株式会社ライブグループ 代表取締役 小林 裕輝

株式会社ライブグループは、神奈川県海老名市を拠点に、飲食・健康・福祉の3領域で20以上の事業を展開する企業グループです。地域に根差したお客様同士のつながりが強みなのと、事業の垣根を越えて活躍できる「社内転職」の再現度を上げる事によって人材の定着を目指しております。今回は、代表取締役である小林裕輝氏に、家業を継いだ経緯や、今後の展望・人材獲得への思いについて伺いました。

飲食・健康・福祉。11社が支える海老名の街づくり

どのような事業を展開されているのですか?

当グループは、飲食・健康・福祉の3事業を柱に、神奈川県海老名市を中心として11社でグループを構成しています。各事業を個別に展開するのではなく、地域で暮らす人々の生活を多方面から支え、ビジネスを通じて街づくりに取り組むことを目指しています。 

 

もともとの事業基盤は飲食で、先代(父)が1999年に立ち上げた居酒屋1軒から始まりました。現在の飲食事業では、居酒屋やカフェ、仕出し弁当などの外食・中食事業に加え、宅配寿司「銀のさら」や宅配釜飯「釜寅」のフランチャイズ店舗を神奈川県と東京都で10店舗展開しています。 

 

福祉事業は、障がい者の就労支援からスタートし、今では高齢者のデイサービスや身元保証、保育園の運営など、高齢者・障がい者・子どもまで幅広い世代の暮らしを支援しています。

 

健康事業では、ストレッチ専門店「Dr.stretch」のフランチャイズ運営をはじめ、接骨院やAIを活用したパーソナルジムなどを展開しています。海老名市内では、3つの事業を合わせて約20の拠点・サービスを展開しており、飲食、健康、福祉を通じた地域づくりに取り組んでいます。 

 

当グループの強みは、異なる分野の事業を展開しているからこそ、地域のお客様と多方面で接点を持てることです。例えば、飲食店を利用していたお客様がストレッチ店やパーソナルジムにも通い、そこから福祉サービスを必要とする方を紹介してくださることもあります。地域に根差して事業を続けることで生まれる、人と人とのつながりや口コミを大切にしています。

 

もう一つの強みは、事業の垣根を越えて異動できる「社内転職」です。実際に、ストレッチトレーナーから介護施設の施設長へ、宅配寿司の現場から事務職へ転身した社員もいます。

 

ライフステージや適性、本人の希望に合わせて新たな仕事に挑戦できるうえ、すでに築かれた人間関係の中で働き続けられるため、環境が変わっても定着しやすいという利点があります。業種の異なる事業をグループ内に持つ、当社ならではの特徴だと考えています。 

 

ここまで事業を多角化してきた背景には、緻密な経営戦略があったというよりも、お客様やグループの仲間の声に応えながら、その時々に必要とされる事業を形にしてきた歴史があります。

 

例えば、飲食事業で働く社員の腰痛問題をきっかけに健康事業を立ち上げたり、保育園もグループの仲間から「保育園に入れなかった」と相談を受けた際に、それなら自分たちでつくろうと決断してスタートさせています。

 

デイサービスも、ストレッチ店のお客様から寄せられた要望と、秋田県出身のグループの仲間が地元で事業を立ち上げたいという希望が重なったことで始まり、現在は秋田県にも展開しています。

 

お客様やグループの仲間のお困りごとに耳を傾け、一つひとつ応えてきた結果が、現在の飲食・健康・福祉という事業構成につながっています。それぞれの事業は異なって見えますが、地域で暮らす人々の生活をより良くするという点では、すべて同じ目的につながっています。

 

その考えを形にするため、店舗や施設の運営だけでなく、地域の人々が集まり、交流できる場づくりにも力を入れています。

 

小田急電鉄との取り組みでは、約3カ月に一度、地域の方々が自由に参加できる衣類交換会を開催しています。衣類を持ち寄って交換するだけでなく、子どもが遊べるスペースや、保育士に子育てについて相談できるコーナー、協力事業者によるベビーシッターやマッサージなども用意しています。環境への配慮に加え、参加した方が笑顔になって帰れる居場所をつくることが目的です。

 

本社前の桜並木では、年に一度、近隣の商店や地域住民の方々とともに「桜並木まつり」を開催しています。この地域では、かつて商店街が解散し、スーパーも閉店したことで、人通りが減り、街の活気が失われつつありました。

 

そこで、スーパーの跡地に本社を移し、デイサービスや接骨院、カフェなどを展開しながら、地域に再び人が集まる場をつくってきました。「桜並木まつり」も、その延長線上にある取り組みです。子どもから高齢者まで、世代を越えて交流できる機会を生み出し、地域に新たなつながりとにぎわいを取り戻したいと考えています。

 

一方で、多様な事業を運営することには難しさもあります。社内には料理人、トレーナー、治療家、保育士、栄養士、介護職、看護師など、さまざまな専門人材が在籍しています。飲食・健康・福祉では、求められる資格や知識、制度、運営ルールが大きく異なります。そのため、一つの事業で得た経験やノウハウを、そのまま別の事業に生かすことは簡単ではありません。

 

特に福祉分野では、国や行政の方針に沿った運営や書類作成が求められ、扱う情報量も多くなります。異なる専門性や価値観を持つ人材を一つのグループとしてまとめながら、各事業に必要な知識やノウハウを蓄積していくことは、当グループが向き合う課題の一つです。

 

それでも、飲食・健康・福祉の事業と地域活動を組み合わせることで、地域に笑顔を届け、世代を越えたつながりを生み出せることは、当グループならではの価値だと考えています。

 

事業を始めた経緯を教えてください。

当グループは、父が1999年に1軒の居酒屋から立ち上げた会社です。ただ、私自身は元々家業を継ごうと考えていたわけではありません。むしろ、子どもの頃は、F1レーサーやテニス選手、俳優、声優など、毎年のように将来の夢が変わっていました。

 

父が起業したのは、私が中学生の頃です。楽しそうに仕事をする父の姿を見て、漠然と「経営者は楽しそうだ」と感じるようになり、大学では経営学部に進みました。就職に際しては、将来は自分で起業なども考え、他社で一人の社会人としての経験を積み、自らのスキルを磨こうと考え、別の会社へ進む道を選びました。

 

就職活動では、将来経営者になるのであれば、人との出会いや関係づくりを大切にできる力が必要だと考え、人材業界を志望しました。知人からの紹介や口コミをきっかけにウィルグループと出会い、会社説明会で理念や社風に強く惹かれて入社を決め、人材関連の会社で4年間勤務しました。

 

転機となったのは、両親がほぼ同じ時期に体調を崩したことです。これを機に、両親の仕事を支えようと考え、2011年にグループへ戻りました。学生時代には、父の居酒屋でアルバイトをしていたため、会社で働く人たちのこともよく知っていました。

 

振り返ると、自分が今まで成長できたのは、両親だけでなく、会社を支えてくれた多くの人たちのおかげです。そうした方々に恩返しをしたいという思いも、家業へ戻る大きな理由になりました。

 

前職で特に学んだのは、理念経営の大切さです。私自身、ウィルグループのミッション・ビジョン・バリューに共感して入社し、それを実現しようと行動する先輩たちの姿を間近で見てきました。その経験を通じて、理念は掲げるだけではなく、社員一人ひとりの行動につながってこそ意味があると学びました。

 

人を尊重すること。「あなたがいてよかった」と言える存在へ

仕事におけるこだわり、譲れない軸はありますか?

仕事をするうえで大切にしているのは、相手の立場に関係なく、一人の人間として尊重することです。年齢や役職が上だからといって横柄に振る舞ったり、お客様という立場を理由に店員へ高圧的な態度を取ったりすることは、あってはならないと考えています。

 

当グループが掲げる理念は、「あなたがいてよかったと言われる存在になる。あなたがいてよかったと言える存在になる」です。この理念に共感したのも父の会社に入る大きな理由でした。

 

マインド面で前職で最初の上司から学んだものが大きく、その方は、コンビニなどでも店員の方に必ず「ありがとう」と伝える人でした。その姿勢に感銘を受け、私自身もそれ以来15年以上、相手や場所に関係なく、感謝の言葉を伝えることを心がけています。  

 

当グループの理念と自分の人生における価値観がイコールになっています。人と人が関わる仕事だからこそ、立場や肩書ではなく、目の前の相手に敬意を持って接する姿勢はこれからも社内で共有していきたいです。

 

今までで最大の壁は何でしたか?

事業撤退やコロナ禍をはじめ、これまでにも常にさまざまな壁がありましたが、最大の壁はまさに今だと感じています。

 

現在、ライブグループは11社で構成され、アルバイトを含めると約600人のグループの仲間が働いています。代表取締役という立場になった今、その一人ひとりの生活や人生を背負っているという責任の重さを、強く実感しています。

 

グループを理想の姿へ近づけたいという思いはある一方で、組織が大きいからこそ、すぐには変えられない、もどかしさもあります。勢いだけで進めることはできませんが、慎重になりすぎていても何も前には進みません。その間で判断を重ねていくことに、難しさを感じています。

 

もちろん、周囲に相談できる相手はいます。それでも、最終的な決断と責任を負うのは自分です。600人の未来を預かるプレッシャーと向き合いながら、理想とする組織を実現するために、一歩ずつ進んでいきたいと考えています。

 

原点に立ち返り、100億円企業と共に働く仲間を目指す

進み続けるモチベーションはどこにありますか?

迷ったときほど「何のために経営しているのか」という原点に立ち返るようにしています。自分の考えを言葉にすることで思いが整理され、経営者としての覚悟も固まっていきます。そうして原点を再確認すると、自然と前に進む力が湧いてきます。

 

その原点の一つにあるのが、生まれ育った海老名への思いです。現在は、飲食・健康・福祉の事業を通じて、海老名の街づくりに携わっています。自分の生活圏内に事業があるからこそ、お客様の声を直接聞けることは大きなやりがいです。

 

例えば保育園を訪れた際に、子どもたちや先生たちが笑顔で過ごしている姿を見ると、「この事業を始めてよかった」と実感します。そうした光景に触れるたびに、地域の中で喜んでくださる方の輪を、さらに広げていきたいという気持ちになります。

 

中でも嬉しいのは、グループの仲間を褒めていただいたときです。「気が利く社員さんですね」「本当にお客様のことを考えて動いてくれていますね」といった言葉をいただくと、グループの仲間がグループの理念を体現してくれていることを嬉しく思います。日々さまざまな苦労がある中でも、こうしたお客様の声が経営を続ける大きな原動力になっています。

 

もう一つの支えが、家族との時間です。私には妻と3人の娘がいて、休日には一緒に出かけたりすることで気持ちをリフレッシュすると共に、外でサービスを受ける事で顧客の目線で自分たちの事業について考える機会を得る事が出来ています。

 

父は仕事を心から愛する、まさに創業者らしい人です。その姿を尊敬する一方で、私は仕事だけでなく、家族との時間も大切にしたいと考えています。仕事も家族も、関わってくれる人を大切にする。その思いが、経営を続けていくうえでのモチベーションになっています。

今後の展望や野望を聞かせてください。

今後も、飲食・健康・福祉の3事業を通じて、海老名の街づくりに取り組んでいくという軸は変わりません。まずは海老名で圧倒的に必要とされるグループを育て、そこで生まれた成功事例を市外や他県へ広げていきたいと考えています。

 

中長期的な目標は、現在約21億円の売上高を、10年後に100億円規模まで成長させることです。ただし、規模を拡大すること自体が目的ではありません。利益を着実に生み出せる体質をつくり、その成果を新たなチャレンジやグループの仲間へ還元していくことを重視しています。

 

休日を増やすだけでなく、継続的に給与を引き上げ、グループの仲間とその家族の生活の質を高めていく。そのためにも、毎年少しずつでもベースアップを続けられる会社にしていくことが、短期的な目標の一つです。

 

新たな取り組みとして、小田急電鉄との提携により、定員90名の認可保育園を開設する予定です。これまでは企業主導型保育園や小規模認可保育園を運営してきましたが、今回の施設は、これまで培ってきた保育事業の集大成と位置づけています。今後は、そこで得た知見を生かし、福祉施設の運営支援やコンサルティングといった新たな事業にもつなげていきたいと考えています。

 

やるかやらないか。覚悟を持って飛び込む人へ

起業しようとしている方へメッセージをお願いします。

起業は、生半可な覚悟や精神力で続けられるものではありません。それでも、挑戦した人にしか見えない景色や、経営を通じて得られる大きなやりがいが間違いなくあります。同じように苦労を重ねてきた経営者との出会いや交流も、挑戦したからこそ得られる財産です。

 

私自身、起業や経営は「人生をかけて、自分を磨いていくこと」だと感じています。困難な状況も含めて楽しみながら、自分自身を成長させたいと思える人には、向いているのではないでしょうか。

 

経営に必要な知識は、挑戦する中で後から身についていきます。大切なのは、知識が十分にそろうまで待つことではなく、まず一歩を踏み出せるかどうかです。

 

私が前職の上司から教わり、今も大切にしている言葉があります。それは、「できるできないではなく、やるかやらないか」です。起業を考えているのであれば、できるかどうかを悩み続けるのではなく、自分が本当にやりたいのかを問い、その答えが「やる」であれば、勇気を持って飛び込んでほしいと思います。

採用を強化されているそうですね。

求めているのは、店長や施設長などの立場で事業を牽引し、将来的には経営にも携わっていきたいという意欲を持つ方です。

 

採用で大切にしているのは、立場や役職に関係なく、相手を一人の人間として尊重できることです。そのうえで、「自分が働く街をより良くしたい」「関わる人を笑顔にしたい」という思いを持つ方と、一緒に働きたいと考えています。

 

当グループでは、飲食・健康・福祉という異なる事業を通じて、地域の人々の暮らしを幅広く支えています。多様な事業があるからこそ、働く人にとっても、一つの職種にとらわれず、幅広い経験を積みながら自分に合ったキャリアを描ける環境があります。

 

また、年に一度の社員総会や、グループの仲間の家族も参加するバーベキュー大会など、グループの一体感を育む機会も設けています。

 

さまざまな経験を持つ仲間とともに、街づくりという同じ目標に向かって挑戦できることが、当グループで働く魅力です。地域の暮らしを支え、安心できる居場所を一緒につくってくれる仲間を求めています。

➛採用サイトはこちら

 

本日は貴重なお話ありがとうございました。

起業家データ:小林 裕輝 氏

大手人材サービスでの支店や新規事業立ち上げを経て、2011年に先代が1999年に創業したグループへ参画。参画後は、新規事業開発と多店舗展開を主導し、飲食・健康・福祉領域で累計15事業超を立ち上げるとともに、グループ会社5社で代表取締役を歴任し、事業ポートフォリオの拡大と収益基盤の分散を実現する。2020年4月には、事業間シナジーと資本効率の最大化を目的としたホールディングス企業設立に携わり、グループ全体の中長期戦略・組織設計・ガバナンス強化をリード。2026年8月より現職(代表取締役)。「ローカルインパクトカンパニー」として地域課題をビジネスで解決することを軸に、10年後に売上高100億円規模の事業グループへの成長を目指すとともに、「住みやすい街づくりに貢献し、100年続く企業グループとなる」ことをビジョンに掲げている。

企業情報

法人名

株式会社ライブグループ

HP

https://live-group.co.jp/

設立

創業1999年4月26日/法人設立2020年4月10日/2026年4月に現社名へ変更

事業内容

  • 飲食事業:居酒屋(六方シリーズ等)、カフェ、レストラン、宅配寿司(銀のさら)、宅配釜飯(釜寅)、仕出し弁当、バイクメンテナンス事業
  • 健康事業:鍼灸接骨院(B-spo)、ストレッチ専門店(Dr.ストレッチ)、スポーツジム(FINE BODY)
  • 福祉事業:保育(ほほえみ保育園・ほほえみさくら保育園等)、障がい者就労支援B型(カフェYammy Mammy等)、就労移行支援、高齢者デイサービス(さくらクオーレプラス)、高齢者生活支援(たていとの会)
  • ホールディングス管理・コンサルティング:財務・会計・経営・人事・飲食店・フランチャイズ・スポーツジム・保育コンサルティング

住所

神奈川県海老名市東柏ヶ谷1-6-12 大貫ビル1F

アクセス

相鉄線さがみ野駅から徒歩8分

規模・人数

10名(グループ合算600名)

 

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