー.jpでは、起業サポーターへのインタビューも実施しています。共同経営するにあたって、進め方が分からない、必要な書類を作成したいなどのお困りごとに関して、相談できる人を紹介できる可能性があります。こちらからお気軽にお問い合わせください。

 

友人との共同経営はトラブルに気を付ける

友人との共同経営は、トラブルに気をつける必要があります。具体的な注意点は、以下のとおりです。

  • 仕事のトラブルが友人関係に影響することもある
  • 共同経営を解消するときに揉める可能性がある
  • 取り分で揉めることがある

 

友人だからといって、会社経営も仲良くできるとは限りません。仕事が原因で関係性が悪くなったり、揉めてしまったりすることがあります。

 

仕事のトラブルが友人関係に影響することもある

共同経営は、仕事のトラブルが友人関係にまで影響するリスクがあります。経営方針や方向性、仕事量などで意見が食い違い、お互い不満を抱き始めると共同経営はうまくいかなくなります。

 

仕事とプライベートを分けて考えるのが望ましいですが、なかなかできないのが現実です。そのため、「お互いの仕事に口出しはしない」「言いたいことがあればきちんと話し合う」「意見が食い違っても、頭ごなしに否定はしない」など、最初にルールを決めておくことをおすすめします。

 

共同経営を解消するときに揉める可能性がある

共同経営を解消する場合、資産の分配で揉めると辞めるまでに時間がかかってしまいます。

 

2人で共同経営したのであれば、会社の資産は2人のものです。揉め事が長引くと、精神的なストレスが溜まるだけでなく、お互いの信頼関係も著しく悪化します。

 

お互いの信頼関係が壊れてしまわないように、共同経営解消時のルールも決めておくことが望ましいです。

 

取り分で揉めることがある

利益分配や意思決定権などで揉めることがあります。このトラブルを回避するためには、共同経営契約書で、事業の決定権や意思決定のルールを明確化することが重要です。

 

また、定期的なミーティングや話し合いを通じて、共同経営者間で取り分についての認識を共有すると良いでしょう。

 

共同経営を成功させるためには信頼できるパートナー選びが大切

今回は、共同経営の成功例や成功させるポイントについて詳しく解説しました。共同経営はうまくいかないといわれがちですが、共同経営で成功している会社は多く存在します。成功するためには、本記事で解説したポイントやコツを押さえることが大切です。

また、共同経営のメリットは自分に不足している部分を補える点にあるため、信頼できるパートナーを選べるかが鍵となります。ベンチャーjpでは、起業家のインタビューを多数掲載しています。中には共同経営で成功した会社もあるため、ぜひ共同経営を検討している方はチェックしてみてください。

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